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福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

福岡の学習塾コンサルタントが語る、塾運営のヒント満載ブログ。
開業から集客、講師育成まで、現場で役立つ実践的なノウハウをやさしく解説。塾の魅力を引き出し、長く地域に愛される運営をサポートします。

大学生講師に授業を任せる際に、最も重要なことのひとつは「長期的視点を持たせた授業を行わせること」であると考えます。これは単にその日その日の授業をこなすだけではなく、生徒の将来、つまり定期テストや高校受験、あるいはその先の進路までを見据えた上で授業を構成する必要があるということです。

 

たとえば、ある中学3年生に対して週2回英語の授業を担当すると仮定します。中学3年生の2学期が始まった時点で、受験までに残された授業回数は単純計算で60回にも満たないことになります。この60回の中で、生徒に必要な知識・技能をどのように配分して教えていくかは、極めて戦略的な視点が求められる作業です。

 

仮にそのうち30回を中3内容の学習に充てるとすると、残りの20回は中1・中2の復習に使い、さらに最後の10回は受験を想定した総合的な演習に充てることが想定されます。このように回数ベースで授業計画を細分化してみると、1回1回の授業の重みと重要性が明確に見えてきます。つまり、「今日は何を教えるか」という視点ではなく、「受験日から逆算して今、何を教える必要があるのか」という視点が不可欠なのです。

 

そのような視点を大学生講師に持たせるためには、まずは「実感させること」が第一歩です。限られた時間の中で成果を出す難しさや、計画的に物事を進めないことによって生徒の成績やモチベーションに悪影響が出ることを、具体的な事例や数字を通して伝える必要があります。「この授業でつまずいたら、後に響く」という緊張感を講師自身が理解することが、生徒の学びを支える第一歩になるのです。

 

そして、それ以上に大事なことは、講師自身がその授業を「自分ごと」として捉えることです。生徒の成績や志望校合格に対する責任感を持ち、自らの授業が生徒の未来にどのように影響するのかを常に意識して授業に臨む姿勢が求められます。そのためには、定期的な振り返りや指導計画の共有、他講師との情報交換といった、チームとしての指導体制の中で成長を促していく必要があるでしょう。

 

大学生講師はまだ教育の専門家ではないかもしれませんが、だからこそ、指導の方向性や視点を与えることが周囲の大人の役割です。そして、講師自身も生徒と同様に「学び続ける存在」であることを忘れてはならないと考えます。

6月に入ると、多くの塾がこぞって夏期講習のチラシを配り始めます。通塾を検討している家庭にとっては、料金、授業時間、合格実績、使用教材など、比較すべき情報が満載に見えることでしょう。しかし、そのような“スペック”だけでは、塾の本質は伝わりません。むしろ、塾が本当に届けるべきは、「どんな生徒に、どんな想いで指導をしているのか」という、教育に対する真摯な姿勢であるべきです。

 

開校して1〜3年目の塾にとって、集客は死活問題です。だからこそ、他塾と比較されがちな料金の安さや授業の多さ、あるいは一時的な合格実績を前面に出したくなる気持ちはわかります。しかし、そういった表面的な数字や条件は、結局どの塾でも掲げられるものであり、「違い」を生む力にはなりません。

 

では、塾にとって本当に大切なものとは何でしょうか。それは「このような子どもたちと出会いたい」「このような成長を支えたい」という“想い”です。誰でもいいから生徒を集めたいのではなく、自分たちの教育方針に共感し、一緒に歩んでくれるご家庭・お子さまに来てほしい。そのような明確なメッセージが、今の時代には必要です。

 

実際、たった一人でもチラシをきっかけに入塾してくれた生徒がいれば、数ヶ月後にはその子の満足度を通じて、新たな仲間が自然と集まってきます。それは、保護者の口コミであったり、友人の紹介であったりと、塾に対する「信頼」と「共感」が生む連鎖です。そのような流れは、料金や時間数だけで得られるものではなく、「想い」に共鳴した結果として生まれるのです。

 

また、「想いに共感する人だけを入塾させる」という姿勢は、すでに在籍している生徒や保護者に対して、「あなたたちを大切にしている」という無言のメッセージにもなります。それは塾のブランディングにつながり、他塾との差別化を図る最大のポイントになるでしょう。

