今度こそキャンプ場を発見。

しかし、登り坂。
ポールが立ってて『乗り入れ禁止』。

まずサイトを見てみよう。

テクテク…まだかな。

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かなり登った所にこじんまりと発見。

え、ここまで担いで持って来るの?

50kgはあろう荷物を?

無理というより、ヤダ!

手ぶらで来てもこんなしんどい坂を、荷物運ぶなんて論外だわ。

さて、どうするか。

ひとまずコンビニに行き、コーヒー飲みながら考えた。

後この辺にキャンプ場は、上の方にあるな。

でも知多半島に行きたいのに、上るのはな…。

そだ!ネットカフェに行こう!

ケータイで検索。ちょうど知多半島にあるじゃない!そこ目指そう。

また街を走り、さっき通った道をまた走る。

無心無心。


知多半島方面に曲がる。


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日本にワイキキがあるの!?


無心解除。


半島へ入る橋を渡ると、海の匂いがした。


そうだ、夕日を見よう。


西側の海を目指す。


が、迷う。


迷った先で、素敵な景色に出会う。


一面棚田。


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見渡す限りの田んぼ。


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さわさわ…そよそよ…


車もほとんど通らず、聞こえるのは風の音と、風にたなびく稲の音。


空は哀色。


人の気配の無い田んぼは、寂しさを感じた。



迷ってたら、どんどん日が傾いてきた。


さらに、雲も出てきた。


間に合うのか?!


そして、見れるのか?!



愛知県再び。

そして、街中再び…。


私ってわがままだな。

あんまりに人の気配の無い所に行くと人里恋しくなるくせに、
街中は嫌いだなんて。

無心で走ろう。

あ、赤だ。

あ、車が寄せてきた。ブレーキ。

あ、赤だ。

あ、青だけど進まない。


無心無心。私はイライラなんてしていない。

そう、だから、ちょっと休憩するのは、今宵の宿を調べる為さ。

コンビニ~。ブイー キキッ!

ぶっはー!めんどくさっ。いや、無心無心。

ツーリングマップルに、無料のキャンプ場が乗っていた。

ここにしよう。

えーと、この号線ね。

キャンプ場目指し、出発。


号線の数字が似ていたり、思わぬ分かれ道があったりで、地図を確認しながら少しずつ進んだ。

三河湾スカイラインから行けるな。

Uターン、Uターンを乗り継いで、ようやくスカイラインに乗る。

緑が萌える道。

この道には、峠小僧がたくさんいた。

ハングオンしとる!!すごっ!!!

そして気が付いた。

峠小僧が好む道は、私の力量ではハードルが高いと…。

後ろに続々と来ますな。

抜いて抜いて。とウインカーをつけて端に寄る。

手を挙げて挨拶してくライダー達。

かあっこいい!!

あんな風に走り去れたら気持ちいいだろうな~。


なんてしてたら、スカイラインが終わる。

あれ。

戻りたくないなぁ~。

結果、また同じ道に戻り、ぐるっと回る違う道から行く事にした。

あー!めんどく…無心無心。

今日、どこ行こう…。

キャンプ場の位置的に、南下を促されてる気がする…。

南下しよう!


走り出す。

が、地図の確認が甘く、おまけにお腹の調子も悪かったので、
産直の駐車場に入る。

はあ…良い眺めだ~。
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しかしまずトイレ。

あー、なんだろ、お腹痛いなあ…。

地図を見て、すぐ出発。

森に囲まれた道は肌寒い。

でも、道にある温度計は32℃と表示してる。

うそ、こんなに涼しいのに!?

木陰の力はすごい。


はあ~…気持ちいい……。


走り続けていると、道の駅ラフォーレ福寿の里に素敵な橋があった。

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(微妙に間に合ってない右端)


渡りませんよ。見るのが好きなんです。

そのまた先にある道の駅アグリステーションなぐらで、一休み。

煮卵が売ってる!!

