高円寺の女王 [ のうじょうりえ ]
楽天市場

ひうらまさこ/Being
2006年にマサコの『ポトス』というCD-Rを買い「おかしな夫婦アボカドを育てた♪」って曲を今でも愛聴し、それ以外の音源は無いのだと思い込んでいたら、ゲームソングに彼女の歌声をみつけてびっくり。彼女の歩んだ道にかかった虹を見た気持ち。例えば、歌い手さんが消えて、バンド名義になってたとかはあるけど。今、多くの人に届くフォーマットは、ディスクや配信の他に、ゲーム収録曲というのも有りますね。そういえば、ヨーロッパ進出を狙っていたテクノアーティストが、作品をレコードレーベルに送るのでなく、シンセサイザーPCソフトの会社に「制作事例DEMO SONGとしてパッケージに収録して欲しい」と、送っていたのを知っています。→
しなの椰惠/WATANABE ENTERTAINMENT
今読みかけのノンフィクションが、男が浮気して離婚する物語でなく、愛人宅でも実の子を認知子育て、2つの家庭を大事にしてる本で、それが成立するだけのお金持ち。本妻の方の長女が結婚する時に戸籍に行き当たり、自分に会ったことのない弟が居ることを知るのか?2家庭持ちの男は、お金さえあれば見られたくない戸籍を一瞬抜いてまた戻すことが出来るようです。でも、最終的には男の葬式の時、遺言が遺産が、諸々で全ては詳らかになるのでしょう。その時は、責められる男はすでに不在。もとより、刑務所へ入るような事案でもなく。読者としては、娘が『16歳』でギターを手にして親を断罪するカタルシスを求めてしまう。→
海里/independent*
春が来て、卒業旅立ち、引っ越しシーズン。直接的には知り合いでない人もそっと入れ替わる。マクドナルドの高校生バイトや、コンビニのレジの人。一回しゃべった店員さんが故郷へ帰っていた。新しく来た人に気づくことはあるけど、見なくなった人がもはやどんな人だったか思い出さない。高円寺駅前の路上もしかり。新鮮な人が居ると見てみたら「ひどい似顔絵500円」とか音楽以外の芸事をする風景に、はじめて聴く歌声が春風のように流れてきて、海里さんの路上ライブでした。世の中に新型ウィルスが流行り、大きなコンサートからライブハウスのイベントまで自粛させられた期間に、人がとどまらないオープンエアの駅前に届けられた季節の音楽でした。→
コアラモード./アリオラジャパン
新種のコロナウイルスが感染する危険を避けるため、人が集まる様々なイベントが控えられています。そんな最中、マナーが悪くうるさく騒ぐ集団観光の外国人が来なくなり、人が居なくなったといわれている、田舎の島へ行ってきました。海の波が削った洞窟。青く光る海の中には一時期いなくなっていた魚などがたくさん戻ってきたと聞き、ゴーグルとシュノーケルで潜ってみると神秘的な光る魚たちを楽しむことが出来ました。桜の季節は、木の根っこに酒やゲロを撒き散らす人が減り、ストレスフリーでブロッサムすると思いました。今年は『さくらぼっち』でも聴きながら、ぼっちで花見も粋なもの。本当に誰に会いたくなるのか、桜が、歌が教えてくれます。→
工藤ちゃん/DOKIDOKI RECORDS
「あの日ふたり見つめ合ったのに、ライブハウスでは他人行儀になるの〜♪」っていう、もぎり物販任されるならまだ身内気分だが、彼女とバレんように一般客でライブに来てって、中野や渋谷あたりのお笑い芸人を目指してバイトやヒモで食いつないでる系男子の彼女やん。「幸せんなったら俺、おもろなくなってまうかもしれん」とか、分かるようで分からない芸人ロマン大好き女子が「いつ結婚…」言えないダラダラした内助の功的な。それでも、愛の無い正論や世間の評価だけで生きていけない。自分の気持ちがキミを支えたいと思ったときに、キミへ財布を開くことが幸せだ。頑張れ芸人の彼女。そしてメビウスの宇宙を超えろ、バンドマンの女。→
