お湯の温度が風味の決め手
皆様、こんにちは。
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】の金久保です。
この前、お茶に適した水のお話しを書きましたね。
そう、軟水がいいんでしたね。
そして、世界でも水の質・量共に豊かな日本は、ほとんどの飲料水が軟水だからおいしい訳です。
せっかく美味しい水で、お茶を淹れて楽しむのだから
お湯の温度にも気を配って、最高においしく淹れてみませんか?
お茶には、様々な天然成分が豊富に含まれています。
カテキン(タンニンの一種)やテアニン(アミノ酸の一種)、ビタミンC,E,Bやカフェイン
葉緑素やフラボノイドやフッ素、βカロチン、ギャバ(γアミノ酸)、食物繊維など
この中で、お茶の風味を大きく左右しているのはどれだと思いますか?
カテキン=渋み
テアニン=うまみ
カフェイン=苦味
だいたいこれくらいは分かったでしょうか?
そうです。主にこの3つの成分が旨み・甘味と苦味・渋みでバランス良く引き立てあっているんですね。
もう少し詳しく見ると、お茶の甘味を出しているのは、ショ糖・果糖です。
旨みを出しているのは、テアニン、グルタミン酸、アルギニン等のアミノ酸類です。
渋みはカテキン(タンニン)、苦味はカフェイン。テオプロミンです。
で、これらの成分の含有量のバランスで味の違いが出る訳ですが
お茶の採れる時期や種類によって、バランスが大きく変わるのです。
もっと言うと、栽培方法や肥培管理などの技術によっても大きな差が出ます。
高級な玉露や新茶などを、冷ましたお湯でゆっくり淹れるとトロっとした旨みが出るんですね。
でも、番茶はいくら冷ましたお湯で淹れても旨みや甘味は出ません。
そもそも、採れる時期も肥料などの養分を吸い上げる時間も違う訳ですから
旨みのテアニンやグルタミン酸自体が少ない茶葉だからです。
春~初夏の一番茶(特に初期が新茶)の頃は日差しも柔らかいので
茶の新芽の芽伸びがゆっくりです。だから養分を吸い上げる時間がたっぷりあります。
玉露は、むしろをかけて日照をコントロールします。
こうして、旨みのアミノ酸が増し、タンニンが少なくなるように栽培する訳です。
一方、二番茶以降の茶葉や番茶は
日差しも強くなり、紫外線も増えるので渋みのカテキンが多くなります。
また、暑くて芽伸びが速く、一番茶で養分を出してしまった後なので肥料を吸収する時間が短いから
旨みの成分は少ないのです。
まあ、一般的に高いお茶ほど芽が柔かで養分が豊富な旨みの多いお茶で
安いほど渋みが強く、味は大味ということです。
おっと、お湯の温度の話しでしたね。
お茶を淹れるお湯は熱いほど、渋み・苦味が出やすくなります。
これは、熱湯の方がタンニン、カフェインの溶出率が高くなるからです。
旨みの成分アミノ酸は、お湯の温度とあまり関係なく溶出します。
しかし、私達人間の味覚は熱いものや冷たいものは味(特にうまみや甘味)がわかりにくいのです。
一般に、味覚を判別できるのは体温プラス・マイナス25℃と言われています。
だから、熱いお茶は渋みばかり感じて、旨みは舌が感じにくいのです。
熱ーいお味噌汁を好む人は、味がわからないので濃い味にするので塩分を摂り過ぎてしまいます。
高血圧の方は、熱い料理は要注意ですよ。
また、ジュースやアイスなども冷たい時に丁度良く感じる甘さにしてあるので糖分が相当あります。
ぬるくなってから飲むと、甘すぎて飲め無いはずです。
糖尿病の方は、要注意ですよ。
さて、お茶の風味を感じるのに香りを忘れてはいけませんね。
お茶の香りの成分は200種類ほどが知られており、
多種類の成分が混じり合い、調和しあって緑茶独特の香気を出しています。
新鮮な青々とした香りは、青葉アルコール、ジメチルサルフィドなどです。
お茶の香りは、揮発性の成分が多いのでやや熱いめのお湯が適しています。
しかし、熱湯では繊細な香りが逃げてしまいます。
逆に水出しでは、緑茶の香りは楽しめません。
ウーロン茶(半発酵茶)や紅茶(発酵茶)は、
元々旨みなどの成分はほとんどなく、香りを楽しむお茶です。
だから、これらやコーヒーは熱い熱湯で蒸らすように淹れます。
緑茶は、高級な茶葉ほどお湯の温度を低めにして繊細な風味を楽しみます。
例えば、玉露は一煎目は50~60℃で2分間くらいかけて淹れます。
煎茶は、70~80℃で1~2分待ちます。
番茶やほうじ茶、玄米茶などは90℃以上の熱湯をタップリ短時間で淹れるのが、
