遺書

自決少女隊/HOLIC RECORDS
歌が人の心に届いて物語が展開するという漫画なのに、映画『20世紀少年』のケンジの歌が俺の心を動かさないこと山の如し。コユキの歌が可能性の扉を開けてゆく『BECK』の映画版は歌声無しって、なんで映画化したんだよ?!比べて、見てた人少ないけど『GO!GO!HEAVEN! 自決少女隊』の深夜ドラマ化は、しょせん漫画ですというリアリティラインを下げた低予算コメディだったが、ロックな生き方に憧れる少女ジュリアが「あたしが作った最高の曲が、客の心を打つか、勝負だ」って、そこだけ一貫してシリアスさを死守した。映像化により加藤夏希が唄った『遺書』は、原作漫画と一体化し、今もファンの間では大事に聴かれている。→
AUTORA

AUTORA/BounDEE
流行に合わせるEDMとは別の世界のElectronic Dance Music。「突然なんだこれは?」な電子音楽を期待される90年代Sublime Records周辺の名前を追いかけていたら、今また不思議なエキゾチック・サウンドにたどり着いた。ユニットがバンド編成でサウンドも演奏感覚が増したが、どこの国のものか分かるようで分からないオリエンタル華麗な電子スパイス使いが絶妙。部屋でファミコンのイーアールカンフーやってたら、アジア横断鉄道に乗っていて、気がついたらアムステルダムのコーヒーショップで煙に包まれてたみたいな。初めてじゃない、衝撃的でもない、なのに好奇心を掻き立てる音色と、浮遊感ていうか浮浪感。→
珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-

The SALOVERS/EMI RECORDS
昔バカボン鬼塚が「女言葉が出てくる歌を男が唄ってるのが、ヘヴィメタルに相当する、ヘヴィフォークだ」と話してて、そのことは誰も覚えて無いし、フォーク自体が無いけど、斉藤和義が「まったくしょうがない人ね」って女言葉で唄えば、あっヘヴィフォークだ!って思ってる。映画、演劇、小説を書く人は、男女のセリフを掛合いをしてテーマを物語る。革ジャン着て、自分の目から見えたものだけが真実で「俺は行くぜ!お前だけをアイラビュー!」の体育会系ロックに無い文学性が、男作家女言葉ロックにはある。その中で俺チャートNo.1が『愛しておくれ』。サラバーズが、オネエではないことは他の曲を聞けばわかるのでまずコレ。→
神楽坂カルメン

松永ひとみ/日本クラウン
あたくしの小さな頃なんかは、街角に民謡教室がちらほらありましたよ。三味線の音色が聞こえてきましてね。お歌を楽器と一緒に習うお教室が消えていったのはそう、カラオケブーム以降ですかね。日本音楽のこぶし回しは、小学校の音楽の授業に取り入れて、子どもたちに接して欲しいです。先日桜の頃、神楽坂を歩いておりましたら、立奏のスタンドに乗ったお琴に「ご自由にお弾きください」と、無人で置いてあるのを見つけて嬉しくなりました。神楽坂、7月末はほおづき市、とくれば毘沙門天のやぐらステージ。土地とメロディの密接な記憶「津軽海峡→冬景色♪」「襟裳の→春は♪」そして「神楽坂→カルメン♪」。歌謡演歌所作の美しさと共に耳に焼付きました。→
elementary

ほたる日和/PCI MUSIC
「何でホタルすぐ死んでしまうん?」故郷の水を知る夜光虫、小さな光を寄り集めたバンドが坂道を上りLEDテレビの光線となる物語り。CMタイアップや番組エンディングでほたる日和の歌は流れた。そんなキラキラした道を行っても、根底にあるのは地方都市少年の青春ソング『昨日の音色』って思っていた。実際何年かが過ぎた今、バンドからベースが抜け、ギターとドラムも抜け、ボーカル一人だけのほたる日和になっていた。バンド活動回想ソング『昨日の音色』の「巡り会えた仲間と不揃いの音色奏でた♪」は解散により予期せぬ意味を持った。ランキングによる自己実現でなく、誓った約束を守り続け灯り続ける生き方を感じる、そんな曲になっていった。→
Y.I.M

