いい天気♪♪

はあー、今日は何だか素敵な予感…


なのに、出だしから逆走。

Uターンまでして逆走。

大丈夫!こっちからも静岡に行けるから!

県道周りながら軌道修正。

ちょいと混み合う道に、眠気が誘われる。

が、キタキタ県境。静岡県はじめまして!


早々に、道の駅潮見坂で休憩~。

バイク置場に、ものすごい荷物を積んだバイクがいる。

横に停めたら、「岩手から?」

はい!

湘南ナンバーのPS250。

この荷物からして、もしや日本一周!?

「いや、引っ越し。」

バ、バイクで!?前代未聞の偉業である。

たしかに、日本一周にしちゃ荷物が多いが、引っ越しにしちゃ少な過ぎないか?

「荷物多いと次に引っ越す時大変じゃん。」

にしたって、削りすぎ!!

彼は、沖縄に引っ越しをするから、その道中、くまなく旅するみたい。

ツワモノのにほいがする…。

話してて、ツワモノのにほいがプンプンする。


何とも気を使わせない人で、ゲラゲラ笑いながらおしゃべりした。

沖縄にはすでに、仕事と家が決まってるそうだから、安心して旅出来るね!

じゃあまたどこかで!!


今朝、道を間違えたから生まれた出会い。

タイミングが違ったら、すれ違っていたのだよな…。

不思議。
よぅそろお-Image031.jpg



走り出すと、雲がかかってきてる。

でもまだ降らなそう。


浜名湖周遊ツアー敢行!!

この辺のキャンプ場はめちゃ高い。民宿バリ。


せっかく晴れたのだから、キャンプがしたいが…。


ここの道の駅に泊まれるかな…と、辺りを見て回るが、フェリーターミナルが近く、人も多いからやめた。


北上を始め、10㎞ほど先に、新しく道の駅が出来ていた。


営業時間はもう終わっている。


ここ、イケるか!?


しかし、道の駅の施設奥、ビーチ沿いには300mはあろうかという駐車場に、びっちり車が止まってる。


多すぎだろ!


どうやら、サーファーや、バーベキューグループが集まっている様子。


ビーチにあずまやがいくつかあり、砂浜の手前は広い芝生。トイレもある。


ここがキャンプ場なら、諸手を挙げて喜ぶ。


しかし…


頭の中で、会話が始まった。


白ちん「人が多すぎるよ!怖いと思うならやめたほうがいいよ。」

黒ちん「でもタダだぞ。しかもフカフカの芝生。逃す手はないって!」

白ちん「やっぱり怖い物は怖い。テント張ってから追い出されても困るし、めんどくさいじゃない。」

黒ちん「こんないいとこ、旅人なら大喜びで泊まるぞ。所詮お前は意気地なしだ。」

白ちん「…」

黒ちん「一度泊まったら、平気になるかもしれないだろう?何事も経験だって!」



私は、空を見ていた。


よぅそろお-Image030.jpg


ああ、日が暮れる…。


黒ちん「ほら、何ならトイレもいいらしいぞ!遅い時間なら来ないらしいからな。」

白ちん「もし来た時、どーすんのさ。」
黒ちん「来ないって!」

白ちん「来るかもしれないじゃん!」


う、う、う、うううう。う~~~!!



私はバイクに飛び乗った。



黒ちん「あ~あ、やっぱりな。」



いいだもん。寝ていいってはっきりしてるところじゃないと、不安なんだもん。


結局、豊橋のネットカフェに泊まる事にした。




よぅそろお-Image028.jpg

アジサイ満開綺麗だな。街路樹は、南国そのものだ。



一つの事に囚われる私の頭の中では、まだ会話が続いていた。


「道の駅に泊まった時さ…」「道の駅のトイレでブッキングしたんだ」「道の駅の方が怖くない」


今までに出会った旅人たちの声がする。


でも、やっぱり出来ない。


いっそ道の駅泊を経験しないで日本一周しても面白いかもね!


マンガと私は切り離せないし、私らしい。



でも少し、情けない気持ちでへこんでしまったから、なぐさめにジョイフルでコーンドリアを食べた。


¥299.


やっす!!久しぶりのファミレスに、ちょっとご機嫌になった。


よしよし、じゃあもうめげないのよ。


明日は、スペシャルな事が待ってるんだから!


知多半島を抜け、しばらく快走。

青空も見えて来た!

雨あがりの青空って清々しさのKINGだね♪

今日初めて、走ってて気持ち良かった!

しかし、長くは続かない。快走だったのもほんの少し。

すぐに街中、怒涛の赤信号。

90%の確率で信号に捕まる。


交通量も増え、思うように進まない。

これって、スピード出さないように考えての赤なのかな。

いや、混んでるからかな。

どっちにしろ、左手フル稼動。

いーかーんー。ぐだぐだになってきたー。車の後ろは眠くなるし。

休憩をちょこちょこ挟む。

余計に進まない。


地図を見ると、進んでないっぷりにがっくり。


あー、雨だからって、朝あんなにぐだぐだするんじゃなかった…。



号線を乗り継いで、渥美半島突入。


バイパスで距離を稼ぐ。


が、降り口間違えUターン。


まだまだ続く赤信号地獄。突風の向かい風。


何、向かうなって事?