 

そして、こうした積み重ねはやがて“塾の名前”そのものの価値を高めていきます。開校から4年目にもなれば、チラシを大量に配る必要すらなくなり、他塾の広告を見た保護者がふと「やっぱりうちはあの塾よね」と思い出してくれるようになるのです。それこそが、地域に根ざした、本物の教育ブランドとしての成長です。

 

だからこそ、これから夏期講習のチラシを準備する塾の皆さんには、ぜひ「自分たちの想い」を真ん中に据えて考えていただきたいと思います。表面的な条件ではなく、心から伝えたい教育への想い。それを言葉にし、形にすることが、共感を生み、信頼を築き、長く愛される塾への第一歩になるのです。

個別指導塾を新たに開校するにあたって、できるだけ早く多くの塾生を集めたいという気持ちは自然なものです。しかし、実際には「一気に生徒を集めること」は、塾の将来的な成長を妨げる可能性があると考えます。むしろ、最初の数名の生徒との関係を丁寧に築くことが、結果として最も効果的な集客につながるのです。

 

まず重要なのは、「キャンペーン」などによる安売り的な集客手段は、個別指導塾の理念や価値を損なう恐れがあるという点です。短期的には生徒数を増やすことができるかもしれませんが、講師の指導体制が整っていない段階で一気に生徒を増やすと、質の低下や混乱を招き、塾全体のイメージダウンにつながってしまいます。そうなると、継続的な紹介や定着率の向上は望めず、結果として「続かない塾」になってしまう恐れがあります。

 

そのため、開校時には「チラシを撒く」程度の基本的な告知活動は必要ですが、それ以上の大規模なプロモーションは控えるべきです。目標は「まず1人の生徒をしっかり集めること」。たった1人かもしれませんが、その1人を大切に、時間と情熱をかけて指導することが、今後の塾の基盤を築くことにつながります。

 

その生徒が定期テストで成果を出し、さらに塾の指導スタイルに満足してくれれば、自然と友人を紹介してくれるようになります。こうして、1名が3名へ、3名が6名へと、ゆっくりと確実に塾生は増えていきます。さらにテストの結果が出れば、その評判は周囲に広がり、6名から12名、12名からさらに増加というように、紹介の連鎖が生まれていきます。

 

このような自然な紹介の流れは、塾の「信頼」に基づいています。つまり、無理に集めた生徒よりも、指導の質に満足して通い続ける生徒による口コミこそが、最も強力で持続可能な集客方法なのです。

 

また、個別指導塾においては、開校直後は講師陣もまだ育っていない段階です。一人ひとりの生徒に対して丁寧な指導を行うことで、講師自身も実践を通して成長していくことができます。逆に、最初から生徒数だけが増えてしまえば、講師の育成が追いつかず、指導の質が落ちるばかりか、講師自身が指導に自信を失いかねません。

 

したがって、個別指導塾における開校戦略として最も重要なのは、「キャンペーンなどで一気に生徒を集めるのではなく、まずは目の前の1人を大切にすること」なのです。この姿勢こそが、塾に対する信頼を築き、自然な紹介と持続的な発展をもたらす鍵となります。

 

塾を育てるということは、単に生徒数を増やすことではなく、生徒との信頼関係を深め、その成果を着実に積み重ねていくことだと私は考えます。

塾や学校、職場など、集団が活動する場において、その場の「元気さ」や「本気度」は、目に見える成果や数字だけで測れるものではありません。むしろ、それ以上に日常のちょっとした風景、つまり「無意識の清潔さ」がその本質を語っていることが多くあります。

 

たとえば、トイレが常に清潔に保たれているか、植物が生き生きとしているか、窓に手あかやほこりがたまっていないか、本棚が整然としているか。これらは一見、学力や教育の質とは関係がないように見えるかもしれません。しかし、実際にはこうした細部にこそ、その塾の空気感や職員の姿勢が反映されているのです。

 

