7/31 梅雨の終わりと鳴らない電話
僕の携帯電話は滅多な事では鳴りません。決して料金未納で止められている訳でも、常に電源を切っている訳でもありません。何故そこまでして鳴らないかと言うと、、、、、、
と、こんな感じでいつものように書き出そうと思ったのですが、じつは今これを書いているsimaさんは謎の奇病『物貰い』のかなり重度の症状、ステージ4にまで進行してしまっていて仕事もままならない状態です。
僕の仕事は1日中ずっとパソコン画面を見ているという内容なので今こうして仕事をサボって日記を書こうと思ったのですがそれすら出来そうにありません。
という訳で今日はもう少ししたら仕事早退して家で寝ようと思います。明日辺り症状が回復していたら続き書くかもしれません。という訳で失礼します。
7/30 エスプレッソと上野動物園
普段の僕は基本的に無口な時が多いです。よく知ってる人の前ではどちらかと言うとおしゃべりな方になるかもしれませんが、基本的には僕は無口な部類に入ると思います。
その理由として友達が少ないという事もあるのですが、僕は基本的に人間嫌いなので出来る限り無駄な人との繋がりは作りたくないと考えているからだと自覚しています。
以前にも書いたかもしれませんが、僕がこんな風に人付き合いを面倒だと思うようになったのは幼少の頃、頻繁に転校を繰り返していた時期からでしょうか。友達なんて作ってもどうせまた転校だしな。最初はそんな気持ちになっていたものの、僕は段々1人でいる時の方が楽だと思うようになっていたんです。
その考えは今でこそ多少の落ち着きを見せてはいますが、やはり誰とも深入りしたくないという気持ちに変わりなんてありません。うん。ここ最近は仕事で必要に迫られない限り携帯番号交換もしてないもんな。
「人は1人では生きていけない。」なんて言葉を耳にしたことがあります。この言葉はとても深く、人間が生きていく為には誰かの力を借りなければ生きてはいけない。どんなに強がっていても人は誰かと寄り添っていなければ生きていけないものなんだ。という意味も含め、多くの意味が込められているのだと思います。
ただ僕もそれなりの世捨て人、トロージャンの狼なんて呼ばれてるくらいの豪傑です。誰に影響される事も無く、そして誰にも屈する事も無い男の中の漢。僕を打ち負かす事なんて出来ない、そして誰も僕を止める事なんて出来ないんです。
なんて事を1人で考えて自分に酔いしれたりしてるんですよ。もうね、時々そんな風に妄想していた事に冷静に気付いたりするんですけどその度に僕は何て寂しく、それでいて腐った人生なんだろうと思ったりします。
本音を言うと僕は友達が欲しい!でも1人の時間は絶対に無いと嫌という何とも無いものねだりな我侭としか言い様が無い願望を持っているのかもしれません。
でもね、そんな事を考えていた時に僕は冒頭に書いたような状態になってしまったんですよ。もう震撼した。性格に言うと僕はその場から1歩も動けないくらいの恐怖を感じていたんです。
数年前の話です。
僕は一昔前、何かを大きく間違えてしまっていたようで喫茶店にハマってしまった時があったんです。紳士たるものやはり喫茶店でクールにコーシーを楽しむものさ!なんて勘違いをしていたんです。
文庫本を手に店内に入る僕、いつもと同じエスプレッソをオーダーしていつものテーブルに座ります。いつもと同じ常連客、いつもと同じ風景がそこには広がっています。颯爽と、それでいて華麗に読書をしている僕は、それはそれはアーバンな紳士だったのではないでしょうか。
でもね、やっぱり僕なんてただの庶民ですよ。喫茶店のコーシーって美味しいんですけどやっぱり少し高いじゃないですか。僕はそんな自分に酔いしれていたのですが日に日に財力が足りない事に気付いていくのです。
ところが当時週に3回位通っていたからかもしれませんが、そのお店の新しい常連になりつつあった僕にマスターからオマケとしておかわりをくれたんですよ。
「今日は雨だからかな?お客さん少ないね。」
そう言うとそっと僕にいつものエスプレッソを差し出すんです。僕はこの時とにかく嬉しかった。やっと自分も認められた、これで僕もアーバンな紳士の仲間入りだ!
僕はその日を境に今まで以上にそのお店に入り浸るようになるんです。友達のいない僕はそのお店にいる時間がとにかく楽しかったし、下手したら自分の部屋にいる時よりも落ち着く場所だったかもしれない。
毎日のように通う内に常連さんとも時々口を交わしたりウェイトレスの女の子とも仲良くなったりと、それはそれはもしかしたらこれが友達って奴なのかな、なんて感覚すら覚える時もありました。
あの頃の僕はどうかしてた。なんて、今となってはよく分かるんですけど当時の僕は全然気付いてないんですよ。なんかね、見っとも無い話なんですけどそのお店のウェイトレス、大学生のバイトの女の子がいたんですけど、そのお店のバイトの子達の中でも一際輝いていた子がいたんですよ。
その子は今思うとそこまでカワイイって感じでもなく、でもあの日あの時あの場所であの瞬間だけは一番かわいかったんです。常連達もその子がいる日を狙って来てる奴とかいましたからね。
当初の僕はそんな女の子になんて全然興味も無かったんです。何せコーシーを飲む自分の姿に酔いしれる為だけにお店に足を運んでいたようなクサレでしたから。でもね、皆が皆そんな感じだとふと自分も流されてしまってそんな気持ちになってしまうものなんですよ。いや、今の僕なら絶対にそんな事にはなるわけが無いんですけど当時の僕は若かった。うん。もう情けないくらいにその子に夢中になっていったもんな。
ただ情けないったらありゃしないんですけどそこは当時からトロージャンの狼だとかコマンドーだとか言われてきた僕ですよ。なんかね、ちょっと自分が周りに流されて熱くなってきてるんじゃないかって薄々気付いてたんです。
でもやっとこさ手にした紳士の称号を僕は失いたくなかったんでしょうね。薄々感付いてはいたけど無理矢理考えないようにして相変わらずその子に夢中になろうと頑張っていました。
でもやっぱり僕なんてその頃から路地裏の少年でしたからね。結構生活を圧迫しながらコーシーを飲んでいたくらいなので他の人達のようにに自分をアピールなんて出来なかった。その子をどこかに誘ったりとか、実際誘えたとしてもデート代すら捻出出来るはずも無かったんですよ。
でも僕は果敢に誘おうとしていました。もしあの当時その子を口説く事が出来たらきっとあのお店での常連としての僕の立場はグーンとアップするはずだったからです。
そしてある日僕はその子を誘ってみたんですよ。それはまるで紳士のように、シュッとした感じだったのでもうそれを見た一般の女子はたぶん濡れてたんじゃないかな。
「ボ、ボクと一緒に上野動物園に行きましぇんか?」
ちょっと噛んだりしてたけど、それはそれは僕の中で1、2を争うくらいの男前スマイルですよ。もうこれ以上に無いくらいに爽やかでしたからね。その子も最初は冗談だと思ってたのか
「ホントですかぁ?上野動物園って行った事無いんですよぉ。面白そうですねぇ(笑)」
なんかね、僕はその時に気付いたんですけどそういうリアクションを求めていた訳じゃなかったみたいなんですよ。その子には失礼な話ですけどかなりの感覚でネタ、絶対に断られると思っていたので僕はもうすっとんきょうな顔をしているしか出来なかった。
そんな感じで僕は不本意ながらそのウェイトレスとのデートにまで漕ぎ着けちゃったみたいなんです。その時は自分から誘っておきながらちょっとうろたえてた。もしかしたらちょっとオシッコ出てたかもしれない。
僕はまず考えました。まずどうやってデート代を捻出しようか、そして誘ってはみたもののいつ行けば良いのやら。う~ん。考え始めたらキリが無い。
なんかこんな事言うとまた腐った人間だと思われそうなんですけど、正直言うと僕は段々考える事が、そしてデート自体も面倒になってきちゃったんですよ。
もうね、完全にカス人間だとしか言い様が無い。だって自分からやや強引に女の子を誘っておきながらですよ。奇跡的にOKなんて貰えて普通ならそこで大喜びしても良いじゃないですか。でも僕はやっぱり戦場の狼ですよ。もう腐り切ってるとしか思えない。
でもやっぱり色々と考えてここで「やっぱりやめよう。」なんて事は言う勇気が無かったんです。この頃の僕はちょっぴりチキンハートなところがありましたからね。まあ面倒だけどあの喫茶店に行けなくなるのも嫌だし無難に行っとくかー!なんて考えていました。
次の日に僕はいつものように行きつけのその店に行ったんです。そしたらね、もう震撼した。全米が涙したんじゃないかってくらいにビックリしたんですけど
なんかね、化粧が分厚くなってんの。
常連客達みんなのアイドルみたいなウェイトレス。その子は特別カワイイわけではなかったけど素朴な感じが魅力の美少女って感じだったんですよ。それが慣れない化粧だか何だかでもう平安美人みたいになってやがるんです。もう凄く無理してる感があったもの。
唖然としながらも店の中に入って行くと、その子ときたらもう満面の笑みで僕を迎えてくれるんですよ。そして小さなメモを僕に差し出しこう言うんです。
「これ、私の携帯です。お店で話すの恥ずかしいから電話で打ち合わせましょ(はぁと)」
ここで冒頭の、ガクガクブルブル。その時僕はまるで本当に膝からそんな音が聞こえてくるような錯覚を覚えたんです。
もう僕はとにかく怒りが込み上げてきちゃいましてね。その生娘の胸倉を両の手で掴んだかと思った次の瞬間に千切っては投げ千切っては投げ、もう店内はお祭り騒ぎの乱痴気騒ぎで大変な事になんてなるはずもなく僕は膝をガクガクさせたままその場を走って立ち去りました。
当然その後その子の携帯に電話する事も無く、僕はその日を境にその喫茶店に行く事をやめました。
僕ってやっぱり究極に最低最悪の面倒臭がりなんですよ。人として間違ってるとかそういう問題ではありません。もう遥かそれ以前の問題で、人と接する事を許されないという烙印を押されたクズ人間なんですよ。この頃から僕は無駄な人との付き合いを一切遮断するようになりました。
数年後、仕事の付き合いで上司に連れて行かれたキャバクラでキャバ嬢になり腐っていたその喫茶店で働いていた子に偶然会った時はもう心臓止まるかと思った。僕の事なんて全く覚えてなかったみたいだったけど。
奇しくもそのキャバクラは上野動物園近くの寂れた店でした。まさかあの日からこの子は彷徨って…なんて事を心の中でつぶやいたのは言うまでもありません。
7/29 新大久保とお~いお茶 最終話
「その男、凶暴につき」奴を見た時こんな名前の映画を撮れると思った。
そのホストはよくよく見ると本当にホストなのかと疑いたくなるほどのブサイクフェイスでした。いえいえ。確かに僕も人の容姿を批評出来るようなフェイスはしていませんよ。まるで大和武士を金属バットで殴った後みたいなフェイスですからね。でも言わせて下さい。彼はブサイク!絶対に親までブサイクなはずなくらいブサイク!
