高円寺の女王 [ のうじょうりえ ]
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東風あんな/independent*
日曜日の深夜、夜ふかしするつもりもなく、眠りたい。目をとじた時に襲ってくる悩みを追い払うためにラジオをつけていたが、オフタイマーを待たずに放送が終了してしまった。リアルタイムに届いていた番組の終了。お気に入りの曲はオーディオに入れてあるけど、今、誰かが生きている声を、私のもとへ届く気配を感じたい。この言いようのない心細さを消すには、目を開けてSNSのタイムラインを見るしか無いのか。この世界に孤独じゃないということを、分かっているけど実感がないという、完全に一人取り残された深夜帯におすすめの曲、東風あんな『眠れない朝に』です。この歌は気配だ。白む朝に目を閉じたままで感じられる胸いっぱいの気配だ。→
LADY FLASH/Bandcamp
ここ2・3年は何かのハラスメント加害や被害を遠ざけるため、仕事で同席する程度の人とパーソナルな会話はしなくなったのだが。6年前の回想。当時職場で「あたしガンダム体型なんですよ」と言った女の子がいた。私の部署に来た若いライターはスーツ着用が初めてで「上着のサイズ探すのに苦労した」と。胸が大きく見えるが、脂肪の膨らみでなく肋骨を含む胸部が厚いので日本製の服のラインが合わない。ヨーロッパのブランドがしっくりくるという雑談だった。「モビルスーツ・ガンダムにフィットするスーツがあるとしたらイタリア製なんですよ!」それを教えてくれたヨウコさんのことを思い出したのが、『ガンダムみたいな女の子』という曲だ。→
のうじょうりえ/independent*
なぜ生活をSNSで投稿するの?という疑問に、お若い方の声「昔はコミュニティという場があったのでしょう?今は場が無くタイムラインが流れていく。似てる誰かと繋がるには投稿し続けるしか無いんです」と、なるほど〜。路上のシンガーも、同じ人が同じ駅でやり続けてると「あ、高円寺の子だな」と覚える。そういう人がライブハウスツアーを成功させていたりすると、私みたいな外野は「見なくなった」とか思っちゃうのだろうけど、動画で街と歌を残して置いてくれると、あの頃あの場所と歌が結びついて、ずっと覚えておくことが出来ます。マクドナルドの壁が赤か黒か白か、京樽の隣の消えたワンタン屋、昔は本屋でその昔は立呑バーだった。→
ポップしなないで/KINGAN RECORDS
魔法使いの女の子というキャラクター造形も伝統かつ更新されている。サリー、メグ、モモ、マミ。さらに時を経て、手品程度だった魔法の杖は世界を救う激しいバトルで星を散らしている。女の子だって暴れたい、からの変身ヒロイン。現実では、地方都市での過去を捨て去り上京する時に変身気分を味わう少女もいるだろう。ポップしなないで『魔法使いのマキちゃん』MVのロケ地は新宿西口ガードや歌舞伎町ゴジラロードだ。ミラクルが起きるかもしれないけど、ダメだったら田舎に帰るしか無いっていう空気が、新宿周辺にはある。実家に帰る前のマキちゃんがドラマ『深夜食堂』のマスターと会話して、ゲスト回が1話存在する様な気がする。→
SUGIURUMN/BASS WORKS RECORDINGS
ファンでもないのに松田聖子、中森明菜の歌の伴奏を口三味線で再現できる。そういう口でテクノを再現できる単語を探しています。意味なく直感的にぼーっと口三味線。デトロイト、ベルリンよりも、高津区の語感の方がミニマルテクノでしょう。8回繰り返してみれば同意して頂けると思います。高津区高津区高津区高津区のループに逗子市、逗子市、逗子市、逗子市が入ってきたらハードミニマル。ロボットアームが上下左右、繰り返す工業機械を見ていて飽きないのはどういうことか。自分の気分も意思も離れたところで、生きている限り鼓動が鳴り続けている。繰り返しているが逆戻りはしない、次々と成果を積み重ね続ける。→