でもここまで来て、引き返すなんて…。


意地で走るが、さすがにぐったり。道の駅田原めっくんハウスで休憩。


あやー、めまいしてるじゃないの。やわだなあ。


長めに休憩して、再走。


何とかかんとか、伊良湖岬にある道の駅伊良湖クリスタルポルトに到着。


だいぶ日が落ちてきている。こりゃ、今日めぼしをつけていたキャンプ場には行けそうもない。


灯台への遊歩道を散策。


よぅそろお-Image022.jpg

『目!』とか、遊んでる場合では…。


よぅそろお-Image023.jpg

まるで太陽を見ているかのような灯台。


その先には『恋路ヶ浜』がある。


よぅそろお-Image024.jpg

カップルばっかりだよ。いちゃいちゃしてるよ。あからさまにじろじろ見てるよ。


分かってるよ、私が邪魔なのよね。でも、ちょっとやりたいこと思いついちゃった。


影に隠れてやってみた。
よぅそろお-Image025.jpg 「ハートドキドキ


精一杯のぶりっ子☆しかし、格好までは計算に入れてなかった…。


う~ん、気持ち悪い…。



ここの岬は、まるで南国。


海は明るい海ではないけれど、植物と、丘が、南の島で見てきたのとよく似てた。


ハブでも出てきそう。



さあーて、今夜の宿はどうするかな。







雨ですか…。

ダラダラ。


止まないのですね。

ならもう行くしか無いですね。


今日は知多半島の羽豆岬に行きたかったから、晴れてて欲しかった。


雨の降る街は混んでいて、全然進まない。

半島って割と先に行くと空いてくるものだけど、いつまでも混んでる。

街から離れ、海が見え出した。

…ダーク…

色彩は最小限。

見晴らしも悪い。

コンディションは最悪だ。

けどまあ、行くだけ行ってみよう。


昨日、少し西側を走って、今日は東側を走ってるのだが、
東側、ガソリン高い。

こんな小さな半島で、こんなに違うのか…?たまたまか…?


暑かろうと、Tシャツにカッパを着てたけど、寒くて上着を着なおす。

見上げた空は、ダーク…


思ったより時間がかかる。

羽豆岬には、フェリーターミナルがあった。

その奥に赤い鳥居があって、岬すぐわかる!

よぅそろお-Image019.jpg


…ダーーク。


モノトーンの海の上、フェリーが伊良湖岬まで向かっている。

雨降ってるし、乗っちゃう?

フェリーを見つめながら、立ち尽くす。

立ち尽くしながら、気づくと、フェリーと別の事に思いを馳せていた。

こらこら、もう集中力途切れたか?

まあ、走ってみますか。


しだいに雨は弱くなるが、なんと進まないものか!

信号がいちいち赤だし、30~40Kmぐらいの速度で走る車。

なぜ?揃って遅いのはなぜ?

制限速度、下回ってるなあ。

めずらしい。

しかし、おかげでゆっくり町並みを見れた。

けっこう古い町並み。

関宿の様に古い家もあれば、
私が小学生の頃、海沿いに住んでいた時によく見た造りの家もある。

古いお寺さん、神社、時折コンビニ。

混在してますなー。


進まなさに焦ってきた。

今日、渥美半島行けるのか!?

常滑市に入り、海はすぐそこ。


どーこだ~?


西側に曲がってみよう。


うん。海の気配。


さらに曲がると、防波堤に着いた。


やった!間に合った!!


防波堤に腰掛けて、海を眺める。


まったく太陽見えない…。


よぅそろお-Image013.jpg

しかし、雲は薄いみたいだからきっと赤く染まるはず。


しばらくたそがれていると、地元のおじちゃんに声をかけられた。


「あのバイクあんたのか?」


「はい。」


「どっから来たんだ?」


「岩手です。」


「何でまた岩手からこんなとこに?!」


「日本一周中です」



「俺も、30年以上前だけど、日本一周したよ!」



ななな、なんと!!大先輩!!


しかも、たいてい「若い頃バイク乗ってたよ」と言うおじ様は、現役退いているのに、

毎年ハーレーで北海道ツーリングに行ってるのだとか!


旅ライダー同士、垣根なく話が弾む。


さすが、北海道に詳しくて、話聞いてたらまた行きたくなっちゃった。


「家帰らずにいけばいいんだ!」


あは!それも面白い!


けど私は家に帰るよ。(いったんは…)


話に夢中になっていたら、空が変わっていた。


よぅそろお-Image015.jpg

赤く燃え出した。


ああ、来て良かった。


薄暗くなるまでおじちゃんとお話し。
よぅそろお-Image016.jpg

「じゃあ、行くね」



よぅそろお-Image017.jpg
防波堤の上から見送るおじちゃん。シルエット、かっこいい!


バイクに跨り、出発しようとしたら、柔らかな雰囲気の老夫婦に話しかけられた。


宮城に居た事がある…と、思わず声をかけたらしいのだけど、

「私の息子も、本州と九州四国を、自転車で周ったのよ。」


知多半島、旅人の里?!!


自分の子供が旅人だった為か、ものすごく温かな目で、私を見ていた。



偶然たどり着いた海で、偶然旅人の話が2回も聞けるなんて、


『偶然』とは、実に面白くて、深い。