SMART PANEL -19ページ目

魔法少女りのタソ☆彡



大石理乃/EMISSION ENTERTAINMENT
 シンガー女子がひとりの名前で活動していると、年齢高め40歳以上でアイドルのノリが苦手でチェキは買わないで無料で喋ったり写真を撮ったあげく音楽的なアドバイスをしてくる、そんなおじさんに「地下アイドルイベント出るのやめなよ」と言われるとか。いや、アイドルオタクは優しい人多く、おじさんの方が面倒という。コレ同意。昨日も路上でギター構えた女の子に、ずっと話しかけてるおっさんが居て、唄えてない現場を見て思ったよ。おじさんはムカつかせ代としてギターケースに25万円入れてけよー。御茶ノ水の楽器店へ行き、ついに愛機を手に入れる『中央高速ハミングバード』は、数ある中央線ソングの中でも直球珠玉。

Future Days



LotusLounge/independent*
 東大生でも正答率約3割のテスト「自分の母親に関する100問を解く」というのが面白かった。「あなたの母の学生時代のあだ名は?」「あなたの母が無人島に一つ持って行く物は?」など、お母さんのことをどれだけ知っていたか。何かの小説に、結婚相手以上の運命の出会いは、自分の子との出会いだという一節があり、頷いたのだけど、周囲に話すとナニ・ハラスメントになるのか怖くて黙っています。ロータスラウンジの『Future Days』は、おなかの大きな時に唄われ、MVは新生児の写真とともに発表された。この子も今ではおおきくなって、達者に親子喧嘩などしてると思う。お母さんのあだ名はsheep。羊のことだよ。

南風



篠﨑薫/Rap Creative Inc.
 東東京の出身だが、JRで西武新宿PePeの裏を通過する時に、なんとも言えない故郷感を味わう。電車から見る建物の裏手が変わらないからだろう。当たり前のEPSONがたのめーるに取って変わっている。昔、タワレコのある新宿ルミネ口は崖を降りる階段で、中腹にはバラック小屋チケットフナキで映画の券が投げ売り。ALTA前には、赤色彗星団やABE MARIAなど前衛舞踏家が異形を魅せつけていた。今週、新宿東口で唄う篠﨑薫のチラシを貰いMVを見たら、西ガードからのドンキやコクーンビル等が映っていた。あなたの今と新宿の今を切り取る映像は資産なんだよ、と思う。同時に、あなたの歌は新宿と共にずっと僕に残ります。

エロティシズム



アカシック/ワーナーミュージック・ジャパン
 「めちゃイケ」終わっちゃったね。2018年頭から最終回までは、武田真治のラジオ番組で語られる公式の様な予告を知りつつ見るのが面白かった。光浦靖子がサックス持ってて吹けるとか、濱口優がサックス持ってて吹けるとか、そういうサブ情報も。ビジネスのことはよく分からないけど「嫌なら見なければいい」っていうのはホントそうだと思う。世の中には、おもしろいもの、好きなものがありすぎて、消費する時間だけがただ足りない。『いちかばちかちゃん』の極楽山本フルボッコMVクソワロタ。テレビ見て怒るって、怒りたくてテレビ見てるのでしょう。その怒りの正体は?充分に寝て食べて笑えば忘れてしまえることなんじゃないのかな。

 

 

カノン



のびっつ/カンガルーレコード
 回想1999年、街のバンドコンテストの決勝大会が野外ライブで行われ、ケーブルテレビが中継していたのを偶然録音に残す。タイトル不明「歌えば七寸五分の月♪」という歌を当時CD-R、今MP3にして20年聴き続けている。2000年頃、ネット人口が増えると中央線系のどこかのライブハウスのBBSでCD情報を見つけ、ライブハウスに問い合せたがバンドは休止、CDは在庫無しとの返信に手掛かりは消えた。で、2018年検索したら動画が上がってた。オフィシャルWEBはアクセス不可だったが、Googleのキャッシュデータを見るに2012-14年頃に復活してライブやリリースをしていた。決勝大会の、あの歌のタイトルは未だ分からず。