僕は詳しい事までは分からないですけど、ホストって仮にも女性からお金を払って貰いもてなすのが仕事じゃないですか?それがこのホスト、まあこいつの見た目から想像して仮に名前をゴローとしますけど、ゴローはどう贔屓目に見ても魅力があるようには見えないんですよ。普通ホストって言えば大抵は城咲だかシリ裂きだか知らないですけどそれなりのイケメンである事が第一条件じゃないですか。
もし仮にイケメンじゃなかったとしてもどこか癒されるような雰囲気があったりとか、せめてブサイクにしても少しは愛くるしい一面とかありつつ面白い話とか出来なきゃダメじゃないですか。
でもね。ゴローは違ってた。僕は彼の事を初めて見たはずなのに彼の心の中は僕なんて到底及ばないくらいに腐ってるって確信出来たもの。
食品をメインに彼は指で押し潰して楽しんでるんですよ。1人ブツブツ言いながら、もうそれだけで不気味で怖いのに、彼ったらいつ吐くんだろうってくらいに何度ももよおしてる素振りを見せるんです。もうね。こんな熱帯雨林商法で商品が溢れかえっている店内で吐いたりしたらそれこそ大惨事が巻き起こるはず、関東と関西の戦争くらいに多くの血が流れるはずなんですよ。
ゴローを監視する事数分、彼は生鮮食料品コーナーからは結局商品を取る事も無く、何故か無数のスナック菓子を手に取りレジへと向かったのです。途中何回も転びそうになりながらも彼は諦める事なんて無く果敢に歩いて行きました。
店を出て歩きながらも彼はブツブツと口にしているんですが、何か言いながらもとんでもないくらいにヘベレケなんですよ。歩道の端から端を行き来しながら少しずつ前に進んでいくんです。そういう新しい歩き方なんじゃないかと思うくらい。
細い路地を歩いていくゴロー、その後から見付からないように後を追うsima!2人の一進一退の攻防が始まったその時でした。
突然ゴローは電柱の前でスナック菓子が入っている袋を地面に置いたかと思うと、着ていたメンズ・テノラスと思しきスーツの下を脱ぎだすではありませんか!?
その時の時刻午前10時前、夏休みに入った少年少女がいつ現れるか分からない道端で彼はモロンとそのご自慢のブツを公衆の面前で晒け出しやがったんです。
「遂に狂ったか…。きっとここから奴はもう穴という穴、例えそれがマンホールだろうが電柱のボルト穴だろうが穴という穴全てにそのブツを押し込むんだろうな。恐ろしか。」
するとゴローはその場で立ちお小水、皆さんの言葉で言うところの立ち小便をしはじめたんです。でもね、何かおかしいんですよ。
いえいえ、普通に考えて男性が立ったままお小水をする時って大抵そのズボンのファスナーを開けてひっそりと電柱にする。というのが一般的な方法じゃないですか。でもゴローときたらもう格が違う。彼はズボンをもう地面にストンと落とし、しかもその下のパンテーは膝の辺りまでずり下ろしてましたからね。もうシリなんて丸出し。
時々「ブッ!」とかいう擬音を発しながら彼はジョボジョボと立ち小便を続けていました。と言うかよく考えてみてほしいんですよ。僕の思い過ごしかもしれないんですけど最近立ち小便って見ますか?この世知辛い世の中、立ち小便する人もかなり減ってると思うんですよ。僕も実際久々に見ましたからね。彼は世界を大きく凌駕しているとしか思えない。いや、思えへん!
ようやくスッキリしたのか、ゴローはまた堂々と新大久保の街を闊歩し始めました。なんかね。郵便ポストに思いっきりぶつかってた。
ちょっと後を尾けるのにもちょっと飽きてきたなーなんて思い始めていたその頃、突然ゴローの身に異変が起きました。彼は何を思ったのか颯爽とミニストップへと入って行くのです。
あんなにお菓子を買っているはずなのに…。おかしい、怪しすぎる!なんて思いつつ僕もゴローの後へと続きます。そこで僕は信じられない光景を目の当たりにしてしまったんです。もうね。オシッコ漏れるかと思った。
なんかですね。ゴローは弁当コーナーに直行したんですよ。そこまでは別に普通だし何も疑問に思う事なんて無かった。でも奴は次から次へと弁当を手に取り積み上げていくんですよ。うん。たぶん10個くらいは持ってた。
そこでおかしいと思うわけですよ。まずゴローは1人でそんな数の弁当を食べるわけが無いじゃないですか。それに誰かに頼まれていたならドンキホーテであんなにゆっくりしていたはずが無い。どう考えても彼は狂ってるという事は分かっているけどそれ以外の情報は皆無に等しいですからね。とにかく固唾を飲んで見守っていたんですよ。
そしてその弁当を両手の上に積み上げたまま奴は店内を1周するんです。でもそんな数の弁当ですよ。酔っ払ってる事もあるし重たかったんでしょうね。奴は耐え切れなくなってきたのか少し急ぎ足でレジへと向かうんです。その時でした。
なんかね。積み上げた弁当を韓国人と思しきレジの店員めがけて思いっきり投げつけるようにして叩きつけるんですよ。
もうね、明らかにおかしいじゃないですか。こいつはきっと何かやらかすだろうと後を尾けてきましたけど、まさかこんな狂った暴挙に出るとは思いもよらなかったですよ。もう震撼した。
弁当まみれになる韓国人店員。この時点で警察とか呼ばれても仕方ない筈なのに、そうはならないのが魔都新宿歌舞伎町です。韓国人も「おいおい…」って顔はしてたけど大人しく片付けようとしてるんです。それを見たゴローはまるで追い討ちをかけるかのように、
「ゴラァー!ツケにしとけやーー!!ワシはこの店しょっちゅう来とるんじゃーーー!!!!」
とか言ってんの。しかもドンキで買ったスナック菓子をレジの上に置いたかと思うとそのままキレたまま店を出て行ってしまいました。もう狂ってる。この街は狂いまくってる。
これを地方の人や、東京に住んでいても割と歌舞伎町に行った事が少ない人が読んだらきっと信じられないかもしれません。でもね、毎日こんなクリーチャーが現れるものなんですよ。それが歌舞伎町って奴ですね。
地方に行ってその地元の人と話したりした時に「東京の人は冷たい」とか「新宿の歌舞伎町にいる人は怖い」よく耳にするのですが、実際ゴローのような奴も含めてその大多数の人が地方からやってきた人達です。僕は歌舞伎町で働く人と話す機会があれば必ず出身を聞くのですが、僕のように東京生まれの東京育ちで今現在東京にいて歌舞伎町で働いていると言う人には殆ど出会ったことがありません。
多くの人が口にする「東京の人」と呼んでいる対象になっている人達と言うのは殆どの人が地方出身者なんです。ただの偏見なのでこれを読んだ茨城・群馬県民には確実に反感を買うでしょうが、ゴローは恐らく茨城か群馬出身だと僕は睨んでいます。
大手を振って闊歩するゴローの後姿を眺めながら僕は唖然と立ち尽くしていました。僕はゴローを見送り、そしてまたこの魔都の恐ろしさに触れてしまったと思い帰路につくのでした。
そう、部屋に着いてお~いお茶を買い忘れた事に気付き枕を濡らしながら寝た事は言うまでもありません。
7/27 新大久保とお~いお茶 その1
和製インディ・ジョーンズだとか、現代に蘇ったジョン万次郎なんて呼ばれている僕は好奇心旺盛。気になってしまうと何が何でも知りたい!と、もう自分でも手を付けられない状態になってしまいます。しかもそれに加えて強情ですからね。もういてもたってもいられない状態になってしまうんですよ。
例えばですが、僕はとにかくカレーが好き!3度の飯よりもカレーが大好き!なんて事になったことがあるんですよ。そうなるともう止まらない。僕の頭の中はカレー一色になってしまうんです。そして飽きるまで1ヶ月くらいなら平気でカレー三昧な生活をしてしまいます。1日2回はカレーを食べ、ウンコをする度にシリアナはもう真っ赤!何だか燃えてるみたいに痛くて仕事中もずっと悶絶してたもんな。
他にも色々とありまして、例えばクルマやバイク、僕はそういった男くさい乗り物が大好きなんです。今でこそバイク1台しか所有していないのですが、以前一番ハマっていた時なんて車は2台、バイクは4台も所有しているなんていう暴挙に出ていました。
もう狂っているとしか思えない。年収数億の超セレブがするなら分かりますが僕なんてただの庶民、率直に言うと江戸時代で言うところの士農工商の中にすら入っていないえた・ひにんに近いような存在ですからね。祭りに行く事すら許されない。でもそれでもそんな暴挙に出てしまう。何故なら僕はもっと色んなクルマ、もっと色んなバイクを知りたかったからという、至極単純な理由からだったんです。
とにかくですね。僕は一度気になってしまうともうとことん知り尽くしてしまうまでのめり込んでしまう癖があるんです。それは結果的に良い方向に向かう時も多いのですが、時として最悪の結果を招く事態になりうる事もあります。
先日の事でした。
仕事が終わった僕はいつものように家路につこうとバイクを置いてある場所に向かっていたんです。その時にふと思い出したんです。そう言えばもう家に飲み物が何も無かったという事を。
僕はもう3度の飯よりも飲み物が好き!というくらいに何かしらの飲み物が無いと落ち着かない。まず緑茶、これはどんな事があっても外せない最重要項目です。そしてジュース、出来ればオレンジとかみかんの類で果汁100%のものならモアベター。この2項目が無くとも最悪ただの水があれば何とか凌いでいけます。
ところが前日の夜、仕事に向かう前に冷蔵庫の中を見たらそこには水どころか液体状のものは皆無、こっそり隠しているエロDVDが堂々と鎮座しているだけだったんですよ。
