○今回、2023年9月10日が五回目の杭州西湖訪問だった。武林门站から、杭州公交28路に乗って、西湖を目指した。終点の植物園前がすでに、西湖のほとりである。今日は、終日、杭州西湖を楽しみたい。
○その西湖をウイキペディアフリー百科事典では、次のように案内している。
西湖(杭州市)
西湖(せいこ、簡体字中国語: 西湖、拼音: Xī Hú)は、中国浙江省杭州市西湖区にある湖。
西湖の自然の島である孤山、西湖を分ける堤の蘇堤・白堤・楊公堤、人工の島である小瀛洲・湖心亭・阮公墩、分けられた湖の外湖・西里湖・北里湖・南湖・岳湖、これらをまとめて形状を「一山、三堤、三島、五湖」と称される。2007年に、中国の国家AAAAA級旅行景区に指定される。2004年発行の第五版人民元1元札裏面の図案として、西湖の三潭印月が採用されている。
名称からして都市や山の西にある湖ということで、中国に数ある西湖であるが、単に「西湖」と言えば、この杭州の西湖を指す。2011年6月の第35回世界遺産委員会で世界遺産(文化遺産)として登録された。中華人民共和国国家級風景名勝区(1982年認定)、中国の5A級観光地(2007年認定)。
南宋末(13世紀)の祝穆『方輿勝覧』巻一に詩画の十題として以下が見える。
断橋残雪、平湖秋月、曲院風荷、蘇堤春暁、三潭印月、
花港観魚、南屏晩鐘、雷峰夕照、柳浪聞鶯、双峰挿雲、
○西湖について、よくまとめてある。西湖の概要は「一山、三堤、三島、五湖」と称される。その内実は、
・一山=孤山
・三堤=蘇堤・白堤・楊公堤
・三島=小瀛洲・湖心亭・阮公墩
・五湖=外湖・西里湖・北里湖・南湖・岳湖
であることが判る。
○また、西湖の代表的風景として、案内されているのが西湖十景になる。これについては、中国の検索エンジン、百度百科が詳しい。
西湖十景
西湖十景,位于中国浙江省杭州市西湖区境内,为西湖风景名胜区周围的十处建于南宋至清的特色景区,包括苏堤春晓、曲院风荷、平湖秋月、断桥残雪、花港观鱼、柳浪闻莺、三潭印月、双峰插云、雷峰夕照、南屏晚钟。
西湖十景景点基本围绕西湖分布,有的就位于西湖上,十景各擅其胜,组合在一起则能代表古代西湖胜景精华。西湖十景系列景观涉及了春夏秋冬、晨晌昏夜、晴雾风雪、花鸟虫鱼等关于季节、时节、气象、动植物的景观特色,以及堤、岛、桥、亭、台、楼、阁、园林、宅院、寺塔等较为丰富的景观元素,并各有侧重地表现出或生动、或静谧、或隐逸、闲逸、冷寂、禅境等审美意境。 西湖十景是在南宋这一中国传统文化艺术的成熟期和鼎盛期创造的较重要的景观作品,反映了中国古代文化艺术中诗、画、景在审美和哲学层面上的有机结合、达到统一的重大特质,体现了人与自然的融合。
2011年6月24日,包含西湖十景在内的“杭州西湖文化景观”被列入《世界遗产名录》,成为中国第41处世界遗产。2013年5月3日,西湖十景被中华人民共和国国务院公布为第七批全国重点文物保护单位。
西湖十景(第七批全国重点文物保护单位)_百度百科 (baidu.com)
○今回、訪れたのは、西湖のうち、植物園入り口から霊隠路と曙光路とが交差する交差点まで戻り、楊公堤を南にして、北山街を東へ歩いて行った。その楊公堤と蘇堤の間が、現在、曲院風荷と命名されて、公園化されている。
○その曲院風荷について、詳しい説明がインターネットにあった。
曲院風荷
曲院風荷とは、夏の日に蓮を観賞することを主題としており、蘇堤春暁の次、西湖十\景の第二位に位置している。「曲院」とはもともと南宋の朝廷が開設した醸造所のことであり、今の霊隠路洪春橋附近に位置していた。当時の西湖湖岸に臨み、岸に近い湖面では蓮の花が人工的に植えられ、夏の日が来るたびに、暖かい風がゆったりと吹くと、蓮の花の香りと酒の香りが四方に馥郁と広がり、人を飲まずして、また酔わしめたのであった。南宋の詩人王に詩贊があって次の通りある「避暑の人冷泉より帰り、埠頭の雲錦、晩涼の天。愛渠せる香陣、人に隨いて遠し、行きて過ぐ高橋、方に船を買わん。」(暑さを避けていた人は冷泉から家路につけば、埠頭には錦のような雲、夜のすずしさ。愛すべきかおりは、人々から遠ざかっていく。高橋を過ぎゆき、船をたのもうとする)。後に曲院は徐々に荒廃し廃絶してしまった。清の康熙帝は西湖十\景を品評した後、蘇堤跨虹橋のみぎわに曲院風荷景碑亭を建てた。後世にまで残ったのは、ただ一所の小さな庭院と院前の湖面の小さな蓮の花一片に過ぎなかったのである。現在の曲院風荷は1983年以来、徐々に建設された大型公園で、全園は嶽湖、竹素園、風荷、曲院と濱湖密林の五大景勝地に分かれている。公園の周囲には岳飛の墓廟、郭荘、杭州植物園等があり、西湖北岸において通年的に観光客が多く集まる遊覧地区を形成しているのである。
曲院風荷の観光情報-杭州旅行案内-旅情中国 (chinaviki.com)
○少々、長い説明だが、曲院風荷について、よく解説している。しかし、曲院風荷をもっともよく案内するのは、何と言っても、楊万里の「曉出淨慈寺送林子方」だろう。
曉出淨慈寺送林子方
楊万里
畢竟西湖六月中
風光不與四時同
接天蓮葉無窮碧
映日荷花別樣紅
【書き下し文】
畢竟、西湖は六月中なり。
風光は四時と同じからず。
天に接して、蓮葉は碧に窮まる無く、
日に映じて、荷花は別樣、紅なり。
【我が儘勝手な私訳】
つまるところ、西湖の絶景は六月中に尽きる。
西湖の美しさと言ったら、他の季節とまるで違うのだ。
天に接するかのように伸びている蓮葉はどこまでも碧いし、
陽光に照らされた蓮の華は、特別な紅色を見せている。
○当古代文化研究所では、次のブログで、詳しく案内している。
・テーマ「白居易の愛した佛都・杭州」:ブログ『曉出淨慈寺送林子方』
曉出淨慈寺送林子方 | 古代文化研究所 (ameblo.jp)