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MISS VOICES

 

清水ミチコ/MIDI

 こういうアルバムつくりてー!コメディー集でありながらスネークマンショー等とは違ったコンセプトの「一人多重録音コントアルバム」。ジャケットは黒柳徹子、桃井かおり、松任谷由実、清水ミチコらが銭湯に入っているというイラストレーションで、裏面は井上陽水、安部譲二、ジャイアント馬場などの男湯。激似モノマネの中に矢野顕子の弾き語りが集録されてないのが残念だが、『三人の桃井かおり』が樹木きりんや大原麗子に変身してゆく様は絶品。相原勇など時代とともに表舞台から消えていったモノマネ対象の本人がいるなかで、第一線の清水みちこの生き残りっぷりは、この頃は予想も出来なかった。声のCDだけでなく、顔マネの本まで出しているのだから奇才。

アマリリス名曲大全1962-1989

アマリリス名曲大全1962-1989

アマリリス/アマリリスレコード
 バンドはテクノポップ~プチロックへチェンジしている。2つのアナログレコードを1枚に納めたコレクター対応のCDなので前半と後半でサウンド編成が変わる。事実上アリスセイラー中心のワンマンユニット。『篠原ともえ』とか見て、うわぁ!って衝撃受けた人は、結局、アリスセイラを通過してこなかった人。っていうと、ビミョーに違うけど、無茶弾け愛されキャラとして人の前にずんずんくる様子は、こっちの方がはやいね。音はナゴム系みたいな電波唄。軽々しい安~いスネアが印象的な『シェリーにくちづけ』の日本語版は癖になる。「おとおとおとおと、父ーさーん!」とかコント等ではなく、音楽として大肯定したい、上手さとは違う前へ出るチカラ。

STARLIGHT, MOONSHADOW

STARLIGHT,MOONSHADOW

Mari Iijima/Victor
 「ピアノが好きだ」とか思うのだけど、潜在的にこういうジャケットの、ピアノを弾いている人への憧れがあるのだと思う。音とかメロディ以前に「すみません負けました」みたいな気持ちもあるし。服部克久の弦楽アレンジにピアノのインストなんだけど、原曲バージョンの詞がスッスッスッと浮かんでくるのは、元々のポップセンスの鋭さだろう。『Shine Love』の歌い出しでもサビでもなんでもない「誓いを、立てた、」とか、途中のメロディに導かれでスッスッスッと、カラオケの感覚とはまったく違う呼び出され方で詞が引き出しから出てくる。若山弦蔵のバックグラウンドミュージックでかかっててもおかしくないくらい管楽器も絡んでいる。

ジャパニーズガール

ジャパニーズガール

空気公団、デイジー、NOE、ストロオズ、エクレール、藤本左起代/BAD NEWS Records
 注目どころなのでしょうか、よくわかないけどライブで活躍&人気のギャルバンコンピみたいなの。ジャケ写全員集合が、普通の人すぎで好感度大。とにかく、曲がみなよいです。声は人なりといいますか、和めたり、訴えてきたり。ギターポップの左翼、右翼、正道があつまってます。後年、飛び抜けた存在になったアレとかアレは、このCDがターニングポイント?「ストロオズ」とか、よくぞ日の目をみてくれた。空気公団を知ったのもここから。松田マヨ、デイジーを知ったのもここから。ギター音響系NOEの『telephone』をDJ MIXに使ったりして延々と聴き続けている。

わたしとウクレレしませんか?

わたしとウクレレしませんか?

 夏です!ハワイアン、ボサノバ、カントリー。ウクレレでガールポップ!全曲ライナーノートに教則本的なコード表もついて、実用度の高いCD。渚、裸足、ウクレレとフツーの女の子3人。なんの変哲も無い「芸能感の無いユニットは売りものになるんか?」っていうものを堂々と出したポニー・キャニオン、エライ!こういうものこそ欲している人多いのではなかろうか。インディーズかと思った。日本語詞で歌ってるものが多いので、歌謡ムードもある。インストの『PoePoeのテーマ』は、女子と絡むおっさん伴奏者の微笑みも見える、のか。『バイヤコンディオス』『カイマナヒラ』と締めるところはシメてくれる。探したけど第二弾は出て無いのね。

