KING OF PSYBORG ROCK STAR

hide/ユニバーサルミュージック
あぁー、また死後盤出てるよ。…買ったけど。高校生がギター欲しくなるポップスの事を、個人的に「高校生ロック」というジャンルで呼んでます。16歳はこれ聴いて、ギター買うためのバイトをガンバレ。14歳なら掃除の時間ほうきを構えろ。怪物ギタリストは音楽で衝撃を与えるだけでなく、次の時代のギタリストを誕生させる。それは、男が子どもを産むくらいの偉業だよ。ブックレット解説の「鉄の塊だけど人間味溢れる宮崎駿型ロボットと、見た目人間だけど機械仕掛けの押井守型ロボットがツンドラムを叩いてる、サイボーグロック」って文章がイカス。hideバージョンの『ミスキャスト(エックス)』も聞けて、それで買ってよかったと思った。 →
THE EXOTIC SOUNDS

マーティン・デニー/東芝EMI
マーチンデニーみたいな音楽をやりかった人たちの音楽を楽しんでいるうちに、やっぱり、本物のマーチンデニーを聴くに至った。こんな時に頼りになる高円寺スモールミュージックのラインナップ。手にとったのは盛り沢山ベスト盤。剥き身の源流に触れると「これが元ネタか、これが正体か、粗野で湿気があっていい塩梅」と目からウロコ。例えばタモリが、ジャズ風、ボサノバぎみ、シャンソン的、デスメタルライクな事を、特徴を捉えてすぐに模写できるのは、雰囲気をつかむのがうまいのはもちろん、それらモノマネ対象の本物の音楽に接し、抜群のセンスで分析、吸収しているからであろう。I need 本物。あれもこれも、ルーツを聴いてみたくなった。→
Sound Of Garden FOR US

Hakan Lidbo、Justin Robertson、Swinging Mothers、UTRECHT、BOLT、AIR BUREAU feat.The Red、SEYMOUR BITS、mascotte、TARGA、PET、Joystick Experience、MIGNON、CAPRI、Polaroy、Jeans Team、他/Filter Record
PUNK史のドキュメンタリー映画を見てたら初期Blondieも登場してて、『Heart Of Glass』のPVがめっさキラキラしててCD探してたら、リミックスだけど既に持ってた。欲しいと思ったら入ってたっていうことが結構ある。結局、過去の自分の延長が今の自分なんだろう。→
悠久の風景

ジャー・パンファン/コロムビアミュージックエンタテインメント
二胡ブーム後、『ワダツミの木』を加えジャケ新装で再発されたが、これは一曲少ない初回版。収録曲の半分が松山千春。他、美空ひばりとかつまり、そういう層を巻き込んで売上を見込まねばならなかった。数年後、映画音楽の演奏CDも出したけど、二胡の扱いはそんなもんでいいのかと、超絶に技量があるだけ無駄遣い感は否めない。二胡とストリングスによる癒しの旋律とはいうものの、サザンやチャゲアスをクリスタル音色にしただけの90年代に流行った「オルゴールCD」と意味合いが同じなのでは?と首を捻る。キレイな演奏だけでは無い、大陸の懐の深さを感じさせて欲しいじゃないか。オリジナル以外は買うのやめた。→
うたの引力実験室
チャカと昆虫採集/SONY RECORDS
サイズの現役で、ソニーレコード自体も充実してていい時代だったなぁ。チャカソロのライブ活動モードのカバー集アルバム。伊藤咲子『ひまわり娘』、松田聖子『SWEET MEMORIES』など、みごと掘り起こし大成功の抜群の選曲。2000年以降にカバーヒットされた曲『大きな古時計/平井堅』や『明日があるさ/ウルフルズ』も、この時点でチャカがその楽曲のよさを、サイズファンに対しては知らしめていたのですよ。集めたバンドクオリティの高さそのままにライブ音源も収録。パワーポップス無しの情緒曲で引力を放っている。古時計は、江國香織小説、薬師丸ひろ子&豊川悦司主演の映画「きらきらひかる」のエンドテーマだった。→
イルボン2000

