私は、採用面接の場においていくつかのこだわりを大切にしています。
その中でも特に重視しているのが、「失敗の代表作」を持っているかどうか、という点です。
もちろん、ただ失敗したという事実だけでは足りません。
その失敗は、果たして挑戦の末に生まれたものだったのか。
その人がどう向き合い、どう乗り越えてきたのか。
さらに、今それをどう活かしているのか。
私はその「失敗の質」を見極めています。
面接に来てくださった方が、私の知らない世界を経験していたり、
その世界の中で果敢にチャレンジしてきた人だったとき。
そして、今まさに次なる挑戦を続けている人だったとき。
私自身の価値観がぐんと広がっていくのを感じます。
人の夢を本気で応援していると、不思議とその人から「恩返し」のように
自分では見えなかった新しい景色を見せてもらえることがあります。
だから私は、その人の「物語」に耳を傾けたいのです。
文章からも、決断力はにじみ出る
面接では、短い論文を書いてもらうことにしています。
その中で、句読点の打ち方や文の長さにも注目しています。
一文がやたらと長く、読点が少ない人は、
「これまでの人生で決断をしてこなかった人なのかな」と思ってしまうことがあります。
長い一文の中で、意見が右往左往し、結局何が言いたいのかが見えにくくなってしまう。
それでは、生徒にも伝わりませんし、現場では困る場面が増えてしまいます。
だからこそ、文章一つをとっても、その人の「思考の構造」や「決断の跡」が見えるのです。
面接で大事なのは「物語」──それも、その人にしか語れないもの
面接の際には、私の質問に対する答えの「正しさ」よりも、
その人自身の物語を大切にしています。
というのも、会議やプレゼンテーションの場になると、
人はつい「演説モード」になりがちです。
しかも、その言葉が実体験に基づいたものではなく、
どこかで学んだ知識や使い古された表現ばかりになってしまうことも少なくありません。
でも、私が聞きたいのは、その人にしか語れない「一次情報の物語」です。
経験からにじみ出た、生の言葉。
それは、知識のボキャブラリーを並べたものとはまったく違う、心に残る力を持っています。
教育の現場も「演説」ではなく「物語」で
これは、面接に限った話ではありません。
実際に授業でもそうです。
先生がただ「正論」を演説するように話している授業よりも、
先生自身の体験や悩みを交えた授業の方が、ずっと引き込まれます。
生徒の想像力が自然と膨らんでいき、学びの奥行きが広がっていきます。
だからこそ、私は「物語で語れる人」を求めています。
それも、誰かの物語ではなく、自分自身の物語を持っている人です。
P.S. 採用基準について
ちなみに、採用の第1基準は、「学び舎」という業界の性質上、
九州大学を卒業された方、もしくは現在九州大学に在籍されている方。
または、修猷館高校など学区トップ校及びそれに準じる高校を卒業された方を基本としています。
ただし、これに該当しない方でも、担当教科の筆記試験で満点を取った場合、この教科は得意だと自信を持って言える方は「特例」として進んでいただけます。
その後の選考フローとしては、
第2審査が面接。
第3審査が口頭試験。
第4審査が思考力・人間力を判断するテスト。
そして、必要に応じて、現在の講師陣による「賛同」による最終審査を行います。
私は、ただ一緒に働く仲間を探しているのではありません。
お互いの夢を応援し合えるような関係を築ける人。
そんな人と、一緒に新しい未来をつくっていきたいと願っています。
そのために、私は採用という場においても、強いこだわりを持って臨んでいるのです。
