『しのゼミ』 -77ページ目

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

図書館で借りてきた『素晴らしい親 魅力的な教師』を読んだ.


アウグスト・クリというあまり知らない著者による書.どうもブラジルの精神科医であり科学者だそうな.教育問題はどこの国でも深刻であり,しかもそれが過小評価されている.そんな現実に突き動かされて世に問うた書とでも言えるか・・・.

「素晴らしい親から学ぶ7つの教え」「魅力的な教師から学ぶ7つの教え」「教育者の7つの大罪」「人間の記憶の5つの役割」「理想の学校」「巨大な塔」という6章から成っている.

このように,各章のタイトルが魅力的で,読みたいな~と思わせる.それに「7つの・・・」とか「5つの・・・」というように,各章が簡潔にまとめられており,読みやすい構成になっている.

実際に読んでみると,実はなにも目新しいことを言っているわけではない.子供たちとコミュニケーションをはかって褒めてあげるとか,生きるための教育・考えさせる教育をするとか・・・・・.捉えようによっては,今や劣勢になった本邦の「ゆとり教育」の根本的な考え方というか理想論に通じるものがありそうだ.本邦にて問題があったとすれば,「ゆとり教育」の手法であり,その「理想論」に批判の矛先を向けるヒトはあまりおるまい.

自分は教職にあるため,「理想の学校」には心動かされた.授業における問いかけ・対話の重要性や,教師の人間性を与える授業など,著者の教育論が誠実に述べられている.今後の担当講義にはこの考えを是非活かしていきたく思う.「最後に」を読みおわると,少し泣けてしまった・・・.

「巨大の塔」の章は,まさにジョンレノン「イマジン」の教育バージョン.こんな理想になれると信じたい・・・.


しの的読後感:やさし~い気持ちになれて・・・ちょっと感動!イマジン万歳!

こんなヒトにお薦め:子育て奮闘中,あるいは教職についているヒト


素晴らしい親 魅力的な教師/アウグスト クリ

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今日は西日本大学でもセンター試験が行われた.

今年も例年の如く監督者をしなければならない.

今年のセンター試験での仕事の割り当て表を見てみると,試験教室ごとの担当監督者名簿に自分の名前はなく,「試験本部付き」にあたっている.

今年はツイテる・・・なんかいいコトあるかも・・・っと思っていたら,朝会場に着くなり,「実はこの教室の担当先生が・・・・・・・・所用で欠席・・・・・・・・シノ先生,監督者をお願いします・・・」と,いきなり大役を命ぜられた.

やっぱ,今年もこう来たか・・・・



監督者の仕事はとにかくストレスである.

すべての受験生に公平な条件を・・・というのが優先されるため,監督者の言行も画一的にすべき・・・ということで,監督者には「裁量」というか「自由」が与えられていない.

何かあれば,「マニュアルどおり」「試験本部の指示を仰いで」っとくる.

この「ガンジガラメの窮屈感」がけっこう耐えがたい.

まぁ「裁量」を与えられたところで,今度はその責任の重みに耐えられなくなるだろうが.

まぁこれも受験生諸君のため,言われるままに粛々とこなすのみである.



監督者として心掛けていることは,試験進行の説明や指示は,決められた文言をサボらずにゆっくり大きな声で読んであげること.

われわれにできる受験生への最大限のエールである.

午前中の監督業務はとにかく「体力温存」.

眠気や足の痛みも気にならないので,なるべく座ってじーっとしている.

午後になると,眠気や疲れ(特に足の)がピークに達する.

座ってると意識が朦朧となるので,なるべく歩きまわる.

じっと立っているよりは,歩き回る方が少し楽な気がする.

そんな監督業務の最中に,こちらもヒトの子・・・・・なにも考えずに丸一日じっとしてろと言われても,なかなかそうはいかないワケで・・・・


自分の担当した教室の受験生は40名ほど.

40人のヒトが集まると,この中に誕生日が同じ人がいる確率は?という問題を高校の数学の先生が出していたのを思い出す.

確か,95%程度の確率だったろうか・・・・・?.

つまり,40人もヒトが集まれば,まず間違いなく同じ誕生日のヒトがいるってこと.

ほんとかどうかやってみよ~っと.

「受験生名簿」をちょっと失敬して誕生日の重なりを探してみると・・・・・・

あったあった.

確かに10月13日が重なってる.

しかも3人も・・・へぇ~,目が覚めるわ~・・・


また,丸一日一緒にいることになった受験生たち.

中には試験中に頻回に目が合ったり,なんか気になる受験生が出てくる.

あのメガネの彼って,そういえば誰かに似てんな~

そう言えばサッカーの岡田監督にそっくりやな~・・・・・・っとやりはじめる.

あのイガグリ頭でギョロ目の彼って・・・・・最近どっかで見たような・・・・・

う~ん,思い出せん・・・・・・う~ん・・・・・・・誰だっけか・・・・・・・・

クラッカー そうだ!・・・大阪・清風高校の体操部の監督じゃん!(確か,正月番組でお顔を見たような気が・・・・・)

記憶のどこかに引っかかっていたものが思い出せると爽快!である.