一番風味を引き出し易いですよ。
ちなみに、煎茶でも一煎目は70℃位でゆっくり入れて甘味とコクを楽しみ
二煎目以降は、やや熱い目でさっぱりといただくのが良いと思います。
湯冷ましを使ったりすると、優雅ですね。
店頭では、お茶を淹れる時は先に湯のみにお湯を注ぎ冷ましておいてから、
急須に茶葉を用意して、そのお湯を急須に移していただくようにしています。
器も温まるので、合理的です。
冷たいお茶碗の外側が熱くなったら約10℃近く冷めています。
冬場は2回、夏場は3回ほど器にお湯を移し替えると丁度適温に冷めます。
ブログのトップにある「美味しいお茶の淹れ方」動画もご参考にして、
おいしいお茶を楽しんで下さいね。
お茶カフェインの作用
皆様、こんにちは。
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】の金久保です。
今週はお茶に含まれるカフェインのお話しですよ。
秋の夜長に、読書やパソコン、映画鑑賞など夜ふかしする方も多いかと思います。
カフェインと言えば、「コーヒ」ーや「眠気覚まし」をすぐに連想しますよね。
薬理作用としては中枢興奮作用 強心作用、気管支拡張作用、利尿作用などがあります。
末梢の血管は拡張しますが、脳の血管は収縮させます。
これによって頭痛にも効きます。
緑茶やウーロン茶、紅茶等のお茶類にもカフェインが多く含まれています。
しかし、お茶の中のカフェインはタンニンという成分と結合しているため、
人体への作用は、コーヒーに比べると大分おだやかなんですよ。
ちなみに、各飲料のカフェイン含有量は…
その上、緑茶には女性の皆さんにも嬉しいダイエット効果があるんです!!
カフェインを運動前に摂取すると、効率よく、そして優先的に脂肪を燃焼してくれる
効果があると、最近の研究で明らかになってきました。
カフェインには脂肪の分解を促進するリパーゼと言う酵素を活性化します。
それによって体内の貯蔵脂肪が分解されて血液中に送り込まれ、
さらに筋肉に送り込まれてエネルギーとして消費されます。
と言う事は、体内の脂肪が、カフェインを飲む事によって分解されやすい状態になる訳です。
カフェインの脂肪燃焼効果は、運動前に飲むと効果が高いとされています。
ここで、運動前に飲むと効果がある量としましては、
諸説様々なのですが、コーヒーや日本茶2~3杯であるとされています。
とは言え、大量のカフェイン摂取には副作用や中毒もあるそうなので
個人差や体調を見て飲みすぎには、ご注意くださいね。
カフェインが苦手な方は番茶やほうじ茶がお勧めですよ。
煎れ方などによっても大きく変動します。
緑茶は水出しにするとカフェインの抽出量は大幅に減少します。
なので、ペットボトル茶ではカフェインの作用はあまり期待できません。
その他、鎮痛剤、かぜ薬、ドリンク剤、チョコレート、ガム、ココアなどにも含まれています。
元々お茶は禅僧である栄西が中国から
「眠気を覚まし、頭をスッキリとさせるので、禅の修行に役立つ」と言うことで、
薬草として持ち帰った訳ですから、その効能は、
古くから経験的に実証され知られていたわけですね。
カフェインは大脳などの中枢神経に興奮的に作用するため、
知的作業能力を向上されるばかりでなく、
運動能力も高め、精神安定作用もあるんですよ。
これは、マウス等の実験でも明らかにされているんです。
お茶を飲ませたマウス群と水を飲ませたマウス群を迷路で何度も実験したんですね。
ゴールまでの到達時間が、お茶マウスは平均1分50秒なのに水マウスは3~4分かかったそうです。
これは、道をどちらに進むかの判断力と一度通った道を覚える記憶力が必要な実験なんです。
受験生や資格試験にチャレンジする方の味方になりそうですね。
そういえば、高度な知的労働に従事する人ほど濃いコーヒーやお茶を好む傾向だそうですよ。
次に、運動能力ですが骨格筋の働きを活発にする作用があり、
内臓機能も活発化し、耐久力をつけ、疲労を感じさせないのだそうです。
これについても、水泳の実験で証明されています。
競馬の競走馬にもレース前にお茶を飲ませたり餌に混ぜたりしてるそうです。
また、カフェイン錠剤ですが2004年まではオリンピック競技でも、
ドーピングの禁止薬物リストに含まれていたそうです。
ホスホジエステラーゼという酵素を阻害して働く点では、バイアグラの仲間ともいえそうです(笑)。
勉強にも運動にも効果があって、カロリーゼロの天然アルカリ飲料が緑茶なんですよ~!!