電気グルーヴ/KI/OON RECORD
噂によると電気の中では一番出荷枚数が少ないそうで、そう聞くと妙に欲しくなった。しかも、初回版紙ジャケット仕様より見る機会の少ない通常プラケース版。シャングリ、ポマト、ナシゴナチェン、アスナロサン、誰だ、ちょっとずつのノンストップ。アレンジも繋ぎも勢いづいててカッコイイ。ブックレットの写真が数万人規模のレイブ等いいシーンがたくさんあるのに、ビデオキャプチャっぽいコマの羅列で小さすぎ。音源も写真もこの為に撮ったものでは無いので、レコード会社の意図で作ったベストみたいなもんかな。でも、そのベスト的な曲を聞いてから「いいな!」と思った曲が結構あった。これ切っ掛けで、未聴アルバムを揃えて買ってみた。→
永遠の、少年

軍曹(斉藤竜明)/冒険堂
少年が青年になる時に、深層心理の僕が消滅するのか生き続けるのか、それは少年期が決める。永遠の少年とは、鉄郎のような少年期を過ごし、古代進のような青年になり、ハ-ロックのような大人の心に住む誠実なのだろう。今の大人の私を見たら少年の頃の私はなんと思うのか。そんな中年が読む雑誌の振り返りコラム的な永遠の旅人シンガー、軍曹の3曲マキシ。名曲、富良野の大地に~♪の『フラノの歌』収録。集まってみんなで歌える様に「ヘイッ!」かけ声などが入れやすくなっているのは、ユースホステルのリーダーがギターで若者へ歌い継ぐ山小屋フォークか。歌い手、聞き手、という関係に流れるだけでなく、知った人が唄い出す歌というものをあらためて意識させられた。→
乱歩R

仲西匡、吉川慶、Fay Wray/R&C Japan
ドラマのテロップ「人間の妄想がいちばん怖い」分かってるね。昭和の名探偵明智小五郎の孫、三代目明智小五郎が藤井隆。小林少年に大滝秀治。事務所のOLに本上まなみが出演。三代目は成長途中で人間の変態性と向き合って犯罪心理を解いてゆく初代にはまだまだ及ばず。怪事件が解け、現場に走り込むテーマ曲が四つ打ちに二胡の乗ったセンチメンタルな曲でした。あと、フェイレイの『My Funny Valentine』のイントロ15秒が独立してよくできていて、番宣CMもそのシリアスな15秒を使用していた。当時から二胡奏者誰だかずっと気になってたのだけど張勇(チョウ・ユウ)という方。これは味のある二胡の音。→
フルーツセックスフレンド

東京マリー/PILEDRIVE RECORDS
これだけマメなら騙されてても好き。ラブポップな詞が、引き寄せられてるんだか、はぐらかされてるんだか?!甘い時間すごした分、優位に立たれる。結婚詐欺の素質アリだ!みたいな、広告宣伝文を書かせていただきました。これまでより熔け加減が侵攻しすぎた変態宅録。ソングライティングの全力をかけて女の方だけ向いてる感じが恐い。モテたくてギター始めたような男東京マリー。楽器好きで音楽に取り憑かれた男とは相容れないタイプのバンドマン。脱残響塾の活動時期だった石倉由の初の文庫本買ったら小説一話目が『ニーチェのつくりかた』だったけど、このCDも一曲目が『ニーチェと合コン』だ。なんだ、ニーチェがきてるのかな。→
千のナイフ
坂本龍一/日本コロムビア
日本人は潜在的にギターの速弾きが好きだと思うのだがどうでしょう。低速33.6kbpsモデム回線でインターネットアクセス開始する時のガリピーノイズばりに渡辺香津美のエレキが荒れ狂い、お琴の様なシンセと絡む。『Thousand Knives』はボコーダー音声の長い前奏を含めて間違い無く傑作だ。リズム音のない『ISLAND OF WOODS』はどうにも間延びだが、これも緩急か。珍妙な音だけで押し切ったな『PLASTIC BAMBOO』。昔話っぽいフレーズ多数。後にYMO版で音頭展開になるラストの曲『The end of Asia』は終盤に入ってくる火吹きエレキギターで1曲目に感じたフュージョンの興奮に立ち返る。→

