映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


CGの凝り方は半端ない。

俺が見ても、どこまでCGで、どこが実写の人間だか良くわからない。それぐらい馴染んでいる。


ただ、操り人形であるサロゲートに依存した人類、というそもそもの世界観が、いまいち説得力がないというか、共感しづらいというか。攻殻機動隊に比べると、その辺の詰めの甘さを感じてしまう。


CGの技術はずっと「リアル」を追求してきたが、「人間」はどうやってもリアルとは違う違和感が残る。そこを逆手にとって企画し映画化した、というのは穿った見方だろうか。


力を入れて作っているのがわかる分、惜しいな。






映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


全編ビデオ&手持ちのペッタリした映像。

フレーミングもカメラワークも上手いとは言い難い。

編集もさほど凝ってはいない。


それでも最後まで目が離せないのは、

そこに、凄まじい「リアル」が映っているから。


貧困、売春、HIV、暴力、飢餓、戦争。

一体どこに手をつければマシになるのか見当もつかないほど、圧倒的なまでの矛盾と絶望が、確かにそこにある。

自分に何ができるか、なんて綺麗事を言うつもりもないが、日本で100円出せば食える白身魚が、元を辿ればあの悲惨な現実に行き着くのかと思うと、気が滅入る。


何だかんだと問題ありつつも平和なこの国に生まれた偶然に感謝しながら、その幸福を享受するために犠牲になっている人がいることを、少なくとも知っておく必要はあると思う。


ドキュメンタリーは「企画」が全てであることを、改めて実感する。


映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


ようやく3部作を見終わったが、感想は前2作と変わらず。

キャスティングをよく頑張りました、と。


ほんのチョイ役で高橋幸宏とか、中西学とか、

武蔵とか、吉田照美とか、高嶋政伸とか。。

原作から一切の妥協なく徹底した配役。これはお見事。


がしかし、元の話自体が、小学校時代の因縁が元になっているにしては話がぶっ飛びすぎていて共感できなかったので、それをさらにまとめた映画になったところで、誰にも感情移入できず、残念ながら感動には程遠い。


凝ったCG、大掛かりな撮影、大規模な宣伝。

おそらく国内で考え得る最大級のプロジェクトであることは間違いないが、そもそもこれでいいのか?と思わざるを得ない。


なんか、色々残念。



映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


手持ちカメラによるノンフィクション風フィクションホラーは、

予算がない時の企画として「ブレアウィッチ」以降、常道化したきらいがあるが、


逃げ場のなさ、切迫度合いで言ったら、

宇宙ステーションという場はある意味、究極。

限られた登場人物で、シャレにならんパニック度合いを

自然に演出できる唯一の場かもしれない。

そこに目をつけたのは上手いな、と。


前にソユーズ打ち上げを撮影しに行ったことがある。

あの時に見たモスクワのミッションコントロールセンターに

カメラが入っていたが、あれは有り映像なんだろうか?

「ソ連の秘密軍事衛星」という設定の映画で、

あそこを撮影させてくれるとはとても思えない(笑)


ラストの活動家インタビューとか、徹底してやってるところも、

この話が「もしかしたら本当か?」と思わせるのに役立ってるし、

最後にURLを出すところも凝っている(今は閉鎖してしまった模様)。


あまり流行った話は聞かなかったが、良く出来た企画。

宇宙モノってやっぱりマイナーなのかな?


映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


いわばアメリカ版「アウトレイジ」。


北野監督が何かのテレビ番組で、殺し方は色々とアイディアを考えた、と話していたが、暴力描写に関して言うと、アウトレイジよりもこの映画の見せ方のほうが怖い。


特に暴力を受けている人物の主観映像は衝撃だった。

暴力の合間合間に黒い画面が挟まれる。その黒が段々と長くなっていく。

全く交渉の余地なく降り注ぐ暴力。意識が遠のいて死んでいくリアリティ。絶望と共に痛みまでもが麻痺していくような。。。あんな映像的な演出は、あまり見たことがない。


個性的な役者陣のクレイジーさと相まって、インパクトある作品になっている。後味は悪いし、血が苦手な人にはオススメしないけど。




映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


ポール・マクギガン監督作品。


彼にしてはシンプル・ストーリーなので若干拍子抜けしたが、

中世イングランドのドラクエ的世界観の作りこみが良い。

どこで撮影してんだろ?


