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Pop in Bags

Pop-in Bags

Pop in Bags、千葉アリサ、永瀬沙世、太田直子、中原歩/TOYS FACTORY
 ティーンのファッションマガジン『MC-Sister』のモデルの女の子たちが出したミニアルバム。本人たちの意思よりも、悪い大人たちに踊らされて発売したんじゃないかと思う程に、良いもたつき感のある音源。4人代わりばんこ1曲づつとか唄ってるのだけど、楽しそうにしゃべってるのとかもあり。カジ(炎)ヒデキらが楽曲を提供しており、ポップ度高い。夏の休日に聴きたくなる。素人感を全面に出しつつ、しかし、かなり良質な瞬間を切り取るスナップ写真。練習繰り返してもうまくはならないし、こなれたうまさは不要の素材の味。これに刺激されて『DJ-Sister』が誕生した。

S.S.T. BAND LIVE !

S.S.T. BAND LIVE !

S.S.T. BAND/サイトロン
 今、テクノの人等が8ビットの音源モジュールを手に入れて、あえて古い家庭用ゲームで鳴らしているようなアレンジやリミックスをしてる様ですが、そのうち時代が流れたら、2000年代に中高生だった少年少女達が、着メロ特有のシンセ音を懐かしみながら、流行のポップスをリミックスするようになるのでしょうか。私が思い入れ強いゲームミュージックは、ゲームセンターにちゃんとした(?)音楽が流れ始めたSEGA大型筐体の草創期です。SEGAの会社もサウンドチームも、初の試みが多い。『ハングオン』、『アウトラン』、そして『アフターバーナーII』。制限が多いながらも、名曲をたくさん生み出した事実は、当時の情熱の度合いと見る。

WOLF ROCK

WOLF ROCK

GUITAR WOLF/LESS THAN TV
 「あれ、プレイヤーこわれちゃったかな?」ってくらいのローファイな音質がイカス。高級ハイファイステレオも即、ラジカセと化す。TDK AD、SONY HF-S、いやいや、むしろmaxell UD1。と、カセットテープのガワのデザインまで思い出しそう。ギターウルフの中なら他のCDの方が聴きやすい事は確かなのだけど、初期GUITAR WOLFが初めっから、レコーディングでもああいう音のまま剥き出しなロックンロールをあらわしていたという証明。でもやっぱ、これは音悪い。メジャーから出たヤツは、悪いながらもバランスいいのがわかったよ。さすがプロのマスタリング。プロになる前のこれもききながし推奨。<

風かおる街

風かおる街

シバサキヒロシ&実験観察セッション/Omalu Label
 柴崎バンド歌ものを核に、周辺メンバーのセッションなど、様々なスタイルを寄せ集めた柴崎ベスト的内容。高野寛好きのニューミージックなしばやん曲『風かおる街』『AGAIN』を、はっぴいえんどのアルバムを教科書にマスタリング。唄の音の取り方の不安さが、実は私のツボ。詞は人の良さにじみまくりの彼と彼女の物語り。dok-s projectのコーラス、ジャムセッションなど、堅実ながらも実験要素あり。そもそも本人が作って配布したのではなく、録り貯めたテープに目をつけたおまるレーベルが、CD-Rを取り扱ってみたくてリリースしたのではないかという、なんとも楽しそうな大学生サークル活動である。

シャイーン

SHI~NE☆

キャイ~ン/PIONEER
 テレビの企画ものでは『ポケットビスケッツ』や『ブラックビスケッツ』。ラジオの企画ものではユニット名『3LDK』(メンバーはキャイ~ンと谷口宗一。ニッポン放送MEGAうま!ラジオバーガー!!)やユニット名『初登場28位』(メンバーはキャイ~ンと鈴木紗理奈。TBSラジオキャイ〜ン編集部・なぁ〜んですかぁ〜?1995年)など、数々の名義でCDリリースを続けている浅井企画キャイ~ンの大本命盤。全般の曲&プロデュースは「フリップフラップ」と一緒でCMJKという、ダンスミュージック寄りのアプローチ。しかし、いかんせんウドちゃんのラップがナニ言ってるのか分かりません。本人はかなり嬉しそうに唄っているから、まーいーか。

