2010年前後の函館駅のスーパースターといえば、1つはキハ281系スーパー北斗。もう一つは789系のスーパー白鳥、というのが個人的な思い出です。
TOMIXからそんな「スーパー白鳥」の789系0番台が発売だそうです。人によっては789系0番台の現在の姿「ライラック」まで粘る人もいると思いますが、思い出の「スーパー白鳥」を買う人は少なくないと思います。
789系0番台は、電車特急というだけあってそんなに複雑じゃない…んですが、今のJR北海道の電車から見ればそこそこ複雑です。
スーパー白鳥としてみると、八戸 or 新青森~函館間の特急列車ですが、この「HEAT789」の電車は結構いろんなところを走っています。
まずは東北地区。
函館本線・江差線・海峡線・津軽線の函館~青森間
東北本線の青森~八戸間は当然入線実績があります。
奥羽本線は「スーパー白鳥」として新青森まで、回送で新青森駅の次の津軽新城駅まで走りましたが、延長運転として弘前駅。さらに試運転ではなんと秋田駅まで入線実績があります。
道央地区での試運転は、基本的に苗穂駅~幌向駅の間だけですが、新車納入時の試運転中、展示会で小樽駅への入線経験があります。北側は…深夜に岩見沢駅までは来てそうなものですが、ちょっと資料がないですね…
789系0番台(HET時代)入線実績
~自走編~
・八戸~青森~函館(2002年~2010年)
・(津軽新城~)新青森~青森~函館(2010年~2016年)
・秋田~青森(2009年に試運転 営業実績なし)
・弘前~青森
(2006年以降のつがる6号延長運転、および2012年~2014年のスーパー白鳥延長運転)
・幌向~苗穂 (2002年~2015年 試運転のみ)
・苗穂~手稲 (2002年 試運転のみ)
・手稲~小樽 (2002年のスーパー白鳥展示会時のみ?)
※幌向以北の実績がありそうなのですが不明です。
~無動力回送編 いずれも北斗星色のDD51が担当~
・函館~手稲~(札幌運転所)
・(札幌運転所)→苗穂工場 ※復路は試運転を兼ねるため回送なし
HET時代の789系は一貫して「スーパー白鳥」だけ…と思いきや、定期不定期含めるといろんな列車をやっています。残念ながら筆者はみてませんが…。
789系0番台(HET時代) 運転列車
・特急「スーパー白鳥」(2002年~2016年)
・特急「白鳥」(2002年~2016年の間の代走時 専用HM出た場合も?)
・特急「つがる」(2006年~2010年)
・臨時特急「ねぶたエクスプレス」(2007年?~2014年)
・普通列車(2010年~2016年)
有名なのは、専用ヘッドマークがあった特急「つがる」でしょうか。1本だけ青森→八戸で運転されていた「つがる6号」。多客期には弘前始発に延長されていて、当時の特急つがるの全区間を走破していたりします。
要するに、当時の区間便の名称設定は、青函区間を走る列車が「白鳥(函館~青森・八戸間)」、青函区間に入らない列車を「つがる(弘前・青森~八戸間)」と呼称していた、ということなのでしょう。
2010年の東北新幹線新青森開業で、東北本線を走らなくなった代わりに奥羽本線にスーパー白鳥が走るようになったほか、こちらも多客期には弘前まで延長運転を行っていました。試運転の実績としては、当時の特急「つがる」の全区間に該当する秋田~青森間すべてを走破した経験がありますが、営業実績は無いようです。
ヘッドマークが専用の「普通」幕となる青森発新青森行き普通列車も特徴的ですね。1日1本ながら毎日運転の列車でした。余談ですが、JR北海道の特急電車はすべて「普通」幕を使用した普通列車の実績があります。781系、785系、789系1000番台はL特急「すずずらん」の間合いで走った早朝深夜の東室蘭~室蘭間の普通列車。789系0番台や785系300番台は、今の青森→新青森間の普通列車です。不定期では、エアポートの代走で走った江別発札幌行きの普通列車とか、新千歳空港シャトルとかいろいろありますが…。
789系0番台(HET時代) 編成
スーパー白鳥用の789系は2パターンの基本・増結があります。登場当初は基本編成が5両で、中間車はすべて「モハ」となるパターン。HE100ユニットが2両、HE200ユニットが2両の構成です。
721系・733系のエアポート編成や現在の789系0番台とは異なり、前後のユニットの番号は不一致です 。HE104+HE202みたいな編成になります。
2002年~2006年 基本5両編成
←函館・八戸
<クロハ789-100][モハ788-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200>
当初は、485系の基本6両に対して789系は5両と控えめでした。増結の際にはHE200ユニットをもう1本後ろに増やします。
2002年~2006年 増結8両編成
←函館・八戸
<クロハ789-100][モハ788-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200> + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200>
当初の編成パターンはこの2つのみ。編成パターンに入れている書籍を見たことがありますが、HE100を2ユニット連結した7両や8両のパターンは物理的に不可能です 。(やるなら架空になるってことですねっ) え???出てきたんですが????どういう原理?????
