ほとんどの問題は解決しなくてもいい | 家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

家庭を子どものBASEに 佐伯和也公式ブログ

子どもが思う存分遊ぶ(ゲーム含む)ことで、知的好奇心が育ち、それが勉強にも繋がっていく

「子どもが悪さをする」

 

「子どもが言われた通りにしない」

 

「子どもが勉強をしない」

 

「子どもがゲームばっかりしてる」

 

「子どもが学校に行かずに呆けてばかりいる」

 

などなど、僕らは問題にフォーカスしがち。

 

 

 

問題にフォーカスして、問題を解決したり、悪い原因を取り除こうとする考え方を

 

「原因論」

 

って言います。

 

 

 

原因論の考え方は、機械や無機質なものに対して主に使われる考え方です。

 

機械が壊れたら、不調をきたしている箇所を特定して、そこの部品を取り換えたり、修理したりします。

 

んで、不調の原因が取り除かれれば、機械全体は上手く動くようになる。

 

 

 

でも、人間は機械と違って、心があるし、1つのパーツだけを取り換えようにもそうはいかない。

 

「子どもがいつも口答えしてくる」

 

っていうのを悪いと思って、そこを直したいとするよね。

 

 

 

「あなたは本当に口答えばっかりして!」

 

「口答えせずに、素直に聞いて、やってみたらどうなの!?」

 

「口答えせずに、とにかく、言われた通りにやってみて」

 

みたいに、口答えするところを直そうとしてみる。

 

 

 

そしたら、子どもの脳内には、

 

「親に口答えする自分」

 

が強く強く刷り込まれます。

 

 

 

「口答えするんじゃない!」

 

って言われると、子どもの脳内には、

 

「親に口答えする自分」

 

しかいないから、口答えしていない状態がどういう状態なのか、よく分からないんですね。

 

 

 

だから、親の言うことを素直に聞いてほしいのであれば、

 

「子どもが親の言うことを素直に聴き入れてくれた時」

 

をたくさん見つけて、指摘します。

 

 

 

「言ったことを聞いてくれてありがとう」

 

「言ったことを素直に聞いてやってくれたから、本当に助かったよ」

 

みたいな感じで。

 

 

 

「いやいや、そもそも、子どもは口答えしかしないから、素直に聴いてくれることなんてないよ」

 

っていう親もいるかもしれない。

 

 

 

そういう場合は、

 

「子どもの立場に立ってみる」

 

っていうことをします。

 

 

 

オススメは、

 

「親が子どもに何か言った時に、子どもがしていたことと同じことをしてみて、それをしながら同じことを言われているのを想像してみる」

 

です。

 

 

 

例えば、

 

「子どもがゲームをしている時に、片付けをするように言ったけど、やってくれなかった」

 

とするやんか。

 

 

 

そしたら、実際にでもいいし、フリでもいいから、親自身がまずはゲームをしてみる。

 

ゲームに抵抗があるなら、親がやってて楽しいことや、真剣になれることをしてみる。

 

 

 

んで、それをして楽しい気持ちになっているのを感じながら、親がやってきて、

 

「ちょっとゲームばっかりしてないで、まずは部屋を片付けなさい」

 

って言われてるのを想像してみる。

 

 

 

好きなことをしてる時に、

 

「部屋を片付けなさい」

 

って言われたら、子どもはどういう気持ちになってるのかな?って、しっかりと気持ちを感じてみる。

 

 

 

そうやって気持ちを感じることができたら、なんで子どもが親の言うことを聞かないのかが少し分かると思います。

 

そしたら、

 

「どうやったら、子どもは親の言うことを聴き入れてくれるのか?」

 

を考えられるようになります。

 

 

 

子どもが親の言うことを聞かない理由は、

 

「親の言ってることが気に入らない」

 

「親が声をかけるタイミングが悪い」

 

「親の言い方や態度が気に入らない」

 

「そもそも、普段から信頼関係ができていない」

 

あたりのどれかです。

 

 

 

なので、そのどれかを変えてみて、

 

「どういう言い方をしたら、子どもは受け取りやすいかな?」

 

「どういうタイミングで言ったら、子どもは受け取りやすいかな?」

 

「どういうことなら、子どもは受け取ってくれるかな?」

 

っていうのを考えてみる。

 

 

 

さっきの「子どもの立場に立ってみる」ってのを続けながら、

 

「言い方を変えてみたら、どう感じるか」

 

「タイミングを変えてみたら、どう感じるか」

 

「言う内容を変えてみたら、どう感じるか」

 

ってのを体感してみるのもオススメ。

 

 

 

言ってしまえば、子どもがなんで親の言うことに口答えしてくるのかと言えば、

 

「親が、子どもの立場に立ってないから」

 

なのよ。

 

 

 

