Feather
ta-ta/東芝EMI
タータのメンバーはボーカル小谷美紗子、ドラム玉田豊夢(100's)、ベース二宮友和(eastern youth)、ギター田渕ひさ子(ナンバーガール)、キーボード池田貴史(100's)。洋邦楽の全曲カヴァー作品。荒井由実『飛行機雲』はバンドメンバーの演奏風景のビデオクリップも入っている。淡々としてる割に、言葉が重い小谷調のユーミンには息を呑む。洋楽カバーは切ないのと、ファンクなのと。いいメンバー集めたのだから、歌詞カードにもレコーディング風景の写真を良かったのにあっさり具合が残念。だが、後にodanimisako-trioとしてロックフェスのシーンに切込んでいく前哨戦というか、体制を確信した転機だったと思う。→
Scatman's World(海外盤)

Scatman John/RCA
エレクトリックのダンスミュージック好きな人は、潜在的にスキャットマンは大好きなはず。だと思うよ。シカッパララルリリゲロロリゲロロって、こりゃ言い換えれば、くちテクノだよ。三味線がないなら口三味線でいいじゃない!機材が無いなら口でデクノでいいじゃない、ハートがリッチならいいじゃない。50何歳かで大ブレーク。歳をとったからって演歌でもブルースでも無い。ダンスミュージックでクラブシーンを震撼させたおっさん!しかも最重要『オリジナルなやり方で』だ!ボーナストラックのスキャットマン(ゲーム・オーヴァー・ジャズ・ヴァージョン)がジャズピアノとの融合でバリカッコエー。これだけでも50円か100円払って聞くべき。→
Flip Flop
THE HIGH-LOWS/キティMME
ハイロウズベスト2枚組。『日曜日よりの使者』をおさえとこうと思って。数々使われているCMソングなのに、歌のイメージがCM影像に食われてないのがさすが。テレビとかチャート無視で、しかも、たくさんの人の耳に残ってる活動を続けてゆけるんだという類い稀なロックのお兄さんたち。前のバンドの曲を一切やらないという姿とか、いちいち神がかっていて、一言一言が大事になりすぎてしまいそうになるけど、つまりは考えずに、単純に次の新曲を待ち望んで熱狂するだけでいいんだよね。そうだよね。西城秀樹の『情熱の嵐』をヒロトが唄ってます。『ベートーベンをぶっとばせ』やたら「ハイロウズー!」言ってると思ったらゲスト三宅伸治。→
恋愛とは何か
原作:遠藤周作、朗読:山本學/パルナス
朗読のパルナスシリーズを地味に収集してます。山本學&遠藤周作タッグの2枚目。フランス文学を例に「愛情」と「情熱」との区別について論ずる。「シラノ・ド・ベルジュラック」のストーリーは、キャラメルボックスのお芝居『アローン・アゲイン』でさわりを知ってたけど、こんなはなしだったのか。引用の上手いまとめ方に加え。この部分の朗読のパワーは読書で得られるもの以上。若い関係において、困難や障害で燃え上がるのは情熱。相手を想う力とチト違う。壁を登るための力。刺激が無くともただ日々の中で在るものが愛だって、なるほどね。遠藤周作が狐狸庵先生となって書くエッセイのような訓示をきっちりまじめにCD音源に残している。→
世界で一番好きだった

