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『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

「雲烟は已むを得ざるに聚り,風雨は已むを得ざるに洩れ,雷霆は已むを得ざるに震う。斯に以て至誠の作用を観る可し。已む可からざるの勢に動けば,則ち動いて括られず,枉ぐ可からざるの途を履めば,則ち履んで危からず。」

『雲は自然の成り行きでやむを得ずして集まり生じ,風や雨も同様に,やむを得ずに天上からもれて来るし,雷も同様にやむを得ずに轟きわたる。これらを見て,至誠の作用を考えるがよい。十分考えて,これが最善であると決定して,やむにやまれない勢いで活動すれば,いささかも行詰らない。曲げることができない道(正道)を突き進む時は,決して危険なことはない。』

(「言志四録」佐藤一斎著/川上正光訳 講談社学術文庫)






<しの訳>

あるアクションをしようとして,

それを「已むを得ざる勢い」化するには,

自分の情熱に火が灯って,

やる気が信念に成長して,

やりたくてしょうがない状態になるのが前提。

そのためには・・・・・



▼まずは十分な予備知識。

たとえば・・・
このアクションの背景にはこんな歴史があって,
現在の潮流はこんな感じで,
未来予想図はこんな感じで,
現在の従事者はこんな数で,
こんな外的要因に依存していて,
こんな分野に影響を与えていて,
・・・・・・

知っておくべきことは山ほどある。



▼そして十分な推敲。

そもそもそれはよい計画か?
多角的多面的に十分吟味されたのか?
リスク因子は何か?
類似品との差異は何か?
切り口は斬新か?

そんな推敲というかシュミレーションを,

ペンキ塗りの要領で何度も繰り返さねばならない。



▼特に十分なおもしろさ。

ワハハと笑える面白さでも,
なるほどなぁでも,
へえ~気付かなかったなぁ~でも,
新鮮やなぁでも,
原点やなぁでも,
心洗われるなぁでも,
きれいにまとまっとるなぁでも,
なんでもいい。

キラリと光る「個性」があるといい。

自分がおもしろくないと,他人もおもしろくない。



▼それから十分な市場調査。

人々に認知され許容されるか?
現在の潮目はどうか?
人的な側面はどうか?
物理的に現実化できそうか?
金銭的には大丈夫か?

いくらよいアクションに高めても,

この世界の中で育んでいくには,

これら「対社会的視点」も必要。
長男小6いっ君の家庭科実習プリントから抜粋(本人許可未諾)




家庭科学習プリント  おすすめ朝食をつくってみよう

課題  「手早くできて,すぐに食べられる朝食はどんなものがよいだろうか」

こんな朝食を作りたい 「とにかくおいしくて,政治などの話でなく,料理の話がでるような料理」

メニュー
ごはん      いっぱい
ほうれんそう  1本~2本
しおこしょう   少々
しょうゆ     少々
おかめなっとう 1こ
みそしる     1パック(インスタント可)
おゆ       数L
たまご      2こ
ウインナー   5こ
油        少々
つけもの    少し
牛乳       0.5L


時間      手順            気をつけること
2分     おかめなっとう        こぼさないように
       つけものじゅんび 
2~3分   ごはんいれる         こぼさないように
3~4分   おゆじゅんび         やけど注意
       ほうれんそうじゅんび     品切れ注意
       みそしるじゅんび
4~6分   みそしるできた        やけど注意
       ほうれんそうきって
       あぶらをしく
6~7分   しおこしょう入れ       やけど注意
       やさいいためOK
7~8分   たまごやきそのままつくる   やけど注意
8~9分   そのままウインナー      やけど注意
9~11分  はしコップ牛乳じゅんび    心のじゅんび
11分~   いただきます