片想い/カクバリズム
シンガーやバンドが自己陶酔しながら「僕は唄っているよ~僕の声が届くように~♪」みたいに、自分が唄うことについて歌っちゃう曲に、私が感じる気持ち悪さの正体が分かりました。結局「自分大好き」な、お前の自己愛じゃん。片思いの『Party Kills Me(パーティーに殺される!)』の素晴らしいフレーズに目の覚める思いでした。「僕音楽やめてもいいよ、でも音楽とめたらやだよ♪」そうだ、自分が唄うことよりも音楽そのものが尊い。「僕音楽やめてもいいよ、でも会えなくなったらやだよ」そうだ、遥か尊い高みに音楽があって、だがそれ以上に会いたい人がもっと大切で、膨らみ続ける気持ちが止まらないのだから、それは唄うしか無くて胸を打つ。→
ROSCOE/Capitol
とくに音楽に詳しいわけでもない私にとって、Shazamはありがたい。音楽が流れている場所で、スマホのマイクを向ければ曲名が出るアプリだ。先日、長年の疑問だったある曲が解決した「パラッパッパッパ、パラッパ♪」というコーラスから始まるイントロ。ある時は「電撃パラダイス ゲームミュージックカウントダウン」の、またある時は「壇蜜の耳蜜」の番組テーマだ。なるほどねー、ロスコーさんのレコードでスムースセイリンってかー。本人情報を検索っと、え!このイントロはEarth, Wind & Fireの『Brazilian Rhyme』のまんまサンプリングだったの?!ここで初めて、アース・ウインド&ファイアーを聴きました。→
THEラブ人間/喫茶恋愛至上主義
お別れの哀歌『コント』のMVで、スピードワゴンの小沢一敬が、離別を匂わす男女コンビとなり演芸の舞台に立つ。小沢さんといえば、少女漫画の王子様のセリフのような、少女の心をくすぐるセリフを言い、相方が「甘〜い」というツッコミ。真顔の名言であればあるほど面白い。恋する女の子の心を掴みにいく高みがあればあるほど笑えるという構造の話芸だ。その小沢さんが、台本ではなく本音でもらした一言が忘れられない。「女の子は好きだけど、ゲームとかの趣味より上位になったことはない」、これだ!とうとう言葉になってしまった。わかる!嫌いなはずあるか、女の子は好きだ。だが並列した場合、大好きな趣味は超えない。さて、どうする少子化。→
サイダーガール/ユニバーサルミュージック
検索上位にくる「まとめページ」ってそういうタイトルなだけで、全然まとまってないよね。アーティストA子さんの歌が売れてるって検索率上がったら「A子さんの出身校は?彼氏はいるの?ライバルB子との喧嘩の真相」とかいうページが出来て、独自取材してるわけじゃなく、検索すれば見つかる程度のことを結局「いまのところハッキリと分かる情報は無いようです」で終わるような程度。サイダーガールとか、MVには出ないどころか、注目の女の子が踊り、むしろその子にまとめページの席を譲るというそれ、有りだと思います。『メランコリー』の舞台、吉祥寺のトーンはいつも変わらないけど、飛行船のネコMAXはどこかへ消えてしまったね。→
シバノソウ/Independent*
性質の悪い10000PVを集めるよりも、ちょうどいいやり取りのできる50人位の同年代をネット上で集めることの難しさよ。個人で作ったファンサイト、BBSとかもう完全に埋もれてしまった。SNS利用法「#○○さんのファンと繋がりたい」「著作権侵害アップロードする人とは繋がれません」「連投失礼します」それが今どきのインターねっとり用法。気に入りましたの意思表示は、拡散の歯車として1票。いずれ千万になる再生回数100に3いいねの時代に立ち会えることを大事にしておこう。小さい歌だなぁと聴いていると「春〜♪」から空気が変わる。見上げた空を覆うゲリラ豪雨と見まごう花びら、桜吹雪を巻き起こすエモーショナルな歌。→