※ネタバレあり、です。
ご注意ください。
概要
2010年にPS3で発売された「ニーア レプリカント」のバージョンアップ版(リメイク版)。
「ドラッグオンドラグーン1」の後日談であり、「ニーアオートマタ」の前日譚でもある。
なお、オリジナル版は未プレイです。
ゲーム部分感想
アクションは、「ニーア オートマタ」に似ていて、キビキビと動いて武器を振るってコンボを出す、という感じだ。ダッシュは速いし、フレームレートは、たぶん60fpsを維持できていて、快適だ(PS5でプレイしました)。
サブクエストが多めで、1周目は感覚的には半分以上の時間をサブクエストに費やしたような感じがする。
これはこれで、この世界の住人たちと接触することで、世界観を理解したり、クエストを通じて、仲間と感想を言い合うなど、意味のある面白さはあったと思う。
実質メインクエストに入っていてもいいようなエピソードもいくつかあった。
ただ、メインストーリーのボリュームは少なく、せめて少年期のエミール館のエピソードの後、もう少し、エミール、カイネ、主人公が関わるようなエピソードがもうひとつくらい欲しかったな、という気はする。
キャラクター
仲間との掛け合いが楽しく、仲間を好きになれるゲームだ。
ゲーム中ほぼ一緒にいるシロとの会話は楽しかったし、そこにエミールやカイネが参加してくると本当に楽しい。
エミールの無邪気さには癒されたし、シロが威厳を持とうとしてうまくいかないところがユーモラスだし、シロとカイネが憎まれ口をたたきあうところも良かった。
キャラクターで一番好きなのはカイネだ。
壮絶な境遇で育ちながらも、サバサバとしているところが良いし、仲間想いで優しいところが一番いい。
石化後、エミールとはじめて顔を合わせた場面で、「エミールは、エミールだ」と答える時の声には、優しさがこもっていて、とても良いと思った。
PVで出てくる「奴の刃になって死んでやる」というセリフ、どういう場面で出てくるのかと思っていたら、まさかの主人公への愛情表現として出てくるのに驚き、そういう言い方でしか表現できない不器用さがとてもかわいいと思えた。
それだけに3周目の終盤で主人公が「必ず助ける」「愛しい人を…」という場面は、かなり燃えた。
ストーリー・エンディング
いわゆる、ポスト・アポカリプスもので、主人公たちが意図せずして、世界の秘密に迫っていく、という展開は、鉄板といえる面白さがある。
ただ、世界の秘密は、衝撃的には語られるけれど、経緯などを含めて詳細には語られない。
だけど、主人公たちの運命や選択という人間ドラマにフォーカスして、他方で何故こうなったか、という歴史的経緯を語りすぎなかったのは正解だという気がする。
ゲシュタルトとレプリカントとの関係は、同じポスト・アポカリプスものの「風の谷のナウシカ」(漫画版)を想起させられた。
エンディングは、Aエンディングを見たときは、「これで良いじゃないか、ハッピーエンドで。」と思った。
この時点では、まだそこまでカイネに思い入れはなかった。
「お前も達者でな」という感じだった。
しかし、2周目以降、カイネの事情が語られだすと、だんだんとカイネに感情移入するようになった。
3周目の人魚姫のエピソードでは、カイネはそれまでと違った行動をとり、最後は配達員に手紙を渡したりする。
そういうカイネの行動を見ているうちに、主人公がヨナを救えるか、というところから、カイネの運命はどうなるのか、というところに興味が移ってくる。
3周目のカイネが主人公の頬を叩くシーンや腹を蹴り上げるシーンなども、同じシーンでも色々と気持ちを想像してしまうなど、見方が、変わってくる。
その中で、カイネがマモノに乗っ取られるという展開になると、見てしている側もだんだんと気持ちが昂ってきて、「なんとかして助けたい」と思ってしまう。どうなるんだ、とカイネの運命に心が釘付けになる。
