スマホ一つで代金支払いができるQR・バーコード決済。
決済事業を運営する企業や行政がキャッシュバックやポイント還元といったキャンペーンを何度も行った効果もあり、飲食店や地方の小売店等でも、かなり利用できる店舗施設が増えました。
この2月からは、郵便局でも一部店舗で交通系のカードやQR・バーコードによるキャッシュレス決済が出来るようになりました。
金融機関では独自にQR・バーコード決済を始めている銀行があるくらいですから、ここ数年でキャッシュレス化はより加速するのでしょう。
利用者である消費者の利便性は高まりますし、慣れてしまえば交通系カードの様に高齢者でも普通に使っていますから、現金主義の方には申し訳ありませんが、もはや時代の流れに逆らっても不便で損するだけだと思います。
頑なに現金じゃなきゃ、などという方にはどうにも響かないようですが。
保険会社は、20年程前には金融機関の口座振替による手続き上のキャッシュレス化だけでなく、損害保険料などのクレジットカード決済も一部で可能となりました。
私が保険代理店だった頃は、まだカーボン紙とカードを一緒に小さな機器に挟んでガリガリとカードの凹凸からカード番号や名義人の情報を複写、そこに名義人がサインをするというアナログな方法でしたが、契約者の職場や自宅でもキャッシュレス契約出来るのは画期的でした。
それが、今や損害保険・生命保険の全てではないものの、スマホ一つで契約から保険料決済までが出来るようになり、それに加えて重たく分厚い保険のしおり(約款)や保険証券の電子化を選択する事で、契約者に保険料の割引を適用するなど、ペーパーレス・電子化は保険会社、契約者双方に恩恵があります。
個人的には普段から陸マイラーですから、普段の買い物から保険料・税金なども、なるべくキャッシュレスにまとめて航空会社系のカードでマイルを貯めています。
結婚式や披露パーティーの費用等もクレジットカード払いにしたら貯まるのですが、限度額がそれほど高くない人も、クレジットカード会社に海外旅行や結婚式などでカード決済をするからと一時的に限度額を増額して欲しいと伝えると、結構柔軟に増額してくれますから聞いてみては。
ただし、キャッシングの増額に関しては買い物と違い厳しく審査されますが。
家族4人分を1つのカード決済でまとめると、どれだけ決済に利用するかにもよりますが、家族分の国内旅行や近場の海外旅行の航空券程度なら毎年のようにマイルが貯まります。
それだけに、家計の支出が一時的に増える、引っ越しやリフォーム工事、新築・建て替えといった高額な支出を予定している方は、事前にカードの特典などの情報収集をして、お得に貯まるポイントやマイルのカードを作っておくのも良いでしょう。
毎年春の卒業・就職時期は、学生や新卒の会社員等が新たに銀行口座開設やクレジットカードを作る時期ですから、カード会社も様々なキャンペーンを行います。
普段でも新規カード申込みで5,000~8,000ポイント(同額の金額相当)が付いてきますが、キャンペーン時期はそれに加えて一定期間利用額に応じて通常の何倍もポイントやマイルが貯まる事もありますから、今からどこのカードが自分の消費生活に合っているか調べておいても良いでしょう。
そんなタイミング上手に利用してカードを作成すると、よりお得感が増しますから。
例えば、1世帯あたり1年間に支払う生命保険料の平均は38,2万円。
仮に2%をポイント等で還元すると、年間7,600円余りとなります。
参考:生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」を参照
https://www.jili.or.jp/research/report/zenkokujittai.html
決済方法をクレジットカードにまとめるだけで、預貯金の金利では考えられない程、キャッシュバックやポイント還元が付くのですから、これをやらない手はないでしょう。
企業が進めるキャッシュレス決済やペーパーレスといった電子化は、SDGsにも大きく寄与します。
SDGsについては国連広報センターWEBサイトを参照
https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/
SDGs17のゴールの内、ゴール12のつくる責任つかう責任、ゴール13の気候変動に具体的な対策を、ゴール14の海の豊かさを守ろう、ゴール15の緑の豊かさを守ろう等につながるペーパーレス・電子化は、大量に生産されている印刷物と焼却ごみの廃棄物抑制、紙の原料として東南アジアなどで起きている森林の大量な違法伐採や、二酸化炭素を吸収する効果の高いサンゴ礁・マングローブの森等の保護育成などにも、軽減したコストの一部が生かされています。
小売業大手のイオングループやセブン&アイホールディングスでも、こうした環境配慮や保護の取組みや支援活動を、財団を設立して30年もの長期間継続しています。
公益財団法人イオン環境財団WEBサイト
一般財団法人セブンイレブン記念財団WEBサイト
小売業以外にも良い取り組みをしている企業は多いのですが、メーカーや事業者はこういう取り組みを全面的にアピールすると、環境を商売に利用して・・・などというネガティブな印象を持たれる事を恐れているのでしょうか。
もっと消費者や株主などの投資家に向けても堂々とアピールして欲しいですね。
それはさておき、当初導入を渋っていた小売店も、導入コストがほとんどかからない上、今のところはクレジットカードのような決済手数料がかからない導入キャンペーン時期ですから、始めておいた方が得だと感じるようになったのでしょう。
個人商店や飲食店などの小規模事業者がクレジットカードやQRコード決済を嫌がる理由に、仕入は現金か市場の様に1週間程度の短い決済なのに、カードやQRだと、現金が自分の手元に来るまでに時間がかかる事や、決済手数料を何%か取られる事だとおっしゃる方もいますが、今まで現金取引でどんぶり勘定でやっていたところは、電子決済になると売上げの誤魔化しが効きませんから、それが困るという方も少なくないようです。
それって売上げを意図的に過少申告する事による、脱税のようなものなのですけどね・・・
商流と決済は、赤字を補てんする場合は除いて、運転資金が回転し始めれば困る事はない筈ですから。
キャッシュレスの良い所は、釣銭や小銭など現金を用意しなくて済みますし、毎日のレジ集計や現金との勘定合わせも間違いが起きません。
閉店後にレシートの売り上げと現金を合わせるような手間がなくなるだけでも、現場作業は楽になりますし、人を雇用している場合は勤務時間も短縮、人件費も変わるでしょう。
しかも、現金管理が不要になれば、夜間金庫に売上金を持っていくとか、銀行窓口が閉まっている週末や休日の釣銭や売上金の管理による盗難などのリスクも考えなくて済むのですから、利点の方が多いと思いますけどね。
家庭ではキャッシュレス化によるキャッシュバックやポイント等の恩恵がありますし、既に企業や私立大学などは食堂など施設内のキャッシュレス化が始まっています。
子どものお小遣いも今やスマホに決済用の残高があれば困らないですし、仕送りなどの送金も親がスマホで出きる時代なのに、公立学校などでは未だ子どもたちに集金する際に現金を学校に持って来させるという昭和のような前時代的習慣が継続しているあたりは、改善の余地があります。
キャッシュレスに反対している人は、そういった前例踏襲を良しとする組織に属する人やOBが、私の時代は・・・などと云っていたりして?