elementary

ほたる日和/PCI MUSIC
「何でホタルすぐ死んでしまうん?」故郷の水を知る夜光虫、小さな光を寄り集めたバンドが坂道を上りLEDテレビの光線となる物語り。CMタイアップや番組エンディングでほたる日和の歌は流れた。そんなキラキラした道を行っても、根底にあるのは地方都市少年の青春ソング『昨日の音色』って思っていた。実際何年かが過ぎた今、バンドからベースが抜け、ギターとドラムも抜け、ボーカル一人だけのほたる日和になっていた。バンド活動回想ソング『昨日の音色』の「巡り会えた仲間と不揃いの音色奏でた♪」は解散により予期せぬ意味を持った。ランキングによる自己実現でなく、誓った約束を守り続け灯り続ける生き方を感じる、そんな曲になっていった。→
Y.I.M

Y.I.M/ファイルレコード
ネッスルのあさごはーん!DA-YO-NE-!「パンケーキってかさーダイエット通販番組でグラビアタレントでもアスリートでもない普通の、訓練されてない一般女子のお腹がテレビに映し出されてぼーっと見てたら、すっかり腹肉フェチになったよ」っていう友人ヨージ君に「じゃぁ音楽で、ボイトレやカラオケで訓練されていない歌声が好きな感じ、分かる?」って聞いたら「やっと、分かった」だって。スポットライトの中の私を見に来て券買って!ライクな歌姫マッチョより、私の部屋に遊びに来て連れ出してくれるお散歩ライフ的な歌声を待つよ。パンケーキ is 小麦粉、女の子パンケーキ好きっしょ?原材料たこ焼きと一緒。札幌ラーメンうまいっしょ。→
Fight Like a Girl

Emilie Autumn/Asylum
ラーメン屋で、より白い割り箸を選ぶ人は色白好きだよね。真っ白い肌にコルセットをつけたエミリーオータムは、重厚なロックの中、真っ赤な髪を振り乱しながら超絶バイオリンを弾きまくっていて「美しい怪物、見つけた!」と思わせる異形感ハンパなかった。赤い髪、バイオリン、そこにゴス、メイク、デス声、何か一つでも来たら猪鹿蝶。出来上がっていた。名工の仕上げたビスクドールの様に。でも、新作PVを見たら人形じゃなくなってた。赤い髪もバイオリンも無くなって、感情ひとつで闘ってたのが良かった!でも、その姿から伝わってくる殺気は変わってなくて、もうゴシック好きのファンだけでなく、ポップスのファンが気づいてもいい頃。→
Triumph Or Agony

Rhapsody of Fire/ビクターエンタテインメント
ちょっと男子ー!ちゃんと掃除してー!んもう、ほうきでギターやるならヘヴィメタルにしなさい!なによ、やさしさロックみたいなバンド、ほうき全然似合ってない、まじファッキン。てか、やっとお茶の間にシンフォニックメタルが流れたと思ったら巨人アニメの主題歌ってなんぞえ?あちきがナウここでラプソディオブファイヤーを紹介しなきゃいけないってこと?!中世の騎士が剣と魔法で怪物と戦う映画のサントラをそのまんまロックの文法で…なんてー!今さらてー!2014年6月に12年振り来日よ。YouTubeで聴いてもCD買わない男子達はせめてロゴ黒Tシャツくらい着て、しっかりシャンプーして待ちなさい!→
アラビアの禁断の多数決

禁断の多数決/BounDEE
単純で心地良いサビの「トゥナイ~トゥナイ~♪」が繰り返されたら、もったいぶる起伏や過剰な足し算なんかいらない。そんな中でも配信限定版では小林克也のタイトルコール。何このファンキーフライデー!!自作品に対するサービス精神。惚れる~!ってハイタッチ満々の時に「細密な計算して曲作ったし、歌詞も相当悩んで書いたんだ」みたいな制作裏話しとかね、仮にね仮にあったとしても聞きたくないよん。そんくらいこの曲は、バンドの所有物でなくリスナーの体験になる曲。情念の自分語りばかりが体験ソングじゃ無い。ドア開けたらミラーボールが回っててみんな楽しそうだった。大したこと喋ってない。それで100点とれちゃう音楽だってあるじゃん。→
機動戦士ガンダムUC オリジナル・サウンドトラック 2