NoisyCell/バップ
いつの間にか、お茶の間の刑事ドラマから殴ったり撃ちまくるシーンが無くなっていた。それでも、人の生死で泣き叫ぶのがドラマになるもんだから、医者のドラマがやたらと増えた。MVも銃を撃ってカッコつけるものより、余命や回復を扱うものが増えてゆくのではないだろうか。NoisyCellの「虹霓」は、その点で目の付け所がはやい!…のかな?人の体は命ある限り生きようとする。あたまでかんがえて死を望んだとしても、断然体より弱い。呼吸をやめないし鼓動は止まらない。寂しさに理由はない。あたまで腑に落ちる理由を考えるよりも、おなかの調子を整える方が有効手だよ。あの子を好きなら、あたまでの確信を待たずに、走り出すのも有効手だよ。→
東風あんな/independent*
日曜日の深夜、夜ふかしするつもりもなく、眠りたい。目をとじた時に襲ってくる悩みを追い払うためにラジオをつけていたが、オフタイマーを待たずに放送が終了してしまった。リアルタイムに届いていた番組の終了。お気に入りの曲はオーディオに入れてあるけど、今、誰かが生きている声を、私のもとへ届く気配を感じたい。この言いようのない心細さを消すには、目を開けてSNSのタイムラインを見るしか無いのか。この世界に孤独じゃないということを、分かっているけど実感がないという、完全に一人取り残された深夜帯におすすめの曲、東風あんな『眠れない朝に』です。この歌は気配だ。白む朝に目を閉じたままで感じられる胸いっぱいの気配だ。→
LADY FLASH/Bandcamp
ここ2・3年は何かのハラスメント加害や被害を遠ざけるため、仕事で同席する程度の人とパーソナルな会話はしなくなったのだが。6年前の回想。当時職場で「あたしガンダム体型なんですよ」と言った女の子がいた。私の部署に来た若いライターはスーツ着用が初めてで「上着のサイズ探すのに苦労した」と。胸が大きく見えるが、脂肪の膨らみでなく肋骨を含む胸部が厚いので日本製の服のラインが合わない。ヨーロッパのブランドがしっくりくるという雑談だった。「モビルスーツ・ガンダムにフィットするスーツがあるとしたらイタリア製なんですよ!」それを教えてくれたヨウコさんのことを思い出したのが、『ガンダムみたいな女の子』という曲だ。→
のうじょうりえ/independent*
なぜ生活をSNSで投稿するの?という疑問に、お若い方の声「昔はコミュニティという場があったのでしょう?今は場が無くタイムラインが流れていく。似てる誰かと繋がるには投稿し続けるしか無いんです」と、なるほど〜。路上のシンガーも、同じ人が同じ駅でやり続けてると「あ、高円寺の子だな」と覚える。そういう人がライブハウスツアーを成功させていたりすると、私みたいな外野は「見なくなった」とか思っちゃうのだろうけど、動画で街と歌を残して置いてくれると、あの頃あの場所と歌が結びついて、ずっと覚えておくことが出来ます。マクドナルドの壁が赤か黒か白か、京樽の隣の消えたワンタン屋、昔は本屋でその昔は立呑バーだった。→
ポップしなないで/KINGAN RECORDS
魔法使いの女の子というキャラクター造形も伝統かつ更新されている。サリー、メグ、モモ、マミ。さらに時を経て、手品程度だった魔法の杖は世界を救う激しいバトルで星を散らしている。女の子だって暴れたい、からの変身ヒロイン。現実では、地方都市での過去を捨て去り上京する時に変身気分を味わう少女もいるだろう。ポップしなないで『魔法使いのマキちゃん』MVのロケ地は新宿西口ガードや歌舞伎町ゴジラロードだ。ミラクルが起きるかもしれないけど、ダメだったら田舎に帰るしか無いっていう空気が、新宿周辺にはある。実家に帰る前のマキちゃんがドラマ『深夜食堂』のマスターと会話して、ゲスト回が1話存在する様な気がする。→