皆さんこんばんは、ろべです。
なにやら晴れたり曇ったりスッキリしない天気ですなあ・・
12月出演予定のお芝居「13人の怒れるオカマ」の稽古、進行中です。
役も決まり、今はキャラクター作りの時間。
私は女だけど、オカマさんを演じる。
すごく難しいです。
演出の方も言っていましたが、
ホントに単なる「おふざけ」になってしまう危険性をはらんでいるから
きちんとキャラクターが作られていないと、単なるごっこになってしまう、全然面白くないですもんね。
特に私は出足から、勘の悪さから乗り遅れている感が否めない💦
頑張らないと💦
あと、実はもう一つ。
ちょっと個人的に、懸念していたことがありました。
題名に「オカマ」と入っているじゃないですか。
これって結構センシティブだなと、最初思って。
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一般の人が「怒れるオカマ」と聞いて、受ける印象って
「なにそれ面白そうww」ってものが大半だと思うんですが
それってなんというか、多くの人がブラウン管を通してみる
「オネエタレントさん達のガヤガヤ」をイメージするからじゃないかなって。
ちなみに最近、オカマっていう言葉、あまり使われなくなったと思いませんか?
どちらかというと「オネエ」という言葉のほうがメディアでも主流になりつつあるというか・・・昔ほど「オカマ」という呼称が使われなくなったなと。なんとなく差別的な響きも今は感じられる。
ささっとネットで調べたのによりますと
「オカマ」って元々は江戸時代の肛門の隠語(!)らしく、そこから転じて女装をする男娼→さらに女装をする男性→さらに広義に男性同性愛者を指すようになったらしいです。
80年代には、男性同性愛者とか女装者、トランスジェンダー(MtF=Male to Female、つまり肉体的には男性として生まれながら心は女性の人)の人達に対して使われた言葉らしく
単純にその当時は、トランスジェンダーなんて表現もまだ知られていない時代。かつ語源を考えたらなんでもいっしょくたに表現されていた「オカマ」という呼び名を蔑称ととる人も多いのでしょうね。
wikiさんによると、「オネエ」は、性自認が女性(自分を女性と考える人)で女装はしない男性同性愛者、それに比べて女装したり女性度が高い人を「オカマ」と自称する方が多いみたいですが
この区切り関係なく「私たちはオカマだから」って言う人もいますし、逆に差別的だとして嫌がる人も多いとか。
これは本当に個々の意識によるんでしょうね。
(※そしてこの記事内では、題名にもありますので、以下あえて「オカマ」という言葉を使わせてもらいます、すみません)
今回のお芝居のキャストは、「全員オカマではない」(少なくとも現時点での私の認識は)、
つまり
実際の当事者でない人間が演じるわけです。
勿論お芝居では殺人犯を演じる事だってあるでしょうし、本来の自分とはかけ離れた役柄を演じることなんてザラだと思うんですよ。
で、仮にそれが真実の「それ」とは違ったものであっても、その当事者を揶揄することにならないというか・・・だってお芝居ですから。
だけど、今回不安だったのは
万が一このお話のなかに、当事者の人たちが(もしくはそれ以外の人も)見て「不愉快なもの」があったら嫌だな、ということだったんです。
つまり万が一、題材が
「オカマ(であること)を嘲笑することで笑いを生む」
ものであったらどうしよう、というものだったんです汗。
で、現時点、脚本演出家さんにその意図は感じられませんし
あくまで、陽気で多才で言葉のキャッチボールにひたすら長けている「オカマさん達」、きちんと人格をもった一人ひとりがぶつかりあうことで、繰り広げられるコメディ、という印象だったので、ほっとしました。
あ、上から目線に聞こえたら悲しいんですが、1キャストとして、率直な気持ちでした。
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これは聞いた話ですが、日本はとても不思議な国、だそうです。
これだけテレビのなかで、いわゆるマイノリティの人たちが席捲しているのに、それでいて同性婚はできない国である、
不思議で仕方ないと。
これって多分、多くの人が「ゲイ=オカマ」だと思っていて、なんというか自分達とは全然違う人達、って思っているからなんじゃないかな、と。
