SMART PANEL -71ページ目

SPACE COWBOY SHOW

SPACE COWBOY SHOW

 

布袋寅泰/東芝 EMI

 HOTEI ブランドの完成は、『スリル』のイントロで江頭2:50が登場してくるお約束が定着した時だと私は確信している。『スリル』ってギタリズム完結してからの第一弾シングルだったのね。後半『サーカス』『ポイズン』と畳み掛ける1997年時点のベスト的ライブ盤、スペースカウボーイショー。赤いカウボウイハットで宇宙を旅する布袋が、ラストにはキャプテンロックに覚醒するステージ内容。当時の先駆的流行であったCD-EXTRA仕様には、パソコンのCDドライブに入れたときにだけデータを読み取れる。ステージセットの写真や、クリックで再生するMCトーク音声、アイコンデザインなどオマケ付き。ギター6本のコレクション写真はうれしい。

 

 

SPACE COWBOY SHOW ENCORE

SPACE COWBOY SHOW ENCORE

 

布袋寅泰/東芝 EMI

 コスプレといいますかスペースカウボーイを脱いだアンコールステージ。スペース・カウボーイショーの2部。ポップもデジタルもひかえたロケンロー色濃厚な前半。『ハウンドドッグ』イカス。ミディアムテンポからロックバラッドの後半。長いギターソロ全開。「乾杯しようぜ」シュポーン、シャンパンを抜く音もあり。舞台の裏方さんたちを「たくさんの布袋たち」と呼ぶファクトリー&ファミリー感。映画に出て侍や韓国ヤクザを演じたりするけど、Tシャツと皮パンでどこまでもロックな存在感。男の客が多い男のライブ行きたい。『LONELY★WILD』は何度も聴いてしまう。腕っぷし強い感じで、実のところ、寂しさ優しさを唄って、男たちに届いているのだ。

 

 

 

THE BEST OF RISU>>>PAST FUTURE FOLK SONGS

THE BEST OF RISU>>>PAST FUTURE FOLK SONGS

 

RISU/ENPEROR RECORDS

 長い年月、福間未紗を聴き続けたファン達に、まるで御褒美の様に彼女の在籍したバンド「リス」の音源が復刻された。奇跡。声、若い!CD=タイムマシン、神様、十年前のこのヒトに会わせてくれてアリガトウ。福間宇宙四部作にも唄われている名曲『ねじ』『火星』『クロアゲハ』の原曲がアナログ標本。フェスタマニフェストで「ユリの丘」として唄われた曲は『メビウスアイロン』という曲。同タイトル『ユリの丘』は最長7分半の、丘から空の移ろいゆく様子を描写した歌。ギター、オカリナ、大正琴のアンデス民謡風。人間にとって民謡が時として祭りや儀式である様に、宇宙の仲間との交信というコンセプトはずーっとずーっとあったのだろう。

さよならガール

さよならガール

 

センチメンタルバス/EPIC SONY

 野球の歌『Sunny Day Sunday』に始まりタイアップ多く、『マニアック問題』はPVよりも、CMで舞の海がパソコンに飛びついている映像しか浮かばない。CM曲ラッシュの中、アルバム曲『シルバースノー』、恋の総武線ソング『イエロートレイン』が地味に良作。ホッピー神山ワークスのキュートなパンクで、ギターサポートがローリー寺西とHAL FROM APOLLO '69のzoeなのもツボに入りまくり。『さよならガール』君はどっかいっちゃうんだ~ね~。私が海外行って帰ってきたら解散してた。大手レーベルが解き放って、駆け抜けた台風の様なバンドだった。まさに怒涛。「あの夏の日々」という言葉が相応しい。

 

 

 

DINOSAUR 〜REMEMBRANCE OF 900,000,000 YEAR AGO〜

DINOSAUR 〜REMEMBRANCE OF 900,000,000 YEAR AGO〜

 

横関敦/コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社

 ジャパンヘビーメタル界の至宝、ジェットフィンガー横関敦によるインストロメンタルアルバム。ブックレットのアーティスト写真が三柴江戸蔵とのダブルネームであるように、全編ギターVSピアノの大スペクタクル満載。二人とも筋肉少女帯を脱退した後の年代である。『DINOSAUR ~REMEMBRANCE OF 900,000,000 YEAR AGO~』の描くサウンドは、九億年進化中の生命誕生、弱肉強食、恐竜滅亡というミクロ生物から巨大生物の栄枯盛衰がテーマなだけに壮大な曲。恐竜の巨大な足音、命の海、飛び交う翼竜。ギターが鳴き唸り、ピアノが踊る。ダークでは無い、地平に沈む太陽の様な哀愁。