これはもう一大事です。このまま帰宅したら僕は飲み物も無く、ただ渇いて後は死を待つだけの戦場の狼のようになってしまう事は明白ですからね。例えうっかりそのまま帰宅したとしてもそこは世捨て人の僕の事です。「もう動けないよぅ」とか甘えた声を出しそのまま涙を濡らしながら床に着く事は目に見えています。
ただこの日の僕は違いました。仕事が終わって帰宅する前にその事実を思い出していましたからね。「家に帰る前にどこかで買ってから帰ろう」と、バイクの元へと向かっていた足を止め職場近くの大型ディスカウント店「ドンキホーテ」へと歩を進めました。うん。今日の僕は最高に冴えてる。
まだ朝の9時過ぎという時間もあいまってか店の中は客もまばら、場所柄水商売系や不良外国人の客達でごった返している深夜の店内とは似ても似つかない風景がそこには広がっていました。
いつもなら世捨て人の僕でも避けて通りたくなるようなキングオブ世捨て人達が汚れた金を手にして暴れまわっている店内を、僕は颯爽と、それでいて華麗に闊歩していたんです。目指すは飲み物コーナー、熱帯雨林商法の店内の他の商品には目も暮れず真っ直ぐ向かいました。
あった!しかもよく見たら今日は伊藤園の「お~いお茶」が普段よりも安い!「お~いお茶」と言えば緑茶の王様、その芳醇な香りとコクで飲む人全てを魅了する事で有名な超スーパーロングヒットの名作です。しかも他の庶民的な緑茶と違ってなかなか安くならない事でも僕のような緑茶マスター達の間で有名ですからね。「これはツイてる!今日も僕はいつもと違う」なんて思い手に取ろうとしていました。
そしたらですね。何やらとんでもない匂い、と言うよりも妖気に近いものを感じたんです。どこからかまるでうめき声のような低い音程の声が聞こえてきました。
「こうしてやらぁ。こいつもこうしてやらぁ。グヘへへへ。」
小さな幸せを見つけてご機嫌だった僕の背筋が一瞬にして凍りつきました。「一体誰が?どう贔屓目に考えてみても一般人の、善良な市民とは思えない声、きっとタダモンじゃねぇ」と辺りを見回してみたんです。
すると飲み物コーナーの近くの生鮮食料品コーナーからその声が発せられている事に気付きました。「怪しい、間違いなくこの先にはモンスターが待っている。もう既に空気が澱んで見えるゼ。」このまま触れずに立ち去れば良いと大抵の人は思うはずです。ところが僕は好奇心旺盛なトレジャーハンター、その正体を突き止めなければ気になって気になっておちおち寝てもいられないはず!と恐る恐る生鮮食料品コーナーに近づいていき、遂にその音源の正体を目の当たりにしてしまったんです。
うん。なんかね。ベロンベロンのホストだった。
しかもね。そのホストときたらもうとんでもないくらいにヘベレケなんですけど、何かよく知らないけどハムとかソーセージとか菓子パンとかをとにかく手で潰して楽しんでるんですよ。
もうとてつもない地獄絵図、そこはまるで無法地帯中の無法地帯になってしまっているんです。俺様こそが法だ!と言わんばかりの暴挙、もしかしたら彼こそが最後の暴君なんじゃないかと錯覚したくらいにもの凄い妖気、というよりも酒の匂いをプンプンにさせてるじゃありませんか。
もう全ての原因は追究出来た、これでもうお~いお茶でも買って帰れば良いや!と、普通の人ならそう思うのかもしれないですが僕は違います。生粋のトレジャーハンターとして彼の全貌を暴きたい!そんな衝動に駆られてしまったのです。
僕は暫く彼の動向から目を反らせずにいました。そして決心したんです。彼の後を尾行してみようと。
ちょっと疲れてきたので続きはまた明日。
次回、奇跡とも言えるお~いお茶の激安旋風!千年に1度現れるか現れないかというレベルのカリスマホストに遭遇するsima!堅調なユーロに対しての不満が爆発するsimaを襲う怪奇現象の嵐!新大久保の中心でキチガイが叫ぶ!それではお楽しみに!!
7/24 サッカー選手と屋根裏部屋
最近の男の子はやはり野球よりもサッカー選手に憧れるのでしょうか。もはや定番と言われている将来の夢、詳しく調べていないので定かではありませんが、健全な子供なら一度くらいはプロスポーツ選手を夢見るものだと思います。
わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい。なんて風にお父さんなら思うのかもしれないですよね。実際僕の父もそんな風な事を言っていたような言っていなかったような。
僕は自分の小さかった頃の記憶が全く残っていません。ところどころ曖昧な記憶が無くも無いですが、実際当時の自分が一体どんな事を考えていたのか、そんな事はビタイチ記憶に残っていません。
もし幼き日のあの頃に将来なりたいと夢を持っていたとするならば、きっと今はその将来に当たるくらいの時期になっているのかもしれません。仮にそうだとしたら、きっと僕はその頃の将来の夢を叶える事は出来なかったんだと思う。だって夜な夜な新宿でイッヒッヒ、なんて言ってる事を幼き日のピュアだった頃の僕が夢見ているはずがないですからね。
子供の頃に見ていた夢、それを将来大人になって実現出来ている人って実際どれくらいの割合でいるんでしょうか。プロ野球選手やサッカー選手になっている人達はきっと小さな頃からそうなりたいとそのスポーツを続けて夢を叶えているのかもしれない。でもきっと実際には子供の頃の夢をどこかで諦めた、若しくは僕のようにその夢自体をすっかり忘れてしまった人の方が遥かに多いんじゃないかと思う。
先日の事でした。
その日僕は久々に部屋の片付けをしていたんです。僕の部屋は元々綺麗なほうではないのですが近頃の忙しさもあってかかなりの無法地帯、もう散らかりに散らかってしまっていたんです。その時僕は何故か決意しました。
「ここはまとめて思いっきり大掃除をやってやろう」
珍しく部屋を片付けようなんて思ってしまった僕、休日でもないのにどうしてそんな事を思ったのだろう?謎は深まるばかりですがとにかく僕は決意してしまったんです。なぜ?ホワイ?
鉄の意志の元で片付けを始める僕、まるで何かにとりつかれた人の様に部屋を綺麗にしていきます。そして約2時間後、僕の部屋はすっかり清潔、キレイでオシャレな部屋に様変わりしたんです。
もうすっかり満足!やっぱりやって良かった!と思うどころかその時の僕はどうかしてた、なんかよく分からないけどもっと掃除したいなんて血迷ってるとしか思えないような願望が漲ってきてしまったんです。助けて!僕の中のモンスターがこんなにも大きくなったよ!
もう綺麗になってしまった部屋に掃除する場所なんてもうありません。そこで僕はもう何年も足を踏み入れていない屋根裏部屋を掃除しようなんて暴挙に出たのです。シンジラレナイ
何年も足を踏み入れていない屋根裏です。きっととんでもなく汚くネズミなんて現れちゃって、そこには白骨化した何かが平然と落ちている、そんな世紀末のような光景が繰り広げられているかと思いきや意外と綺麗でした。まあ誰も足を踏み入れなければそう汚れる事もないか。
拍子抜けした僕はそれでも何かしたいと思いそこにあった箱を開けたりしてみました。何かね、昔の教科書とか色々出てきた。
「へ~何だか懐かしいなぁ。」
なんて思いを巡らせながら色々な書物やら卒業文集やらをパラパラとめくるのでした。ただね、その時僕はとてつもなく気になってしまったんですよ。幼き日の僕がどんな事を考えていたんだろう?ってね。
思い立った僕はもう一心不乱にたくさんある思い出の品の中で一番古い物を探し始めました。「きっとこの中のどこかに僕の人格を決めた何かがあるはず!」なんて、よく分からない使命感に追われていたんです。
「中学校?違う!小学校?違う!もっともっと!!」
そんな感じでブツブツ言ってたと思う。散々探し尽くした辺りで僕はスチール製と思しき、何だか凄く古臭い箱を見つけた。これや!この古さはハンパじゃなか!宝石箱や!
恐る恐る箱を開けてみるとそこには何枚かの画用紙、察するに幼き日の僕が描いた絵がその箱の中には納められていたのでしょう。一枚、また一枚とめくりその絵を見ていきます。
僕は元々印象派の描写を得意としていたのかと思わせる程、当時からそのアーティスティックな一面を持ち合わせていたのでしょう。うん。風景なんだか人なんだかさっぱり分からなかった。
一通り絵を見終わった時、その箱の下の方に一枚の色紙が、見るとそこには幼稚園の時の卒園式で皆が輪になるようにそれぞれ将来の夢を綴っていたのです。
「プロ野球選手になりたい!」
「お花屋さんになる」
「いっぱい友達作りたい」
「ケーキ屋さんになっていっぱいケーキを食べたい」
名前を見ても誰が誰だかなんてさっぱり思い出せないのですが、皆つい微笑んでしまいそうになるような、そんな夢いっぱいの色紙でした。幼稚園の子供ってこんなに字が書けてたんだな。と意外な驚きも感じましたね。
でもね、そこで一番気になるのはやっぱり僕のところですよ。幼き日の僕は一体どんな夢を持っていたんだろう?まさか夜な夜な歌舞伎町に行きたい!なんて書いてるはずは無いと思うし、とにかく当時の僕が一体どんな事を考えて、そしてどうやって今に至ったのかを知りたかった。
固唾を飲みつつ僕は探した。僕のいた幼稚園って結構人数がいたみたいでなかなか見付からない。でもね、端からひとつずつ見ていって見つけましたよ。そこには衝撃の事実があってですね。もう僕は屋根裏で天井が物凄く低いのに思わず立ち上がろうとして頭をぶつけましたからね。そこには、
「駐車場のおじさん」
と一言、その一言だけが書いてありました。
もうね。これを見た時にはもう信じられないって言うか、むしろ当時の自分が何を考えていたのかを探っていたはずなのに、結局余計分からなくなったって感じでしたよ。おかしい!駐車場のおじさんって!!
