TBS版「この世界の片隅に」の周辺が騒がしい件と、1話の感想など | 忍之閻魔帳

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▼TBS版「この世界の片隅に」の周辺が騒がしい件と、1話の感想など

 

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映画「この世界の片隅に」製作委員会、TBSドラマ版の“謝意”に「一切関知せず」と発表

 

アニメ映画「この世界の片隅に」製作委員会は24日、TBS系で放送中の

同じ漫画を原作とする実写ドラマがエンドロールで

「special thanks to 映画『この世界の片隅に』製作委員会」と表記していることについて、

「当委員会は当該ドラマの内容・表現等につき、映画に関する設定の提供を含め、

一切関知しておりません」とする告知を公式サイトで発表した

 

私はこのテロップについては気付かず

1話を見る限りでは「まずまずだな」と思っていた。(*2話はまだ見れていない)

アニメ版に酷似した演出があるとの指摘があがっているらしいが

そもそもアニメ版はオリジナルであるコミック版の世界観、

こうの史代の描く繊細な心理描写と、戦争下においてもどこか呑気な生活風景を

どれだけ損なわずにアニメ化できるかを念頭に置いて製作されていたので、

連載当時からコミックを読み、映画化決定の第一報からずっと見守り、

クラウドファンディングも募集初日に参加し、

製作途中の説明会や公開前の有料試写にも参加した私から言わせれば

「アニメ版に似ているからけしからん」との指摘は

ちょっとズレているのではないかと思える。

それだけ上手くコミックの雰囲気を実写でも出せているということではないのか。

 

むしろ、アニメ版の製作委員会が

何故ここまで強い文面で無関係を強調しているのかが解せない。

公式発表などせず、波風を立てない形でテロップを消してもらうことも出来たろうに。

戦争を知らない世代のこうの史代がこの作品を描こうと思ったきっかけを考えた時、

同じ作品を世に送り出した製作陣の間で妙な軋轢が生まれているのはとても残念だ。

膨大な資料を掻き集めてひとつひとつ精査し、長期に渡る丁寧な現地取材によって

アニメ版が傑作になったことは否定しようのない事実で、原作ファンの私も喜ばしい。

それだけに、「手柄は全部ワシらのもんじゃい」とでも言わんばかりの今回のコメントは

成功を手にして豹変した元善人を見るかのようで哀しい。

 

TBS版ドラマの1話は、少なくとも私が予想していたよりは良く出来ていた。

何より役者が皆上手く配置されている。

すずさんを上白石萌音にしておけば絵的にも文句なしだったのだが

松本穂香もそれほど悪くない。

松坂桃李は今年、広島を舞台にしたヤクザ映画「孤狼の血」に出演したばかりなので

まだ方言が残っていたのか上手くハマっているし、尾野真知子の小姑も良い味を出している。

久々に女優復帰した仙道敦子もブランクを感じさせない美しさで驚いた。

緒形直人と結婚しあっさり女優業から身を退いた彼女だが

休業していたとは思えないほど芝居も自然で存在感もある。

できればまた本格的に女優をやってほしい。

 

ストーリーについては、ドラマオリジナルである現代パートの詳細がまだ不明のため

はっきりしたことは言えないが、ところどころキャラ設定や

人物の繋がりを組み替えているのは、現代との関連性を意識してだろうか。

岡田惠和の脚本が暴走しないことを祈るのみ。

演出面は、「仰げば尊し」の吉田健と「逃げ恥」「コウノドリ」の土井裕泰という

TBSドラマを支える二人が関わっているのでさすがにそつない。

ただ、今回に限っては両者の得意とする「良い話スパイス」が効き過ぎている。

これは現代放送されている全てのドラマ、映画に共通して言えることで、

過剰に良い話を盛り上げようとし過ぎるのだ。

タイトルをもう一度良く考えて欲しい。

この作品は「この世界の片隅に」生きていたすずという女性の物語であり

歴史に名を残す偉人の物語ではない。

ほぼ途切れ目なく流れる久石譲の音楽もはっきり言ってうるさい。

良い曲だがそんなに四六時中流さなくてもいい。

その点、アニメ版のコトリンゴは上手かった。

 

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これは単なる想像だが、ドラマ版の作りを見る限り

参考にした作品があるとすればアニメ版ではなく、

故・黒木和雄監督の映画「TOMMOROW 明日」ではないか。

「TOMMOROW」は、1945年8月9日、
長崎に原爆が投下される直前までを描いた作品。
原爆投下を知らずに何事もなく日々を過ごす人々を淡々と描き続け、
最後の最後で、長崎を「光」が包んで終了する。
光った後の姿を一切描かないことによって、
その瞬間、全てが「無」になってしまったことを強烈に印象づけるのだ。

私は、戦争を描いた邦画のNo.1はこの作品だと思っていて、

TBS版からはアニメ版ではなく「TOMMOROW」の匂いがする。

そういえば、「TOMMOROW」のラストシーンで

青空を見上げる少女が仙道敦子だった。

 

「TOMMOROW」に比べて演出が過剰でわざとらしく、

市井の人々の生活感が台無しになっているのが残念だが

正直な話、もっとダメダメだと思っていたので

このクオリティなら最終回まで付き合っても良い。

 

ということで、あまり場外乱闘で作品のイメージを傷つけないでくれ、頼む。

 

 

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