というわけで、以下の文章は無駄になります。マジで理解が追い付いてない…
制御設定がそもそもないだろうという話はおいておいて、どういうことか、簡潔に書いておきます。
789系を含め、今のJR北海道の785系以外の特急は前面が流線形…ではないですがやや曲面の形状をしています。
この先頭部を編成の中に入れるためには、幌をつなぐ必要があり、流線形にそった形状のものが求められます。対処法は形式によってまちまちで、キハ281・283系は幌アダプタを、キハ261系0番台は稚内方に幌ごとつけっぱなしにしています。
では789系0番台はどうしたかというと、ユニットの連結面。つまりモハ788-100とモハ789-200の間の幌がこの先頭部の形状に合わせた ) ←こんな形状をしています。
つまりこうなります。
[モハ788-100] ) ) [モハ789-200]
増結時には
[クハ789-200> )[モハ789-200]
こうなります。
そのため、HE100を増結しようとすると、幌の形状が合いません。
<クロハ789-100][モハ788-100] )<クロハ789-100][モハ788-100]
こうなります💦
このことから、クロハ側のユニットを2両つなげられないのです。
さて、時系列を進めていきましょう。2006年には高い需要からサハ789-100を加えた6両になります。この時点ではHE101/201~HE105/205の5本ですが、これらの編成は3号車だけ4年新しいです。
2006年~2016年 基本6両編成
←函館・八戸・新青森/弘前
<クロハ789-100][モハ788-100][サハ789-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200>
ちなみにさっきの幌問題ですが、両側の車両共に 「 ) 」の形をした幌のため、
[モハ788-100] )) [サハ789-100] ) ) [モハ789-200]
こうなってます。
基本編成が6両になったスーパー白鳥ですが、増結の長さは8両のままとなりました。そのため、専用の増結編成が製造されました。先日廃車になってしまったHE300ユニットですね。
2006年~2016年 増結8両編成A
←函館・八戸・新青森/弘前
<クロハ789-100][モハ788-100][サハ789-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200> + [モハ788-300][クハ789-300>
このHE300ユニットの登場で、過去の8両編成はやらなくなったと思われがちですが、HE300ユニットが2本しかないため、HE100ユニットをわざわざばらして増結しています。
2006年~2016年 増結8両編成B
←函館・八戸・新青森/弘前
<クロハ789-100][モハ788-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200> + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200>
おるすばん
[サハ789-100]
また、先の通り789系0番台の検査は五稜郭ではなく電化されている苗穂工場のため、検査のたびにDD51で回送されるほか、試運転は苗穂~幌向間で行われます。本線試運転を行う都合上、基本的に検査は100 + 200 or 300ユニットをセットで行っているようです。タイミングを適当に合わせてたんですかね…?
2006年~2016年 試運転6両編成
←幌向
<クロハ789-100][モハ788-100][サハ789-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200>
2006年~2016年 試運転5両編成
←幌向
<クロハ789-100][モハ788-100][サハ789-100] + [モハ788-300][クハ789-300>
そして、2010年。あの気味悪い雰囲気で登場した785系(見慣れましたけどね笑)300番台と、789系の最終増備車 HE106+206が登場しました。789系の一番新しい編成は、スーパーカムイの1000番台ではなく、HE106+206だったりします。
この緑色の785系は青函改造直後は改番をしていなかったので、トンデモ編成が1度走っています。
2010年4月19日らしいです 青函785系 試運転5両編成
←幌向
<クロハ789-103][モハ788-103][サハ789-103] + <クモハ785-105][クハ784-5>
※クモハ785-105の運転台はすでになし。まぁNE500の中間もクハ/クモハですし…
785系300番台の登場に伴い、3つ目の増結パターンが登場します。HEの増結ユニットが301・302の2本のため、785系のユニット番号は連番をとってNE303となっています。
2010年~2016年 増結8両編成C
←函館・新青森/弘前
<クロハ789-100][モハ788-100][サハ789-100] + [モハ789-200][モハ788-200][クハ789-200> + [モハ785-303][クハ784-303>
TOMIXの789系より前からマイクロエースより785系300番台が単品販売されています。あとはわかりますね?
というわけで、HET789特集となりました。
2016年のスーパー白鳥廃止後、少しずつ基本ユニットが運ばれて2017年からは6本ともに特急「ライラック」として転職。HE300ユニットは五稜郭工場にしばらく放置されたのちに苗穂に放置、廃車って話をネットで見た気がしたんですが気のせいかも…
?785系NE303は2016年に離脱してすぐ、函館を出ることなく解体となりました。
そんな、青函トンネルのエース。気になる方はぜひ!私はマイクロの6両をどうするか考えます…←