前回の古文の反響が小さいけどありました(‐^▽^‐)
ありがとうございます!!
今日は、その中で質問をいただきましたので
紹介させていただきますね
「センター試験に必要な古文単語数はいくつくらいですか?
助動詞の活用などを完璧にしないといけませんか?」
そりゃ単語は覚えたほうがいいのですが、、、
単語の訳語を丸覚えするのは
やめて欲しいですね
だいたいの雰囲気をゆるく覚えていたほうが、点数になりやすいのですよ
古文単語はたくさんの意味を持ちますし
センター試験も前後関係から導いた流れも作れ
と言わんばかりに、単語の訳語1個の丸暗記を嫌っています
(覚えていたらすぐに正解が取れる、という設問も配置していません)
実際は100~200個あれば十分だと思います
単語を何個覚えようと、暗記で古文をしのごう
とする限りは、無駄な努力で終わる可能性が高いのです
大きな脈をとらえる考え方が必要なのですからね
助動詞を始めとする文法も
最小限でおさえないと
結局無駄な知識をただ詰め込んで
内容把握にまったく関係なかった
ってことにもなりかねません
こまかいニュアンスの違いなんて
センターでは問われていません
このあたりを研究してみる価値はありますよね
(暗記量は最小限にしないといけません!
それを作るのに時間がかかるわりに
点数には反映されにくいのでしたら、、、、
やっている意味がないのですからね)
それでは解説を始めましょう!
1パラは復習がてらに読んでみてくださいね
2パラはどういう内容が書いてあるのだろう、、、とビクビク(笑)しながら読んでくださいね
(1)やうやうほど近うなり給(たま)ひては、さすがに君たちの恋しさもひとかたならずおぼえ給ひ、后の宮まだ里におはしませば、参り給へり。若君はそそき歩(あり)き給へるが、はやう見つけ給ひ、上に申さんとて走りおはして、「式部卿の宮、参りたり」と聞こえ給へるを、宮うちほほゑみて見たてまつり給ひ、「こなたに」とのたまはす。親王、御前に参り給ひ、御物語こまやかに聞こえさせ給ふ。姫君は、宮、御ふところはなたで抱きいつくしみ給へるを、父親王はいとかたじけなく見たてまつり給ふ。このごろにいみじうおよすげて笑みがちにうつくしう見え給ひ、親王のさし寄らせ給へば、たかやかに物語し給へる御顔の匂(にほ)ひなどは、ただ母君のそのままにうつしとり給へるを見給ふには、えたへ給はず、かきくらされ給ふ。宮も「『見るに心は』とつゆけうのみおぼえ侍(はべ)る」とておしのごはせ給ふ。
(2)若君、「宮のちご見ん」とて寄りおはしたるに、親王、「これをばらうたくおぼすや」とのたまへば、かしらふりて、「いな。このちご得給ひてのちは、宮の常に抱き持ち給ひ、まろをばありしやうに抱き給はず」とものしげにのたまへば、親王もうち笑ひ給ひ、「いつまで抱かれ給はんとおぼす。このかみにおはすれば、今からおとなびてこそもてない給はめ。なむつかりそ」と聞こえ給へば、「あらず。まろは宮の子、ちごはこのごろ養はせ給へるなり。まろが抱かんとすれば、『うち落としつ』とてゆるし給はず。いと見苦しきを、率(ゐ)ておはしね。まろあれば、ここにはやくなし」とのたまふを、后の宮、いとうつくしう見たてまつらせ給ひ、うち笑ませ給ひて、「常にもかやうに心せばくのみ聞こえ給ひて」とのたまはす。
1パラは
妻に先立たれ、預けていた子どもに会いにきたら
娘の様子が妻にそっくりになってきて、妻のことを思い出し
パパが悲しい気持ちになった場面でしたね
(2)若君、「宮のちご見ん」とて寄りおはしたるに、親王、「これをばらうたくおぼすや」とのたまへば、かしらふりて、「いな。このちご得給ひてのちは、宮の常に抱き持ち給ひ、まろをばありしやうに抱き給はず」とものしげにのたまへば、親王もうち笑ひ給ひ、「いつまで抱かれ給はんとおぼす。このかみにおはすれば、今からおとなびてこそもてない給はめ。なむつかりそ」と聞こえ給へば、「あらず。まろは宮の子、ちごはこのごろ養はせ給へるなり。まろが抱かんとすれば、『うち落としつ』とてゆるし給はず。いと見苦しきを、率(ゐ)ておはしね。まろあれば、ここにはやくなし」とのたまふを、后の宮、いとうつくしう見たてまつらせ給ひ、うち笑ませ給ひて、「常にもかやうに心せばくのみ聞こえ給ひて」とのたまはす。
1パラは
妻に先立たれ、預けていた子どもに会いにきたら
娘の様子が妻にそっくりになってきて、妻のことを思い出し
パパが悲しい気持ちになった場面でしたね
今日は2パラから見ていきましょう
若君、「宮のちご見ん」とて寄りおはしたるに、
若宮、「ちご見る~」と寄ってくる、
親王、「これをばらうたくおぼすや」とのたまへば、
パパ、「これを可愛いと思うのか?」
らうたし=かわいい
や、か=疑問、反語←強いトーンだから読み飛ばすな!