だって冷静に考えてみて下さいよ。駐車場のおじさんですよ?その色紙の中心にはでっかいフォントで「しょうらいのゆめ」って書いてあるのに!皆野球選手とかサッカー選手とか普通の事書いてあるのに僕だけでしたからね。そんな枯れ腐った職業だったのは。
でもね、よくよく考えてみたんです。僕って今もそうですけど、昔から結構怠け者だったんですよ。大人になった今もとにかく楽して稼いで何もしたくない!と公言しているくらいの世捨て人ですからね。
当時の僕から見て、もしかしたら駐車場のおじさんっていうのは皆相当暇そうにでも見えたんじゃないだろうか、きっと座ってるだけでお金をもらえるなんて思っていたんじゃないだろうか。
だとしたら僕は幼き日から何ひとつ変わっていないのかもしれないです。うん。駐車場のおじさんも悪くないかもな。
要するにですね。きっと僕は昔も今も全然変わってないって事なのかもしれないですね。生まれてから26年、もう少しで27年経っても僕は、駐車場のおじさんも悪くないかもな。なんて思っちゃってるんですよ。よし、次に転職する時は「駐車場のおじさん」で検索してみよっと。
7/23 岩崎恭子と僕の初恋
かの有名な日本の元水泳選手である岩崎恭子さん。バルセロナオリンピックの競泳女子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得。記録は2分26秒65。競泳女子200m平泳ぎでの金メダルは、1936年ベルリンオリンピックの前畑秀子以来、実に56年ぶり史上2人目の日本人金メダルとなった。また、当時の競泳では史上最年少(14歳6日)の金メダルでもあった。金メダルを獲得したレース直後のインタビューでそう語り、当時多くの日本人の心を打ち、マスメディアによって頻繁に引用された。 ※Wikipediaより抜粋
当時小学生だった僕にとってもこの出来事は衝撃的だった。同じ日本人で、しかも2歳年上のお姉さんが世界で一番という称号を手にする瞬間を目の当たりにしてしまったんです。それはもう感動するやら興奮するやら、まるで自分の事のように喜んでいた事を覚えています。
その頃僕は熱望していました。僕もいつか何かで世界一になりたい!あの岩崎恭子さんのように「今まで生きてきた中で、いちばんしあわせです」なんて言葉が自然に出てきてしまうくらいの満足感を味わいたい!
今日突然に岩崎恭子さんの事を思い出して僕はふと思いました。人が一生の中でそんな風に言葉に出来るくらい幸せと感じる事って一体何回くらいあるのだろうと。
人によって価値観はそれぞれ違うものでしょうが、僕にとっては前途した岩崎さんのような例程大きくなくても充分だと思っています。「今の自分、幸せだな…」なんてふと思えればそれはそれで良いのではないでしょうか。
例えば一生に一度、近頃ではそうとも限らないですが何年も恋愛を重ねて今日結婚式が行われるチョメ子と太志、ここまで来るのに色々な事があった。チョメ子にとっては憧れの先輩だった太志、あの遠い存在だった太志、思い切って体育館の裏に呼び出して告白。でもじつは太志もチョメ子の事がずっと気になっていたんです。好き合っていた2人ははにかみ、お互い赤く染まった顔をチラチラと覗き込むように見ています。はずかしくて目を合わせられない2人は思うのでした。「この幸せがずっと続けば良いのに…」月日は過ぎて2人は結婚する事に、「キレイだ。今日の君は一段とキレイだよ。」ウエディングドレスを身に纏ったチョメ子は普段よりも一段と輝いて見えた。まるで別人のようだよ、これから僕はこんな綺麗な人と結婚するんだ。そう思うと緊張からか急に顔が赤くなってきた。「ウフフ。太志ったらあの時とちっとも変わってないのね。」「言ったな~こいつ!」「だって太志ったら、もう耳まで真っ赤になってるんだもん」いつものようにじゃれ合う2人はお互いに頭の中で今までの出来事がリフレインしています。今までも幸せだった。でも今のこの瞬間のそれは今までのものとは格段に違う、そう、今なら心から言えるよ。「今まで生きてきた中で、いちばんしあわせです」
実際にこんなカップルがいたら、恐らく僕は現代に蘇ったサムライとして即座に胸倉を掴み、そして千切っては投げ千切っては投げして奈落の底に叩き落してやりたいところなのですが、なかなかどうして「今まで生きてきた中で、いちばんしあわせです」と思えるような事って人生の中でそう滅多にあるものではないのではないでしょうか。
それでね、よせばいいのに僕は実際に自分に置き換えてみて考えてみたんですよ。今までの人生の中で楽しかった事や嬉しかった事、でもね、考えても考えても出てこないよ。「あれ?おかしいな。今日は記憶のデータの呼び出しが遅いぞ?」なんて最初は軽く考えていました。
確か小学生の頃から好きだった女の子、中学2年の時の運動会のあの日、雨で中止になって急遽休みになったあの日、当初運動会がある予定だったから確実に家にいると確信していた僕はなぜか、「もう告白するなら今日しかない!」と思ってしまい家に電話を掛けようとしたんです。でも最後の6の数字がどうしても押せなかった…。あとひとつだけなのに!
当時はまだ携帯なんて洒落たものは誰も持っていませんでしたからね。勿論電話先にその子が出るとは限りません。お母さんか、若しくは妹や弟、下手したら怖い、それも大和武士みたいな親父が出てしまって「ワレコラ!どないつもりで電話してきとんねん!命が惜しゅうないらしいのぉ!?おおぅ!!」なんて言われてしまうかもしれませんからね。それも勿論ショックだけど、でもそれ以上にもし告白してその子ともう話も出来ないようになってしまったらどうしよう…。とかそっちの恐怖の方が大きかったと思う。
電話の前で2時間くらい悶絶していたが遂に勇気を振り絞って最後の6を押した僕、もう心臓はバックンバックン鳴ってました。今切ったら間に合う!とかよく分からない事を考えたりと非常に緊張していたら即効でお母さんが出て
母「はいもしもし。○○ですけど」
sima「こ、こ、こ、こんにちわ!simaって言いますけど彩子さんいらっしゃいますか!?」
母「は、はあ。ちょっと待っててね。」
やった!遂にやっちまったよ!奇声をあげそうになりながらもコミカルな浪漫飛行の保留音を聞きつつ固唾を飲みつつ待ちました。
彩子「もしもし?simaくん?急にどうしたの??」
sima「お、おう。あ、あのさ、」
彩子「ん?なになに?」
sima「うん。そうだな、あのさ…」
彩子「どうしたの?さっきからあのさばっかり(笑)」
sima「う、うん。わりぃわりぃ。」
ヤバイ!これはヤバすぎる!!僕は電話を掛ける事に全精神力を集中し過ぎていて肝心の告白で何て想いを告げようかなんてビタイチ考えてもいなかったんです。どうしよう。こんなピンチは初めて。助けて!僕の中のモンスターがこんなにも大きくなったよ!お、お前はまさか…ヨ、ヨハン?