旅に出る準備



Czecho No Republic/日本コロムビア
 情報解禁日にラジオで『テレパシー』のサウンドを聴いた時、なぜか頭の中に、ダンスとも呼べないUFO出現を願うような舞踏を突然演じだすカメラ目線の人影を見た。あと、ギターソロがカッコイー。MVを見ると、予感は当たっていた。2005年フジファブリック『銀河』、2014年フレデリック『オドループ』そのスミス監督によってかまされた数年越しのワープ体験。ドラマにしきれないメッセージを身体で擬音化したような不思議ダンスが、圧倒的な画面支配力を放っている。この何だか分からないワープ体験は、音楽によるインスパイアやリスペクトによって、あるいはミッシングリンクとなっても数年後も続いてゆく気がする。

あなたのあな

あなたのあな

クリトリック・リス/TOWER RECORDS
 愛媛出身OLのNさん、遠距離恋愛の彼が住む東京へ来たら連絡が取れなくなったという。「良く来る」みたいなバンド名のVoが彼氏。ライブツアーで四国に来る度に愛を育み「新曲『君の花』はNの事を詞に書いた」と言われたそう。Nの花、世界配信中。彼とのラブラブ話しは聞けば聞く程、Nと同様の女が札幌や福岡にも居るのだろうとゾクゾクした。応接室の花瓶を運びながらNさんが「どうして人は葉や茎でなく花を愛でるんですかね」と尋ねてきたので「性器だからだよ」と教えてあげた。その後、私が職場を変えたので、Nさんが東京で『バンドマンの女』になったのかは知らない。なってもならなくても、どっちでも幸せだったと思う。

Ma'agalim

 

Jane Bordeaux/Helicon Music

 人は見かけによらないとは言いますが、ハリウッド映画で意地悪な顔つきをした登場人物が嫌な奴だと「やはり、私以外の多くの人も、この顔つきの人が性格悪いって感じているということ」と、ホッとしたり。生活においては、できるだけ穏やかな印象たちに囲まれていたいものです。ジェーン・ボルドーは、歌声やメロディで優しい気持ちになる。MVは何かの暗喩が効いている。それだけしか分からないのだけど。印象至上で余りある音楽。カタカナみたいなヘブライ文字に、イスラエルのスーパーでドラゴンボールのお菓子買ったなぁとか、爆破されて壁が無い丸焦げのディスコの横歩いたなぁとか、懐かしい旅行の思い出に浸れました。

 

 

 

Day's



下須万里子/おしゃレコーズ
 ラーメンと俺との間にこだわり素材の解説は不要。っていうか、店内の自己実現系ラーメン的なポスターの表現欲求が、店長のInstagramなのだろうなと思った。帰り道、歌と自分の間にノイズは要らないなと好きなアーティストのSNSをフォロー外したりして。近年、ストリートミュージシャンに立ち止まると、事務所の人かサポーターさんなのか、ビラ配りやネット中継の人が居たりで、歌の感想と共に、路上も大変ですねーと雑念を持てしまう。下須万里子さんは数年前に駅で、剥き身一人の弾き語りを聴いて、純粋に歌だけの感想、入ってくるわと思った。吉祥寺駅前の『スタートライン』は、再生の度に高評価を押したいのだけど、一回しか押せないのね。

フリージア

フリージア

Uru/SMAR
 2017年、2分くらいの動画を何度も繰り返して見た。機動戦士ガンダム「鉄血のオルフェンズ」最終話まで残すところ4回の第45話「これが最後なら」ラストシーン。シノの奇襲、スーパーギャラクシーキャノン発射の0コンマ数秒、ジュリエッタによる阻止の一撃が掠り、まさかのギャラクシーキャノン弾道ズレ。シノ帰還不可のやり取り、煙に包まれつつのED曲。鉄華団は終わってみれば、滅びの美学の新撰組がモチーフだったという。不意に流れてくる音楽によって、物語の最後のページも、初めてそれを目にした時の感慨も蘇る。幸いなことに、Uruの『フリージア』は、顔のない風景のような、握りしめることのできない神秘のような、初めから思い出のような歌だ。