だから、親が子どもの立場に立てて、

 

「聴き入れやすいタイミングで、聴き入れやすい言い方で、聴き入れやすい内容」

 

であれば、子どもは聴き入れてくれます。

 

 

 

極端な話、親が夜ご飯の支度をしてる時に、もうそろそろ料理ができそうっていうタイミングで、子どもが

 

「実はもうご飯食べたから、ご飯いらんで」

 

って言って来たら、

 

「はぁ!?」

 

ってなるやんか。

 

 

 

でも、親が買い物に行く前、お昼過ぎくらいに、子どもが

 

「今日は、夜に用事があるから、早めに自分で用意して勝手にご飯食べるから、夜ご飯いらんで」

 

って言ってきたら、

 

「あら、そうなの?りょーかい!」

 

って受け取りやすいと思う。

 

 

 

そういう感じ。

 

 

 

 

 

 

 

「どこが悪いのか」

 

に注目するんじゃなくて、

 

「どうしてほしいのか」

 

「どうなったらいいのか」

 

を想像してみる。

 

 

 

このことを

 

「目的論」

 

って言います。

 

 

 

「子どもが口答えする」

 

っていうところに注目するんじゃなくて、そこはスルーしちゃう。

 

 

 

んで、

 

「子どもが言うことを素直に聴き入れてくれた」

 

とか、

 

「どうやったら、子どもは親の言うことを聞いてくれるのかな?」

 

ってことを考えてみる。

 

 

 

そして、

 

「親にとって嬉しい反応」

 

をいっぱい発見して指摘して、

 

「親にとって嬉しい反応が増えるような、親の関わり」

 

を増やしていく。

 

 

 

「子どものここが良くない」

 

じゃなくて、

 

「親の関わりを変えて、子どもの良いところをいっぱい引き出していく」

 

みたいなことを考えるのが、

 

「目的論」

 

です。

 

 

 

子どもに勉強をしてほしいんなら、

 

「勉強してないところ」

 

は一切無視して、

 

「勉強してるところ」

 

を見つけたり、

 

「子どもが勉強をしたくなる関わり」

 

を増やしていくのよ。

 

 

 

「勉強をさせようとする」

 

んじゃないよ。

 

 

 

「勉強をさせる」

 

っていうことは、その時点ですでに親が注目してるのは、

 

「勉強をしてないところ」

 

よね。

 

 

 

勉強をしてないところに注目してるから、

 

「勉強をしてないのはいけないことだ!」

 

「勉強をしてない!ヤバい!」

 

って思うから、

 

「勉強をさせなきゃ!」

 

って思っちゃう。

 

 

 

これは「原因論」的な関わり方で、逆に「勉強してないところ」がどんどん増えて、子どもは勉強しなくなっていく。

 

 

 

どんな場面なのかを想像しながら読んでみてほしいんやけど、

 

「勉強してるやん」

 

「勉強してて偉いな~」

 

「そんなに色々知ってるなんて、自分でも勉強してるんやなぁ」

 

「へ~、勉強することに興味あるんやね」

 

「お、勉強がんばってるやん」

 

「勉強がんばってる姿を見ると、ママ(パパ)も嬉しいわ」

 

「勉強してる姿を見てると、私も(俺も)勉強したくなってくる(で、実際に勉強をする)」

 

「テストでこんだけ点数取れるのは、勉強してきたからやな」

 

みたいな指摘をしてみる。

 

 

 

「子どもに勉強させなきゃ!」

 

っていう気持ちがあると、この指摘は、「原因論」的になるし、それは子どもに伝わっちゃう。

 

気持ち悪い指摘になっちゃう。

 

 

 

でも、親が純粋に、心から、

 

「勉強っておもしろいよ」

 

「勉強してることはいいことよ」

 

「勉強をして色んなことを学んでいく姿を見てるのが嬉しい」

 

みたいに思ってたら、子どもの勉強してるところを見つけて指摘していくのも、そんなに変じゃない。

 

 

 

親のあり方が先にあって、それから、

 

「目的論」(=増やしたいところに注目する)

 

で関わると、子どももそっちに意識が向いていく。

 

 

 

解決しないといけない問題も時々あるけど、子育てにおいては、

 

「ほとんどの問題はスルーしてもいい」

 

って思ってる。

 

 

 

むしろ、問題にフォーカスを当てるんじゃなくて、

 

「本当は、どうなってたらいいのか?」

 

にフォーカスを当てて、そこが増えていくように関わる方がいいだろうなと思ってる。

 

 

 

 

 

子育ての問題については、こんな記事も読んでみて。

 

目に見える問題はダミー

ゲームに依存するのも悪いことじゃない

子どものゲーム課金に怒る親

フォートナイトでキックされることはよくある

もっと休もう

昼夜逆転することが問題なわけじゃない