どこ鉄 〜とにかく「前へ」 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



唐突な抗議文で終わった前回ですが。



僕もおめおめと後には引けませんので、勇気を振り絞ってやっていきたいと思います。




まずは前回ボリュームの都合で省略した、N会長からの抗議文全容を見ていきましょう。



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抗議文


貴君に告ぐ。

貴君の執筆されたる「どこ鉄」というブログは健全な日本人の精神を破壊せしめんとする悪書である。

本来、移動そのものを楽しむ鉄道旅行において、駅に停車するたび、ついつい「写真の画角」を考えてしまうよう、全日本人のマインドコントロールを狙った所業と言わざるを得ない。

この意識支配がこれからも続くようであれば、ぼんやり楽しむ鉄道旅行を、無意識化において血眼で写真の画角を考える気分にさせ、ひいては1億総「撮り鉄」化してしまう恐れがあると私は警鐘をならすものである。


今すぐブログを廃止されたし。

もし、それが聞き入れられないようであれば、強硬手段として、自民党の幹部~武闘派で鳴らした元帥こと木村武雄先生が適任と考える~に陳情し、厳罰を処すよう訴える所存である。

日本の未来のため、貴君の英断を期待する。


2021年9月 楽しい鉄道旅行を取り戻す会 会長 N



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以上が全文です。




鉄のように硬い文章。



しかし、もしかすると会長に共感される方もいるかも知れませんね。「私も知らず知らずのうちに、そうなっていた…目が覚めた!」と。

そちら陣営に寝返られたら、、ああ恐ろしい!



もしこれがLINEなどではなく封書で届いたなら、輪切りにされたレールの1つでも同封されていたことでしょう。「お前もこうなるぞ」と。


ああなんと恐ろしい!レールは文鎮に使おう!




そして「元帥こと木村武雄先生」とは、昭和の初期〜後期まで活躍された、実在の政治家です。



というか去年のJACROW「闇の将軍 三部作」で僕が演じさせて頂いた先生。


「きっと毎日応援歌を聞かされ、睡眠どころではなくなる」との文言も届きまして。

これの事だな……



もともと声がデカいのに、こっそり仕込んだマイクまで持って……角さんがドン引きしてるぞ!

ああ、さらに恐ろしい!





僕が演じていた人が如何にして僕の目の前に現れるのか、、、そのへんは考えないでおきましょう!



「廃止しろ」と言いながら面白そうな写真を送ってくる事も、あまり深く考えないでおきましょう!



そのへんの細かい設定は見切り発車!!鉄道なんだからとにかく発車!





さて肝心の写真群。




雄弁な抗議文と比べて、一言も発してやらんぞという気合いの入った写真群。




圧巻ですね。





さて、どれからいったものか、、、





まずはこちら。

4枚のなかで、いちばん線路が多い写真。




敷地もだだっ広い。




貨物関連かな……?




緩やかなカーブ。右側からも線路が合流しているよう。全体像は到底掴めないか……



そして真ん中に、背の高い鉄塔。




以前にも、こんな鉄塔の写真がありました。

(出題:加瀬さん、直江さん)

これらを捜索する過程で、同じように高い鉄塔がある路線がいろいろ出てきたよな…。




それらを頭に浮かべながら、問題写真のような貨物系の匂いがするのは。





鶴見線。





………浜川崎はどうだろう。





先日(76号)でも出てきた鶴見線。

その主要駅である浜川崎駅には、南武線の支線も合流してきます。

旅客駅というより、双方からの貨物線に加えて東海道貨物線が合流する、重要な拠点駅です。




鶴見線(高い鉄塔がある)+貨物=浜川崎。 



果たして、この推理の公式が通用するのかどうか。




行ってみよう。

うむ、非常に良い感じだ。




なにしろ貨物系の敷地が広大で、あの地点をピンポイントで探すのに多少苦労しましたが。


駅前の、この踏切から右側のほうを見た景色が、一番あやしい顔をしているのではないか。





では元の写真↓


あの踏切から右側を見た景色↓

完璧。



JR鶴見線(&南武支線)・浜川崎駅、まずは慎重に確保。




ふーっ。

最近何度か触れたことのある路線で幸運だった!





よし、次!!

青空と緑のなかの、非電化ローカル線。



線路は1本だけ、まっすぐに伸びている。

駅名標はキッチリ加工されている様子。



(ホームに草が生えているのが若干不安をかき立てます)



さて、この空の広がりは平野部でしょう。



まず思い浮かんだのは、茨城県を走る鹿島臨海鉄道。水戸から沿岸部を通って、鹿島神宮までを結ぶ非電化路線です。




選んだ理由はこちら↓

平野部の直線で、抜けの良い景色が広がっていそうでしょう?それだけです。




捜索開始。

この日本一長い駅名の駅は怪しいと思ったんだけどな!




沿線を往復、すごすご撤退。




引き続き茨城県内で、ひたちなか海浜鉄道へ。

駅は違ったけど、停止位置目標(菱形の数字)はいい感じだぞ…??




問題写真の拡大↓

ほら!





全線捜索終了。





こうなったら意地だ。関東平野の非電化ローカル私鉄を全部見てやろう。



関東鉄道、真岡鉄道、JRにも手を出し水郡線、烏山線、千葉まで下っておなじみ小湊鉄道、いすみ鉄道を捜索。




「いい感じだ!」「惜しい!」「全然違う!」をひたすら繰り返し成果ゼロ。





うーむ!





関東ではないようですな!荷物全部持って撤収!!!





