PAPPYS

PAPPYS/1+2Records
出ましたパピーズ。インストあり爆音ギターありの、ガレージパンク。自動販売機でコーラ買ったらホットだった。空き地に洗濯機が棄ててあったけどウチのより綺麗だった。そんなみたいなショック感。安心し切ってるロック兄ちゃんを蹴散らしてのし上がって欲しいです。キャラから衣装まで、ガールズバンドはこうでなくては。英語のガレージギターバンドで軽くノックアウト希望者にはオススメ。コピーもオリジナルも、ほんとスリーピースバンドの息の良さが全面に出ててかっこいい。ロックマニアレコード地帯、西新宿バーンホームズレコード等インディーズレーベル取扱いのとこを探せばあるとおもうよ。ホリデイに『Holiday』かけて出掛けろ。→
フェスタ・マニフェスト
福間未紗/MIDI
フォークギター抱えて、足首には鈴つけて、じゃんじゃかアンプラグドだった福間未紗の音楽宇宙。このアルバムではP-MODELの福間創がトラック作りに大きく携わり、全面的にスペイシーなテクノ色。ドラムンベースとかにしっかりあのボーカルのってるし。一方で、超アナログ楽器、中国胡弓のジャー・パンファンも2曲参加していて。もともと私が大好きなフォークの要素、テクノの要素、古典楽器の要素がこういう形で、まさか福間未紗をコアブロックとして一体になるとは!名曲『ユリの丘』収録。居酒屋洗濯船だったライブ会場が、今回のレコ発はクラブエイジア。重低音音響の4つ打ちバスドラ、シンセパッドに深いリバーブが、やっと戻れる宇宙の天竺を描いた。→
星くず兄弟の伝説

近田春夫&ハルヲフォン/コロムビアミュージックエンタテインメント
歌謡ロック『星くず兄弟のテーマ』を安岡力也が聴いて「あの双子の曲は良い」と褒めたらしい。サントラ形式のこの音楽アルバムリリース後に、手塚真が映画化。軽薄なドラム、TV歌謡ショーを思い出させるグルーヴィーだけど奥行きのない薄っぺらなオケ。さすが、ジューシィ・フルーツのブレイン。詩や唄い方まで、80年代をグリグリ醸し出す。いやべつに、80年代は好きじゃないけど。ジャケットアートの週刊誌風記事「遺恨!タモリ、近田春夫、深夜の魚河岸で骨肉の罵り合い!」の見出しが記念品的CD。関係ないけど、ハルコフォンっていうバンドが吉祥寺あたりで活躍していたんだけど覚えている人いませんか?→
Pop in Bags

Pop in Bags、千葉アリサ、永瀬沙世、太田直子、中原歩/TOYS FACTORY
ティーンのファッションマガジン『MC-Sister』のモデルの女の子たちが出したミニアルバム。本人たちの意思よりも、悪い大人たちに踊らされて発売したんじゃないかと思う程に、良いもたつき感のある音源。4人代わりばんこ1曲づつとか唄ってるのだけど、楽しそうにしゃべってるのとかもあり。カジ(炎)ヒデキらが楽曲を提供しており、ポップ度高い。夏の休日に聴きたくなる。素人感を全面に出しつつ、しかし、かなり良質な瞬間を切り取るスナップ写真。練習繰り返してもうまくはならないし、こなれたうまさは不要の素材の味。これに刺激されて『DJ-Sister』が誕生した。→
S.S.T. BAND LIVE !

S.S.T. BAND/サイトロン
今、テクノの人等が8ビットの音源モジュールを手に入れて、あえて古い家庭用ゲームで鳴らしているようなアレンジやリミックスをしてる様ですが、そのうち時代が流れたら、2000年代に中高生だった少年少女達が、着メロ特有のシンセ音を懐かしみながら、流行のポップスをリミックスするようになるのでしょうか。私が思い入れ強いゲームミュージックは、ゲームセンターにちゃんとした(?)音楽が流れ始めたSEGA大型筐体の草創期です。SEGAの会社もサウンドチームも、初の試みが多い。『ハングオン』、『アウトラン』、そして『アフターバーナーII』。制限が多いながらも、名曲をたくさん生み出した事実は、当時の情熱の度合いと見る。→
WOLF ROCK

