さよならガール
センチメンタルバス/EPIC SONY
野球の歌『Sunny Day Sunday』に始まりタイアップ多く、『マニアック問題』はPVよりも、CMで舞の海がパソコンに飛びついている映像しか浮かばない。CM曲ラッシュの中、アルバム曲『シルバースノー』、恋の総武線ソング『イエロートレイン』が地味に良作。ホッピー神山ワークスのキュートなパンクで、ギターサポートがローリー寺西とHAL FROM APOLLO '69のzoeなのもツボに入りまくり。『さよならガール』君はどっかいっちゃうんだ~ね~。私が海外行って帰ってきたら解散してた。大手レーベルが解き放って、駆け抜けた台風の様なバンドだった。まさに怒涛。「あの夏の日々」という言葉が相応しい。→
DINOSAUR 〜REMEMBRANCE OF 900,000,000 YEAR AGO〜
横関敦/コロムビアミュージックエンタテインメント株式会社
ジャパンヘビーメタル界の至宝、ジェットフィンガー横関敦によるインストロメンタルアルバム。ブックレットのアーティスト写真が三柴江戸蔵とのダブルネームであるように、全編ギターVSピアノの大スペクタクル満載。二人とも筋肉少女帯を脱退した後の年代である。『DINOSAUR ~REMEMBRANCE OF 900,000,000 YEAR AGO~』の描くサウンドは、九億年進化中の生命誕生、弱肉強食、恐竜滅亡というミクロ生物から巨大生物の栄枯盛衰がテーマなだけに壮大な曲。恐竜の巨大な足音、命の海、飛び交う翼竜。ギターが鳴き唸り、ピアノが踊る。ダークでは無い、地平に沈む太陽の様な哀愁。→
Pianism
三柴理/TOKUMA JAPAN
ピアニストとしてのアルバムは2枚目。大江戸捜査網からドビュッシーまでピアノピアノピアノ。ピアノをきちんと聴かせる為か、打ち込み音源のある曲はバックの作り込みは控えめ。『上半身ガール』『森の妖精』ほか1stと被る曲が多いのは、1stが本当に少部数しかプレスされなかったからかも。三柴理アルバムのサービス的なお楽しみの筋肉少女帯カバー「ザ蟹」では『夜歩く』でしたが、本作は『サンフランシスコ』。しかもギターはシ、スターストロベリー時代の筋少ギタリスト横関敦が弾いている。『サンフランシスコ』はあらためてこの三柴理バージョンで聴くと、バロックとずんどこ節とへビーメタルが渾然一体となっているプログレ展開に驚く。→
ジャンスマポップ
Jungle Smile/SPEEDSTAR RECORDS
活動停止に関しては漠然とした予感はあった。『抱きしめたい』を聴いた後、これを超えるものでなければ新曲は出さないのだろうけど『抱きしめたい』は大きな愛が表現しきれていて「これ以上何がある?」と感じた。美しく切なく痛く、名曲過ぎる名曲。学園モノだが、潜んでいるのは人間の湧きいづる無償の優しさの根源「母性」であった。デビューからのシングル集プラスアルファ。恋愛や夢や片思いに始まり、激しく求め、力強く愛情の全てを与えてゆく変遷がヒリヒリとわかる。この時点のライブDVD『ジャンスマシネマ』には、身を削って唄う様なステージから永六輔へのラブコールまで、余すところなく収録されている。→
Daily Hours of Eternal Praise
Benedictine Abbey Hagia Maria Sion/Musica Sancta Ltd
エルサレム旧市街のシオン門より徒歩一分。音楽堂としてパイプオルガンも完備したマリアの永眠教会で録音された聖歌集。イスラエル旅行中に現地の教会の購買ゾーンでゲット。男声のみの過度な抑揚を抑えた太いコーラスが、仏教寺院にエコーする読経のように聞こえてくるから不思議。ホール独特の反響は、高い石造りのドーム天井によるものであるが、地下へ地下へ降りて行く洞穴の隠れ処だった古代教会で、生の讃美歌を聴いた時のトンネルエコーを思い起こさせる。教会の外壁は荒野と同じ黄砂の色だった。十字架ではなく銃を背負った女の子がふたり、教会の横を歩いていた。→
PRO-FILE of 11 Producers VOL.1
キリンジ、櫛引彩香&Studio Apes、武田香、As、Calin、広瀬里美、杉本千恵&Saro、武田香、片岡知子&Terry Adams、Manna、他/Suiteisupuesto!
アーティストよりプロデューサー名義が先にクレジットされるコンピレーション。詞曲よりも聞かせ方、耳当たりを評価する作品集?その中で、全部に濁点つけて唄うボーカルの上田まりは笑った。「わけじゃないけれど」が「わげじゃなぅぃげでど」で大丈夫なの?外間隆史プロデュース『12月19日金曜日/MANNA』が抜群に良い。フランス語でとある殺人事件を唄い、証言のセリフパート部分だけ日本語翻訳が入る。図書館の棚に背表紙がシリーズで並んでいる推理文庫の匂いがする。→
Lab Pop Orange