工夫した点 「めったにでないようなほうれん草の油いためをだして,むりやり料理にすること」






家庭科は,「実際の家庭生活」がそのまま反映されるのでおそろしい・・・・・
「ねんきん特別便です」という郵便物が自分宛にやってきた。



▼ 選ばれるには運を使います

なんだか「今話題の人」になったようなイメージ先行で,

「特別便」の対象者になって少しワクワクする。

何事も“選ばれる”には“選ばれない”多くのヒトが背景にいるワケであって,

そういう意味ではヒトと違う体験ができる(世間ではそれをトラブルと言う)。

振り返ってみても,これまでの自分の人生で少ない確率で選ばれた経験はほとんどない。

特に宝くじや勝負馬券で当ったためしがない。

そう言えば,小5の頃に近くのショッピングセンターのセールかなにかで,くじを引いたら二等の電子レンジが当ったことがあるが。

あれが自分の人生でピークだったかもしれん,賭け運的には。



▼ 冤罪はこうして作られます

しかし自分の場合,どう考えても年金記録に漏れはない筈だ。

同封の自分の年金記録を確認すると,年金記録が二年ほどの期間だけごっそり抜けている。

思い返すと,以前にお世話になった病院の在職期間に重なっている。

たぶん,その記録が所在知れずになっているようだ。

そもそも,年金支払いは給料天引きスタイルなので,

多くの人にとって払ってる実感は希薄だろう。

年金に限らず税金などの「天引きモノ」は完全に「お任せ」であって,

「チェック不在の密室」になる危険性もある。

ひょっとして勤めていたあの病院,天引きの年金分を着服してたのかも・・・

という疑心暗鬼も出てくる。

そう言えばあの病院の事務長,デヴィー婦人みたいに宝石だらけだったなぁ・・・

と心の中で事務長横領説ができあがる。

あるいは,

ホントに漏れはないか・・・とクドクド尋問されたりしたら,

たぶんない・・・と自信はなくなってくるし,

もしかしてあるかも・・・と体調悪ければ答えてしまうかもしれん。

任せてるんだが,任せきれてないところが弱点。



▼ 突っ込み所満載です

通知の中身を見ると,文章がわかりづらい。

たとえば年金記録のお知らせでは,

「社会保険庁が把握しているあなたの年金記録は下記のとおりです。記録がもれている可能性がありますので,太枠内の加入記録を十分ご確認いただき,ご回答をお願いいたします。
※5000万件の確認中の記録の中に,あなたの記録と結びつく可能性のある記録があるため,お知らせしています。」

と突っ込み所満載の文章で書いてある。

「もれている可能性があります」ってあとは知らんわ的に言われても・・・善良な国民の神経逆なでするし。

「5000万件」などは,この場合あんまり意味ない情報やし。

「結びつく可能性」とかワケわからんし。

おこがましいが,しのゼミではせめて文面の添削をして進ぜよう。

「あなたの年金記録が失われている可能性があります。同封の回答用紙にご記入の上,ご返送をお願いします。お手数をおかけし,申し訳ありません。」

やっぱ最後は,申し訳ありません・・・じゃないだろうか?



▼ 現場対応まずまずです

確認のため最寄りの社会保険事務所に赴く。

初めて踏み入る場所は,夕方にも関わらず結構混雑している。

待ちあう人は,自分より年配の人がほとんど。

総合受付で番号札をもらって20分ほど待つと,自分の番号が呼ばれる。

窓口担当者に,特別便での年金記録に漏れがあって,漏れた期間は〇〇病院に勤めていた云々と説明する。

すると,担当者がPCで調べてくれて,

「確かにそうですね」となる。

面倒な作業はなく,特に問題なく確認が終わって終了。

某病院の派手な事務長さんの横領罪疑いもめでたく晴れた。



▼ 勉強になりました

1)特別便に選ばれるような「運の無駄使い」をしてしまったようなので,今後は賭け事などで大きな勝負は慎もう。

2)どうしても中途半端に任せなければならない状態であれば,それに対するリスクヘッジも怠りなくしよう。派手なヒトを悪いヒトと思いこむのはやめよう。

3)書き手の気持ちは文面に表れるので,通知文章は自己(保身?)のためでなく読み手のために書こう。

4)対面によるコミュニケーションは良いイメージを与えるので,上手に活用しよう。
10:30

先輩の内科A先生から電話。

「申し訳ないけれど胃がんの病理写真が欲しいんだけど・・・・・」

「ハイ,いいですよ,お急ぎでしたら今日の午後3時くらいに撮りましょうか?」

「悪いけどシノ先生,午前中は忙しい?」

「ボチボチですが・・・いつまでに欲しいんですか?」

「可及的速やかっていうか・・・・・実は今日のお昼くらいまでにっていうか」

「えっ?」

「実はお昼の12時半くらいにここを出発して,研究会に行くんだけど・・・・・」

「ゲッ・・・・・じゃあもうほとんど時間ないじゃないですか」

(先輩は,都合が良い時に先輩風を吹かすし,都合が悪い時も先輩である by マーフィー)



10:45

写真撮影が必要なプレパラートを,秘書さんが資料室から持ってきてくれる。

その数たるや7症例30枚ほど(こんなたくさんあるんか~)。

この中から,症例ごとに一番適当なルーペ像(弱拡大像)とガン細胞の強拡大像を撮らなければならぬ。

それぞれをあらかじめ検鏡して,適当なプレパラートを症例につき一枚ずつピックアップする。

意外に面倒くさいが迷っている暇はない。

それからプレパラートの書き込みをアルコールで消したりして準備完了。

(ゴールがすぐそこに見えていると,その過程が軽んじられる by マーフィー)



11:00

ルーペ像を撮影しようとして実体顕微鏡を操作するが,うまく動かん。

どっかが壊れている。

最近はあまり使っていなかったのが悪かったか。

しばらく粘ってみるが,時間ないので実体顕微鏡を見切る。

(大事な時に必要なものが壊れる by マーフィー)