GUITAR WOLF/LESS THAN TV
「あれ、プレイヤーこわれちゃったかな?」ってくらいのローファイな音質がイカス。高級ハイファイステレオも即、ラジカセと化す。TDK AD、SONY HF-S、いやいや、むしろmaxell UD1。と、カセットテープのガワのデザインまで思い出しそう。ギターウルフの中なら他のCDの方が聴きやすい事は確かなのだけど、初期GUITAR WOLFが初めっから、レコーディングでもああいう音のまま剥き出しなロックンロールをあらわしていたという証明。でもやっぱ、これは音悪い。メジャーから出たヤツは、悪いながらもバランスいいのがわかったよ。さすがプロのマスタリング。プロになる前のこれもききながし推奨。<→
風かおる街

シバサキヒロシ&実験観察セッション/Omalu Label
柴崎バンド歌ものを核に、周辺メンバーのセッションなど、様々なスタイルを寄せ集めた柴崎ベスト的内容。高野寛好きのニューミージックなしばやん曲『風かおる街』『AGAIN』を、はっぴいえんどのアルバムを教科書にマスタリング。唄の音の取り方の不安さが、実は私のツボ。詞は人の良さにじみまくりの彼と彼女の物語り。dok-s projectのコーラス、ジャムセッションなど、堅実ながらも実験要素あり。そもそも本人が作って配布したのではなく、録り貯めたテープに目をつけたおまるレーベルが、CD-Rを取り扱ってみたくてリリースしたのではないかという、なんとも楽しそうな大学生サークル活動である。→
シャイーン

キャイ~ン/PIONEER
テレビの企画ものでは『ポケットビスケッツ』や『ブラックビスケッツ』。ラジオの企画ものではユニット名『3LDK』(メンバーはキャイ~ンと谷口宗一。ニッポン放送MEGAうま!ラジオバーガー!!)やユニット名『初登場28位』(メンバーはキャイ~ンと鈴木紗理奈。TBSラジオキャイ〜ン編集部・なぁ〜んですかぁ〜?1995年)など、数々の名義でCDリリースを続けている浅井企画キャイ~ンの大本命盤。全般の曲&プロデュースは「フリップフラップ」と一緒でCMJKという、ダンスミュージック寄りのアプローチ。しかし、いかんせんウドちゃんのラップがナニ言ってるのか分かりません。本人はかなり嬉しそうに唄っているから、まーいーか。→
LAST of RIDE 最後の乗り物

LAST of RIDE/Lascaux
阿佐ヶ谷のCD屋ブラックサブマリンで発見して、そこ以外では見たことがない。ネットショップのデータベースにすら無い。帯に記されたリリース情報ではライブの時には16ミリ映画の上映をやていたらしい。映像作家、とミュージシャンのユニット。ちょっと詩が具体的なワードを使い過ぎて、タイトルの印象ほどインナーな世界には入って行けない。語りがあったり、写真もどこか自主映画とか劇団の匂いがする。まぁ、存在として無視できない感じがピリピリ。たぶんボーカルの発声法が劇団員ぽくて、なんか拒絶反応があるのだとおもう。ジャケットは良い。購入者へのビデオの全員プレゼントの応募券がついてたけど、もう対応して無いだろうな。→
Morning Tracks Volume 2
Cicada、Loveclub、Sunday Club、Ree-K、Wes、BT、X-DREAM、UTM、Coral Reef/Ki/oon Sony Records
トランスのコンピレーションっていうかノンストップミックス。かなり上品だけど、精神の中へ中へと入っていき、前へ前へと突き進む。これでもか!というほどのセンシティブなダンスミュージック。物凄い開放感と疾走感。宇宙とか未来よりも、大地や大海原や、地球的なワイド感がひしひしと押し寄せる良質厳選のオムニバス。「こんな夜明けを迎えるRAVE(パーティー)があったら!」という帯コピーの通り、深夜2時30分の最高潮のノリでなく、テクノのもたらす大感動のカタルシスで明け方を迎える音。→

