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East Meets East

East Meets East

 

Balanescu Quartet/CCONSIPIO RECORDS

 イエローマジックオーケストラの四重奏再現というかなんというか。曲はかっこいいのは当たり前。人力でやってる感じがいいんですよ。実際YMOの影像を見るときに、演奏の腕と神経質にもとれるナマ芸術気質を受ける私としては、パソコンに演奏させるYMOコピーバンドにはあまり興味ないですし。ここまでやるのがYMOに詳しいマニアと、YMOを尊敬する音楽家の、後者ですね。アレンジも直球フュージョンをやらずに、サビまでの盛り上がりを繊細に練って壊さずに作り上げている。坂本がピアノと四重奏やったツアーで『東風』聴いたけど、ピアノ入るとやっぱりジャズっぽい。このアルバムはクラシック系。

NICE AGE

NICE AGE

 

コズミックビレッジ/アルファミュージック
 イエローマジックオーケストラのジャズバンドコピーというかなんというか。曲はかっこいいのは当たり前。人力でやってる感じがいいんですよ。実際YMOの影像を見るときに、せわしなさとライトの照射による汗を感じる私としては、パソコンに演奏させるYMOコピーバンドにはあまり興味ないですし。ここまでやるのがYMOファンのオタクと、YMOに影響を受けたミュージシャン、の後者ですね。アレンジもフロア対応。深夜のDJ-MIX番組TBS CLUB EdGEでよくかかってた。沖野修也が監修してたのかな。PIONEERのCDJリミックスコンポのCMが流れて、コレ買えば何かできると思った高校生、きっと多数。

MY CAUTION LINE

MY CAUTION LINE

 

Citrobal/LD & K Records
 ボッサとかフレンチ、ギターポップの小品集。曲調と声と詞の3つが微妙にあってないのが個性かな。フレンチ、ギターポップってかわいい声のが多いけど、シトロバルいたって普通の声です。どうしよう、歌を聴いている気がしない。何の思いも湧いてこない。毒でも薬でもなく、上手くも下手でもなく。曲ごとの録音状態変えてるみたいに、色々やっているようだが何とも思う要素がない。バンド一発録りっぽい変化とか、どういうわけか子どもの泣き声も録音されている。君の子か、そういうやり方は好きだがなんだろうこの無常感。7曲28分、Amazonでシングル扱い。身内バンドのリリースだったら納得。向かい合うのでなく聞き流す音。

サーヴィス(初期規格版)

サーヴィス(初期規格版)

 

イエロー・マジック・オーケストラ/アルファ
 曲とコントのボリューム差が大きいのがきっかけに、自分で音源をリマスターして、そっちの方をずーっと聴いている。テクノというかユーロポップスみたいでオシャレ度高い。ピンク色の表紙の『スタジオボイス~YMO特集』のインタビューで細野晴臣は「YMOでいいたかった事は、笑う心を忘れたらおしまいだ、ということ」とミュージシャンレベルで考えたならば、なんとも立体的なコメントをしていた。終期YMOのこのアルバムは、『増殖』のドラマ・イン型式をとりつつ、高橋幸宏のオールナイトニッポンレギュラーだったSETのコントを挟んだ笑えるもの。三宅祐司の「東京ワンタン本舗」歌マネが入っていないのは残念…べつにいいか。

FIGURE2

 

JOHN HUDAK+JASON LESCALLEET/INTRANSITIVE RECORDINGS  静寂を聴くための微弱音響作品。大槻ケンヂが、現代のSFXに対して『特撮』という存在を再確認させた様に、フルデジタルレコーディングに対して『録音』という面白さを残し提示したアルバム。古い教会建築のナチュラルエコーの中で、わずかな音の発生や即興をライブ録音。デジタルエフェクトがきっちりとした数字分の仕事をこなす忠犬だとしたら、イレギュラーに乱反射する自然の空気の振動は野犬。音楽無しで、ゴソゴソとした音とモワーっと広がるエコーのみ。地動の低い振動と何かが遠くでぶつかる音。スピーカーで音量を上げると、大きな音ではなく、大きな静寂となる。