そこで、選択肢が示されるのだ。
ここまでくると気持ちも昂っているので、カイネを助けない、なんて選択肢はありえないだろう、と思ってしまう。
いったんカイネを助けないエンドを見て、その後助けるエンドを見る、なんて冷静な判断はとてもできない、と思った。
カイネを助けないエンディングは見れなくても良い、と思い、Dエンドを選んだ。
何度も確認してくるのが、かえって決意を固めさせてくる。
セーブを消えるくらい良いじゃないか、と思ってしまう。
名前を入力するとき、思わず泣いてしまった。
とても切ないが、良い終わり方だった。
オリジナル版だとここまでらしいのだけど、リメイク版は、さらにこの続き、Eエンドがある。
だが、Dエンドを見終えると、タイトルに放り出される。
新たに同じ名前でプレイしようとすると「なぜか使用できなません」と言われる。
真エンドはあるよね…?と思いながらも、今までと違い、「次のエンディング」への案内はない。
もしあるならすぐに見たい、と思い、攻略サイトを見て、Eエンドの存在と行き方を確認して、すぐにはじめた。
内容は期待していた以上に熱く、しかもほぼハッピーエンドと言って良いくらいの内容だった。
「Dエンドのまま終わるよりかは、少し救いのある終わり方くらいかな」と想像していたので、これは嬉しかった。
ラストの名前を入力する場面からはもうボロ泣きだった。
感想まとめ
とにかく、ストーリーが良かった。
Dエンドのまま終わるのも美しいし、喪失感の残る終わり方には、その良さがあるとは思う。
けれど、その先にハッピーエンドがあるのは、やはり良いものだ。
シロ、エミール、カイネとの旅は楽しかった。もうこれで彼らとの冒険が終わってしまう、というのがとても寂しく感じた。
グリモアニーア
新版の設定資料集はもちろん買うつもりだが、旧版の設定資料集も手に入れた。
あらかじめ確保しておかなかったせいで高くついてしまった。
初期設定画などは興味深い。
カイネなど、清楚で魅力的な初期設定画もあったのだけど、いろいろな変遷の上、最終的に何故「下着女」になってしまったのだろう、と思わず笑ってしまう。
ゲシュタルト計画の年表も読んだ。
ちょっと納得がいかなかったのは、「レプリカント体は生殖能力がなく、ゲシュタルト体が滅びた後はデータも取れないので、結局滅んだ」という記述である。
おそらくレプリカント体はゲシュタルト体が戻ってくるために、長い年月の間に何度も同じDNAから身体を複製されるということが繰り返されたのだろうけれど、生殖能力があると、レプリカント体がオリジナルのゲシュタルト体にはない他の個体を作ってしまい、不都合だ、という発想はわからなくもない。
でも、レプリカント体がゲシュタルト体が戻るための器なのだとすれば、その器が人間と同じ生物的特徴を備えていなければ、ゲシュタルト体がレプリカント体に戻れたとしても種の存続なんてできないし、それでは計画そのものに意味がなくなるではないかと思ってしまう。
ゲシュタルト体がいなくなるとデータが取れない、という話も、「いやいや、毎回その都度、ゲシュタルトからDNAデータの提供を受けていたわけではなくて、他のところにデータそのものを保管してたんじゃないの」た思ってしまった。
こう思ってしまう理由は、主人公たちの暮らす世界があの数十年後に滅んだ、という結論をうけいたくないから、というのもある。
トロフィー・プレイ記録
一周目クリアまで、25時間弱。
Eエンドまでで、40時間。トロフィー取得率は77%。
Cエンドは、見るかどうか迷ったが、「選択の重み」を提示されてきた作品でもあるので、敢えて見ない、という選択肢もあるかと思い、今のところ、見ていない。
ただ、今後トロコンする場合には、見ようかなと思う。
でも、素材マラソン がしんどそうなので、やらない可能性が高いけど…。