MAZY REPEATER ep

STRROWS/MIDI Creative
ガールズバンドコンピの「ジャパニーズガール」でののんびり度合いが気になっていたストローズ。ゆらゆら帝国の『ウソが本当に』をカバーしていて、原曲が女の子目線の詞だったことが染み渡る。お茶の水ディスクユニオンインディーズ館の試聴で泣きそうになり購入。っていうか半泣きで帰宅。CDプレイヤーにかけて全泣き。シンプルアコースティック、ギター、ピアノ、ストリングス。この歳の瞬間の録音なんだろうな。『MAZY REPEATER』の2バージョンは、トイピアノ版とストリングス版どちらもシンプルなメロディの切り替えが生きている。思わず楽譜を書き起こして、二胡のための五線譜に訳して弦楽バージョンをコピーした。→
jasuen
佐藤康恵/Sony Music Entertainment
スウェーデニッシュポップなの?プリマでデルモ、NHKイタリア語講座の佐藤さんはどこへ向かうのでしょう。竹中直人監督『連弾』の、あの役はよかった。リピートかけっぱなしOK、デートムービー的な休日のFMラジオ的ふわふわソング集。細くて高い声で抑揚の少ない曲が次々と進みます。ムリに難しく歌わせないの大正解だよホント。アイドルソングでもアーティスト気取りでも無い、80年代後半のシンガーソングライターと呼ばれていた人たちの、恋愛ポップスの味付けといえば、だいたい合っていると思う。貴重な種族。保存盤にしたよ。本来のジャケ写より中面のメガネの方が良いと、知合い3人くらいが言ってました。→
GHOST IN THE SHELL
川井憲次/BMGファンハウス
映画『攻殻機動隊』サウンドトラック。このCDを買う多くの人がそうであるように『謡』をちゃんと聴きたくて購入。謡うは西田和枝社中の方々。「あがまえばてるつきとよむなりー」声のゆらぎだけとってみても、送信受信に感情が振れる人間はコンピュターより複雑だなと思う。そして、よくこの引き出しがあってこの機会に開け、世界へ打ちこんだ。民謡の妖力を知ってたことを才能と賞賛してもいい。これは、全体のテンポ的にも眠る時にかけるCDとしていいのだけど、最後の最後ボーナストラック『毎天見一見!』というのが、香港ポップスみたいなアイドル曲で、目が覚めてしまうのが残念。でもこれはこれで欧米の人にとってはアジアの深みなのだろうか。→
無伴奏シャコンヌ

ギドン・クレーメル/ポリグラム
映画『無伴奏シャコンヌ』サウンドトラック。もちろんバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータ第二番「シャコンヌ」の14分30秒に及ぶバイオリン激弾きソロも収録されている。楽団ソリストの職業を捨て「バイオリンの力だけで、どれだけ人の心に訴えかけられるのか」と地下鉄の通路で演奏を始める。路上パフォーマンスに誰も足を止めない様子に、華やかな舞台で浴びていた賞賛は何だったのかと。評論家の賛美する前置きもなく、音それのみで、心に訴えることはできるのか。聴き始める人、知人との再会、取り締まる警官は彼がどんな一流アーティストかも知らない。一演奏家の純粋な音楽魂のストーリーなので、映画も勧め。っていうか、まず映画見ろ。→
南京の基督
梅林茂/Columbia
芥川龍之介「南京の基督」をトニー・オウ監督以下香港スタッフが映画化。冨田靖子演ずる娼婦、金花が病により命が微弱してゆきつつも、純粋な信仰、純粋な愛を選択してゆく様を演出する悲しくもしずかな弦楽器の旋律。悲劇ではあるが、浸っていたい静寂のような、ゆとりのあるメインテーマ。聴きながら眠れるCD。映画見ないで聴くと退屈かもしれない。まず映画で寂しい気持ちを味わってからだ。主人公の二人、日本人が中国人を演じ、中国人が日本人を演じることで一粒の虚構感が残されており、残酷な筋書きにも絵画を見るような距離感がある。ガルマ事件の後で失脚させられたシャアがインドの貧民窟に出入りしてララアを見つけた、そんな話しを思い出した。→
かぐや姫ベスト15

