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金星人に恋をした。

金星人に恋をした。

ウソツキ/DAIZAWA RECORDS
 鯉のエサやりにハマってます。といっても、ししおどしのあるような邸宅には住んでおりませんので、東京都内の鯉の泳ぐ池を巡り歩いています。記憶をたどって四谷の清水谷公園へいったら白い鯉がのほほんと、餌に寄ってきてくれなかったりして。では検索で「鯉、餌やり」で探すと出てくる浜離宮庭園は現在は鯉は居ません。ウソツキ!一番のコースは靖国神社の本殿の裏手。赤や白や金の大きな錦鯉が寄ってきてくれます。その後、近いので小石川後楽園へ。こちらは黒い鯉ばかりですが数も多く食いつきも激しい。魚群重なりあいながらエサをまく私に向かってきます。浅瀬では、鯉の背ビレがジョーズの様に迫ってきて、癒やされつつも興奮します。

Worlds

Worlds

Porter Robinson/Astralwerks
 臆病な大人からのバカ判定は無視して、信じた道を行くしか無い。ある日、ポーターから「リアルな原宿ファッションをコーディネートして欲しい」とアメリカに呼ばれるアパレル店員えれのあさん!「友だちのコーデならしたことあるけど、私19歳の原宿にいる女のコだよ」ってことが起こるTwitter、Instagram。発信をするのは受信したいから。ハリウッドからフックアップされたんじゃない、原宿のストリートへ巻き込んだんだ。完成したPVは素晴らしい。大人が眉をひそめて「そんなバカみたいな格好やめなさい!」と言われそうな galaxxxyカラーのファッション。いいぞ、街中をぶっ壊せ、塗り替えろ。

パラダイム

パラダイム

ひめキュンフルーツ缶/徳間ジャパン
 ラジオCMを聴き流してたら強烈なサビが流れてきた「一周年!一周年!」。なに?この曲…凄くないか!周年祈念のアピールとしての華やかさと力強さ。歌詞は頭に残らなかったけど、そんなの関係ない。大サビ「一周年!一周年!」があれば、この曲の出現以降、どんな業種のあらゆるショップ、商品、サービスに対して抜群の一周年記念ソングとして用いられる。オープン1周年のドラッグストア店頭で、ハンバーグ屋の1周年記念割引を取り上げる王様のブランチで、初回から1年振りのコンクリートミキサー特集のタモリ倶楽部で、このサビが鳴り響くシーンが想像できる。だがしかし、聞き間違いでした!ゴメン「一瞬で、一瞬で♪」でした。スミマセン。

アストライド

アストライド

スガシカオ/ビクター
 スガシカオが自主レーベルからメジャーに戻り「何度だってやり直せばいい♪」っていバラードを唄っていて、ふーんて聴いてたんだけど。しばらくしたらその曲、ワールドカップの日本敗退の後での振り返りレポートのBGMで使われていて驚いた。今年はワールドカップ年→日本がんばれソングもうお腹いっぱい→W杯は99%日本優勝しない→日本がんばったけど負けたとTVラジオで扱う→「何度だってやり直せばいい♪」ソング需要!!スガシカオ百数曲ストックの中から、W杯前にさりげなくリリースしておく。これが、一曲の発表で関わる何人もの生活費を稼ぐ、大メジャーのプランニング。自分都合や契約スケジュールで成り行きのリリース作品が勝てるわけないよ。

いなり寿司ガールの涙、、、EP

いなり寿司ガールの涙、、、EP

 

0.8秒と衝撃。/HAGATA

 小学生が「発明家になる!」と志したが、大抵の必要は発明されていて、革新的アイディアも捻り出せず「勉強しなさい」「今やろうと思ったのに!」。なんで僕を発明に集中させてくれないの。ヘルメットから伸びたアームに、切ったスイカを挿して、手ぶらで食べられる「食いやスイカ」を制作したが、誰も必要としていない発明品だった。そんな役に立たない珍発明を集め、キレイな写真と解説付きで編纂「すごいテンションの人がつくったヘンなグッズ」という一冊にしたら本屋のサブカルコーナーでバカ売れ、みたいな売り方も今の時代の正解。視点と陳列によって、どんな怪物も商品になる。ただ、編集は大人に任せて作家は志を貫く怪物であり続けて欲しい。

 

 