改めて整理。

「2」の停止位置目標。



他には、特定できそうな要素はない。



背後にある工場が気になるけど、手掛かりにはならない。なんか工場って急に建ったりするし(勝手なイメージ)。



とにかく停止位置目標で検索していくしかないか。


いくつもの標識を眺め、デザインやフォントの違いと睨めっこを繰り返し、辿り着いたのはJR九州ではないかという推論。



縁取りのないシンプルな表記とやや縦長なフォントが、その理由。(他のはもっとずんぐりむっくりだったり)




九州か……ローカル線の宝庫だぞ!!!





とにかく行くしかないが、その前に。

九州だと思うと……なんか南国感が出てきましたね!




よし、南九州から当たっていこう。




まず白羽の矢が立ったのは、日南線。




去年、今まででもベスト5に入るだろう壮絶な闘いの末に確保した、思い入れのある路線だから。理由はそれだけで十分。(6号)




その時確保した駅の隣駅から見てみよう!

うむ!


木造の駅名標、線路の草具合、そして空!

いい感じだ!!





全線捜索終了。





いいよいいよ、久しぶりに顔を見れただけでも!!!





次は指宿(いぶすき)枕崎線。

鹿児島中央駅から薩摩半島を南下して枕崎に至る、南の果てと言っていい路線です。




まずは末端の枕崎から捜索開始して。

よしよし!



ホームの草までいい感じになってきたぞ!!!





数駅見たところで、ふと手が止まります。







あ、わかった。





間をすっ飛ばして向かう先は。

この地図の真ん中、一番下にある駅。




西大山駅。




沖縄のモノレール・ゆいレールが開通する以前、日本最南端の駅として君臨した超有名駅です。



現在でも2本のレールを使う普通鉄道としては最南端であり、その威光は微塵も衰えてはいません。

そして何よりその景色。

(Wikipediaより)



広々とした空に聳える開聞岳と、日本最南端駅の標。



圧倒的な景色。

旅行好きの方なら見た事(行った事)があるかも知れませんね。



僕のように内気でインドアな鉄道オタクも、子供の頃からこの景色を刷り込まれているのです。





さて一方で。

反対側の景色はどうなっているのでしょうかねえ。




では元の写真↓


名所の反対側の景色↓

っっっしゃ来たぁーーーっ!!!!!




何よりの決め手は工場が一致!工場が一致ッ!!!!ありがとう建っててくれて工場!!!!!



というわけでJR指宿枕崎線・西大山駅、九州最南端で確保!!!





いやーこれは!

あえて超有名駅を選び、逆方向を写してくるとは!!!




さすがN会長……油断ならんな!!!




〜〜〜残り2枚は次回にて〜〜〜




(ホントに解けるのか…?)




さて、他にも写真をお寄せくださる方がいるので、そちらもやっていきましょう。(写真を撮ることを楽しんでいて下さいますように)



ありぴーさんからの1枚。

ほう。行き止まりの駅。



なんだか観光地っぽい。




写真左側をジーッ。

あ、車両が写っている。




これは叡山電車(えいでん)でしょう。



京都の市内から、鞍馬や比叡山といった観光地を結ぶ路線です。


(えいでんホームページより)


これだこれだ。




さ、行き止まりという事で、まずは始発駅の出町柳駅から見ていきましょう。

一発確保。



元の写真↓

さすがにマレーシアのバトゥ洞窟駅に比べたら簡単!




今回ラストは、未来さんから。

ほほう、電車の先頭車両から撮りましたね。

前面展望もこれまでレアなパターン。



さて圧倒的に都心部。そして両側にも線路がたくさんありそう。



いちばんの注目点は、この線路だけが単独で高架になろうとしていること。

先で左カーブしているので、おそらく左側の線路をオーバークロスするのでしょう。




都心部の路線並走区間で、このようなオーバークロスと言えば秋葉原付近の上野東京ラインが浮かびますが、

複線の線路が仲良く高架になります。




東京駅付近の中央線も同じく。




線路一本だけオーバークロスする場所……





では元の写真↓


見つけ出した写真↓

JR京浜東北線・高輪ゲートウェイ〜田町間、そのまま画角を広げただけの精度で確保。




なぜこの地点と分かったのか、簡単に解説しますと。

黒が京浜東北線、ピンクが山手線のイメージと思ってください。(赤丸が撮影地点)


右側の駅から先は路線が分かれるので、それぞれの路線ごとのホームとなっています(実際で言えば品川駅)。


いっぽう左側の駅では、それぞれの路線の同じ方向が同一ホームで乗り換えられます(田町駅より北、田端駅まで)。



このような配線にすることで、京浜東北線を全部快速にすることができるのです(昼間限定ですが)。



もし両方の路線が別々のホームだったら、たとえ京浜東北線を快速にしたとしても、止まらない駅の利用者からは苦情が続出する事になります。

わざわざホーム間を移動して山手線に乗り換えなければならないので。



この構造にしておけば、快速が止まらない駅の利用者もホームの反対側に止まっている山手線に簡単に乗り換えられるわけです。



そのための、1本だけのオーバークロスだったという事ですね。




なお首都圏は(コロナ以後はまだ不透明だけど)特にラッシュ時の混雑が酷すぎるので、あえて快速線と緩行線を別々ホームにして、快速に利用客が集中することを防止している路線もたくさんあります。




さて、どうでしょうか。




5分で解いた問題を30分以上かけて丁寧に、絵まで用いて分かりやすく解説しようとするこの姿勢。真心。




(……N会長、見てますかね……)




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。




最後までお読みくださり、ありがとうございました。




残りの2枚を解いて(なおかつ情に訴え)、N会長に考えを変えて頂けるよう、がんばります。




ではまた!