彩子「どうしたの~?あ、そう言えばもう雨上がったみたいだね(笑)」
何も言い出せない僕に気付きその場を取り繕おうとしてくれる彩子。この子はね、誰に対してもこういう優しさを見せてくれるとっても良い子だったんですよ。他の同級生からも人気があったし、当時学年違いだった3年生と1年生達からもそのキュートなルックスから注目されていたくらいの子だったんです。うん。相当可愛かった。
sima「これから会えないかな?」
僕は彩子の優しさに触れ、そしてやっぱり自分はこの子の事が好きなんだ!とこの時心の中で再度確信したんです。そしたら急に勇気が涌いてきてすんなり言えた。いつもは馬鹿みたいな事ばかりしゃべってる僕か、伊能を目の前にした大和武士みたいになってる時の僕しか見た事が無い彩子はたぶんこれから僕に気持ちを告げられる事に既に気付いていたんだと想う。
彩子「いいよ。じゃあもう少ししたら公園にいるから待ってるね」
その時の彩子は少し声が上ずっていた。きっと緊張していたんだろう。でも僕はそれに負けないくらい緊張していた。何せ人生で初めての告白ですからね。さて何て伝えれば良いのやらと考え出すのですがさっきの彩子の言葉を思い出します。
「公園にいるから待ってるね」ですよ!当時ね、僕の家と彩子の家ってのが結構近くて、歩いて大体5分くらいのものだったんですよ。それでその公園っていうのが丁度お互いの家の間にあって、ちょっとだけ彼女の家の方が近いくらいの絶妙なところにあったんです。
自分から呼び出しておいて待たせるなんてさすがにマズイ、僕は急いで当時持っていた僕の中での最高級の服を身に纏い家を飛び出すのでした。肝心な告白の台詞なんてのは全然考えていなかったのに着ていく服は靴までバッチリ決めていましたからね。完全に頭悪いとしか思えないんですけど若い頃なんてそんなものです。
僕にとっては生まれて初めての告白、もう緊張のピークなんてとうの昔に通り越していましたがさらに心臓の鼓動が激しくなっている事に気付きます。その緊張をかき消すかの如く全速力で自転車を飛ばします。うん。曲がる時すごい角度とかついてたと思う。
急いだ甲斐あってかまだ彩子は公園に辿り着いていませんでした。しめた!と思ったのも束の間、ゼェゼェ息を切らしながら立ち尽くす僕の肩をツンツンと、もう彩子は来てしまっていました。は、はえーよ。
僕の中学校は男子は学ランで女子は何だかよく分からない制服みたいな感じだったんですけど、まあ普段は滅多に同級生達の私服を見る機会なんて無いんですよ。彩子の私服姿なんてもしかしたら初めてなんじゃねえのってくらいに見た。
もうね、普段の制服姿でも他とは一線を引くくらいに輝いてるんですけど、私服の彩子はもうとんでもない事になってるんですよ。たぶん今新潟の震災被災地の人があの時の彩子を見たら、きっと余震の恐怖なんてすっかり忘れて幸せな気持ちになれるんじゃないかと思います。そんなエンジェルな彩子がツンツンですからね。鼻血どころの騒ぎじゃないっすよ。
「ずっと好きだった。俺と付き合ってほしい」
もう振り返り際に言っちゃってました。直接顔を見てたらきっと何も言葉が出てこないと思って、だから少し下を向きながら早く済ませたい一心で自然に言えてました。
それを聞いた彩子、彼女もきっと僕に呼び出された時点で何の用事で呼び出されていたかなんて気付いていたんでしょうね。最初から用意されていたかのようにこう言うんです。
「ありがとう。私で良ければ…よろしくお願いします」
もうね。僕はこの時本当に感動した。もう気持ちを伝えるだけで精一杯、上手くいくなんて当然思ってもいなかったし、このくらいの年頃だったら普通適当に濁されて気付いた時には口を聞くのも気まずくなってしまっているなんてのが関の山でしたから、まさかのリアクションに僕は狂喜乱舞してしまったんですよ。
もう思い出しただけで赤面してしまいそう、穴があったら入りたい事態になってしまったんですよ。ウッヒョーーーー!!!みたいな奇声をあげて飛び上がってましたからね。しかもその後唖然としている彩子と「じゃ、じゃあ明日学校でね。」と一言交わした矢先に家まで全力疾走で帰りました。途中何度も飛び跳ねたり奇声を発したり。もうね、たぶんすれ違っていた人とかは皆僕の事を心の可哀相な人、平たく言うとキチガイだと思っていたはずです。
「今まで生きてきた中で、いちばんしあわせです」
その時の僕はまさにそんな感じだったと思う。家に帰ってからも興奮が冷める事も無く、家まで全力疾走で走ってきたのに息切れもせずにまだまだ走り足りないと思って外を走ってこようと思ったんですよ。もうこの時点でもかなり大きく何か間違ってるんですけど、その時の僕はとにかく走らなきゃ!と焦っていたんです。
でも思ったんです。一張羅のままではダメだ、これは僕の中での最高のベストセレクション、それを着たまま外を走りに行くなんて勿体無さすぎる。そうだ、着替えよう。
いつものジャージに着替え、そのまま家を飛び出していきました。その頃の僕ときたらもう運動神経抜群。スポーツで出来ない種目なんてひとつも無かったのでマラソンなんてお手のもの、ペースさえ無茶しなければきっと何キロでも走れてたと思う。今はからきしなんですけどね。
生まれて初めての告白を成し遂げ、しかも学校でもトップクラスのカワイイ子と付き合えるというダブルパンチ、もう僕の中ではスカッドミサイルどころの衝撃じゃなかったんです。
それはそれはもうとんでもない距離を走ったと思います。お昼を回って家に帰ったのはもう夕方近かったですからね。途中隣の市にある大きな公園で川を見て休んだりしながらも走り続けていました。
アドレナリンか何かが分泌しまくっていたんでしょう。全然疲れが溜まるなんて事も無く延々と走っていましたからね。でも流石に帰り道は疲れていました。興奮していたのも落ち着いてきた辺りでドっと疲れが身体に圧し掛かってきたんです。もう子泣きじじいを7~8人おぶっているような感じでしたよ。辛い、さっきまであんなに幸せだったのに。
死ぬ思いで何とか家まで辿り着きました。が、そこには衝撃としか言い様が無いくらいの光景が繰り広げられていたんです。
なんかね、彩子と警察官が一緒に僕の家の前に立ってた。
一瞬何が起こっているのかも全く理解出来なかったんですが、全体をよく見渡してみて何となく状況が掴めてきました。彩子は僕の自転車を手で押していたと思われます。そしてそれを見た警察官のカスが防犯登録で窃盗自転車じゃないかと疑いをかけたのでしょう。
「何してんだコラ?」
この頃の僕ときたらそれはもう世捨て人こそが世界で一番格好良いなんて勘違いを平気でしてましたからね。もう僕は自分の女が大嫌いな警察官にからまれているのを助けなければと疲れた身体に鞭打って戦おうと思っていたんでしょう。最初から警官に対して喧嘩腰ですからね。
まあ大体呼び出した公園まで自転車で全力疾走して行ったはずなのにそれを思いっきり忘れて帰ったばかりか、隣の市までそのままマラソンしてしまったキチガイっぷりも既におかしいのですが、そんな僕の自転車を心配して彩子は家まで届けてくれたんですよ。もうその時点で最高にカワイイじゃないですか。それをこのクサレ警官ときたら窃盗犯扱いするなんて、人を見る目が無いにも程があるぞと僕はそのまま掴みかかろうかという姿勢でしたよ。そしたらね。
警官「ハッハッハ。なかなか面白い奴じゃないか?彩子、友達か?」
彩子「う、うん。」
警官「お父さんもヤンチャばっかりしてたからなぁ。何だか昔の自分を思い出したよ」
彩子「お父さんは昔から男の子も欲しかったって言ってたもんね。」
お父様「まあな、ハッハッハッハ。」
もうね、おしっこチビルとかそんなレベルじゃなかった。たぶんウンコも少し、いや、結構出てたんじゃないかな。だって好きな子と付き合う事が決まったその日にお父様に「何してんだコラ?」ですからね。有り得ない、いや、有り得へん!
よくよく見たらお父様はそこらのボンクラ警官とは一味も二味も違うくらいに高貴な雰囲気、どことなく上品な感じもあったし、何より顔にも身のこなしにも知性が感じられたもの。最初からどことなくそんな雰囲気を感じていたんだよね。どこか違う!なんてね。嘘です。僕って最低最悪の馬鹿…。
ただこのお父様はまたとっても心の広い大きな人でした。そんな僕の非礼に腹を立てる素振りも無く、「彩子と仲良くしてやってな。」と言い2人で帰っていきました。僕は2人が見えなくなるまでずっとそこに立ちすくみ見送っていました。
そんな僕の初恋の思い出でした。結局この後色々とあってまた多くの悲劇が待っていたりもするんですけどそれはまた別の機会にお話します。
ところでこの時期にどうして僕は岩崎恭子さんを思い出したんだろう、と今更になって考えてみたんですけど、先日職場で叶美香さんの写真集を貰ったんですよ。これがまたエロい身体してましてね。それを見ながら、確かこれって姉の叶恭子さんが撮影してるんだったよな。恭子さんはエロいんだけど見た目は美香さんの方が良いのにな。2人を足して2で割ったらきっと最高の素材が出来るぞ!なんて事を考えていたんです。
叶美香→叶恭子→恭子→岩崎恭子って昔いなかったっけ?
もうね。僕の頭の中は腐ってるとしか思えない。美香さんで抜いてやろうなんて思っていた時に岩崎恭子さんの名言を思い出して感動に浸っていたんですから。その時の僕の姿を鏡で見て恐ろしくなりましたよ。Tシャツを着て帽子を被っているのに下はフリチンでしたからね。世捨て人どころの騒ぎじゃない。こんな姿見られたら世捨て人の人達にまで迫害を受けかねないですよ。情けないったらありゃしない…。
この時僕は素直にこう言えましたね。「今まで生きてきた中で、いちばん惨めな気持ちです」って。よし、今日は綺麗にまとまったぞ。
7/22 モスバーガーと半キャップ
ニヤけた顔で同性の、しかも初対面で明らかと言えるくらいに年下の若造に言われたら普通の人ならどう思うんですかね。その状況にもよるのかもしれないので一概には言えないと思いますが僕は頭にきてしまったんです。そう、それはもう狂っているとしか言い様が無いくらいに。
大人気ない、そんな言葉を周囲に浴びせられて自分を振り返る事が出来るようになったのはつい最近の事で僕は昔から短気な性格ですぐにキレる子でした。
子供の頃は父親の仕事の都合で転校が多かった僕はいつの頃からか友達を作るのが面倒だと感じるようになってしまいたんです。気を使って話しかけてくれていても無愛想な態度、どうせまたすぐ引越しするんだろうし別にこいつらと仲良くする必要なんて無いや、と思い自ら孤立していました。
するとどうでしょう。どこからか突然やってきた謎の転校生、友達もいない土地で寂しかろうという優しさから話し掛けたのに素っ気無い態度、人の好意を踏みにじりやがってと思うのは当然です。悪い噂が流れ最初は好奇の視線だったはずが瞬く間に敵意剥き出しの視線に様変わりします。勿論僕もそんな彼らに馴染もうとする気持ちなんて少しも無く、全く相手にしないゼ!この田舎者共が!くらいの態度でいました。
最初は集団無視という大した事も無いつまらない嫌がらせから始まります。そんな日々に慣れてきた頃から少しずつ直接的な嫌がらせが始まるんです。上履きを隠したり、給食の時に班毎に席をくっつけて皆で向かい合って食べなければいけないのに僕の机だけ皆と僅かに隙間が空いていたり…。
今思うと心の底からどうでもいい事なんですけど当時の僕は違います。そりゃあもうトロージャンの狼とか言われてた頃ですからね。それこそもう胸倉を掴むなり千切っては投げ千切っては投げ、泣こうが喚こうが体力の続く限りその手を止める事はありませんでした。ええ。今思い返すだけでも恐ろしい…。助けて!僕の中のモンスターがこんなにも大きくなったよ!
