常滑市に入り、海はすぐそこ。
どーこだ~?
西側に曲がってみよう。
うん。海の気配。
さらに曲がると、防波堤に着いた。
やった!間に合った!!
防波堤に腰掛けて、海を眺める。
まったく太陽見えない…。
しかし、雲は薄いみたいだからきっと赤く染まるはず。
しばらくたそがれていると、地元のおじちゃんに声をかけられた。
「あのバイクあんたのか?」
「はい。」
「どっから来たんだ?」
「岩手です。」
「何でまた岩手からこんなとこに?!」
「日本一周中です」
「俺も、30年以上前だけど、日本一周したよ!」
ななな、なんと!!大先輩!!
しかも、たいてい「若い頃バイク乗ってたよ」と言うおじ様は、現役退いているのに、
毎年ハーレーで北海道ツーリングに行ってるのだとか!
旅ライダー同士、垣根なく話が弾む。
さすが、北海道に詳しくて、話聞いてたらまた行きたくなっちゃった。
「家帰らずにいけばいいんだ!」
あは!それも面白い!
けど私は家に帰るよ。(いったんは…)
話に夢中になっていたら、空が変わっていた。
赤く燃え出した。
ああ、来て良かった。
「じゃあ、行くね」
バイクに跨り、出発しようとしたら、柔らかな雰囲気の老夫婦に話しかけられた。
宮城に居た事がある…と、思わず声をかけたらしいのだけど、
「私の息子も、本州と九州四国を、自転車で周ったのよ。」
知多半島、旅人の里?!!
自分の子供が旅人だった為か、ものすごく温かな目で、私を見ていた。
偶然たどり着いた海で、偶然旅人の話が2回も聞けるなんて、
『偶然』とは、実に面白くて、深い。