Y.I.M/ファイルレコード
ネッスルのあさごはーん!DA-YO-NE-!「パンケーキってかさーダイエット通販番組でグラビアタレントでもアスリートでもない普通の、訓練されてない一般女子のお腹がテレビに映し出されてぼーっと見てたら、すっかり腹肉フェチになったよ」っていう友人ヨージ君に「じゃぁ音楽で、ボイトレやカラオケで訓練されていない歌声が好きな感じ、分かる?」って聞いたら「やっと、分かった」だって。スポットライトの中の私を見に来て券買って!ライクな歌姫マッチョより、私の部屋に遊びに来て連れ出してくれるお散歩ライフ的な歌声を待つよ。パンケーキ is 小麦粉、女の子パンケーキ好きっしょ?原材料たこ焼きと一緒。札幌ラーメンうまいっしょ。→
Fight Like a Girl

Emilie Autumn/Asylum
ラーメン屋で、より白い割り箸を選ぶ人は色白好きだよね。真っ白い肌にコルセットをつけたエミリーオータムは、重厚なロックの中、真っ赤な髪を振り乱しながら超絶バイオリンを弾きまくっていて「美しい怪物、見つけた!」と思わせる異形感ハンパなかった。赤い髪、バイオリン、そこにゴス、メイク、デス声、何か一つでも来たら猪鹿蝶。出来上がっていた。名工の仕上げたビスクドールの様に。でも、新作PVを見たら人形じゃなくなってた。赤い髪もバイオリンも無くなって、感情ひとつで闘ってたのが良かった!でも、その姿から伝わってくる殺気は変わってなくて、もうゴシック好きのファンだけでなく、ポップスのファンが気づいてもいい頃。→
Triumph Or Agony

Rhapsody of Fire/ビクターエンタテインメント
ちょっと男子ー!ちゃんと掃除してー!んもう、ほうきでギターやるならヘヴィメタルにしなさい!なによ、やさしさロックみたいなバンド、ほうき全然似合ってない、まじファッキン。てか、やっとお茶の間にシンフォニックメタルが流れたと思ったら巨人アニメの主題歌ってなんぞえ?あちきがナウここでラプソディオブファイヤーを紹介しなきゃいけないってこと?!中世の騎士が剣と魔法で怪物と戦う映画のサントラをそのまんまロックの文法で…なんてー!今さらてー!2014年6月に12年振り来日よ。YouTubeで聴いてもCD買わない男子達はせめてロゴ黒Tシャツくらい着て、しっかりシャンプーして待ちなさい!→
アラビアの禁断の多数決

禁断の多数決/BounDEE
単純で心地良いサビの「トゥナイ~トゥナイ~♪」が繰り返されたら、もったいぶる起伏や過剰な足し算なんかいらない。そんな中でも配信限定版では小林克也のタイトルコール。何このファンキーフライデー!!自作品に対するサービス精神。惚れる~!ってハイタッチ満々の時に「細密な計算して曲作ったし、歌詞も相当悩んで書いたんだ」みたいな制作裏話しとかね、仮にね仮にあったとしても聞きたくないよん。そんくらいこの曲は、バンドの所有物でなくリスナーの体験になる曲。情念の自分語りばかりが体験ソングじゃ無い。ドア開けたらミラーボールが回っててみんな楽しそうだった。大したこと喋ってない。それで100点とれちゃう音楽だってあるじゃん。→
機動戦士ガンダムUC オリジナル・サウンドトラック 2

澤野弘之/ミュージックレイン
やばい。ネトゲ廃人の女のコどいちゃんのことを思い出しメール「スマホのソシャゲに激ハマリ、辞められなくて困っている」その返事は「ソシャゲまだスマホで外出できるからいいじゃないですか~、あたしPCの前から離れらんないし」。それ読んで私はまだ大丈夫だと安心してガンダムエリアウォーズを昼夜、寸暇を惜しんで進軍している。ゲーム内イベントが始まれば大量の時間は奪われるものの、安心の無課金。カネはかけない!ゲームに課金しないがF91イベントではF91のサントラを買い、UCイベントではUCのCDを買ってiPhoneヘッドホン再生で勝手に盛り上がる。エリアウォーズは2年半程無音のゲームだったがついにBGMが実装された。→