テレビの向こうで、華やかな女装とメイクをして面白いトークで場を盛り上げる「オカマさん達」のことをいわゆる「同性愛者」と考えることはたやすくて
自分のすぐ隣に座っている同僚や上司、昔からの知り合いが、そういう人達である可能性というのをすごく認識しづらい(考えてもみない)んだろうなと。
テレビに出ている、多くの「オカマさん」たちはやはりタレントさんなだけあって、華やかだったり何がしかの才覚とトーク力で、やっぱり観ていてとても楽しませてくれるんですよ。
だからこそ、マツコさんはあれだけ多くの番組やCMに引っ張りだこなんでしょうし、
IKKOさんやミッツさんクリスさん、その他、ダイアナエクストラバガンザさんとかエスムラルダさんとか(みんな名前が凝ってるww)
テレビに出ているだけでなんか絶対面白そうとか思わせてくれますよね。
実際他にはない苦労されている方が多いでしょうし、そこを乗り越えた上でのあの強さや毒舌にはどこか愛が感じられて、女性タレントにはない懐の深さを感じたり美意識があったりするので愛されるんでしょう。
(勿論なかには、彼らがテレビに出ているだけでチャンネルを変えるという人も存在はすると思います。)
マツコさんたちが果たしている功績は私は大きいと思います。が、それと同じくらい、彼らが活躍することによって生まれる弊害はあると思う。
テレビのあちら側にいる派手な方々とは違い
女装もメイクもしていない「いわゆる普通に見える」の男性の中にも、沢山「そっち系」が人がいるという当たり前の事実を認識させないという弊害です。
全然そんなことないのにね。
自分の身近にはいない(と思い込んでいる)人たちの存在を感じるのは、多分とても難しい。
だから中々法律化が進まないんだろうな。
(でもおそらくマツコさんをはじめとする、テレビで活躍している方々は、自分たちがテレビで活躍することによる「そうした功罪」には自覚ありだと思う・・)
でも少なくとも、とくに若い世代において、「LGBT」に好意とまではいかなくても、偏見をもつ人は少ないなあという印象を受けます。
が、やはり女性の意識は、男性のそれより遥かに柔軟性があるなあ~と日々思ったりします。
「おっさんずラブは観られない」という男の人がいることからも、うなずけるかなと。
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●ゲイは、いわゆる女装をしている「オカマさん」だけじゃなくて、「ごく普通にみえる(女装的な記号がない、という意味で)」人達のなかにもたくさんいるんだということ
●そしてそういう人達はごく普通に(あるいはひっそりと)私達の身の回りで暮らしていること
そういう事実がもっとごく普通に「浸透」していったら
息をしやすい人が多くなるだろうになあと思います。
ちなみに私自身も、マイノリティの一部であるとカウントされるんだろうなと思いますが、
別にそういう意識からの正義感がなんちゃら~とかそんな高尚なモンでは全然なくて
単純に「不愉快なものだったら嫌だな」という素直に湧き出た懸念でした。汗
でもそれは杞憂に終わりそうでよかった~(演出さんスンマセン(笑))
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話がとっちらかって、すんません。
ここまで長々書いてきましたけど・・・
勿論ね、実際のところは分からないですよ!
もしかしたら当事者の人が見たら、なんじゃこれは!!とお怒りになる人もいるかもしれない。
少なからず性の問題を含んでいるものだから、受け取り方は千差万別だと思うんです。
でも少なくとも現時点で、このお芝居はあくまで
「それぞれの人生を、それぞれの生き方で生きている人間が、繰り広げるコメディ」であり、登場人物が今回は「全員オカマさん」というくくりの中で、中々にファンキーな会話劇が展開される、ということなんだと私は受止めています。
なので、是非
観に来てください・・・!
(これが言いたかった)
と心から願えるような作品にすべく、頑張ります。
チケットのご予約は、こちら「corich」サイトから↓
http://ticket.corich.jp/apply/101597/010/
(↑こちらで予約いただいた際には必ず完了メールがいくのでご確認ください)
ろべでした。