明日彼と9年ぶりに会う | 片思いという名の試練

明日彼と9年ぶりに会う

 

ヨーロッパの某国に出張で来ている。

学会中に彼からFB Messengerで連絡が来た。

14時に待ち合わせを決めていたが、

日曜日は予定変更はないかどうか、と聞かれた。

 

明後日に彼は日本に一時帰国するが、

遅めの昼食か早めの夕食、散歩、カフェでもできればと思っていた。

帰国の準備で忙しいだろうし、あまり無理強いをしたくはないが。

 

他に予定があるか聞いてみると、

特に予定はなく、でも翌日フライトなのであまり遅くならないように、とのことだった。

彼のプランでは、散歩、カフェを考えていたとのこと。

食事までは考えてはいなかったようだ。

だから自分も無理強いしないことにする。

夜の食事も期待しないことにする。

その場の流れに沿って。

 

待ち合わせの場所も彼は考えてくれていた。

自分なんかのために。

 

今泊まっているホテルは結構いいホテルなのでジムがある。

彼に会うまでの4泊の間、毎日1時間ジムで体を鍛えることに決めていた(笑)。

明日のチェックアウト前に1時間すれば、目標達成になる。

片想いしていた時に、よく大学のジムで筋トレをしていたが、

あの頃、鏡に映る自分をよく見て泣いていた気がする。

救いようがない片想いをしていた上、人生をかけて博士論文を書いていたころ。

自分磨きをすることが、自分が唯一できる最小限で最大限のことだと言い聞かせていたころ。

それを思い出して、この数日また感傷的になっていた。

涙が出ないように、唇をかむ感じで。

 

一方で、片想いしてた時の羽を思い出して、今日の研究発表に向けても勇気が出た。

10年前は自分が成長して、世界でこんな風に戦えるとは思えなかったから。

片想いしていた時の頑張りがあったから、今がある。

彼がいてくれたから、今がある。

 

明日はどんな風に彼を見ればいいだろうか。

自分は彼の目にどんな風に映るだろうか。

 

本当は、自分は嫌われているんじゃないか、と不安になる時がある。

本当は、さっさと切り上げて帰りたいんじゃないか、と。

本当は、声かけない方がよかったんじゃないか、と。

本当は、フラれた自分から彼の前に現れる資格はないんじゃないか。

告白した瞬間から、慕ってくれていた先輩としての自分は彼にとって消えたんじゃないか。

 

一方で、彼が留学中に現地で知り合った友人には、

「すごい先輩」的に自分のことをかなりよく話してくれていたようだった。

それはその友人と自分が仲良くなった時に、本人から聞いた。

自分が告白した後でも。

 

今更ながら、まだ今ほどLGBTが認知されていなかった2011年に、

自分が告白とカミングアウトをしたことはすごいことだな、とふと思う。

そして、少なくとも告白した場での彼の落ち着いた態度。

その後に、(たぶん)周囲の誰かに黙っていてくれた。

そのことに対して、彼に感謝している。

 

でも、告白の前夜か前々夜に、告白とカミングアウトが周囲に広まることが

怖くなって、泣き震えたことがあったことはよく覚えていて、今でも胸が痛くなる。

片想いしていた悲壮感と、それなのに告白した悲壮感は、たぶん一生忘れないだろう。

 

自分の感情に見返りを求めない、と何度も何度も自分に言い聞かせて。

 

片想いを当時は全うしたことに対して、誇りはないけれど、

たとえ人から指をさされても、笑われても、石を投げられても、

自分は静かに、優しく微笑んで耐えていけると思う。

片想いしてたこと、告白をしたことは自分の十字架だ。

 

彼は一時帰国するが、日本食が必要ないかを聞いたら、

焼肉のタレが1本必要とのこと。

彼にできる久しぶりの、もしかしたら最後のことかもしれない。

だから日本から大切に持ってきた。焼肉タレのほかにも数本。

 

明日は絶対に涙を見せてはいけない。

過去に好意があったことを彼に意識させない方がいいに決まってる。

あの恋は、告白をした2011年11月14日で終わったから。

彼にとっても自分にとっても。

だから、明日は新しい関係(というとおこがましいけれど)の始まりになるようにしないといけない。

 

告白した時みたいに、自分のために時間を作ってくれたこと、

会ってくれることに、

ただただ感謝しないといけない。優しく微笑んで。