個別指導塾の開校における最良のスタートとは――「一人」を大切にする戦略のすすめ | 福岡県の学習塾コンサルタント|学習塾運営の手引き

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個別指導塾を新たに開校するにあたって、できるだけ早く多くの塾生を集めたいという気持ちは自然なものです。しかし、実際には「一気に生徒を集めること」は、塾の将来的な成長を妨げる可能性があると考えます。むしろ、最初の数名の生徒との関係を丁寧に築くことが、結果として最も効果的な集客につながるのです。

 

まず重要なのは、「キャンペーン」などによる安売り的な集客手段は、個別指導塾の理念や価値を損なう恐れがあるという点です。短期的には生徒数を増やすことができるかもしれませんが、講師の指導体制が整っていない段階で一気に生徒を増やすと、質の低下や混乱を招き、塾全体のイメージダウンにつながってしまいます。そうなると、継続的な紹介や定着率の向上は望めず、結果として「続かない塾」になってしまう恐れがあります。

 

そのため、開校時には「チラシを撒く」程度の基本的な告知活動は必要ですが、それ以上の大規模なプロモーションは控えるべきです。目標は「まず1人の生徒をしっかり集めること」。たった1人かもしれませんが、その1人を大切に、時間と情熱をかけて指導することが、今後の塾の基盤を築くことにつながります。

 

その生徒が定期テストで成果を出し、さらに塾の指導スタイルに満足してくれれば、自然と友人を紹介してくれるようになります。こうして、1名が3名へ、3名が6名へと、ゆっくりと確実に塾生は増えていきます。さらにテストの結果が出れば、その評判は周囲に広がり、6名から12名、12名からさらに増加というように、紹介の連鎖が生まれていきます。

 

このような自然な紹介の流れは、塾の「信頼」に基づいています。つまり、無理に集めた生徒よりも、指導の質に満足して通い続ける生徒による口コミこそが、最も強力で持続可能な集客方法なのです。

 

また、個別指導塾においては、開校直後は講師陣もまだ育っていない段階です。一人ひとりの生徒に対して丁寧な指導を行うことで、講師自身も実践を通して成長していくことができます。逆に、最初から生徒数だけが増えてしまえば、講師の育成が追いつかず、指導の質が落ちるばかりか、講師自身が指導に自信を失いかねません。

 

したがって、個別指導塾における開校戦略として最も重要なのは、「キャンペーンなどで一気に生徒を集めるのではなく、まずは目の前の1人を大切にすること」なのです。この姿勢こそが、塾に対する信頼を築き、自然な紹介と持続的な発展をもたらす鍵となります。

 

塾を育てるということは、単に生徒数を増やすことではなく、生徒との信頼関係を深め、その成果を着実に積み重ねていくことだと私は考えます。