断片的な記憶と再生のスイッチ,そして壊れた僕の耳

Fragmental Remembrance, A Switch Of Resurrection, And My Hearing Vanished

 

Kulara/MOLAIRE INDUSTRIES

 正式タイトル『Fragmental Remembrance, A Switch Of Resurrection, And My Hearing Vanished』。ハードコア専門店にて購入。前半はちょっとゆるめ、轟音ギターが抽象画を描く。これでデス声だったらBolt Throwerか。後半はボーカルが聞き取れるスレスレの絶叫で、目に見えない張り詰めたものを叩き込んでいる。風のノイズと遠い絶叫の『Machine And me』がいい世界観だ。荒い緊張の中、いつの間にかメロディが変わる。曲の展開が読めない分、一つの楽器の音を追って聞き、その他の楽器音を意識外にすると何度もおもしろい。

Identify

Identify

 

Identification/Cocosolid

 純エレクトロニカつーっとだいたい缶を叩く様な音が入ってるね。カンカンつってね。ダンスでも無いし、不思議な電子音という以外は意味不明なので、このようにキレイな写真のジャケットがついている事が必須条件だと思う。期待感が満足を増幅するというか。余裕があったのでそれっぽいCDをジャケ買いした。made in canada。リズムマシン回しっぱなしの機械ベース遊びも程々に、音数少なく、一音を選んでる感じ。盛り上がるところでは低音のモコモコした音が入るのでイメージも膨らむ。囁き声に弱い。思わず耳を傾けてしまう。もちろん何言ってるか分かんないですけどね。全編「中期YMOのかったるい曲」風で良い。

 

 

Wave from transmission Vol.3

Wave from transmission Vol.3 

 

Jeff Mills/Tresor

 デトロイトテクノで、ミニマルで、もう一つ、宇宙人。「ボッチキボッチキボッチキボッチキ」リズムマシンとメロディーにならないシンセ音がひとつふたつ「プッココプッココプッココプッココ」この調合は発明なのか。これは不気味なのか神聖なのか。宇宙からの音が身体の内なる音とリンクする。未来的ながら1994年当時の機材しか使われていないという事実。結局、楽器の音色とバランス調整だけなんだと思うけど、良い音はなんでこんなに良いのだろう、自分の判断ながら不思議。ミニマルテクノを敬愛するr2 recordのDJ-reiが「キックとハイハットだけで、白飯三杯食べれる」と名言を残し、私も今までよく引用させてもらっている。

 

 

 

少女都市

少女都市

 

ツジコノリコ/mego

 2000年、エレクトロニカにふわっと舞い降りてきた姫。しんしんと深くていい音です。音響モノとして評価されているのだろうけど、この声の使い方だったら、歌モノ方面にいっても注目はされるではないかと、それくらい自然な個性が残る。他にもこういう人はいそうなんだけど、飛び抜けて作品の質が良いので、これはやっぱり音響エンジニアの良さも含めてツジコノリコの勝ち。インターネットラジオに出演していたのでトークを聞いてみたら、実家のお母さんから「あなたの曲は聴かない。ミーシャみたいなのをつくりなさい」と言われているらしい。その意見を取り入れるなら、電子音響コラージュをバックにしっかり歌い上げたら新しいオリジナルが出来ると思う。

 

感受性応答セヨ

感受性応答セヨ

 

eastern youth/坂本商店

 ジュークやハタチでまだ親にこづかい貰ってる青春パンクみたいなのが流行で、社会への不満が耳に入ってくると「そういうの、もう世の中の大前提として解りきっているんだよ。自分が発見した様に歌うな!」とウザイ気持ちになる昨今。青春のドアの向こう、労働その次の生活モヤモヤ期、イースタンユース。焦り、衝動や切迫、開き直り、賭け、などを絶妙に丸出しからの青梅街道を裸走り。恥ずかしくも並走するから、行き場のない心を晴らしてくれロックバンド。ドラムの音色と手数がV系エクスタシーレーベルっぽくねぇ?結びつかないけどイカス。思ったので書いておく。この後二宮友和が小谷美紗子&田渕ひさ子とバンド『ta-ta』で共演する。