仕事の休憩時間に、お茶を飲む習慣って作業効率的にも合理的なんですね。
お茶の水
皆様、こんにちは。
おいしいお茶で癒しと健康をお届けする【下総屋茶舗】の金久保です。
温かいお茶が、ホッとうれしい季節になってきましたね。
さて、今回はお茶を淹れる時の「水」についてです。
水には、大きく分けて硬水と軟水があるのをご存知でしょうか?
けっこう日本人は、水にもこだわる人が多いので知ってる人の方が多いでしょうね。
硬水は飲んだとき、少し喉につかえる感じで、軟水はサラっと飲みやすいですね。
平たく言えば、水の硬さ、柔かさ、ってそのまま文字の通りですが、
これを見分けるのに「水の硬度」で表していますね。
今度ミネラルウォーターを買ったら表示を確かめて見ると良いでしょう。
たいがいは、軟水としか書いていないと思いますので…。
※軟水、中硬水、硬水の違いについて。
WHO(世界保健機構)が示す「飲料水質ガイドライン」によると、
・軟水--------硬度0~60mg/L未満
・中硬水------硬度60~120mg/L未満
・硬水--------硬度120~180mg/L未満
・非常な硬水--硬度180mg以上
となっています。
硬度とは水の中のカルシウムとマグネシウムの量を数値化して表しています。
硬度が低いと軟水ですがあまり少ないと味が無いようです。
日本の水は程度の差はありますが軟水が多く、欧州にはかなり硬度の高いものがあります。
やはり、日本は水の質、量ともに恵まれていてありがたいですね。
国土に占める山や森林が多いからでしょうか。
水資源を守る意味でも、森や自然は大切にしなければいけないですね。
一般に、お料理や(特にダシを重視する日本料理には)お茶に用いるのは「軟水」が適しています。
硬水でお茶を入れると、緑茶の味が無く、水色が冴えなかったりします。
「茶経」という中国の古い書物(8世紀頃中国・唐の、陸羽によって著された)には、
当時の茶に関する知識が網羅されていますが、
その中に「茶に良い水は、山の清水、次は川の水、井戸水は一段と落ちる」とあります。
「しゃぶしゃぶ」「鍋物」「洋風のスープ」は『中硬水』が適しているそうです。
『硬水』は飲料(スポーツ後、カルシウム補給、便秘解消?)に適していると言われています。
また、「紅茶」や「ウーロン茶」でも、『硬水』では濁った色に出ることがありますし、
香りが引き立ちませんので、茶葉によってダージリンやセイロンは『軟水』が、
アッサム種は『中硬水』が向いているでしょう。
コーヒーも「軟水」の方が香り高くおいしく入りますよ。
お茶やコーヒーに用いるお湯は、十分に沸騰させたものを使います。
数分間沸騰させることで、水の中の炭酸塩を沈殿させ、
水道水のカルキ臭を取るので、お茶が美味しくなりますよ。
茶道でも「湯を練る」と言い茶釜でグラグラと煮立たせて使います。
先日、NHKテレビのお昼の番組で自称「お茶ソムリエ」と名乗る人が、
高い位置からお湯を注ぎ「酸素が沢山入るので良い」と言ってましたが、
パフォーマンスだけのとんだ素人です。
テレビの影響は怖いので、言っておきますが「真似しないでくださいね!」
お茶を淹れるには、良く練った(煮立たせた)お湯を適温に冷まして、
静かに注ぎ、急須も振らずに茶葉が開くのをゆっくりと心静かに待つのです。
では、今日も水の豊かさと自然の惠みと先人の知恵に感謝しつつ、
おいしいお茶をいただきましょう。
一般的には、「和風の出汁」「炊飯」「湯豆腐」「緑茶」には『軟水』が適し、
ご飯も硬水で炊くとがパサパサになって、おいしくありません。
軟水で淹れたお茶の方が、色も鮮やかに出ますし、香りも良いです。
味もアミノ酸の旨みとタンニンの渋みがバランス良く出ます。