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LOVES deluxe

LOVES deluxe

 

D・H・Y (Dogs Holiday of Yawn)/BLUES INTERACTIONS

 お前がミスチル好きだっていうからトゥモローネバーノウズとは日本にとって何だったのかをテーマに論じたら、お前は結局「桜井さん歌うまい」程度のファンでガッカリだよ。せめて好きなバンドだったら、私より熱く語れ。コチトラ桜井っていう人が伊集院光リスペクトだと公言したから何曲か聴いただけだ。ミツコちゃんのカバーでしか『TOMORROW NEVER KNOWS』聴かないし。ついでに『桜坂』も『青いイナズマ』のゲッチューもミツコちゃんのしか聴かない。このアルバム、CD屋のコア層を飛び越して雑貨屋ビレバン販路でライトユーザーを狙ったのも良いと思ったよ。

 

 

Esquisse 3/3

Esquisse 3/3

 

AMEPHONE/Golden Collette

 ノスタルジックなレコーディングはアメフォンの手腕が冴える。彼のトーク番組「Create Fantastically」を録音作品として繰り返し聴く程に好みだ。アヤコレット訳詩の『すみれ』はベストテイク。人知れず咲く1本の慎ましいすみれ。軽やかにやってきた羊飼いの少女を見て、摘まれて胸に押し当てられることを望む。次に花として萎むとしても。ところが、少女は気づきもせず踏みつけて、花は息絶える。それでも「ともあれ嬉しい。自分はあの人のせいで死ぬのだから」という歌。これは、古典ではいわゆる身分階級の違う恋。憧れと関わった光栄の極み。作詞ゲーテ作曲モーツアルトのこの曲、初演は何処であったのか?

 

 

 

9.5カラット

9.5カラット

 

井上陽水/フォーライフ

 数百人の会社、3年で社員の半数が入替わるって何色会社?男が辞める時はポイッて廃棄だが、女性社員の引退は最後の挨拶って場が持たれる。「悔しい」とエレベーターで涙をポロポロ落とした人も「酷すぎます」と声を震わせてた人も、捨てゼリフで企業体質の批判するかと思ったら、最後に「本当に良い職場」って丸く納めて感極まってた。あの時、私が同情する必要は無かった。寿退社の噂の佐藤さんが居る数駅先の支店に顔出をしたら「心が病んで辞めるのに、先に会社が結婚退職って言いふらしてんのー!」と憔悴した本人談を不思議な気持ちで見てたけど私泣いたりするのは違うと感じてた。彼女は笑顔で退職していった。もう誰の愛想笑いも発散涙も気に留めない。

 

 

Ramones

Ramones

 

Ramones/ワーナーミュージック・ジャパン

 普段職場でしか見てない社員たち。パワハラ強制参加のスポーツ大会で、ラモーンズの黒Tを着ているガールを発見!こんな不毛の地にキタコレ、PUNK is not DEAD。ユーこそ『Judy Is A Punk』、バンドTはボンクラ少年少女の礼服ってな。ラモーンズの映画から英米パンク史のドキュメンタリー見まくったミーが、『I Wanna Be Your Boy friend』にのせて『Blitzkrieg Bop』ですよ。「ラーモーンズ好き?」「しらん、彼にもらった服」「iPod何聴いてるん?」「エグザイル」ピピーーッゲームセット!その服くれたという彼の事を聞く前に、彼女は退職していった。

 

 

Hard Groove

Hard Groove

 

ROY HARGROVE/Verve

 居なくなった誰かの「いきものがかり」のCDが隣の部署で鳴り続ける音楽不毛地帯。目立とうものなら全否定で勤務態度を規制する丸の内のブラック会社で、もうBGMすら諦めていたが、異動で来た女の子が「音楽かけちゃダメなの?」と聞いてきたのがチャンス。「席で音楽かけて平気!」とウソ教える。男だったら即死刑でも女には甘い職場、注意されなきゃ君の勝ち。その時に勧められたのがロイハーグローヴ。タイトなドラムとジャジーなトランペットのインプロ。夜景が浮かぶR&Bのグルーヴは、窒息寸前の高層ビルの中でやっと手にした開放感だった。各自机のPCで音楽聴いていいムードを定着化して、自覚なき功労者の彼女は退職していった。

 

 

 

エピソード

エピソード

 

星野源/Victor

 人生のほんの一瞬を、丸ノ内のビルで働くことにしたが、ビックリするほど良いこと無かった。唯一、丸ノ内ネットラジオSuono Dolceで星野源がゲストで曲かかったことだけ、あの街では。『くだらないの中に』の下北在住貧乏アパートのカップル感すごいね。「首筋のにおいがパンのよう、すごいなって讃えあったり」なんて、胸の内から溢れる多幸感で涙腺がやられて、今急に風邪ひいたみたいに鼻すすって変。寒い戦場なので感情をオフにして、音切ってAmazonでポチった。CDよ家に届け。あの下北の安アパートのふたりが曲の中でなりたいと思った生活を手に入れたんだ。ドアを開ければ小さな子とぬりえをしている。君が笑えば解決することばかりさ。

 

 

J-POP

J-POP

 

