IN SOMEWHERE NIGHTS
Charlotte is Mine/Bassless Records
東は星空なのに西はまだ夕暮れ、下が夕焼けだけど上は青空。広い視界の開けたところに行くとそんな風景が毎日あって、時間をかけて見ていると、青空と夕焼けのグラデーションの中に七色を見つけることが出来る。空一面が果てしなく大きな真一文字の虹。そのことをなんて呼ぶかずっと考えては忘れ、たまに暮れゆく空を見ては思い出し。この度、シャーロットイズマインの曲を聞いて暫定『白昼夢』と呼ぶことにいたしました。ずっと見ていたい夕暮れの色も数分たてば終わってしまう。特にピンク、紫、緑が見えるのはほんの数分。『白昼夢』の2分42秒が、最もその場にマッチするオリジナルサウンドトラックです。→
幕が上がる/FEVER
今井舞衣/independent*
成績の5段階評価で例えば5教科。国語・数学・理科・社会・英語に3/4/3/4/2って並んでると、一番2に注目がいってしまうんだってさ。平均が3で、それよりいい4がふたつもあるのに、ひとつの2について語る時間が多い「次はがんばってください」と重い。今井舞依の『CCC』は視力検査をモチーフにした曲、つまり「右、右、右です」って答えるあの記号をシーシーシーと読んでいる。これは欠けているところではなく、満ちている側をとらえて読んでるの。「私がいるよ!」っていう歌。人間の視界ってだいたい左右200度って聞いた時に、すぐ残りの160度のことを考えられる人、その人だけが360度の考え方が出来る人だと思います。→
5年後の世界
特撮/キングレコード
経済ニュースなどで新技術が発表されたら、世の中に出るのは5年後と言われていました。生産ラインやコスト飲み直し後に手の届く価格で普及する。そう思って、鉄線の入った車ガラスの技術を応用した窓暖房のニュースを聞いたのが10年前。普及しなかったです。いよいよ働き方が変わる、っていう風が吹いて2年目「はやく元に戻らないか」と言うひとはどの部分まで指しているのか。アレゴライズ、変異株はあと2〜3年続くという人がいる。ランダマイズ、根拠の論文を読んでる暇も無し。月曜日には持ち場へ戻る。『5年後の世界』その時代も、会いたくない人には会わないで過ごしたい時間割くことができる、その為の誰にも批判されない巨大な理由があると助かる。→
イエローバタフライ
みきなつみ/cocoon nuts
女同士のグループに対して男が「人間関係ドロドロで怖そう」と偏見無知の言葉をかけている。自分の信じた噂をそうなんだろうと確認したい決めつけ。そんな乱暴を擦り付けられた『GIRL』同士が楽しい会話の端の方で「あの男バカなんだろうね」って切り捨てるシスターフッド。78億人の出会いの中でたまたま側に居たシンジケート。裏表が無いというより、自分がほんのちょっと良い子でいられる他者は、もう自分のパーツみたいだけど別の人生で、ある日、彼氏や子どもとか登場人物が増えても「君らしくあれ!」って言えるあたしのコンディション。「君のホームでいさせてね」って言えるあたしのコンフェッションよ。ベストフレンドフォーエバー。→
micro
Quinka,with a Yawn/Softly!