11:15

ルーペ像はデジカメ接写で撮影することにする。

しかし手持ちのマイ・デジカメ(2万円ほどで購入)で接写しようするが,ピントがボケボケになってしまう。

仕方ないので,マクロ臓器撮影用のデジカメ(定価百万円ほど)で接写してみると,程よい具合に撮影可。

切りだし業務の合間をぬって,それを使わせてもらう。

(切羽詰まっても金次第である by マーフィー)



11:30

今度は,ミクロ写真を撮影。

写真撮影用のコンピューター端末は,業務用にも兼用している。

プレパラートのラベル印刷の合間をぬって使わせてもらい撮影完了!。

(ながら勉強はいかんが,ながら業務は意外にはかどる by マーフィー)



11:45

できあがった写真に名前をつけてCDに焼いてできあがり。

すぐさまA先生に電話する。

「・・・モシモシ,A先生,できました」

「申し訳ない,すぐに取りに行きます」

1分後に現れたA先生に写真が焼かれた出来たてCDを手渡す。

申し訳なさそうな顔で礼を言われたA先生。

そのまま風のように去っていった。

(せっかくやってあげた時ほど,報いの言葉は少ない by マーフィー)
病院の会議にて。

自分の席が検査部と救急の教授に挟まれて,居づらいのなんのって。

なんでよりによってこんな席順なんやって。



まぁ病理なんて立場低いから,だいたいいつもは末席に近い所が指定席なんだけど。

お隣の検査部の教授は,業務内容から院内での立場に至るまで持ちつ持たれつというか似ているので,何かと気が楽。

だが救急の教授は業務内容も縁遠いし,関係も薄いし,ちょっと遠い間柄である。

何を話していいかわからんし,「じっと黙っていよう」的な・・・・・そんな居たたまれん感じ。



もちろん病院業務が関係的に近いかどうか以外にも,当人の「しゃべり好き度」や「個人的あるいは政治的によからぬ感情抱き度」など話しやすさのポイントはあるだろうが。

しかしここでは,そんな話しやすさなどの因子を一切無視して,単純に病院内での病理と臨床各科の距離感を測ってみよう。



病理を太陽系における太陽に例えて,病理と臨床各科の距離感を,太陽と惑星の距離感で表してみると・・・・・・・・

まず一番「近い」水星は消化器内科外科・検査部。

特に消化器系は検体の数も多いし,ガンの病理診断をつける数はダントツだし,最も近い存在と思う。

自分も,消化器外科・内科の先生の名前ならほとんど知っている。

次に近い金星は,呼吸器内科外科・乳腺外科・婦人科・放射線科。

検体数は消化器ほどではないが,病理診断の出番が多いところ。

放科はもうちょっと近いかもしれん。

次の地球は,皮膚科・神経内科・腎内科・血液内科・口腔外科。

これらも病理検体はそこそこ多いのだけれど,専門性が高い。

つまり,検体数のわりに対象疾患が多いし,分類が細かすぎてよくわからん。

たまに独立運動が起きたりするのも共通の特徴。

「病院病理に診断してもらうよりも,自分たちで診断しちゃおうか(あるいは有名な○○先生に病理診断をお願いしようか)・・・・」となる。

こじれると,病院病理とこれら各科は「中国共産党vsチベット」的な不穏な関係に陥ってしまう。

次の火星は,耳鼻科・泌尿器科・脳外科。

これらは,近くもないしそう遠くもない。

病理検体数もそこそこだが,病理がなくてもよい場面もそこそこある。

木星は,整形外科・小児科・内分泌内科。

いずれもそこそこメジャーな科だが,病理検体の数は多くはない。

たまに腫瘍があれば,病理へ出しとこか・・・くらいな関係で,ちょっと遠い。

土星は循環器内科・心臓外科。

これらはメジャー科ででっかいし,病院内での地位も高いけど,病理とは縁遠い。

たまに弁や動脈が出てくるが,重要性はあまり高くない。

天王星は眼科。

遠すぎて,よくわからなくなってくる。

お中元とお歳暮的な,年に数回のお付き合い。

海王星は麻酔科。

ほとんど関係なし。

冥王星は精神科。いちおうこの場では太陽系の仲間に入れることにする(深い意味はない)。

まったく関係なし。

天王星以遠は,どんなヒトがいるのかもよく知らないし,あることすら忘れてしまいそう(けなしてるのではなく,多分お互いそう思っている)。



ところで,この中に救急が入っていない。

実は救急って病理からすると普段は遠い存在だけど,ごくたまに近くなる。

たとえば,救急患者さんが原因も分からず突然亡くなったりする場合。

死因究明のため病理解剖をお願いします・・・って,急にくる。

いつもは関係ないんだけど,忘れた頃に近づいてきてワッと驚かす。

これって,



ハレー彗星か?