一夜明けて
今日は早く目が覚めてしまった。
昨日彼と別れて、自分は鉄道で朝から4時間の旅。
心を癒すために奮発して1等車で旅行している(笑)。
昨日のことを思い出して、ふと涙が。
相変わらず過去の悲壮感と、昨日早めに彼を恋人のところに戻した自分の思いやりの形に対して。
あとは、自分が告白した時もその後も、こちらのことを拒絶しなかった彼の優しさに対して。
あと恋人はどんな人なのか聞きたかったのは本音。
あと、自分はちゃんと今パートナーと幸せに暮らしてるから、
昔フッたこと気にしなくていいよ、と思ってもらうために、
自分がパートナーと暮らしてることも話せばよかったな、と後悔してるのも本音。
でもこれは考えすぎか。
彼は台湾経由で帰るが、台風のせいで飛行機がちゃんと飛ぶか心配していた。
朝自分で確認をして、飛行機はちゃんと飛ぶことを確認した。
列車に乗っていると、彼からメッセージが。
ありがとうのメッセージと飛行機がちゃんと飛ぶことの報告。
自分も、「疲れてたのにありがとう」と感謝した。
「日本行ってらっしゃい!」とも。
そうしたら彼から「ありがとうございます。昨日はよく眠れました」との返事。
最後に「またいつか会いましょう」と。
そう、またいつか。
彼の幸せを祈ってるし、自分の今の幸せも大切にしないといけない。
彼との再会
9年ぶりに会った彼。
地下鉄駅で集合予定の時間より10分早く着くので、
乗り換え駅で1本見送って、心の準備をしてから集合時間ぴったりに着こうかとも考えていたが、
そのまま来た電車に乗った。
待ち合わせ駅で降りて、ホームのベンチで時間をつぶそうと思い、
ベンチへ向かうところで、彼が声をかけてくれた。
思ったより早く彼に会ってしまい、少し戸惑った自分。
思わず彼も同じ電車に乗っていたのかと思ったが、自分が泊っているホテルの方角から考えて
ホームで、しかも適切な位置で待っていてくれたようだった。
少し散歩をして、カフェへ。
注文時に、よかったら早めの夕食おごるよ、と言って、彼を夕方までキープしようとする自分。
彼はチョコをくれた。自分も日本から持ってきたお土産をあげる。
彼はこの10年を順番に話してくれた。まとめると、日本の就活文化や企業文化になじめないようだった。
こちらの10年はそんなに多くは話さなかったかもしれない。
彼からしたら、こちらの人生は順風満帆に見えたかもしれない。
実際彼の人生に比べれば平坦かもしれない。
だから彼からの質問もそんなになかったかもしれない。
彼が日本に一時帰国する前日に、自分も○○に着いて、
ギリギリのタイミングでこうして会えてよかった、と自分の素直な気持ちを話した。
彼はそれを聞いて、にっこり笑ってくれた。
学生時代煙草を吸っていた彼だが、こっちに来てから煙草をやめたとのこと。
「えらい!」と言うと、「今お付き合いしてる人にもやめてほしいと言われたから」、
と彼は笑顔で話す。
平静を装っていたが、これは事前に覚悟していた。「やはり」と思いつつ笑顔で受け止めた。
事前に覚悟しておいて本当によかったと思う。
今思えば、現地の人なのか日本人なのか、
聞いてもおかしくない流れだったかもしれない。
でも聞いたところで、本質は何も変わらない。自分ができることはない。
「彼女」とは言わなかったが、まあ「彼氏」ではなく「彼女」だろう。
もし「彼氏」だとしたら、彼からのカミングアウトも欲しかったかもしれないが、
それはそもそもないだろう。
彼女も明日日本に行くのかどうかはわからないが、
もし彼女が日本に行かないなら、なおさら今夜は大切な夜だ。
いずれにせよ彼らの生活を邪魔するのはよくないと思い始める。
自分が彼だったら、恋人と出発前夜をゆっくり過ごしたいはずだ。
この場面の後から、彼が話していてもなかなか集中して聞くことができず、
本当に彼を夕食まで独占してもいいのか悩み始める。
カフェを出て、夕食までは時間が余る状況になり、何をしようかと少し戸惑う彼。
なので、無理に夕食まで付き合ってくれなくてもいいよ、とこちらから言う。
さらに朝バイトでグロッキーな状態、だと彼が申告。
じゃあなおさら、ということで、「無理して夕食まで付き合ってくれなくてもいいよ」と
こちらから提案する。そしてもう少し散歩をしてから別れることに。
散歩の続きでは、有名な観光名所を前に一緒に写真を撮ることができた。
久しぶりの彼を独り占めするのではなく、彼のことを待ってる彼女の元へ帰して、自分は引く。
もしかしたら、これは最後に(?)自分が彼に対してできる「思いやり」や「好き」の形かもしれない。
彼とは地下鉄の車内で別れた。最後に握手をして、ありがとうと言って。
彼には「気を付けて帰ってね」と言い、彼は「○○さんも残りの滞在楽しんでください」と言ってくれた。
こうして彼との3時間半の再会が終わった。
自分の駅に着き、街をさまよい、一人夕食をとる。
たぶん人生で一番寂しい夕食だったかもしれない(笑)。
目が潤んでいたが、流れる涙にはならなかった。