電気グルーヴ/キューンレコード

 Perfumeの曲『ナチュラルに恋して』を知らないばっかりに、その曲名を見る度に頭の中で電気グルーヴの『完璧になくして』が流れる奇病に。じゃぁ、Perfume聴けばいいじゃない?あぁ、聞くともさ。J-POPキライじゃないよ。むしろ鼻歌全てポリリズムでいく!って帰宅して、さっき買ってきたこのCDをトレーに、あおーん!つって、鳴り始めたのが電気のアルバムJ-POP。やっぱPerfumeは後回し。フワッとしたムーディーな音でリズムも声も、大人のラインの向こう側から聞こえてくる。『少年ヤング』の新mixでボーカルが一部、篠原ともえに差し替わり、往年の名曲「ナシゴナチェーン」ばりに幻想的なムードが漂っている。

 

 

The Album

岡村と卓球 The Album

 

岡村と卓球/キューンレコード

 川本真琴やチャラにおける岡村靖幸ワークスでボーカルを岡村ちゃんに脳内変換して聴く技あるじゃん。で、「岡村と卓球」聴いてると、岡村靖幸の声を勝手に脳がピエール瀧に変換して、ねっとりした声=おもしろいおじさんになってコーラ吹いた。いやーん、瀧がうっとりしながら「カムベイベー、カムカムベイベー」いってたら完全に笑っていいよのサインだろ!セクシーな曲が全て裏返って笑いのツボへ変わってゆく。『New Wave Boy』とか『Adventure』とかちゃんとファンキーなベースが入ってると、瀧の亡霊が消えて岡村ちゃんを堪能できる。「笑っていいとも」OPのエレクトロ版カバー『ウキウキWatching』も強烈な変化球。

 

 

途中経過

先日、偉い作曲家の先生についていたというボーカルのコからいろいろ聞いたはなしがおもしろかったのだけど、まとまった取材記事にするにはディティールをぼかさなくちゃいけなくて、そうなると消化不良なので、こっちのブログでお醤油のシミ程度にこぼしとく。

クラブ周辺、バンド周辺にいると、音楽をつくるのは普通として、自主イベントやパーティーを自分で企画するのって当然みたいなところがあるのだけどもー。
偉い作曲家の先生についていたというボーカルさんにしてみると「いい曲がもらえない限り、先へいけないのだ」という。作詞も作曲もしない、小さい頃は民謡の天才少女、田舎から風呂敷包みひとつで大先生のところへ転がり込んで、一応、PCで譜面の清書とか、作曲された曲をDTMに打ち込んでアレンジの真似事をする、ようなことを仕事(就職?)としながら「ピアノ弾けるなら作曲してみろ」と課題を出されたり~の。
でも、シンガーソングライターや、作曲出来る人になりたいわけじゃないんですよ、目指すところ、歌手。作曲の才能、べつに無いです。とにかく、唄うことにかけて、延々と刀を研ぎ続けるわけ。

美空ひばりにしたって、何を唄っても上手いわけなのだけど「悲しい酒」から「川の流れのように」までは、その「いい曲がもらえない限り、先へいけない」状態だったっていう、視点。正解・不正解のはなしじゃなくて、きっと、そういう環境から氷川きよしくんみたいなボーカリストが出てくるんだろうなぁと思った。まぁーねぇー、高円寺のライブハウスから氷川くんは出てこないよ!

そういう、スタンスの本気の人、初めてだったので、ちょっとびっくりした。

で、ユーの最重要エンターティナーは誰?って聞いたら「ジャニーズのキスマイ!」つって、ドーム公演見に行った話しをつづけて小1時間聞いて、最後どうでもよくなったんだけど。その子のことはもういいや!氷川くんなんだけど、キャラクターグッズに成り下がったCDのヒットチャートを横目で見ながら「解せぬ!ぬるすぎる!」とか思ってて欲しいのね。それでも、一切の批評発言はしないで、ひたすら歌手としてのおのれを鍛え上げて「いい曲がもらえれば、いい曲さえもらえて、俺のこのこぶしがうなれば、真の歌手が背負う何たるかを日の本の列島中に轟かせてみせる」的なことを内心つぶやいて、滝に打たれて、ロウソクの前で炎を揺らさない発声練習をしている…っていう、はい、氷川きよし妄想ここまで!




あとあれだ、佐野元春は高円寺発だから『アンジェリーナ』の歌詞「ブロムナードにたむろしてる望みをなくしたポップコーンガール♪」は、パル商店街でやいのやいのやってる愛すべき文化系ボンクラ女子たちのこと!




またしばらく更新放置なので、宇宙一かっこいいロケンローバンドの曲貼っておく。







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テクノデリック

YELLOW MAGIC ORCHESTRA/EMIミュージック・ジャパン
 世界初のサンプリングを用いたアルバムといわれているアジアン土着感あふれる異形のYMOサウンド。小学生の時には、オレたちひょうきん族で見た『KEY』のかっこ良さと、回ってきたカセットで爆笑のうちに盛り上がった『体操』くらいしか見えてなかった。インドネシアのケチャモチーフみたいなデジタルサウンドとか、こんな音楽があるものかと、どう捉えていいか分からなかった。大人になって、マーティンデニーのデジタル解釈みたいな答え合わせを教えてもらいやっと発明品のようなサウンドを聞き直せた。道具を持っているだけでは出来ない、何故にこんな事を思いつくのかという音楽的革新があった。