卵大好き!!呼ばれちゃお☆

欲張って2コ。
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ほんのり甘くて、しょっぱくて、一口食べただけで「旨い!!」って独り言が出ちゃった。


よし行こう。


ここから先で、やっぱり南下を促されていたんだと確信した。

森、川、山、青空…

全ての波長がピッタリと合う。

高揚、覚醒。

止まれない。私はサメ。タイヤはヒレ。

こんな風景、写真に撮らなきゃ勿体ない。

でも止まれない。

止まったら、この感覚が終わっちゃう気がして、止まれない。


でも、ゆっくり走る車に追い付き、橋の上でようやくシャッターを切った。
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違う。私が感じたのは、この写真とは別のもの。

動く、生きてる景色。

遠くから迫り、近付き、また離れる。

視界の外にも感じるモノ。

ああ、私が今、五感で感じている事を、みんなにあげたい。

今日、この時この場所の全てをみんなに。


自分が高まるのを感じた。


高まりながらも、我を忘れ走っていた。


ふとメーターを見ると、ガソリンが無くなりそうになっていた。

そんなに走っていたのか。

ガソリンを入れ、走り出す。

もう、あの高まりは消えていた。

気づくと、青空は雲に隠れている。


あれは、神様が宿った時間だったのだ。

走りながら考えてた。

私は何者になりたいの?

仕事とかじゃなく、人として。


ごちゃごちゃ考えて思い浮かんだのは、『ナウシカ』


小さい頃からずっと憧れてた。

あの慈愛、我を失う程の激昂、知識の探求。

マンガだけど、私にはバイブルだった。


大人になって、原作を読んだ。


さらに憧れた。


迷い、間違いながらも進む強い意思。

進みながらも常に自分を問いただす。

さらに深い愛情、非情。


そうか、私はナウシカになりたいんだ。



でも私、虫に好かれるという意味では、すでにナウシカ以上かもしれない。

ほらまたテントに蚊のバリケード。

下呂温泉から中津川方面へ下る。

こっちにたくさんのキャンプ場がある。

そこまで行けば、何とかなるでしょ。


風呂入ってゆっくりしたかっから、そうそうにテントを張るつもりだった。

まずは近くの道の駅に行って、一番安いキャンプ場を聞いてみた。



はい?すいません、もう一度…。

「この辺は全部一律¥3000です。」

あ、ありえない。

それならネットカフェ行ってマンガ読みたいわ。

「あ、ありがとうございます…」

そそくさと尻尾を巻く。

どーしよ、道の駅に張っちゃうか?!

こないだ会った日本一周ライダーAちゃんは、道の駅でいつも泊まってる。

「怖くないの?」
「悲鳴あげると声の届くところに人がいるからね。
むしろキャンプ場の方が怖い。」

よーし、私も…………


やっぱ無理~!!

仕方ない、近くに載ってるキャンプ場に行ってみよう。

10Kmほど南下した所にあるキャンプ場。

『オートキャンプ場』てこれ…。

まあ行ってみよう。

受付に行き、料金表を見て無言…。


「あ、あの、フリーサイトとか無いんですか?」

「バイクなら、一泊¥1500です!」

そんな嬉しそうに…。


うーむ、高い!

普段なら絶対泊まらない。

しかし、一律¥3000から来た私は「まあいっか。」と思ってしまった。

テントを張りながら、

あれ、何でこんなポールの折れた狭いテントで¥1500?

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と我に帰ってしまった。

今さら仕方ない。自炊も出来るし、ビールも飲める。

よしとするしか…。

と、自分をたしなめて、キャンプ場裏の川に飲みに行った。


私は、¥1500払って良かったと思った。

始めは、テンションが上がり、滝に向かって「カンパーイ」ってしてたけど、

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音楽を聞きながら川を見ていたら、
本当に不思議な涙。

以前、松本城の近くのキャンプ場で流した涙と似ている。


良かった。ここで良かった。


宝石のような川には、魚が跳ねていた。
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