今思い返すと、今日の課題は3つあった。
①彼の前で涙を見せない
②彼に対する過去の好意を彼に思い出させない
③今彼に未練があると思わせない
③に関連して、自分が今ちゃんとパートナーがいることを言ってもよかったと思う。
女友達は「今お付き合いしてる人」という言い方は「彼氏」の可能性もあるのでは、と疑問視したが、
自分は「彼女」とストレートに言わないための、昔フッた相手(私)への配慮とその場で解釈した。
もしゲイだったら、カミングアウトしてほしい、と正直思ってしまうから。
たとえ、相手が日本人だろうが非日本人だろうが、女性だろうが男性だろうが、
自分が彼を恋人の元に帰したことは正しい判断だったと思う。
明日彼の飛行機がちゃんと飛んで日本に帰れますように。
そして○○国に残る自分は、彼がまだ行ったことのないという国内の○○に向かう。
明日彼と9年ぶりに会う
ヨーロッパの某国に出張で来ている。
学会中に彼からFB Messengerで連絡が来た。
14時に待ち合わせを決めていたが、
日曜日は予定変更はないかどうか、と聞かれた。
明後日に彼は日本に一時帰国するが、
遅めの昼食か早めの夕食、散歩、カフェでもできればと思っていた。
帰国の準備で忙しいだろうし、あまり無理強いをしたくはないが。
他に予定があるか聞いてみると、
特に予定はなく、でも翌日フライトなのであまり遅くならないように、とのことだった。
彼のプランでは、散歩、カフェを考えていたとのこと。
食事までは考えてはいなかったようだ。
だから自分も無理強いしないことにする。
夜の食事も期待しないことにする。
その場の流れに沿って。
待ち合わせの場所も彼は考えてくれていた。
自分なんかのために。
今泊まっているホテルは結構いいホテルなのでジムがある。
彼に会うまでの4泊の間、毎日1時間ジムで体を鍛えることに決めていた(笑)。
明日のチェックアウト前に1時間すれば、目標達成になる。
片想いしていた時に、よく大学のジムで筋トレをしていたが、
あの頃、鏡に映る自分をよく見て泣いていた気がする。
救いようがない片想いをしていた上、人生をかけて博士論文を書いていたころ。
自分磨きをすることが、自分が唯一できる最小限で最大限のことだと言い聞かせていたころ。
それを思い出して、この数日また感傷的になっていた。
涙が出ないように、唇をかむ感じで。
一方で、片想いしてた時の羽を思い出して、今日の研究発表に向けても勇気が出た。
10年前は自分が成長して、世界でこんな風に戦えるとは思えなかったから。
片想いしていた時の頑張りがあったから、今がある。
彼がいてくれたから、今がある。
明日はどんな風に彼を見ればいいだろうか。
自分は彼の目にどんな風に映るだろうか。
本当は、自分は嫌われているんじゃないか、と不安になる時がある。
本当は、さっさと切り上げて帰りたいんじゃないか、と。
本当は、声かけない方がよかったんじゃないか、と。
本当は、フラれた自分から彼の前に現れる資格はないんじゃないか。
告白した瞬間から、慕ってくれていた先輩としての自分は彼にとって消えたんじゃないか。
一方で、彼が留学中に現地で知り合った友人には、
「すごい先輩」的に自分のことをかなりよく話してくれていたようだった。
それはその友人と自分が仲良くなった時に、本人から聞いた。
自分が告白した後でも。
今更ながら、まだ今ほどLGBTが認知されていなかった2011年に、
自分が告白とカミングアウトをしたことはすごいことだな、とふと思う。
そして、少なくとも告白した場での彼の落ち着いた態度。
その後に、(たぶん)周囲の誰かに黙っていてくれた。
そのことに対して、彼に感謝している。
でも、告白の前夜か前々夜に、告白とカミングアウトが周囲に広まることが
怖くなって、泣き震えたことがあったことはよく覚えていて、今でも胸が痛くなる。
片想いしていた悲壮感と、それなのに告白した悲壮感は、たぶん一生忘れないだろう。
自分の感情に見返りを求めない、と何度も何度も自分に言い聞かせて。
片想いを当時は全うしたことに対して、誇りはないけれど、
たとえ人から指をさされても、笑われても、石を投げられても、
自分は静かに、優しく微笑んで耐えていけると思う。
片想いしてたこと、告白をしたことは自分の十字架だ。
彼は一時帰国するが、日本食が必要ないかを聞いたら、
焼肉のタレが1本必要とのこと。
彼にできる久しぶりの、もしかしたら最後のことかもしれない。
だから日本から大切に持ってきた。焼肉タレのほかにも数本。
明日は絶対に涙を見せてはいけない。
過去に好意があったことを彼に意識させない方がいいに決まってる。
あの恋は、告白をした2011年11月14日で終わったから。
彼にとっても自分にとっても。
だから、明日は新しい関係(というとおこがましいけれど)の始まりになるようにしないといけない。
告白した時みたいに、自分のために時間を作ってくれたこと、
会ってくれることに、
ただただ感謝しないといけない。優しく微笑んで。