とりあえずこれは目覚まし効果があったのでヨシとしよう.

女子の場合は,どうしても「高校の同級生のマミちゃん似」とか「近所のチカちゃん似」とかになってしまう.

なんて貧困な発想だこと・・・・眠くなるのでやめよう・・・・.


そんなアホなこともして,なんとか粗相なく監督業務をこなすことができた.


なにはともあれ受験生のもうひと踏ん張りの健闘を祈りたい.
「天道は漸を以て運り,人事は漸を以て変ず.必至の勢は,之を却けて遠ざからしむる能わず,又,之を促して速かならしむる能わず.」

『天然自然の道はゆるやかに運り動き,人間界の現象もゆるやかに変化するものである.しかし,ここには成るべくして成る必至の勢いがあり,この勢いはさけようとして遠く離すこともできず,またこれを促して,速くしようとしてもできないものである.』
(「言志四録」佐藤一斎著/川上正光訳 講談社学術文庫)





<しの訳>
世の中すべてのことは,ゆっくりとしかし確実に変化していく「必至の勢い」があるので,急いても避けようとしてもしょうがない.

まぁなるようにしかならんしなぁ・・・・・っとあきらめ半分な気持になりそうだが,必至の勢いを「読む」ことが大事なように思う.

「必至の勢い」には,突然発生的なものは少ない.むしろ,その前兆がそこかしこに転がっており,それらが絡まって相加相乗的に一つの大きな流れとなる場合の方が多いだろう.よって,予兆や小さな流れを丹念に観察することで,必至になる勢いを「読む」ことが出来そうだ.そのためには,つまりは日々の勉強が欠かせんっちゅうことか.

たとえば地球温暖化,たとえばBRICの台頭,たとえば薬害肝炎・・・・・・・.

それらにはさかのぼって見れば確実な予兆があったし,この必至の勢いを以前から確実に「読め」ていたヒトもいたはず.その「必至の勢い」に対してできるかぎり早目に手を打てば,ひょっとすると「勢い」を方向転換することが可能かもしれない.

まあ,必至の勢いはあるがままに受け入れ,自分を適応させていくのが,生きていく知恵なんだろう.しかし,そんな中で自分の信念を貫くことも大事かもしれん・・・・・.その強固な意志は,あらたな「必至の勢い」を作る源になるかもしれん・・・.
妻がとある資格試験に向けて勉強中である.

この試験は合格率が50%に満たない「少し狭き門」らしい.

福祉関係の試験なため,法律や医学に至るまで様々な分野の問題が含まれている.

一発合格を目指すべく,このところ毎日遅くまで試験対策に追われているのだが・・・・・


「・・・たった30点か・・・う~ん,模擬試験問題で少し難しめなんだけどちょっとショック~・・・・・.医学ってとこは大丈夫だと思ってたのに・・・・・」

「医学分野は勉強したワケ?」

「いや,あんまししてない・・・・・」

「そんなら,点数取れんのも当たり前じゃん・・・」


どうやら,夫が医師なので「医学分野」は何とかなるだろう・・・という信じられん「安心理論」を持っていたらしい.

こんなんじゃ,受ける前からテスト結果が想像できそうな気がするが.


「・・・でも,この試験問題って,ちょっと難しすぎなのよねぇ」

「そんなん,しょうがねえじゃん」

「じゃあ,ちょっとこれやってみてよ~」

「なんでやらないかんのや」

「いちおうお医者さんでしょ?医学分野は簡単に満点とって当たり前じゃない」

「まぁそうやけど・・・・・忘れてることもあるしなぁ・・・・・」

「さあ,やったやった」


っということで,なぜかわからんが模擬試験問題を一問ずつ問われることになったワケだが・・・・・


「ハイ,一問目.○△□○△□○△□の法律をなんという?」

「はぁ?そんなんわからん・・・」

「ブー」

「そんな法律の問題なんかわかるかい!」

「でも,医療に関係する法律って大事なんでしょ?」

「まぁ・・・そりゃそうやけど・・・」

「ハイ,二問目.△□○△□○を最初に唱えたギリシア時代の思想家は誰?」

「ギッ・・・ギリシアかよ・・・・・アリストテレスかアルキメデスか・・・・・ん~多分アリストテレス!」

「ブー」

「こんなんわかるかい.なんで歴史の問題やねん?TVのバラエティー番組じゃあるまいし」

「でも医学の歴史でしょ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


不正解なので文句を言っても説得力がないが,なんでこんな問題出すんだろう?

法律の名前や理論の提唱者の名前って,資格試験で問うべきものだろうか?

資格試験は,小中高での一般知識を問う試験とは違うと思う.

たとえば法律の問題を出すんだったら,「○○という法律によれば,○△□○△□というケースは違反するかどうか」などと,現場に則したことを聞くべきじゃないか?

そういう試験を課すことで,その資格に必要な一定レベル以上の「生きた」知識に精通するヒトが選別される・・・というのが資格試験の本来の姿のように思う.