澤野弘之/ミュージックレイン
やばい。ネトゲ廃人の女のコどいちゃんのことを思い出しメール「スマホのソシャゲに激ハマリ、辞められなくて困っている」その返事は「ソシャゲまだスマホで外出できるからいいじゃないですか~、あたしPCの前から離れらんないし」。それ読んで私はまだ大丈夫だと安心してガンダムエリアウォーズを昼夜、寸暇を惜しんで進軍している。ゲーム内イベントが始まれば大量の時間は奪われるものの、安心の無課金。カネはかけない!ゲームに課金しないがF91イベントではF91のサントラを買い、UCイベントではUCのCDを買ってiPhoneヘッドホン再生で勝手に盛り上がる。エリアウォーズは2年半程無音のゲームだったがついにBGMが実装された。→
わたし開花したわ

パスピエ/COCONOE RECORDS
自社開発よりも売れてる缶珈琲にラベルを似せて売り出す方がそりゃ楽だけど。「小室サウンド真似ろー!」「ポスト椎名林檎を作れー!」っていうCDバブル残党組の暗黒会議幻想、捨てた方がよくね?類似バンドを人工的に作るのと、自然発生を見つけるのは別。同じ時代の文化、事件の影響を受けてれば札幌と福岡で似てるバンドくらい同時発生するわ。同世代のバンドお互いを目指したなんてこと無い訳で、紆余曲折そうなった彼らのオリジナル。文豪有島武郎、武者小路実篤先生のいわれ白樺派よ。パスピエの曲を「あれっぽい」って他人が揶揄しても、あれが元々好きな人なら同じ気持ちで好きって言っていいんだ。知った順番が前後した程度だよ。→
機動戦士ガンダムUC オリジナル・サウンドトラック 3

澤野弘之/ミュージックレイン
飲食店をやって分かったこと。流動的な客は食べログの★3.5以上を信頼するが、レビューを熱心に書く側の人は、書く目的で次の新しい店を常に探していて、高評価つけてもすぐの再来は無い。「店員最悪。もう行かない」「満足!次は大盛を」とか文字並べても、関心は次の店探し、食べログそんなもんよ。運んだ食事の写真も撮らないで、三日にいっぺん仕事帰りに来てくれる常連が付いてくれてネットの採点に一喜一憂しなくなったけど。それでも大展開を企むオーナーには、外食玄人の声「食べログ」は最重要。ここ3年、私が仕事帰りに三日にいっぺん以上聴いてる音楽はガンダムUCのサントラ曲『UNICORN』だけど、…噛み砕いた説明はできません。→
WONDER WHEEL

サイプレス上野とロベルト吉野/Almond Eyes
ヒップホップは何も持っていない者が何かを掴み取る過程で、コール&レスポンスを喚起するラップは客とで完成させる音楽だ。演奏してる姿とか歌唱力とか無い「声を叫ぶだけの音楽」で、お前たちの聴いている俺らの音楽は最高なのだ、と思わせる手段の一つが共犯関係。フェス会場で自分たちよりメジャーのUAの演ってる後方ステージへ向かって「サ上とロ吉」コールのメイクノイズ!妨害目的じゃないので上がった最高潮でキーラーナンバーへ!iPodに入ったサ上とロ吉は、曲が詞がイイとかよりもステージの英雄の佇まいを思い出す装置だ。CDは完成品でもリスナーのゴールでも無い。支持を表明するお買上げ1票の仮想選挙権。→
珊瑚

宇宙人/スターチャイルド
戸川純、篠原ともえと綿々と続く各時代の”水森亜土”枠も、ポケットビスケッツ千秋「不思議少女として売れたい」発言で自作自演が公表された。珍妙ガールの商品化、きゃりーぱみゅぱみゅは「レディガガよりもジェームス小野田さん」と公言するとても正直な人工パッケージだ。今や天然の不思議ガールは食卓まで届かない?!そこに、裏女神、宇宙人Voしのさきあさこ降臨。今後のバンドの展望に「出来るだけ売れるように仕事の現場の大人が言う様にやっていく」って!今までプロインタビュー史上無かったその発言!ひねくれてないネジレた未聴感。こういう天然素材は、私は不思議ちゃんとは差別化して、子どものまま大きくなった巨大少女と呼んで愛でてます。 →