SMART PANEL -26ページ目

梵鐘

梵鐘

鐘/キングレコード
 年に一度の大道芸祭り。パントマイム、ジャグラー、マジシャンが街の路上で公演する。毎年開催で規模も大きくなり、お笑い芸人や仮装など出演者の幅も広がり、学ランの応援団やチアリーダー等の団体芸も。全国的に人員不足であろうバンカラ応援団が続いているのだなと感心。チアも大学のリーダー部の公演を見に行かない限り、一般の人は見ることはないだろう。存在を知らない人が増えることは絶えることなのだから、機会を問わずその存在を技を感動を人に見せて知らせなければ、ね。お寺の鐘が苦情言われて朝晩お勤めの鐘を撞けなくなるなんて、お寺が閉じてて中でなにやってるかを近隣住民が知らないからだよ。梵鐘はCDで聴く時代か。日本を代表する13寺収録。

LIVE IN LIVING '10

LIVE IN LIVING '10

羊毛とおはな/LD&K RECORDS
 音楽はそれ自体、各個人の気持ちをふくらませるものなのだけど。時々ふいに、サウンドや詞とは全く別の、歌い手が全く意図していないかもしれない気持ちになることがある。「この唄っている人は、ものすごく歌が好きで好きで、歌が好きなんだろうな」っていう。そこには裏付けなどなく、勝手な聴く側の思い入れで、でも、歌に対する尊敬が、キューンと共鳴する時にだけ、楽曲やメッセージとも関係ないあの気持が浮かんでくる「あぁ、本当に歌が好きな人の歌を今、聴けている」。声とは関係ある様な気がするけど、気がするだけで根拠はない。本人の意図じゃなくても、世に出した人、あるいは制作、営業、総勢スタッフの祈りだったかもしれない。

CAVE

CAVE

 

TAGUCHI, Masayuki/independent*

 ここ最近で最もオーディオのボリュームを上げたのは、TAGUCHI, Masayukiの電子音響作品です。電話が繋がって、相手の声が小さい時には「電話が遠いです!」と大声で叫ぶのではなく、受話器を口からずらして小声で囁くのです。相手は大きな声で「聞こえますか!?」と言うでしょう。そして、言いにくいことがあった時には、ナウシカのようにしゃべるのです。言葉だけでは難しくても、美しい音を使うことで、他人の心の中にある純真の結晶に差し込むことができます。話し声が言葉を超える瞬間を、早く何度でも体験すること。言いにくいことを言えない人のはなしは、誰からも軽く聞き流されてしまいます。

 

 

激突・戦国〜新日本プロレスVS.WAR

激突・戦国〜新日本プロレスVS.WAR

アントニオ猪木、天龍源一郎、越中詩朗、ウルティモドラゴン、獣神サンダーライガー、他/VICTOR
 V系とかアニソンとかいう売場棚区分で、意外と根強く存在してるコーナーがプロレス。アーティスト名でなく選手名から知る音楽があるのです。先頃、アントニオ猪木とジャイアント馬場の両方からピンフォールで勝利した唯一の日本人、天龍源一郎選手の年内引退発表の会見があった。リングを降りる理由を「妻の病気で、今度は俺が支える番だ」と語った。ミスタープロレスこと天龍源一郎の去り際、本当に強い男の生き様が伝わる、なんという一言だろう。憧れの気持ちはパワーに変わる。この先何か、重い決断をしなければ行けない時、胸の奥で『サンダーストーム』が鳴る瞬間が、来る。

For Meditation, Relaxation, Sleep and Yogai

For Meditation, Relaxation, Sleep and Yogai

Tibetan Singing Bowl/Nr Ent.
 心地よく鳴り響くシンギングボウルを聴くヒーリングメディテーションへ行ってきた。宇宙の意思と交信できるという美しい女性が、身体のどこから宇宙パワーが入り、いかに覚醒するかを分かりやすい言葉で語りスタート。目を閉じ、気持ちいいサウンドを聴いている間、宇宙から額に注ぎ大地へ繋がるエネルギーのイメージを穏やかな声で促される1時間。最後に、美しい宇宙パー子さんとの人生相談なんとかセラピーが30分◯万円。パワーを封じ込めたアロマオイルが1本◯万円と、分かりやすい言葉で語り終了。物販に殺到する星目がちな女性客に衝撃を覚えつつ。「皆を元気に!」と握手券を売るアイドルと同じ構造だと思ったよ。