LAST of RIDE 最後の乗り物

LAST of RIDE 最後の乗り物

LAST of RIDE/Lascaux
 阿佐ヶ谷のCD屋ブラックサブマリンで発見して、そこ以外では見たことがない。ネットショップのデータベースにすら無い。帯に記されたリリース情報ではライブの時には16ミリ映画の上映をやていたらしい。映像作家、とミュージシャンのユニット。ちょっと詩が具体的なワードを使い過ぎて、タイトルの印象ほどインナーな世界には入って行けない。語りがあったり、写真もどこか自主映画とか劇団の匂いがする。まぁ、存在として無視できない感じがピリピリ。たぶんボーカルの発声法が劇団員ぽくて、なんか拒絶反応があるのだとおもう。ジャケットは良い。購入者へのビデオの全員プレゼントの応募券がついてたけど、もう対応して無いだろうな。

Morning Tracks Volume 2

Morning Tracks Volume 2

 

Cicada、Loveclub、Sunday Club、Ree-K、Wes、BT、X-DREAM、UTM、Coral Reef/Ki/oon Sony Records
 トランスのコンピレーションっていうかノンストップミックス。かなり上品だけど、精神の中へ中へと入っていき、前へ前へと突き進む。これでもか!というほどのセンシティブなダンスミュージック。物凄い開放感と疾走感。宇宙とか未来よりも、大地や大海原や、地球的なワイド感がひしひしと押し寄せる良質厳選のオムニバス。「こんな夜明けを迎えるRAVE(パーティー)があったら!」という帯コピーの通り、深夜2時30分の最高潮のノリでなく、テクノのもたらす大感動のカタルシスで明け方を迎える音。

 

 

 

はね

はね

メンボーズ/BAD NEWS Records
 「た~ましいが、ユーラユーラ~♪」って脱力系フォークデュオ。計算なさそうなあっけらかんとした声がある意味で無垢な魔力。日常の風景、秋の日の日向ぼっこを感じる。ジャケットがかなり物語っている。97年のアルバムなんだけど、ここ数年でもこういうユニット増えたんじゃないですかね。でも、男はゆずとか売れてるわりに、女の子は歌謡ポップスばかりの日本。がんばれガールズフォークデュオ。コケッシーズとかと同じ括りでFMラジオのCMに出ていなかったっけ。インディーズマガジンはいい雑誌だった。メンボーズで繋がった人たちとは、周辺の趣味も一致して、会ったこと無いのに立川談志の本を送ってもらったりしましたっけ。

Earth to Infinity

Earth to Infinity

 

EARTH TO INFINITY/SILENT

 アンビエント、チルアウトなテクノ。無人島に持っていきたい一枚。眠れない時の最後の切り札がコレ。とにかく引き込まれて、しかも眠れる。シリーズや関連アーティストなどが分かったらもっと色々買い集めたいのだけど、とにかく謎の一枚。ドイツ制作のカナダ盤でしょうか?謎の中古屋でゲット。知っている人いたら、本当に連絡ください。蒸気機関車の音がイントロだったり、自動車の通る音の後いきなり日本語のセリフがぼそっと出てくる。「ぜんぜん違うよ、ここは◯◯じゃない」と喋る日本人参加者は誰?サンプリングだとしたら元ネタは?フワフワする数種のシンセパッド音。EARTH TO INFINITY、地球から無限へ。

うろ覚え20世紀

うろ覚え20世紀

 

はなたかこ/NOBLE MAMA

 もともとノーブルママスカートというネット上のスカート屋を掲げ、小劇場に出る劇団の舞台衣装を作る衣装班だった、たかこさんが様々な名義で関わってきた録音をひとまとめにしたもの。映像も音声も残した出演作が多いな。『白戦車フラワーエディット』、『うまえもんず』以外は、アイディアのラフ録音で完成しなかった幻のトラック集。ちょっと危うすぎて他のCDに入れられなかったという裏事情も、束ねれば「そういう感じ」の記録パッケージ。豪華ボーナストラックを含めると差し引きプラスであろう微妙な判定の貴重盤。国内盤とヨーロッパ盤と2バージョンある。違いは『サザエックス』が原曲メドレーバージョンかノンストップ入魂リミックスか。