かしらふりて、「いな。このちご得給ひてのちは、宮の常に抱き持ち給ひ、まろをばありしやうに抱き給はず」とものしげにのたまへば、
若君、あたまをふって、「可愛くない。……ぼくを抱いてくれない」
后の宮が姫君を抱っこしている場面なので
子どもながらに、すねていることが分かる!
親王もうち笑ひ給ひ、「いつまで抱かれ給はんとおぼす。このかみにおはすれば、今からおとなびてこそもてない給はめ。なむつかりそ」と聞こえ給へば、
パパは笑いながら、「いつまで抱かれようと思っているのか?……。~するな」
な~そ = 禁止
~するな は 「スネルな」 くらいの流れになりそう
聞こえ…謙譲語…相手を高める…相手は子どもの若宮
給へ…尊敬語…主語を高める…このセリフはパパである親王
「あらず。まろは宮の子、ちごはこのごろ養はせ給へるなり。まろが抱かんとすれば、『うち落としつ』とてゆるし給はず。いと見苦しきを、率(ゐ)ておはしね。まろあれば、ここにはやくなし」とのたまふを、
若君、「僕は宮の子、……。僕が抱こうとすると『落とす』と言って許してくれない。……。僕がいるので、……」
若君なりの主張(オレ様的な流れ)
后の宮、いとうつくしう見たてまつらせ給ひ、うち笑ませ給ひて、「常にもかやうに心せばくのみ聞こえ給ひて」とのたまはす。
后の宮、笑って、「いつも、このように心せまいことばかり言っているのですよ」
子どもの戯言を伝えて場をまとめている
(問4)
傍線部以下に続く、「若宮」の「宮のちご」に対する言動の説明として最も適当なものをえらべ。
①式部卿の宮の跡継ぎである自分の立場がゆらぐのを恐れ、妹はいなくてもかまわないと言っている。
かなり策士的ですね(宮はスネてる子どもですよ)…×
②妹のことがかわいくてたまらないが、自分は別格であるという自覚から、本心とは逆の態度をとっている。
妹のことは、アタマをふって「可愛くない…」と言っているので×
(じつは可愛く思っている
なんてとったらダメですよ
書いてあるとおりにとらえてくださいね)
③妹をうまく抱けなくてけがをさせそうになったことがあるのに、反省する態度を表せないでいる。
助動詞「つ」の知識を聞いていそうですが、、、
(いちおう強意です)→けがをさせそうになったことはない!
こんな知識よりもっと考えて欲しいのは
2パラの流れを聞いているのに、、、
こんな部分的な内容の選択肢が正解になるはずもありえません…×
④后の宮の愛情を独占できない不満から反発の言葉を口にするが、本当は妹に対して強い関心を抱いている。
問題なしの選択肢です…○
強い関心ですから、好き嫌いと言っているわけでありません
妹のことをずっと口にしているわけですから、強い関心はあります
(無視をしているわけではありませんからね)
⑤后の宮に思う存分甘えられないことに不満を感じているが、兄としての立場をわきまえて我慢している。
後半が×
不満を口にしてますから、我慢なんてしていませんね
敬語の説明を1パラ、2パラに入れてあった部分が
問2の設問になっていました。
設問は誰を高めているのか
組み合わせを選べ
という問題でしたよ。
敬語問題は、誰と誰のやり取りかが分かれば、サービス問題です!
今日はここまでにしましょう(*^▽^*
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