今回のことは、君の人生にとっては、予行演習のようなものだ | くにまさのブログ

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     (『新・人間革命』第7巻より編集)

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 伸一は、戸田城聖の言葉を思い返した。

 

 昭和三十二年七月、伸一が選挙違反という無実の容疑で逮捕され、出獄した彼に、戸田は関西本部でこう語ったのだ

 

 「今回の事件は、私が弟子たちを参議院に送ったことから起こったものだ。

 

 国家権力は、新しい民衆勢力が台頭してきたことに恐れをいだいていた。民衆を組織した学会の団結が怖いのだよ。

 

 民衆が力を合わせれば、どんな大きな力になるかを知っているから、学会を叩きつぶそうとしたのだ

 

 そこで、この戸田を逮捕しようとした。私を捕らえて、犯罪者にすれば、学会は極めて反社会的な、犯罪団体であるとのイメージをつくることができる。

 

 伸一、君を逮捕し、責め立てたのも、私に捜査の手を伸ばしたかったからだ。

 

 だが、君は、それを見破った。そして、罪を一身に被ろうとした・・・」

 

 この時、戸田の目頭が潤んだ。その瞬間の光景が、伸一の心に焼きついて離れなかった。

 

 戸田はそれから、強い口調で言った。

 

 今回のことは、君の人生にとっては、予行演習のようなものだ。やがて将来、権力は魔性の牙をむいて、本格的に襲いかかってくるにちがいない。

 

 弾圧は、決して戦時中の昔の話ではないよ。

 

 確かに、戦後、日本は民主主義の国家・・・。

 

 しかし、権力のもつ、魔性の本質は何も変わっていない。それだけに、より巧妙な手口で、弾圧することになる。

 

 権力にとっても、存亡をかけた攻防戦だけに、なりふり構わず、卑劣な攻撃を仕掛けてくるだろう。

 

 その時は、君が狙われることになる。覚悟しておくことだ

 

 

 

 

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