▼第91回アカデミー賞 ノミネート作品が発表
*オスカー以外の映画賞のまとめは下記のページにて。
さて、映画界最大のお祭りである
第91回アカデミー賞のノミネート作品が発表となった。
最多ノミネート作品は、アルフォンソ・キュアロン監督の
Netflixオリジナル作品「ROMA」と、「女王陛下のお気に入り」でそれぞれ10部門。
時間も場所も限定されず、「へぇ、観てみようか」ですぐに観ることの出来る
サブスクリプションサービスから、ハリウッドの最高栄誉を獲得する作品が生まれるのか。
結果が大いに気になるところ。
それでは主要部門をチェックしてみよう。
【作品賞】
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配信中■Amazonビデオ:ブラックパンサー 字幕版/吹替版
「ブラックパンサー」
「ブラック・クランズマン」
「ボヘミアン・ラプソディ」
「女王陛下のお気に入り」
「グリーンブック」
「ROMA/ローマ」
「アリー/ スター誕生」
「バイス」
ここでの注目は「ブラックパンサー」。
受賞はまずないだろうが、アメコミヒーローが作品賞候補に入っただけでも快挙。
主要キャストから音楽のケンドリック・ラマーまで徹底的にこだわった人選、
アメコミの枠を超えた深いメッセージ性が幅広く支持され、
アメリカでは母体の「アベンジャーズ」の興行成績すら上回る超ヒットを記録した。
「ROMA」「グリーンブック」「女王陛下」の3強に
「アリー」「ボヘミアン」がどこまで食い込めるかが鍵。
【関連記事】映画「ボヘミアン・ラプソディ」の累計100億円突破が確実に
ちなみに「ボヘミアン・ラプソディ」はついに興収100億円を突破。
国別の興収では本国イギリスをも上回り、アメリカに次ぐ第2位に浮上している。
【監督賞】
アルフォンソ・キュアロン「ROMA/ローマ」
パヴェラ・パヴリコフスキ「COLD WAR あの歌、2つの心」
ヨルゴス・ランティモス「女王陛下のお気に入り」
スパイク・リー「ブラック・クランズマン」
アダム・マッケイ「バイス」
なぜかオスカーでは高く評価されている(失敬)
デイミアン・チャゼル(「ファースト・マン」)や
俳優としてだけでなく監督としての才能を開花させた
ブラッドリー・クーパー(「アリー/ スター誕生」)が落選したのは意外だった監督賞候補。
【主演男優賞】
クリスチャン・ベイル「バイス」
ブラッドリー・クーパー「アリー/ スター誕生」
ウィレム・デフォー「永遠の門 ゴッホの見た未来」
ラミ・マレック「ボヘミアン・ラプソディ」
ヴィゴ・モーテンセン「グリーンブック」
監督賞の候補入りを逃したブラッドリーが主演男優では無事にノミネート。
なりきり度の高さが評価に繋がるオスカーの慣例に従って
ラミ・マレックも善戦しそう。
クリスチャン・ベイルは既に他の映画賞でも受賞している。
【主演女優賞】
01月26日公開■ムビチケ(Eメール):天才作家の妻 -40年目の真実-
ヤリッツァ・アパリシオ「ROMA/ローマ」
グレン・クローズ「天才作家の妻 -40年目の真実-」
レディー・ガガ「アリー/ スター誕生」
オリヴィア・コールマン「女王陛下のお気に入り」
メリッサ・マッカーシー「Can You Ever Forgive Me?」
歌い手としての存在感をそのまま演技にフィードバックし
作品内で圧倒的な表現力を披露したレディー・ガガが主演女優にノミネート。
作品賞その他にあまり顔を出さない「天才作家の妻」のグレン・クローズが
ここにもノミネートされているということは、それだけの芝居だったということか。
ちょうど今週末から公開なので観てみたい。
【助演男優賞】
マハーシャラ・アリ「グリーンブック」
アダム・ドライヴァー「ブラック・クランズマン」
サム・エリオット「アリー/ スター誕生」
リチャード・E・グラント「Can You Ever Forgive Me?」
サム・ロックウェル「バイス」
各賞で名前の挙がっている大本命のマハーシャラ・アリを軸に
アダム・ドライヴァー、サム・エリオットなど。
「君の名前で僕を呼んで」で世界から注目され
「ビューティフル・ボーイ」での演技も絶賛されたティモシー・シャラメは
まさらの落選で、代わりに「スリー・ビルボード」での好演も記憶に新しい
サム・ロックウェルが滑り込んだ。
【助演女優賞】
レジーナ・キング「ビール・ストリートの恋人たち」
エイミー・アダムス「バイス」
マリーナ・デ・タビラ「ROMA/ローマ」
エマ・ストーン「女王陛下のお気に入り」
レイチェル・ワイズ「女王陛下のお気に入り」
「女王陛下のお気に入り」の二人は今年の賞レースで
ほぼどこでも揃ってノミネート。
「ROMA」旋風がここでも起こり、マリーナ・デ・タビラが入った。
【長編アニメ賞】
「スパイダーマン:スパイダーバース」
「インクレディブル・ファミリー」
「犬ヶ島」
「未来のミライ」
「シュガー・ラッシュ:オンライン」
日本から細田守監督の「未来のミライ」がノミネート。
他賞の結果からして本命は「スパイダーバース」だが
私的には「インクレディブル・ファミリー」もかなり良かった。
正直、「未来のミライ」が入るなら細田監督は
他にいくらでもあったろうという気持ち。
なぜよりによってこの作品でノミネートなのか。
【外国語映画賞】
「COLD WAR あの歌、2つの心」
「ROMA/ローマ」
「Capernaum」
「Never Look Away」
「万引き家族」
作品賞にノミネートされている「ROMA」が大本命で
カンヌのパルムドールを受賞した
日本の「万引き家族」が一歩リードで単独2番手といったところか。
外国映画賞と作品賞にWでノミネートされた作品というと
ミヒャエル・ハネケ監督の「愛、アムール」(2012年)があるが
「愛、アムール」は外国映画賞のみ受賞して、作品賞は逃した。
そしてもうひとつ、カンヌではパルムドールを受賞している。
「ROMA」が作品賞を穫るとすれば、「万引き家族」の受賞も夢ではない。
是枝監督はいつか監督賞に名前が挙がると信じている。
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