切羽詰まったマーフィーの法則 | 『しのゼミ』

『しのゼミ』

日常で出会った「気付き・笑い・学び」を綴っています

10:30

先輩の内科A先生から電話。

「申し訳ないけれど胃がんの病理写真が欲しいんだけど・・・・・」

「ハイ,いいですよ,お急ぎでしたら今日の午後3時くらいに撮りましょうか?」

「悪いけどシノ先生,午前中は忙しい?」

「ボチボチですが・・・いつまでに欲しいんですか?」

「可及的速やかっていうか・・・・・実は今日のお昼くらいまでにっていうか」

「えっ?」

「実はお昼の12時半くらいにここを出発して,研究会に行くんだけど・・・・・」

「ゲッ・・・・・じゃあもうほとんど時間ないじゃないですか」

(先輩は,都合が良い時に先輩風を吹かすし,都合が悪い時も先輩である by マーフィー)



10:45

写真撮影が必要なプレパラートを,秘書さんが資料室から持ってきてくれる。

その数たるや7症例30枚ほど(こんなたくさんあるんか~)。

この中から,症例ごとに一番適当なルーペ像(弱拡大像)とガン細胞の強拡大像を撮らなければならぬ。

それぞれをあらかじめ検鏡して,適当なプレパラートを症例につき一枚ずつピックアップする。

意外に面倒くさいが迷っている暇はない。

それからプレパラートの書き込みをアルコールで消したりして準備完了。

(ゴールがすぐそこに見えていると,その過程が軽んじられる by マーフィー)



11:00

ルーペ像を撮影しようとして実体顕微鏡を操作するが,うまく動かん。

どっかが壊れている。

最近はあまり使っていなかったのが悪かったか。

しばらく粘ってみるが,時間ないので実体顕微鏡を見切る。

(大事な時に必要なものが壊れる by マーフィー)



11:15

ルーペ像はデジカメ接写で撮影することにする。

しかし手持ちのマイ・デジカメ(2万円ほどで購入)で接写しようするが,ピントがボケボケになってしまう。

仕方ないので,マクロ臓器撮影用のデジカメ(定価百万円ほど)で接写してみると,程よい具合に撮影可。

切りだし業務の合間をぬって,それを使わせてもらう。

(切羽詰まっても金次第である by マーフィー)



11:30

今度は,ミクロ写真を撮影。

写真撮影用のコンピューター端末は,業務用にも兼用している。

プレパラートのラベル印刷の合間をぬって使わせてもらい撮影完了!。

(ながら勉強はいかんが,ながら業務は意外にはかどる by マーフィー)



11:45

できあがった写真に名前をつけてCDに焼いてできあがり。

すぐさまA先生に電話する。

「・・・モシモシ,A先生,できました」

「申し訳ない,すぐに取りに行きます」

1分後に現れたA先生に写真が焼かれた出来たてCDを手渡す。

申し訳なさそうな顔で礼を言われたA先生。

そのまま風のように去っていった。

(せっかくやってあげた時ほど,報いの言葉は少ない by マーフィー)