ラブポップオレンジ/REM RECORD
みかんはどこへいった。ラララハミングとペシペシドラム、鍵盤系ガールPOP。授業そっちのけ内緒話ししてそうな高校生ツインボーカル。安定しない高音はみかんせいの持つ魅力。ラブポップオレンジの幻プレリリース盤。『GOODBYE CHOCOLATE KISS』『SUGARSTER No.1』『BLUESTER STORY』3曲を完全収録。活動リーダー的なカルミンは1度東京へ来た時に、dok-s projectライブで唄った。大学受験期間の為に活動休止などの諸事情が重なった様で、所属のレムレコード離脱すると共に正式にリリースされることはなかった。Lab Pop Orangeの存在するCDはこれだけ。→
草原と鉄屑
センチメンタルバス/EPIC SONY
タワレコで取ってきたスカパーのフリペ「タダダー」に付いてた8cmCDサンプルに、思わず「このヒゲの男すげぇな」と思った。デビューまでの期間を詰め込んだのがファーストアルバムだとすれば、曲、詩、アイディア、見事にどばっと放たれた才能の結実。鍵盤ロック、しかも「ピヨヨー」とかいうイタズラ音がヘッドフォンの横の端っこの方でずーっと鳴ってたり、アレンジも多用で、ドラムンベースあり、ぶっ壊れ暴れピアノあり。詞がボーイ乙女で、声が少年ガール。ボーカル赤井奈津代の世界観がキュンっとする。シングル以外のアルバム曲も勢い収まらず個性強い。『9月9日』は何気ないのに、何年たっても忘れられなくなる予感がしている。→
REBECCA LIVE SELECTION 1

レベッカ/Ki/oon Sony Record
レベッカの全盛時代を知る者には、普通のベスト盤よりも、ベストな曲がより集められたライブ盤の方がいい。なにしろライブで本領発揮するライブバンドによるライブテイクだから。レーザーディスクを見ている気分になるCD。DVDじゃないよ。『Wild Eyes』で幕開け。『76th Star』『Lonely Butterfly』『London Boy』。ハイスクールじゃ教えてくれない、教科書より複雑な世の中にとまどっていた『Cheap Hippies』たちの熱狂が完全パック。『Bottom Line』からのOLロックは『蜃気楼』の向こう、遠くまで投げられた。『Sexy Groove』は届いている。→
REBECCA LIVE SELECTION 2

レベッカ/Ki/oon Sony Record
苗字が無しで下の名前オンリーの女性シンガーの走り?NOKKOが駆け回り「腰を振ってちょうだい!」と客を煽る。80年代PopRockの天才土橋安騎夫の超80年代的名曲集。1989年の東京ドームと1990年の武道館ライブから『moon』『Raspberry Dream』『Friends』。放課後の女の子、OLの机の下を唄っていた野性爆弾。背が低いのにやたら存在感のあるその女の子は全力で駆け抜けて、光の中に消えた。『One more kiss』to me Give it to me、輝きはせつなくて永遠に幻…。だけど明日は、きっといいことあると信じてたいの『Maybe Tomorrow』。→