人の性格はそう簡単に変わるものではないとはよく言ったもので、その傾向は今でも少なからず残っています。流石に未だに暴力に訴えるなんて事はしないにしろ、最近でも些細な事でイライラしている自分がいる事にハッと気付く事があるんです。
大抵の事ならそう気付いた時に自分に「ここで怒ってしまう事は大人気ない事だ」と言い聞かせて自己解決するのですがそれは大変なストレスになります。我慢をしてもそのストレスを発散する方法を僕は知らなかったからです。
ストレスの発散方法は人により様々で、例えば趣味がある方ならその趣味に没頭したり、友達に事の経緯を話す事でスッキリしたり、中にはお酒を飲み酔っ払う事で楽しい気持ちに切り替える事が出来る人もいると思います。
でも僕にはそれが出来なかった。まず最初に無趣味であるという事、そして誰かに話そうにも友達なんてひとりもいないし、お酒は自分の中で遥か昔に禁じてしまっています。
これまで頭にきたらもう止まらない、僕の中のモンスターはどんどん大きくなっていきます。自分でも抑えが効かなくなってしまい大暴れ、ストレスを溜めるという事なんて無かったですからね。その場で怒りを発散させるという何とも建設的とは言えない、それでいて極めて幼稚な解決方法しか知らなかったんです。もうヨハンの次くらいに性質悪かったと思う。
社会に出てからはそれはもう大変でした。僕が初めて就職した一見まともな会社はそれはもう理不尽の嵐、どれだけ理不尽な事でもそれが上司の言葉ならNOと言う事を許されない縦社会でした。僕は毎日腹わたが煮え繰り返るような思いをしながらも3年もの期間を耐え忍んだんです。
その期間で僕は我慢をしてストレスを溜め込むという術を手に入れました。発散は未だに上手く出来ないにしても、その場で何かに怒りをぶつけるなんて事はしなくなりました。うん。それでこそ紳士だよな。
しかも歳を重ねる度に僕は些細な事では怒らなくなっていったんです。それどころか今ではその様を楽しめる時もあるくらいに。
でもね、そんな風に全てを楽しめるなんて事は有り得ないんですよ。やっぱり人の性格はそう簡単には変わらない。いや。変われへん。
話は変わりますが、僕の職場っていうのが結構多くの人数を抱えている会社なんですけど、その中で部署みたいなものが幾つか分かれています。僕の働く時間帯で大小合わせて4つくらいの部署に分かれてまして、その中で僕は十数名の部下を持つ中途半端な管理者のような面倒な仕事をしているんです。
しかし僕は仕事は仕事と割り切る超高校級の企業戦士。そんな面倒臭い仕事でもまるで鬼の如く全ての人と一線を引いた状態で仕事に取り組んでいます。そもそも仕事っていうのはあくまでも仕事なわけで、そこに私情を挟んだり、人間関係がどうとか人の好き嫌いや気分で仕事に対する姿勢を変えるような奴が大嫌いなんですよ。
先日の事でした。
その日僕はちょっぴりイライラしていたんです。それはとても些細な事で、出勤する時にいつものように愛車をすっ飛ばして職場に向かっていた途中、狂った運転をしていたキチガイな車がいてそいつに轢かれそうになってしまったという何とも下らない事があったからなんですけど、まさかそんな事で職場でカリカリする訳にもいかんだろうとちょっぴりイライラしながらも平然と仕事に取り組んでいたんです。
僕の職場ってその部署毎の仕事の成績がリアルタイムなデータで如実に確認する事が出来るんですよ。それぞれの部署で目標みたいなものがあってそれを達成させようと毎日皆で頑張るという至極当たり前な事をする。それが社会人として当然の事であるし、僕はそれが普通だと思っています。
データを見れば常に仕事の成果を確認出来るというのはとても便利な事である反面、非常に怖いことでもあります。勿論頑張った成果がすぐにデータといった形になって確認出来るのは頑張っている人からしたらとても励みになる事だと思うし、自分なりの目標も立てやすいという利点があります。しかし逆の場合も勿論あるんです。惰眠を貪っている部署はそのまま数字に表れてしまうので目標を割っている時なんてまあ大変、他の部署から白い目で見られてしまう恐怖が待っているんですよ。
そんな中での僕の部署、そりゃあ仕事の鬼が育てた精鋭部署ですからね。目標を更に大きく上回る怒涛の数字で他を圧倒しているんですよ。もう僕はいつも鼻高々、肩で風切って職場を闊歩していますからね。というのもたまたま僕の部署にはとてつもなく優秀な人材が何人もいまして、僕が何をするわけでもなくその優秀な人材達が頑張ってくれているお陰で目標なんて軽く上回ってしまうんですよ。ええ、自分の手柄みたいに話していてごめんなさい。僕は大した事ないんです…。
でもね、そんな優秀な部署もあればそうでない部署もあるものです。僕の部署とは対照的に、それこそ全然結果を出せない部署ってのもあるんです。
僕も企業戦士のひとりです。努力しても結果を出せない時ってのがあるのは分かっています。勝負は時の運ってのもあるものです。当然そんな事だって有り得る事は分かっていますよ。
しかしね、僕は目を、そして耳を疑いましたよ。その結果を出せていない部署の連中ときたら何だかイイ年して仲良しグループみたいなんですよ。仕事の結果よりも俺達の友情!みたいな事を平気で言い出しそうな連中なんです。
その部署に馴染めない奴はクズ、そして俺達に同調出来ない奴等はカスだ!と言わんばかりの態度を目の当たりにしてしまいましてね。何かそこに新人が入ったんですけど、そいつが馴染めずにいるのが気に入らないのか虐めみたいな事してやがるんですよ。それを見て僕は苛立ちを隠しきれずにいました。
でもそこは僕も社会人ですよ。「こらワレ、痛い目見んと分からんのんかい!」みたいに大和武士のようになる事も無くただただ静観していました。
胸くその悪いままその日僕は職場を後にしました。
ムシャクシャするぜ!なんてそんな時、僕は決まってどこかに寄り道して帰ります。ここのところ結構イライラしていた僕はとんでもない暴挙に出てしまったんですよ。その後起こる悲劇に気付く事も無くね…
腹ペコだった僕はその日は何を思ったかモスバーガーなんていうセレブの集いによく使われているような所に寄っていこうと心に決めていました。
数える程しか行った事の無い高級店、僕は普段から1日500円以内なんて暗黙のルールを決めて自分を抑えつける生活をしています。その日も当然仕事中に飯を食っているわけで、500円なんてもうとっくに使い切ってしまっていたんです。そこで更にモスバーガーなんていう高級店ですからね。もう世捨て人としか言い様がありません。
こうなった時の僕はもう誰にも止める事なんて出来ませんよ。肩で風切って、触るもの皆傷付けながら入り口の中に入り仁王立ちですよ。
もうハンバーガー2個くらいたべちゃうぞー!なんて感じで列に並んでましてね。早速僕の番が回ってきたんです。
フィッシュバーガーは外せないな、問題はあともうひとつのハンバーガーを何にするかだ。待てよ、ホットドッグみたいな奴も確か美味しかったはずだよな。マズイ、このままじゃ決められない!
セレブの集うカウンターで仁王立ちしながらも決められない僕、その緊張感からか膝はガクガクブルブル、マズイ、このままでは貧民街からやってきた偽セレブだって事がばれて店の裏から屈強な黒人がやってきてしまう!焦った僕はもう何でもイイから決めてしまおうと店員の顔を見上げたその時でした。
店員「あの~。ヘルメットとってくれませんかね?」
思いもよらない突然の申し出に僕は困惑しながらも平静を装ってこう切り替えしました。
sima「な、なんで?」
店員「いや。規則なんで」
あーなるほど、確かにコンビニや銀行にフルフェイスヘルメットを被ったまま入っていったら怒られるよな。と一瞬納得しそうになりましたが僕はすぐに気付いたんです。僕が今被っているのはフルフェイスではなく、俗に言う半キャップなんて呼ばれている顔が顕わになるタイプの物なんですよ。
それってどうなんですかね。それがフルフェイスだったならば顔が見えない事もあるので強盗がそれを被ったまま店の中に入ってきて、そして防犯カメラに映っていたとしてもその正体がバレる事もなく金を奪い華麗に逃げ切る事が出来るかもしれません。
でもよく考えてみて下さいよ。僕が被っているのは半キャップ、もう顔はモロンと露出してるし、それを脱げだなんてもう完全にセクハラじゃないですか。そう考えたらもう頭に来ちゃって、
sima「それってフルフェイスの時の話ですよね。この店には何度も来てるけどこれを被ったまま店に入ってきたからって注意なんてされたのは初めてですよ。顔も見えてるのに何がいけないんですか?」
と、それは堂々と言ってやりましたよ。この店には何度も来てるけどなんて嘘までついちゃったけど…。そしたら冒頭の台詞
店員「いや。怖いんで(笑)」
ですからね。ニヤけた面してる時点で全然怖いなんて思ってないはずです。しかもその店員は高校生くらいの若造ですからね。そりゃあ沈黙の駆逐艦なんて呼ばれてる僕も流石に頭にきちゃいまして思わずその店員の胸倉を掴んでですね。それこそ千切っては投げ千切っては投げ、エプロンはビリビリに引き裂かれてバンダナなんてもう目茶苦茶、オマケにその店員ときたらお漏らししてしまったようで股間なんてビショビショに、なんて事になる筈も無く大人しくヘルメットを脱ぎましたよ。ニヤニヤしてる店員の目の前でね。
結局僕はですね。自分が怖いんですよ。キレてしまって触るもの皆傷つけるなんて出来る歳でもないですからね。それは出来れば紳士的に、それでいて男前でいたいじゃないですか。だから僕は高校生の挑発なんかには乗らないんです。
と、格好つけてみましたが本当は早く食べたかったんです。お腹なんてグギュルルルルギュギュなんて擬音を出してましたからね。食欲には敵わなかったんです。
家に持ち帰ってフィッシュバーガーを食べていたんですけど段々イライラしてきましてね。そんな生意気な態度をとられたまま素直に言う事を聞いてしまった自分の不甲斐なさが心底許せなかった。
その後イライラしたまま床についた僕が大そう枕を濡らしたのは言うまでもありません。慣れない事はするもんじゃないってことなんでしょうけどね。あ~あ、もう今月4000円しか無いよ。僕の職場は給料日は15日ですからね。どうやって過ごそうかと考えるだけでガクガクブルブルと後悔するのでした。
7/21 カウンターとソリティアの夜