卵のエチュード/マイハッピーお葬式

卵のエチュード/マイハッピーお葬式

北村早樹子/warabisco舎
 先日、従姉妹の旦那さんのお葬式にいったら、趣向の変わったナントカ葬とかいうので、矢沢永吉の曲がずーっと流れていた。遺族側の席で黒ネクタイしてお辞儀をしながら、喪服の列に目をやり『黒く塗りつぶせ』を小声で口ずさみノリノリでした。「笑顔で故人の思い出に花を咲かせてください」と息子さん。葬式は色々あるけど、この日、死んだ私がメインになるって思える人は結局、人に囲まれているんだと思う。孤独死や野垂れ死にのイメージを持って、おひとりさまで生きている人が案外多いもの。机の下で「あかん大変や」って日々しぼんでそうな北村早樹子が、それでも負けていない感じで軽やかにハッピーを唄ってくれた。胸に黒い安らぎが咲いたよ。

遺書

遺書

自決少女隊/HOLIC RECORDS
 歌が人の心に届いて物語が展開するという漫画なのに、映画『20世紀少年』のケンジの歌が俺の心を動かさないこと山の如し。コユキの歌が可能性の扉を開けてゆく『BECK』の映画版は歌声無しって、なんで映画化したんだよ?!比べて、見てた人少ないけど『GO!GO!HEAVEN! 自決少女隊』の深夜ドラマ化は、しょせん漫画ですというリアリティラインを下げた低予算コメディだったが、ロックな生き方に憧れる少女ジュリアが「あたしが作った最高の曲が、客の心を打つか、勝負だ」って、そこだけ一貫してシリアスさを死守した。映像化により加藤夏希が唄った『遺書』は、原作漫画と一体化し、今もファンの間では大事に聴かれている。

AUTORA

AUTORA

AUTORA/BounDEE
 流行に合わせるEDMとは別の世界のElectronic Dance Music。「突然なんだこれは?」な電子音楽を期待される90年代Sublime Records周辺の名前を追いかけていたら、今また不思議なエキゾチック・サウンドにたどり着いた。ユニットがバンド編成でサウンドも演奏感覚が増したが、どこの国のものか分かるようで分からないオリエンタル華麗な電子スパイス使いが絶妙。部屋でファミコンのイーアールカンフーやってたら、アジア横断鉄道に乗っていて、気がついたらアムステルダムのコーヒーショップで煙に包まれてたみたいな。初めてじゃない、衝撃的でもない、なのに好奇心を掻き立てる音色と、浮遊感ていうか浮浪感。

珍文完聞 -Chin Bung Kan Bung-

珍文完聞-Chin Bung Kan Bung-

The SALOVERS/EMI RECORDS
 昔バカボン鬼塚が「女言葉が出てくる歌を男が唄ってるのが、ヘヴィメタルに相当する、ヘヴィフォークだ」と話してて、そのことは誰も覚えて無いし、フォーク自体が無いけど、斉藤和義が「まったくしょうがない人ね」って女言葉で唄えば、あっヘヴィフォークだ!って思ってる。映画、演劇、小説を書く人は、男女のセリフを掛合いをしてテーマを物語る。革ジャン着て、自分の目から見えたものだけが真実で「俺は行くぜ!お前だけをアイラビュー!」の体育会系ロックに無い文学性が、男作家女言葉ロックにはある。その中で俺チャートNo.1が『愛しておくれ』。サラバーズが、オネエではないことは他の曲を聞けばわかるのでまずコレ。

神楽坂カルメン

神楽坂カルメン

松永ひとみ/日本クラウン
 あたくしの小さな頃なんかは、街角に民謡教室がちらほらありましたよ。三味線の音色が聞こえてきましてね。お歌を楽器と一緒に習うお教室が消えていったのはそう、カラオケブーム以降ですかね。日本音楽のこぶし回しは、小学校の音楽の授業に取り入れて、子どもたちに接して欲しいです。先日桜の頃、神楽坂を歩いておりましたら、立奏のスタンドに乗ったお琴に「ご自由にお弾きください」と、無人で置いてあるのを見つけて嬉しくなりました。神楽坂、7月末はほおづき市、とくれば毘沙門天のやぐらステージ。土地とメロディの密接な記憶「津軽海峡→冬景色♪」「襟裳の→春は♪」そして「神楽坂→カルメン♪」。歌謡演歌所作の美しさと共に耳に焼付きました。