古い技術雑誌を引っ張り出しています。

フグ毒について
面白い記事がありましたので、ちょっと紹介。



フグは自分では毒をつくっていないそうです。


フグは食物連鎖の結果として、
毒を体内に蓄積しています。

近年、フグ毒のテトロドトキシン (CHNO)は、
フグ以外の動物からもみつかっています。 
イモリ、ハゼ、カニ、ヒトデ、タコ、貝など、
テトロドトキシンは、
自然界に広く存在しています。

テトロドトキシンのおおもとの“生産者”は、
「ビブリオ・アルギノリティカス」など
の海洋細菌だといいます。

これらの細菌をプランクトンが食べ、
さらにそれをほかの生物が食べるといった
食物連鎖の過程で、毒が濃縮されていきます。


フグはこの毒に対して耐性をもっているので、
テトロドトキシンをもつ貝やヒトデなど
海底にすむ生物を食べることによって、
体内に毒が蓄積していく、というわけです。

テトロドトキシンをもつ種では、 
主に肝臓や卵巣に毒が多いが、
皮や精巣、筋肉などに毒をもつ種もいます。

また卵にも毒が含まれます。

フグが体をふくらませたときには、
体表から毒が分泌されるといいます。


テトロドトキシンは猛毒で、
人の致死量はわずか2ミリグラムです。

テトロドトキシンが1グラムあれば、
500人分の致死量になる量です。

そのため、フグの調理には、
免許が必要になっています。 

なお、テトロドトキシンは熱に強く、
加熱してもあまり分解されません。


テトロドトキシンは神経毒で、
摂取すると、20分から3時間ほどで、 
まひや呼吸困難などを引きおこします。 

解毒薬はまだ開発されておらず、
人工呼吸器をつけるなどして、
危険な状態が過ぎ去るのを待つしかありません。

猛毒をもつにもかかわらず、
日本では、フグは大昔から食べられてきました。

縄文時代の貝塚からも、
フグの骨が見つかっています。
フグの身は脂肪が少なく、タンパク質が豊富で、 
日本人の口に合うらしいです。


「無毒」なフグが養殖されています。

海底から10メートル以上はなした
囲いの中で養殖するか、
海水をろ過して陸上の水槽で養殖し、
無毒のエサをあたえて育てれば、
全身が無毒になるといいます。


天然物では猛毒の(肝臓)さえも無毒になります。

長年にわたって、このような方法で養殖された
各地のトラフグ約7000匹の毒性を調べたが、
すべて無毒(検出限界以下)だったそうです。


ただし、養殖なら安全ということもありません。
たとえば、湾を仕切っただけで
海底生物をフグが食べられるような養殖法だと、
毒化してしまいます。


フグが毒化する過程は
完全に解明されたわけではなく、
流通過程での毒フグの混入の可能性などもあり、
厳しい管理が必須なことに変わりはありません。

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残念ながらフグ刺しは食べたことがありません。
1度だけヒレ酒用のフグヒレを貰ったので、
ワンカップに入れて飲んだことはあります。

食べてみたら、きっと美味し過ぎて、
毒の危険も安易に考えて、食べてしまいそうです。

だけど、甘い罠に嵌って後悔出来る歳でもないし、
他に美味しい物は沢山あるし・・・

フグの毒を消すことよりも、
食べる選択肢を消すことにしました😋