たまたま何かを検索したらその検索エンジンに引っ掛かってしまい、しかも間違えてクリックしてしまいたまたま開いてしまったなら「チッ、下らないページを開いちまったゼ。今日は厄日だゼ。」みたいな感じで「マルシアは見た目以上にエロいだと?ふざけるな!彼女はそんな女じゃねぇ!!」みたいなメールが来るなら分かるのですが「いつも見てます」ですからね。
もうね。この際だから教えちゃいますけど僕なんて本当にクズみたいな人間なんですよ。自分でも自覚してるくらい自己中な上に超がつくほど下品で銭ゲバ、風呂なんて2日くらい平気で入らないから何だか変な匂いをさせてる日もありますからね。当然友達なんて1人もいないし、勿論彼女なんて何年もいませんよ。うん。オカネオカネ。
携帯電話も一応持ってるけどもう全く鳴らない、電話が掛かってこないどころか迷惑メールすら来ないですからね。1日1回目覚ましが鳴るだけの携帯なんて僕の携帯くらいしか無いんじゃないかな。僕と話をしたいなんて人は1人もいないんじゃないでしょうかと思うくらい。もう携帯持ってる意味も無いし、見た目だけならテレビのリモコンとかでも良いんじゃないかなと本気で思ってます。
そのクセ開き直ってますからね。もうどうしようもない、救いようもないカスなんですよ。そんなカスが書く文章をいつも見てますなんて間違ってる。もうね、大きく道を踏み外しかけてる事を誰かが教えてあげた方がいいよ。うん。親の顔が見てみたい。
だからね、この送り主さん。こんなしょうもないブログなんて見てないで実話ナックルズとか読んでた方がよっぽど有意義な時間を過ごせると思いますよ。ええ、本当にありがとう。
ところでこれを読んでいる皆さんは一体どういった経緯でこのブログまで辿り着いているんですかね。このブログを作った時につけた左上にあるカウンター、これはどうやら訪問者数を表示するやつみたいなんですけどそのカウント基準がよく分からないんです。ブログ元のアメーバさんにもアクセスカウントみたいなのが管理ページから見れるんですけど、それに出るデータとは似ても似つかないくらいに違うんです。
何だかアメーバ上でランキングみたいな事をやってるらしいんですけどね。このブログも始めた当初から比べると徐々にその順位が上がってきてるみたいでそのアクセスって奴も日に日に増えてきてるらしいんです。
でもね、この左上のカウンターときたら全然その数字が上がらない、よく分からないけど完膚なきまでにちょっとずつしか上がらないんです。そのアメーバ上の数値は上がってもこのカウンターは微動だにしない。きっとね「アクセスが上がってきた=人気が出てきた」なんていう錯覚を覚えさせて僕を調子に乗らせない為のカウンターなりの親心なんじゃないかと思うんです。
実際僕も別にこのブログを通して何かを訴えたいとか思ってないですし、これをきっかけに友達作りたいな、とかも本当に思ってないです。ただ日々の出来事や感情を綴っていき、何れ歳を取った僕はこのブログを見て振り返るんです。「ワシの若い頃にはこんな日々があったんじゃな、フォッフォッフォ。懐かしいのぅ。」みたいな。
ええ。そうなんです。お気付きの方もいるかと思いますがもうこのブログ自体が僕の自己満足、完全にオナニーみたいなものなんですよ。どうです?こんな自己中なかなかいないと思います。うん、親の顔が見てみたい。
と、まあとりあえず冒頭の質問に戻りますが更新はやめていません。じつはこの数日間急遽他県に行かなければならなくなってしまったのでしたが、先日買ったばかりのノートPCを持っていましたし、宿泊先のホテルを調べてみたらネット環境完備と表記があったので全く気にしていなかったんです。むしろ、出先でブログを更新しちゃうなんて僕はなんてモバイラーなんだろうとか考えて興奮していたくらい。
しかし到着するとそのホテルの部屋にはLANケーブルすら無い有様、おかしいぞと思いつつフロント9番にコールしてボーイを呼び出したんです。そりゃあその時の僕ときたら大そう御立腹でしたから怖かったでしょうね。もうチンピラ相手に怒り狂ってる大和武士みたいだったもの。
「こらワレどないなっとんねん。エライ目に遭わんと分からんのんかい!こっちに来て話してもらおうやないけ。ワシの話はちぃ~っとばかり痛いけぇのぉ!おおう!?」なんて事は少しも言わずにビクビクしながら聞きましたよ。うん。颯爽と、それでいて華麗にね。
そしたらあなた、「あ~それは1Fフロント横にネットが使えるPCを用意してるって意味っすよ。」なんてやる気の欠片も感じられない腐った目をしたキャイーン天野みたいなブサイクが言うんです。けっ、天野のくせに舐めやがって。
でもそこは僕も大人ですよ。声を荒げて「こん腐れ外道が!」なんて言う事も無く大人しくそのフロント横まで足を運んでみたんです。そしたらですよ、もうビックリ。そのPCに座った瞬間に天野がすっ飛んでくるじゃないですか。そして唾を飛ばしながら言うんです。
「こちらは有料になってますから!先にフロントに声掛けて下さいよ!!」ってね。くそっ、天野の野郎、最近はめっきり見かけなくなったくせに偉そうに。
よくよく聞いたら10分100円ですって。今時大抵のホテルってのは部屋にLANケーブルを繋げられるし、もしそうじゃなくてフロントの横でしかネットが出来ないのなら、ネット環境完備なんて表記はしちゃいけないと思うんですよ。有り得ない、いや、有り得へん!
「どうします?チェックアウトの時にご清算でも構いませんよ。」なんて腐った目のまま言ってきましたからね。そこはまず当然胸倉を掴んでですね。それこそ千切っては投げ千切っては投げ、天野も眼鏡がズリ落ちて情けないったらありゃしない、その上膝なんてガクガクブルブルで股間はもうビショビショに、なんて事になるはずもなくそのまま部屋に帰りました。
そしてする事も無く部屋で1人ずっとソリティアをしていました。買ったばかりのVAIOノートで。その夜僕がホテルの枕を濡らしたのは言うまでもありません。
7/16 伊能と本郷
例えて言うなら、空を駆ける一筋の流れ星。みたいな話があるとか無いとか、そんな話があるように男、というよりも漢ってのは奥深い繊細な生き物なんです。
ただここで誤解してほしくないのですが、僕は女性よりも男性の方が優れているとか、そういった差別的な事を言いたい訳ではないんですよ。あくまでも男ではなくて漢、男の中の漢の事を差して言ってます。
現代に蘇ったサムライだとか、和製トム・クルーズだとか、トロージャンの狼だとか色々と比喩されている僕ですが、やはり皆さんが思っているようにやはり自分で自分の事を漢、男というより漢なんじゃないかと思っています。うん。そうだそうだ。
そんな僕にも憧れている漢ってのが何人かいましてね。今はこんなカスみたいなシャバ憎でもいずれはこんな風になってやるっていう人がいるんですよ。
まずはやっぱりエーちゃん、矢沢永吉は外せない。歌とかはビタイチ分からないんだけど、何か彼って本を出してるじゃないですか、それを読んでこの漢はホンマモンや!宝石箱や!!みたいに思ってしまったんです。50歳を過ぎても衰える事の無い肉体、永遠のツッパリって相当格好良いですよね。うん。あんな風に歳を取れたら最高だろうな。乾く暇無い。
でもね、エーちゃんってやっぱり王道じゃないすか、あまりにも普通過ぎる。格好良いから皆憧れてるもの。僕は天邪鬼なところがあるのでやはり正義の味方よりもそのライバルや悪役が好き。その点も踏まえてこの世で一番格好良いと思っているのはやっぱり伊能政治。こいつは半端ねえって思ったもの。
日本最大の暴力組織、関西光和会岸田組組長岸田巌は跡目に本郷を選んだ、それを不服とした若頭の伊能は岸田を殺害、自らの手で組長の座を手に入れるのであった。その親殺しの汚名を着せられた本郷は僅かな手勢と共に新宿へと逃れ根を下ろす事に。この事は関東木曜会の春田昇を刺激し、血で血を洗う戦国時代が始まるのであった。
というお話「修羅がゆく」という映画があるのですが、僕はこれのDVDボックスを買ってしまうくらいに好きなんですよ。平成の仁義なき戦いだとか言われてる人気スペクタクル、豪華出演陣によりシリーズでそのパート13まで制作されているヤクザ映画の最高峰に君臨している名作なんですよ。
その豪華さときたらもう鼻血もので、まず主役の本郷流一に哀川翔、そして宿敵の伊能政治に萩原流行と、もうこの時点で鼻血はピューピューと音をたててるくらいだと思うのですがそんな所では収まる気配すら見せません。関東木曜会の春田には力也兄さん、そして毎話出演する超豪華なキャスト達、菅原文太、大和武士、清水宏次朗、中野英雄、清水健太郎、宇梶剛士、鶴見辰吾、渡辺裕之、梅宮辰夫などなどととんでもないくらいの豪華っぷりです。もう鼻血どころじゃないでしょ?殺す気か!
もうね。とてつもない事になってるんですよ。こんな豪華さって八甲田山以来じゃないかなと僕は思っています。とまあそんな感じなのですが、この話の見所は何と言っても任侠道を貫き通す本郷流一の生き様を見て楽しむ人が多いと思うのですが僕は違う、その宿敵として君臨する外道中の外道、伊能政治のその恐ろしいまでの悪っぷりに心底憧れを抱くという、何とも腐った心を持つと自分で自覚しているだけの事はあるなと思えるような楽しさがあります。
もうね、汚いとか卑怯とかそんな次元じゃないんですよ。もうとにかく最悪、こんな人が実際にいたらもう子供の10人や20人くらいはショックで失語症とかになっちゃうと思う。
何度も対決を繰り返して直接やり合うシーンも何度も出てくるんです。「ここでケリを着けてやるぜ。伊能。」「じゃかぁしゃい!ここがおんどれの墓場じゃ!本郷!」みたいなやり取りをするんですけど、そこで睨み合ってる間にその銃を撃てばいいじゃん!とか思うんですけどそこも含めて面白いんです。
見た事ある人はお分かりでしょうが見た事無い人には何の事やらという感じでしょう、これを機に見た事無い人は絶対に見た方が良いと思う。もしとっても興味がある方がいればこのページの左側辺りにあるところからメール送ってくれれば焼いてあげたいくらい。それくらいにオススメします。
ある日の事でした。
あれはまだ僕が今の仕事に就く前のアパレル系に勤めていた時の話です。僕が吉祥寺のとあるショップに勤めていた時期があったのですが、その時自分の店にあの伊能政治が来てるじゃないですか!伊能さん(萩原流行)が吉祥寺に住んでるって話は聞いた事あったけど本物を見るのは初めて、もう大興奮の嵐ですよ!