クレヨン社/NECアベニュー
『世界で一番好きだった』という時点で、過去、回想のノスタルジーが全体通して横たわっている。ファンもクレヨン社に対して、そういう懐かしく痛々しいものを望んでいたわけで。声もアイドルのように若々しい訳で無く、ついて来い!というような今風のメッセージとか同世代感を唄う訳で無く。学校の図書室にそんな話しの物語の本があったかなぁという、微妙な、他人事の、でも自分に近いセンチメンタルな郷愁にあふれている。この感じを味わえるクレヨン社が好きだった時期があって、世界で一番好きだった。それは確実に、もう、過去になってしまったけど、ランキングや語りたい思い出とは関係ない、なかなか開けない宝もの入れの缶の中へしまってある。→
BREAK SHOT
CONSUMERS、FOOD SHOP BOYS、遊佐真昼/CONSUMERS Blythe STUDIO
原宿箱屋で買った黒ジャケ版。90年代後半のテクノに、ビリヤードのサウンドをのせた爽快な4曲。アイディアの時点で当たりという確信はあった。2003年リリースだが、オリジナルは1998年に完成していたという。虹やアトランティックオーシャンっぽいアルペジオ。ピロロピロロ、ウネウネ、のまさに90年音色テクノにスコーンとブレイクショット音。Rebirth RB-338全開だったり、ミディアムテンポに落したりでリミックス3曲も気持ちいい。スタジオジブリ勤務CONSUMERS氏による、宮崎駿監督との絡みもある日記を楽しく読んでおりました。→
Chill Out
The KLF/Tee Vee Toons
このジャケットがもう名盤を約束された様な、羊と草原の配置、青空。。大自然の音とエンジン系の音の変態コラージュもの。喉に刺さる小骨のような障害物が無く、つるつるといける!精神が解けてゆく。大草原に寝転んでいる。羊の鳴き声がメエメエ。カントリー調のギターがゆったりと出かかってメインにならずに消える。音量という意味でなく、距離として遠くの方の騒音も入ってくるから、別の場所へ出掛けたようなトリップ感。ホーメイが「あ゛ーう゛ーお゛ーえ゛ー」と聞こえてくる。ワントラック45分。草の香りがするあっちの世界に静かに静かに深く沈んで行く。それではみなさんさようなら。『Chill Out』まさにチルアウト。→
i

小谷美紗子/ユニバーサル
メッセージ性強いのでピンと来ないもはスキップして送ることもあるけど。神戸の少年惨殺事件より前に、エリート通りの穴に落ちたぁ~は秀逸。ものすごく言いたい事以外は英語にしてしまう手法になってないこの頃は、全て日本語で全方面針山。失恋節もいいかんじ「地球上で唯一、結ばれないと決まった二人」とか失恋の絶望が美しい。『rain』はインストロメンタルのピアノデュオ曲。これ、もう一人のピアノの人は近所に住んでた幼なじみで、その人がプロのピアニストになって、小谷がピアニストとはちがう道を行って、今ここで二人で弾く。自分たちで起こした奇跡だ。『The Stone』はピアノ一台弾き語りバージョンもいつかCDになるといいなぁ。→
デイ・ドリーム
アン・サリー/BMGファンハウス
ボサノバ、ジャズ、日本語、英語関係なく、休息日の音楽と呼ぶのが相応しい。アコースティックギターを基調に、カントリーっぽいバンジョーやしっとりとしたベースなど、大人時間だ。ジャケットはなにげない顔写真だけど、陽のひかりとそよ風を見事に納めていて、このアルバムに込められたセンスのイメージカットとしてベストマッチです。ちょっとクセのある日本語なのに耳にして美しい響きを感じさせる。あたたかくて切なくさせる幸福な歌声。『三時の子守歌』の作詞作曲が細野晴臣、なんだか「はっぴいえんど」っぽくもある曲調。ある程度、なにを唄っても名曲にしてしまうだけの、含み間のある抑揚が耳に心地いい。きっとそれは、人間性でしょう。→
Quiet Village

Martin Denny/LIBERTY
マーチン・デニー初めて聞いたの実は最近なんです。カルチャーショック。わおー、YMO「FireCracker」も牧伸二「あーああ、やんなっちゃった、あーあーあ、おどろいた」も入ってるよぉーって、こっちが元祖でやんす!リゾートやヒーリング系のワールドミュージックとは違う、深い南洋の密林の匂い漂うワールドミュージックがこれ。モンキーがバナナ食ってるけど、檻に入って無い。電気も水道も無いほのぼのジャングルファイト。ベース感が力強く部屋中に「ブヌーンブヌーン」とくる。「電子楽器を使ってマーチンデニーをやろうとしたのがイエローマジックオーケストラだ」って噂も聞いた事あるけど、なるほどやっと納得できた。→