Musicas Para O Churrasco Vol.1

Musicas Para O Churrasco Vol.1

Seu Jorge/Wrasse Records
 カップ焼きそば一平ちゃんで松村邦洋が「焼きそば焼きそばー!」と叫び、伊集院光が「縁日で母ちゃん売ったヤキソバン」とラップしたのが95-6年。続いて97年、川本真琴が1stアルバムで「やきそばパン」を発表。2000年初頭、やなせたかし先生作詞「やきそばパンマン流れ旅」はウェスタン調曲にさすらい者の渋いヒーローソング。そして、2010年代の焼きそばソングはまさかの逆輸入。サビの「ヤキソバ!テカマキ!ヤキソバ!ショーユ!」がこれほどファンクに合うなんて。「ガッツだぜ!」がウルフルズの発明であったように、ファンク・ヤキソバはSeu Jorgeによる大発明。まさにハートキャッチ・ヤキソバだ。

TARIKi

TARIKi

KANADe/OTOHA Records
 音楽を聴いている時のリッチな体験は、音楽の中にいる感覚だろう。ひとつはライブやフェスで、外的視覚や振動で味わうもの。もうひとつは内的トリップ。最良の音楽が心を音楽の中へ連れ出す。環境もジャンルも関係ない。どんな気持ちか予測できない。『Happy&Sad』はまさにその、内的な時空間旅行だ。街を歩く時もヘッドフォンを耳に、なにかコンテンツを消費せずにはいられない。細い管から点滴の様に音楽を聴き続けることは不健康なことだろうか。いつか、オーディオの前に座って、神妙に1曲目を聴く儀式は消滅する。それでもいい。作品のアップロード、データ配信は、極めて個人的な懐に入り込む思春期のラジオみたいなものだ。

Timely

Timely

Massan × Bashiry/Happiness
 ボーカルラッパー、ギターの二人組。ちょっとなに唄ってるかわかんないんだけど、分かる、これこそがグルーヴ!今ここで湧き出している様なフロウ。2014年のTHE MANZAIで優勝した博多華丸大吉が「本当に面白い人達は劇場にいます」っていうコメントを残し、芸人からも「さすが大吉さん」と尊敬されていた。劇場には電波にはのせられない面白さもあるし、牧場にはパッケージにはできない美味しさがあり、ドブネズミには写真には映らない美しさがあることを、PCモニタの前ではよく忘れてしまうのだけど。マッサンの歌を聴くと「現場はもっと凄い」と思い出させてくれる。出掛けよう、劇場に牧場にライブハウスに。

UnChild

UnChild

SawanoHiroyuki[nZk]:Aimer/DefSTAR RECORDS
 1stガンプラブームから何十年間目を離していたか。途中、シャアとアムロの決着など挟みつつ、追いかけていなかったガンダムだったが、宇宙世紀最後の祭りに間に合った。ソロモンを母とともに離れた姫が、「私よ死ね!」と衝突したクローン人間のひとりが、歴代のガンダムパイロットを知るニュータイプ部隊の艦長が登場し、大人たちが頑張る物語を、リアルタイムに劇場で堪能できたことは、少年期のガンダムブームの終着駅体験だった。7話完結迄の途中に、新国立美術館で本物の「貴婦人と一角獣」タペストリーを鑑賞できるというユニコーン祭り締め括りのCDは、やはりこのジャケットだった。

EMBRACE

EMBRACE

BOOM BOOM SATELLITES/SMR
 スマホゲームのBGMになるCDを買い漁っている。MAPが近未来表示されるIngressはアナウンスのみオンで曲はProdigyを再生して盛り上がっている。BGM集めで凝りはじめたのがガンダムエリアウォーズ(GAW)。Ver.1の頃は強制的にiPodアプリを封じる仕様だったGAWもかなり改変され、メカニックなSEも盛りだくさんになったので、汎用BGMはオフにして、OO、UC、W、SEEDの格イベントごとにサントラ盤や関連ディスクを仕込んでiPodで流すようになった。3Dバトルシーンで一番ハマるのがブンブンサテライツの『Broken Mirror』。徐々にBPMが上がってくのがいいね。