ナッツ&ミルク

<br />ナッツ&ミルク

アロアズフゥ/アロアズフゥ
 アニメ・ファミコン・テクノ。愛すべきネオ茶の間文化をミックスしつづける二人組アロアズフゥ。ReBirth RB-338(TB-303)ジェネレーション?ライブでは、自作アニメや、高橋名人のビデオでオーディエンスを熱狂の渦に巻き込む。DMカードや大判ポスターもイラストの完成度が高くて人気だった、私に。アロアとプレミアファミリーのライブチケットの半券は今でも大切に持ってるよ。新宿ヘッドパワーあたりでライブしてたどのバンドよりも1曲や1アイテム、どこをとっても特別感があり、CDRのジャケットも、紙インクからして高級なものだった。技術面もセンス的にも、この道のテクノでは一番きれいな音作りをしている。なうしかー。

クレープメーカー

クレープメーカー

 

湯森未紗/NOBLE MAMA
 マウスクリックであっという間に曲が出来上がるソフト、グルーヴメーカー時代に「オリジナリティとはなんぞや」をテーマに掲げ、クレープ屋さんでかかっていてもベストマッチなテクノトラックがお上品に爆発。テクノ界の文化系ガール日照りに終止符を打つ女子もの。カナダから届いたおもちゃ楽器や口でゴニョゴニョ言ってる電子音を映像ソフトで音だけ編集。頭脳派にして直感型の、気合いありありのやる気無さ。本気で売れたいアーティストの隣に、この冗談みたいなCD-Rが並び「新しい、脱力するテクノ」と称される。休日に毛布にくるまってゴロゴロ寝ながら聴けるテクノが見つかってよかったね。ノーブルママレコードの精神性ここにありの金字塔。

トライフォースCD

トライフォースCD

山、社長、ASHITA、yoiya with SUPER FAMILY、TK&トロフィー、893records、LOVE SCREAM TERROR/ウルトラテクノレコーズ
 こんなデビルな北九州福岡産CDが全国発売なんて、日本はヘブンです。全日本レコードメンバー参加のテクノコンピレーション。フロア完全対応、笑兵器。カセットテープで何本か出回っていた代表曲が、さらに高い完成度で世の中へ。ファミコン・ドリフ・ケンシロウ・ジオン軍。ぶちまけろ気合い玉!踊れテクノ魂!次代の幕開け的代表曲『モンキー・マジック』。ラストは返らぬ青春の地平『カントリーロード』。一家に一枚。これの前に『友情』っていう凄いビーバップなカセットテープがあったんだよ。

WATERFALL

WATERFALL

ATLANTIC OCEAN/Clubstitute Records
 ショップ棚で、どれがテクノのCDか手探りしてた。イルカの3DCGジャケットにつられて購入。アナログ盤で有名になったダンストラック。青い海のドルフィンジャンプ。脳天気なんだか南国系なんだか、あっかるいテコテコサウンド。ワビサビのない陽気すぎるダンスものは苦手だけど、ジャケがカッコ良くて手放せない。イルカファンにはたまりませんね。イルカ、クジラ、地球系のカッコイイジャケ見ると買っちゃう。曲は音色が軽めなのが安い感じなので、自分で再生時にエフェクター通したい。あれ?やっぱりあんまり良くないのか。そんなことはない、ヨーロピアンな展開がノーテンキ方向に咲きまくってるだけ。

blue dolphin

blue dolphin

SUNSHOWER/UNDER FLOWER RECORDS
 阿佐ヶ谷ブラックサブマリンレコードでジャケ買いの逸品大当たり!ギターポップというか、バックはループで重くて丸いのリズムがゆったりで、上ものは軽快。さすが下北アンダーフラワーレコーズ1995年の発売。女の子が「チュルッチュッチュー」とか「シャラララ」ハミング唄うヤツ。もともとイルカ系のジャケットには弱い。海の底から水面を見上げて、ゆれながら登る気泡を見ている。浸れる部屋聴き。この年代でこのセンス、早いなぁ。ノーイントロで始まる『memory』が大好きで、DJ-MIXでよく使った。結局、バンドを見たことが無いのだけど、ボーカル女子が2名居たのか、コーラスだったのか謎のまま。