「い、伊能さん。じゃなくて萩原さん。滅茶苦茶ファンなんです!あ、握手してくれませんか!?」なんて言っちゃいました。僕にとっては伊能政治としての彼が一番強いイメージだったので、彼の本当の名前の萩原さんよりも伊能さんの方が先に出てきてしまったんですよね。でも萩原さんはそんな事を気にする事も無く「ああ、どうも」と握手してくれました。何か格好良い!シビレル!!
夏の暑い日だった事もありラフなファッションに身を包む伊能さん。タンクトップを着ていた彼はブラウン管を通して見るよりも大きく、そして鍛え抜かれた肉体がとにかく眩しかった。僕は仕事を忘れ彼の姿を目に焼き付けていた。
例えるなら、まるで文化祭の準備の為暗くなるまで学校に残っていた日の帰り道、同じ方向に歩みを進めるクラスの女子チョメ子は聞くとかなり自分の家の近所に住んでいた事を知る。「こんなに近くに住んでいたなんて知らなかったよ」なんて話をしつつもいつもと違う暗い夜道、今まで生きてきた14年間でこんな時間に女子と2人で一緒に帰った事なんて無かった。いつもと違うシュチュエーションにドキドキしてしまう太志、時々街頭の光に映るチョメ子の横顔を見て「こいつ、こんなに可愛かったっけ」それまで意識した事なんて一度も無かったのに急に意識してきている自分に気付き会話もどことなくぎこちなくなってしまった。じつはその一部始終をクラスの友達に見られていて次の日にはもう「ヒューヒュー!」なんてからかわれる始末、恥ずかしいやらで本気で怒る太志を尻目に心無い同級生は「おいチョメ子!お前フトシの事が好きなんだろ?」なんて言っています。おい、やめろ!チョメ子は関係無いんだ!声にならない声を出しチョメ子の様子を見ると顔を真っ赤にしてうつむいてた。それを見た瞬間心臓を打ち抜かれた気がし、そして核心した。
「僕はこの人が好き!死ぬほど好き!」
例え話が長くなり何を言っていたか忘れましたがとにかくそんな感じの僕、そんな僕を尻目に伊能さんは僕のお店でGジャンを見ていました。そこでふと我に返り「ど、どうぞ、良かったら試着してみて下しゃい!」なんて、ちょっと噛みながら言ってました。そのGジャンってのがもう普通のGジャンじゃないんですよ。凄く凝った作りでデザイン性も高く、ポケット部分にレザーなんてあしらったオシャレなGジャン。「流石は伊能政治!選ぶアイテムも普通じゃないぜ!」なんて感動していたんですね。すると伊能さん
「高けぇな。」
とだけ言って店を出て行ってしまいました。一瞬何が起こったのか分からなかった。一旦冷静になってから思いました。うん。ダセー。
だってね。考えてもみて下さいよ。まあブランド店とは言っても日本のブランドですよ。値段だって海外DCブランドに比べれば割安だし、しかも夏のその時期ってもうバーゲンセールの時期も過ぎ一段落したくらいの時期、ショップに置いてある服なんてもうかなり激安なくらいに値引きされてるんですよ。確か一万円くらいだったと思う。
まがいなりにも華やかな芸能人じゃないですか、世間の皆に夢を与える芸能人じゃないですか、そんな一万円くらいの服を買うのも苦しいんですか?今時リーバイスのGジャンだって一万円以上するのに…。有り得ない。いや、有り得へん!
結局ね、僕が好きなのは俳優の萩原流行じゃなくて関西光和会の伊能政治だったんですよ。だって「たったの150億円ぽっちかいの?」と部下に悪態をつく伊能ですよ。それが一万円を高いだなんて悲しいじゃないですか。でも実物を見るまでそう思わせていた萩原流行って人は一流の役者な訳で、じつはやっぱり格好良いんじゃないか?なんて思いました。
いや、やっぱりそんな事ない!だって一万円だぜ?しかもあんな売れ残りの変な革とかくっついてるGジャン、誰も見向きもしなかったGジャン、結局最後の最後まで売れる事無く本社に送り返す羽目になったGジャンですから。
いや。でも逆に考えるとそれを見抜いていて買わなかった伊能はやっぱり凄いのかもな?なんて思う事も無くGジャンをダンボールに詰め込むのでした。どんなに値下げしても最後まで誰にも買われなかったゴミのようにダサい服達と共に。
7/15 検査結果と歌舞伎町の夜 最終話
前回までのあらすじ
アルコールの力で往年のライオネス飛鳥に逆お持ち帰りされたsima、命からがら逃げ出したものの帰国後謎の奇病に。しかし大事には至っていなかった事を知ったsimaは上機嫌で魔都歌舞伎町へ…そこでsimaが見た驚愕の事実とは!意味が分からないと思うので下の日記を振り返って読んで下さい。
日頃の鬱憤を晴らしてやる。その漢の願望はとにかく大きく、そして醜いものだった
HIV抗体検査で陰性の称号をゲットした僕は意気揚々とS保健所から新宿に舞い戻っていた。まず足を運んだのは大型電気店、ずっと欲しいと思っていたノートPCを今日は買ってやろうと目論んでいたんです。
当初はアップル社のMAC BOOKなんていうオシャレなPCを買ってやろうと考えていたのですが、どうしてもこれだけは必要だというソフトがMACでは対応していないという事実を知り即断念。仕方なくウィンドウズで一番格好良いSONYのVAIOの中から選ぼうと思い脇目も振らずVAIOコーナーへ、すると僕の貴族のオーラを感じ取ったのかハウス・マヌカンが近付いてきたんです。
「ふっ、きっと僕の颯爽とした、それでいて華麗な商品選別の目に只者じゃない気を感じ取ったんだろうな。こいつ、なかなか人を見る目があるじゃないか」しかしマヌカンの話に耳を傾けると驚く事にそのコーナーにある一番安いVAIOを薦めてきやがった。おい!こいつは僕が大してお金を持っていないとでも思っていやがるのか!失敬な!片腹痛いわ!!と言い掛けたけどやめた。だって本当に持ってなかったですもん。やっぱりこいつ、なかなか人を見る目があるじゃないか。まあ値段の所ばかりを食い入るように選別していたから当然と言えば当然か。
とまあそんなやり取りもありましたが結局最初から目をつけていたものを買いました。魔法のカード(クレジットカード)を使って。よし、カード破産まっしぐら!
念願のノートPCを買って(カード払いで)更にご機嫌なsima、シラフのはずなのに千鳥足でコマ劇の傍にある行きつけのジョイフルサウナへGO!
日頃はロクに風呂にも入らない僕、入ってもシャワーくらいなのでたまにこうしてジョイフルサウナへと足を運んだりするんですよ。このサウナが職場から近いっていうのもあるんですけど、時間も他のサウナよりも長く居られるし風呂も広い、そしてマッサージがなかなかレベルが高くてHG(ホモセクシャルな感じの方々)が多くてもう最高なんです。行って楽しく見て楽しい。言う事無しって奴ですよね。
そんなこんなでゆっくり風呂入って60分コースのマッサージを受けて最高の気分で就寝。うん、もう毎日こんな感じで寝られれば良いのに。
時は過ぎ午前0時近く、のそのそと起き外に出て僕がまず向かったのは歌舞伎町で朝方までやっているとあるインドカレー屋。ここは南インド料理を出してるお店で歌舞伎町では一番レベルの高いお店です。行きつけの僕は店に入るなり「マトンブーナとサフランライス。大盛りでね!」と、これまたプロっぽく頼みました。
「う、ウマい!!」なんてまるでねるねるねるねのおばあのような声を出しながらカレーにがっつきます。うん。今日の僕は違う、いつもの僕じゃないゼ!テンションもまだ高い!!それからどーしよーかなーなんて歌舞伎町の中をぷらぷら歩いている時にふと思い出しました。職場の同僚が言っていたある謎のスロット店の事を…。
じつはそこは知る人ぞ知るお店みたいで、普通スロット店は夜23時に閉まるのはずなのに、そのお店は夜の22時から開店するらしいんですよ。しかもレートは倍、普通メダル一枚20円計算のはずが一枚40円計算、置いてある台も規制前にあったような大量獲得機とかあるって話なんです。
お気付きの方もいるでしょうが、そうです。まさに違法スロット店なんです。僕はその類のギャンブルは学生の頃に散々やったんですが、あまりにも馬鹿らしくてもうずっと現役から退いていたんです。でも今日の僕は違う。そんな世捨て人中の世捨て人、世捨て人オブジョイトイみたいな猛者共が集うような場所だろうが踏み込みましたよ。それはもう果敢としか言い様が無いくらいに。
何とも殺風景な裏路地、今にも朽ち果てそうな死の匂いが漂う雑居ビルの中にそこはありました。階段を登ると途中赤外線センサーが、そしてそれを感知した従業員(とても堅気には見えない)がドアを開けてくれます。中は普通のスロット屋、でもちょっと狭いな。意外と人も多い。
早速空いている台に座る僕、普通に打ってるだけなのにメダルカウンターの減りがとんでもないスピードです。「流石倍のレートなだけはあるな、でも俺には通用しない。俺はベトナムで奇跡を起こした男、謝るなら今のうちだゼ!」なんて事は思わず5千円で飽きた。うん。たぶん3千円のところ辺りでアクビとかしてたと思う。だって寝起きでお腹一杯で眠たかったんだもん。
結局すぐにそのビルを出てもう一度寝直す為に一目散に家に帰りましたよ。だってもうあとはボッタクリに近いようなキャバクラとホストクラブしか開いてないだろうし。
家に着いて思いました。「あれ?もしかしてかなり無駄な休日の過ごし方をしちゃったんじゃないかな…」なんて事は考えないようにして眠りにつきました。
でもよくよく考えてみると検査の結果聞いてパソコン買いに行って寝ただけだもんな。うん。全然エンジョイしてねーじゃん。朝起きて枕が濡れていたのは言うまでもありません。