Pianism

Pianism

 

三柴理/TOKUMA JAPAN

 ピアニストとしてのアルバムは2枚目。大江戸捜査網からドビュッシーまでピアノピアノピアノ。ピアノをきちんと聴かせる為か、打ち込み音源のある曲はバックの作り込みは控えめ。『上半身ガール』『森の妖精』ほか1stと被る曲が多いのは、1stが本当に少部数しかプレスされなかったからかも。三柴理アルバムのサービス的なお楽しみの筋肉少女帯カバー「ザ蟹」では『夜歩く』でしたが、本作は『サンフランシスコ』。しかもギターはシ、スターストロベリー時代の筋少ギタリスト横関敦が弾いている。『サンフランシスコ』はあらためてこの三柴理バージョンで聴くと、バロックとずんどこ節とへビーメタルが渾然一体となっているプログレ展開に驚く。

 

 

 

ジャンスマポップ

ジャンスマポップ

 

Jungle Smile/SPEEDSTAR RECORDS

 活動停止に関しては漠然とした予感はあった。『抱きしめたい』を聴いた後、これを超えるものでなければ新曲は出さないのだろうけど『抱きしめたい』は大きな愛が表現しきれていて「これ以上何がある?」と感じた。美しく切なく痛く、名曲過ぎる名曲。学園モノだが、潜んでいるのは人間の湧きいづる無償の優しさの根源「母性」であった。デビューからのシングル集プラスアルファ。恋愛や夢や片思いに始まり、激しく求め、力強く愛情の全てを与えてゆく変遷がヒリヒリとわかる。この時点のライブDVD『ジャンスマシネマ』には、身を削って唄う様なステージから永六輔へのラブコールまで、余すところなく収録されている。

 

 

 

Daily Hours of Eternal Praise

Daily Hours of Eternal Praise

 

Benedictine Abbey Hagia Maria Sion/Musica Sancta Ltd

 エルサレム旧市街のシオン門より徒歩一分。音楽堂としてパイプオルガンも完備したマリアの永眠教会で録音された聖歌集。イスラエル旅行中に現地の教会の購買ゾーンでゲット。男声のみの過度な抑揚を抑えた太いコーラスが、仏教寺院にエコーする読経のように聞こえてくるから不思議。ホール独特の反響は、高い石造りのドーム天井によるものであるが、地下へ地下へ降りて行く洞穴の隠れ処だった古代教会で、生の讃美歌を聴いた時のトンネルエコーを思い起こさせる。教会の外壁は荒野と同じ黄砂の色だった。十字架ではなく銃を背負った女の子がふたり、教会の横を歩いていた。

 

 

PRO-FILE of 11 Producers VOL.1

PRO-FILE of 11 Producers VOL.1

 

キリンジ、櫛引彩香&Studio Apes、武田香、As、Calin、広瀬里美、杉本千恵&Saro、武田香、片岡知子&Terry Adams、Manna、他/Suiteisupuesto!

 アーティストよりプロデューサー名義が先にクレジットされるコンピレーション。詞曲よりも聞かせ方、耳当たりを評価する作品集?その中で、全部に濁点つけて唄うボーカルの上田まりは笑った。「わけじゃないけれど」が「わげじゃなぅぃげでど」で大丈夫なの?外間隆史プロデュース『12月19日金曜日/MANNA』が抜群に良い。フランス語でとある殺人事件を唄い、証言のセリフパート部分だけ日本語翻訳が入る。図書館の棚に背表紙がシリーズで並んでいる推理文庫の匂いがする。

 

 

 

Lab Pop Orange

Lab Pop Orange

ラブポップオレンジ/REM RECORD
 みかんはどこへいった。ラララハミングとペシペシドラム、鍵盤系ガールPOP。授業そっちのけ内緒話ししてそうな高校生ツインボーカル。安定しない高音はみかんせいの持つ魅力。ラブポップオレンジの幻プレリリース盤。『GOODBYE CHOCOLATE KISS』『SUGARSTER No.1』『BLUESTER STORY』3曲を完全収録。活動リーダー的なカルミンは1度東京へ来た時に、dok-s projectライブで唄った。大学受験期間の為に活動休止などの諸事情が重なった様で、所属のレムレコード離脱すると共に正式にリリースされることはなかった。Lab Pop Orangeの存在するCDはこれだけ。