どんどん音楽をきかなくなってゆく。嫌いになったのではなく、自分がどんな人だったか忘れてゆく。プレイヤーの過去データをたまたまクリックして、これはいいなと思う程度。3年後にはもっと薄れていそうだ。検索結果、少し時代を遡るとSNS以前のファン語りは激減する。ブログと個人ページが消え去ったからだ。はたして私が音楽を好きだったことが、どこかに残ってるだろうか。探したならばそれ程再生増えていない音源がネットにあり、そこに自分のアカウントで高評価をつけた印があった。あの時の私はもう居なくなってしまったけど、あの年代、ちゃんと好きなものがあって生きていた、そのことが分かる、自分だけに分かる。→
紫陽花の庭
湯川潮音/EMIミュージック・ジャパン
休日の天気予報で雨の確率がけっこうたっぷりめに盛られているような気がします。不公平感なく行動を抑制するための施策だったのかもしれません。雨の降り始める時間とパーセントの予報を見て、自然に外出を控え、当日の夕方頃「そういえば、今日雨振らなかったな」とか。住んでる場所によっては、予報通り雨が降っていたのかも知れませんが、東京の真ん中は「結局、晴れてた」というのが令和3年4〜7月の記憶です。曇りの日最高。雨は程々に降って止むのが望ましい。紫陽花の季節に雨が止むと必ず思い出のが湯川潮音「ツバメの唄」です。手を頭の上に上げて振ると楽しくなります。雨上がりは人の居ないところで謎のツバメ踊りをしています。→
Boldly+
小松原沙織/Paper Rose Records
楽器の音色のように機能する単語は発見だ。酒がうめえったら酒がうめえ。コロンコロンとスイングするピアノにのった時に、言葉の意味を超えてリフレインを始める。『酒がうめえ』は荒っぽい言い方ではなく、これには江戸の風が吹いている。稼いだ銭をパーッと「宵越しの金が持たない」なんて事はできないけど、その日のしまいに乾杯するのは街にお金を流すこと。そして思ったことを話すこと。仕事帰りに買ったコンビニスイーツ。写真撮って「おいしい!」とあげたら「いいね!」がついた。眠る少し前のそれは、グラスを持った人たちが言い合う「おつかれさま」に似ていた。明日は忘れることだけど、そうやって一日終われてよかった。→
Mellow Madness
O'CHAWANZ/SecondFactory
青春期の名曲を思い出してカバーしているような永遠のメロディに、未来の自分たちアラフォー女子が独白するタイムライン。仕事で渡米したがズレを感じ帰国した人、今の楽しさや安定を手放せず流されてた人、会社を辞め音楽活動をメインに続けてる人、かつての3MCが20年ぶりに再会すれば、あの頃のマイクロフォン・キャンディーデイズ。神様がくれた心のベストテン第1位は『PAST TIME PARADISE』。近年、大人の女性が幸せのカタチを自分で決めることで社会構造変革の必然を描く映画、ドラマ、小説が発表され続けている。人生は自分のもの。オチャワンズのパストタイムパラダイスも魂の響き合う幸福確認抒情詩。→
記憶線
あみのめ/Karappo Record
スマホのバッテリー残量が半分以下になってるのに、ゲームの中でパワー回復アイテムを使ってしばらく集中していると、無意識の中では充電が回復していたような錯覚をしていて、バッテリー残10%のアラートにびっくりした。あみのめの「サヨナラ」のPVを見ていたら、ぶらりと出かければ不思議な音楽のライブを毎日あちこちでやっているそんな日常に居るような気分になったが、ニュースを見ればまた外出自体が控えるべき日々が続いている。誰が出てるか知らないけど、高円寺無力無善寺や八丁堀七針にふらりと入って、いいバンドをみつけて、次に出るらしいライブハウスへ初めて行ってみて。その日々は街の記憶、陽射しの記憶、出会いの記憶。→
クライザライト
山本紗江/independent*
M-1グランプリは結成10年規定で芸人に辞めるきっかけを与えていたが、10年たったコンビがピン芸でR-1に、ベテランピン芸人が結成初年でM-1に挑む時代。諦めないやり方がいよいよ分かってきた。高度経済成長の様な景気は来ないなら思うまま生きよう。夢憧れに棘の道は覚悟の上、飽きないうちは挫折は無い。次に立ちはだかる最大の試練は数十年後、親の介護かも知れない。諦めない秘訣は、健康な心と体で集中できる時間を確保できるだけの収入を得る労働環境。今どきバンドやシンガーなど皆職業を持ち10年を超えていく。マイクを買いカメラを買い自宅から、諦めない先の先を始めているシンガーの力強い歌がポケットの端末で鳴り出す。→