中には,「トキソプラズマ」と「エイズ」を結びつける問題がある.

医療職の資格じゃないんだから,こんなん要らんちゃう?

それよりも「エイズ」患者に接する場合の一般的注意点なんかの方が,この資格の場合は大事やろ?

それを問うことによって,受験生はその周辺を勉強せざるを得なくなる.

そうすれば,試験対策=「現場で役立つ知識」になって,資格試験たる所以だと思うが・・・.

極めつけは「糖尿病」と「体重減少」を結びつける問題.

そもそも糖尿病って,進行すると一般に体重が減ってくるが,成りたての頃は肥満と関連してる場合が多いと思うんだけど・・・・・こりゃどう考えても悪問だ.

想像するに,この問題の作成者って,現場をあまり知らないようだ.

そういう問題を課される受験生たち・・・かわいそうに思えるが,本人たちにしてみれば文句言ってる暇があったら勉強勉強なんだろう.

やっぱり資格試験と言えども,受験生側の意見がフィードバックされにくい場合は,こんなふうに悪問蔓延るってことになるんだろう.



「ブー」「ピンポン」「ブー」「ピンポン」という感じで一進一退の攻防が繰り広げられていき,8問を終わったところで5問正解の60点ほど.


「だいたい60点でボーダーライン程度の出来か・・・.まぁ医者もたいしたことないね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「さぁてと・・・・・こんなことにつき合ってるくらいなら,気分を変えて勉強勉強っと」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


もうちょっとできるはずだったのに・・・くやし~
「はぁ~腹へった~・・・」

いっ君から一日に何度この言葉を聞くことだろう.



小5で育ち盛り真っ最中!の長男いっ君.

近頃は,身長が伸びること竹の子の如し,体重が増えること雪だるまの如しである.

早々とおかあさんを抜き去って,そろそろ父親に迫る勢いである.

そのための原料というか栄養源というか,日々の食事量が尋常ではない.とにかく食べるわ食べるわ.

いつも白御飯大盛りのおかわりは当たり前.

しかもよく見ていると,ほとんどモグモグモグと噛んでいない.

だいたい5~6回ムシャムシャとしたかと思うと,すぐにゴックンである.

ヘタに回転寿司など行こうものなら,ハイパー状態になってしまい,平気で20皿程度はぺろりである.

学校の給食では,いつも一番早く食べて,たくさんおかわりをするのがどうも自慢らしい.

こんなんじゃ,家でどういう食生活をさせてるんだ?と,親としての品格を疑われかねぬ.



そこで,これまでずっと温めてきた秘密計画,題して「いっ君のムチャ食い抑制計画」を実行に移すことにした.

その内容としては,科学的根拠に基づいて,「あんまりムチャ食いするとマズイんだなぁ」といっ君に自覚させることを目標にする.

具体的には,血液検査をしてもらって,たとえば「中性脂肪」が高くって高脂血症となれば,いやが上にも「これじゃあイカン」と思うだろう.

さっそく近所でクリニックを開業中の同級生ランに相談して,「コレステロール」「中性脂肪」「HDLコレステロール」を計ってもらうことにした.



採血の日.

「いっ君,血の検査で異常が出たらどうする?」

「う~ん,わからん」

「小5で異常なら,まちがいなく早死にするぞ~」

「そんなん,わからんやん」

「お父さんは医者やからわかる!」

「うそつけ」

「まぁ,ご飯のおかわりを一回だけにすれば助かるかもな」

「ホントかよ」

「とにかく,血の検査が異常だったら,食べる量を減らすこと!.わかった?」

「はいはい・・・・・でも,もしどれもが正常の数字だったら・・・・・」

「だったら,なに?」

「・・・ゲーム買ってくれ」

「なんでゲームがでてくるんじゃあ~アホッ」

「血を取るのってすごく痛いから,それくらいしてくれてもええやん」

「・・・まぁ,わかったわかった.早くご飯食べて,すぐにクリニックへ行こ!」

・・・・・ふふふははははははっ・・・・・じつはここに本計画の最も重要なキーポイントがある.

一般に「中性脂肪」は食事後には高くなって異常値を示す.

したがって,中性脂肪を正確に計ろうとする時は,絶食したうえで計るのが原則である.

今回のいっ君には,しっかりと食事を食べさせる.

そうすれば自然の摂理として「中性脂肪」が少し高値になる.

そのあたかも異常値に見える高値を見たいっ君は,「こりゃイカン」というふうになって・・・・・

ふふふははははははっ・・・・・

完璧すぎる計画!



クリニックで採血してもらって数日後.

ラン先生からいっ君の血液検査の結果を知らせるメールが来た.

さ~てその結果は・・・・・・・・

どれどれ・・・・・・・・






コレステロール:正常

中性脂肪:正常

HDLコレステロール:正常






なっ・・・なんで正常やねん?

うっそ~・・・くっそ~・・・

そんなに正確な数字ださなくっても,このケースはちょっとくらい増やしてくれてもいいのに.

さてさて,どうやってゲーム買うとの約束をごまかそうか?

ダメ親の悩みは尽きぬ.