講師や塾長の服装、掲示物の貼り方、傘立ての整頓状況なども同様です。どれも小さなことではありますが、来塾者や生徒に与える印象は非常に大きく、こうした部分に気を配れる塾ほど、教育にも手を抜かないという信頼感につながります。

 

特に注目すべきなのは、職員の机の上の様子です。そこには、その人の仕事への向き合い方、計画性、そして日々の業務への熱量が表れます。机の上がいつも乱れていて、資料が積み重なっている状態であれば、その塾が元気を失っているサインとも言えます。反対に、整理整頓がなされている机からは、日々の業務を大切にしようとする意識が感じ取れます。

 

私たちは、見えやすい部分だけでなく、「無意識に整っているかどうか」にこそ目を向けるべきです。それは、「誰かが見ているからやる」のではなく、「当然そうあるべきだと思っている」状態。つまり、それがその塾や組織の文化として根付いているかどうかが、もっとも重要なのです。

 

清潔さや整頓といった習慣は、決して一朝一夕で身につくものではありません。しかし、それが無意識に実行されている環境は、間違いなく信頼できる空間であり、そこに身を置く人々もまた、真摯に物事に取り組んでいる証と言えるでしょう。

 

だからこそ、私は思います。塾選びにおいて最も信頼できる判断基準のひとつは、こうした「小さな整い」があるかどうかです。表面的な情報では見えにくいからこそ、その価値を見抜ける目を持ちたいと思います。そして、自分自身もまた、無意識に整えられた状態を自然と作り出せるような人間でありたいと、改めて感じるのです。

 

元気がない塾は、どこも汚い。乱れている。モノが積まれている。

「なぜその塾は存在するのか」。この問いに即答できる塾は、実はそれほど多くありません。しかし、教育に携わる者として、この問いに明確な答えを持っていることは、塾が持続的に成長し、社会的な意義を果たしていく上で極めて重要だと私は考えます。

 

意外なことに、理念を持たない塾長は少なくないです。確かに、日々の授業運営や業績管理に追われる中で、「理念」という抽象的なものは後回しにされがちです。しかし、理念がないまま塾を経営することは、目的地を定めずに航海を続ける船のようなものです。一見、順調に進んでいるようでも、いずれどこに向かっているのかわからなくなり、漂流してしまうでしょう。

 

理念とは、「何のために存在するのか」という根本的な問いに対する答えです。それは、単なる経営方針や売上目標とは異なり、その塾が社会に対して果たしたい役割、貢献したい価値を言語化したものです。たとえば、「学力向上を通じて子どもの自己肯定感を育てる」「地域の教育格差を解消するための学びの場を提供する」など、明確な理念を掲げることで、講師やスタッフ、生徒や保護者との信頼関係が生まれ、同じ方向を向いて努力できるようになります。

 

また、「理念に集まってくる」という言葉がある通り、理念は人を引きつける力を持っています。講師も、生徒も、その塾の考え方や教育方針に共感することで、「ここで働きたい」「ここで学びたい」と感じるのです。理念が明確であればあるほど、それに共鳴する人々が集まり、塾全体としての一体感が生まれます。

 

逆に、存在理由のない塾は「ただあるだけ」の状態に陥ります。売上があるから続いている、ということはあるかもしれませんが、そこに「なぜやるのか」という信念がなければ、困難に直面したときに軸がぶれてしまい、方向性を見失ってしまいます。結果として、生徒の満足度や成績が低下し、講師の離職率も上がり、やがては塾そのものの存続も危うくなるでしょう。「いつなくなっても仕方ない」と言われるのは、まさにそのような状態を指しているのです。

 

教育とは、人の人生を大きく左右する営みです。その営みに関わる塾が、理念なくして成り立つはずがありません。理念は目に見えないかもしれませんが、それは塾という組織の「背骨」であり、「心臓」であり、全ての活動の土台となるものです。だからこそ、塾長はまず理念を掲げ、その理念を実現するために日々の経営や教育活動を行っていくべきなのです。

 

結論として、理念は単なる「言葉」ではなく、塾の存在意義そのものです。理念があるからこそ、人は集まり、学びが生まれ、未来が築かれていくのです。塾が長く愛され、信頼される場となるためには、理念を軸とした経営が欠かせないと強く感じます。