物理的にも精神的にも閉鎖的な空間で進むストーリーは舞台のようでもある。クライマックスでの主人公と領主のやり取りは、リップシンクロを無視してカットをダブらせる編集など、細かい「技」を使って、きちんと堪能できる仕上がりにしていて流石。


この手のものも、たまにはいい。



映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


民放のテレビドラマとかを見ていると、

日本の役者って層も薄いしレベルも低いしで泣きたくなってくるが、

この映画を見ると、「日本の俳優って捨てたもんじゃねぇなぁ」と

素直に感心する。


すべてのキャストが、本当に上手い。

そして、その力を引き出せるのが、監督の腕なんだろう。


キャッチフレーズの「全員悪人」、確かに一般社会の尺度で見れば悪いんだけど、

弱肉強食のヒエラルキーが完全に確立しているヤクザ社会において、

金、暴力、権力という手段での「パワー」を行動原理とするのは、

生存する上で当然であり、「ヤクザ社会の常識」を受け容れて考えれば、

この登場人物たちは極めて真っ当。

キャラクターが破綻していないから、リアリティがある。


きちんと練られた脚本、熟練の役者、作りこまれた映像。

面白くないワケがない。




映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


何故か定期的に見たくなる攻殻機動隊シリーズ。

これは2度目の鑑賞。


完全ネットワーク化された社会。

移民問題を抱える島国。

政治レイヤーの権力闘争。

「個」の存在。


圧倒的な情報量が凝縮された映画だが、

2010年の現実は、この映画の世界に近づいているように思える。


300万人がアクセスしているハブ電脳は、

ツィッターのビジュアル化に見えるし、

外部記憶はGoogleや数多のblogのことだし、

常にオンラインでコミュニケーションし、情報にアクセスする様子は

iPhoneが体に埋め込まれているかどうかだけの違いな気がする。


「硬直化したシステムを捨て、人がネットと融合する革命。」


この映画で語られている革命は、空想の物語ではなく、

現在進行形の、今の世界。


改めて、この世界観の完成度の高さに脱帽。



映像制作者の映像レビュー
★★★☆☆


一つ前の記事でパイロット版に制作費10億円かけたものを書いたが、こちらは本編制作費100万円。


いわゆる「ブレアウィッチ」系の、ハンディ映像によるホラーが口コミで広まり・・・というパターンの作品。


家の中だけのワンロケーション、登場人物3人(+目に見えない一人?)。頑張って作っているとは思うが、やはり100万じゃ限界あるよな。シンプルにせざるを得ない。


「怪奇現象を記録したビデオが流出した」という手法自体が新しければ、驚きや賛嘆の声をあげるのだが、すでに使い古されているやり方だけに、頑張ったね、としか言いようがない。


100万で、世の中をあっといわせる映像を作れと言われたら、、、う~ん、挑戦しがいはあるけど、かなりハードル高いな。




映像制作者の映像レビュー
★★★★☆


「LOST」「スタートレック」で知られるJJエイブラムスによる海外ドラマシリーズ。


CGも凝っているし、撮影も大掛かりだし、よく作りこまれている。

特に第一話。飛行場での撮影あり、カーチェイスあり、CGあり、特殊メイクありと、金のかかるシーンが次々と。

この第一話はパイロット版として制作費10億円かけたらしい。それで、これを売り込んでシリーズ化、と。

まぁあんだけ豪華な映像であれば、シリーズ化したらヒットすると説得するには充分。


その、最初のパイロット版に10億円引っ張ってくる手腕が、JJエイブラムスのすごいところなんだろう。


「金があればいい映像が作れるワケじゃない」と息巻いてみても、この圧倒的なクオリティを出すには優秀なスタッフとちゃんとした撮影が必要で、それにはやはり金がかかる。


あまりに次元が違いすぎて、腹立たしい。