かぐや姫/日本クラウン
作曲南こうせつ&作詞喜多条忠の『神田川』『赤ちょうちん』『妹』。伊勢正三『22才の別れ』『なごり雪』。一枚のCDにこれ以上望むのはバチが当たるってもんです。平成の後追いフォーク野郎どもにも、切り札的にお勧めのかぐや姫ベスト。おぼえてますか寒い夜、赤ちょうちんに誘われておでんをたくさん買いました~。三宅裕司のテレビ「おどろきももの木20世紀」かぐや姫と喜多条忠編「あぁ神田川・ピラニアと呼ばれた女」も、歌詞のモデルやストーリーが分かって必見だ。しみったれた昭和の4畳半ソングに、ヘビーフォーク魂はクラクラ。ハードロックに対してのヘヴィメタルの様に、フォークソングの中でも男が女言葉で歌っちゃうのはヘビーフォークだ。→
NOKTO DE LA GALAKSIA FERVOJO

細野晴臣/TEICHIKU RECORDS
登場人物がみんなネコのアニメーション『銀河鉄道の夜』のサウンドトラック。言わずと知れた宮沢賢治の名作文学。賛美歌モチーフの曲とか、映画もそうなんだけど、時間の流れかたが、ちょっとおかしなアルバム。オルゴールの音にネジ巻き音が入ってたり。天上界へ行く前に、へんてこな列車にのせらてれしまう様な、夢心地だけど、あまり爽快な夢じゃない、ボワーンとしている。鳥の足をもいで食べる描写が府に落ちず忘れられない。余談だが、映画のプロモーション中に、このメインテーマに詞がついてて弾き語りで唄ってた女性歌手がいたんだけど、それがマボロシっぽくていまさら検索して確認したくない幻想四次のファンタジーともいえる。→
Turn The Knob

空手サイコ、タカツカタダシ、KUKNACKE、チャリ・チャリ、アロウ・ツアー、アー!フォーリー・ジェット、泥レスシンセサイザー、ドット、ダンブ・ノーツ、マジック・アレックス、ファンタスティックプラスティックマシーン、テクノ・クライム・ジャ、他/iPORSUPUESTO! Records
自宅録音のテクノが「ベッドルーム」という呼び名で脚光を浴びた一時期。ベッドルームから世界を制したケンイシイしかり。宅録テクノの潮流がクラブやディスコに飲み込まれる前の、純粋でインスタントでは無い電子グルーヴィングミュージック。私は、泥レスシンセサイザーというユニット名でジャケ買い。泥レスは「かせきさいだあ」のトラックも作っていたらしい。1996年。→
The IVth Crusade

BOLT THROWER/EARACHE RECORDS
様式美って言い方あってるんですか?デスメタルのジャケって中世の騎士とか、ドラゴンとか、凄いかっこいい絵画多いですよね。なんでなんだろ。バンドロゴのつくり込み、曲目がオールドイングリッシュ書体。デス声でボゲーゆってます。『そら耳アワー』のネタ投稿に、と思って買ったのだけど、それどころじゃないテンションだった。ジャケの絵といい、音のワイドの広さといい、デスメタルは世界観づくり撤していてスキがないと思わされたこの一枚。空耳アワーの手ぬぐい狙いでまたなんか買わなきゃ。そう、さんま御殿から5万3千円送られてきたというライバルのあいつを超えるには、タモリ倶楽部で採用されるしか無いのだ。→
SUCK MY BLOOD, BABY

HAL FROM APOLLO'69/TOSHIBA EMI
KENICHI KOIKE著『ASTEROID』のジャケット。この漫画、出版されているなら本で欲しい。エクストラCD仕様で、ハルフロムアポロ69の過去の全データベースを収録。ドイツ盤もアナログ盤も、本物にお目にかかれないレアアイテムがデータで見れる。この1枚は、ジャケット、サウンド、PCデータ、全てデジロックCD歴史の中で最高峰のパッケージ。未来なデジなロック好きの全ての人にお勧めできるブレイクビーツ、ドラムンベース。私の趣向では、未来を感じるかっこよさがあったのはこのアルバムまで。次回からは、インディーズに移籍しハードロック路線が濃くなるので、ここが一つの頂点だった。→