早朝、薄明るくなり始める瞬間にふと目が覚めた。

色んな鳥の鳴き声が森に響き渡ってて、半分寝てる事もあってなんとも幻想的だった。


しばらくまどろんでいると、雨の音。

一応雨対策として、フライがインナーに着かないようにストームガードで引っ張って木にくくり付けていた。

やってて良かった。

ただ、干してたタオルはおしゃかだけど。


今日から、少しタイトなスケジュール。

今日は神奈川、次は東京、埼玉、11日か12日までに千葉、そして、20日までに、岩手…。

予定を立てず、居たい所に居たいだけ居たけど、そうも言ってられなくなった。

ちゃんと着けるのかな…。

計画は立ててるけど、なかなか思うようにいかないんだよな。


と悶々と考えるが、雨脚がどんどん強まり、先より今が大変に。

あー、どうすれば被害最小限で撤収出来るかしら。
山中湖に帰っている途中からも富士山が見えた。

なんと傘を脱いでいる!

早く!早く湖畔から見たい!!

いっそいで向かうと道を間違えるもの。

Uターン!発射!!

とりゃあああ!!!

だいぶ湖畔に出てきたので、我慢しきれずバイクを止めた。

さっきより雲が出て、麓が隠れている。
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まるで宙に浮いてるかのような浮世離れした眺め。

ふおお、山の神様ありがとうございます。

父いわく、山の神様は女性だそうで、「間違えたんじゃない(笑)」

ありえる。アリエール。

どっちにしても、雨予報を覆し、姿を見せてくれた事に感謝。

でも、反対側の山に、雲が下りて来てた。
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こんなにはっきりと雲の動きが見えると言うのもすごい。


満足して、仕上げの温泉へ。

ツーリングマップルにあった『石割の湯』に向かう。

結構混んでいて、ゆったり浸かるって感じじゃなかったけど、
寝湯のブクブクで体をほぐし、露天風呂を堪能~♪

近頃、左の肘下が痛むのでマッサージしながら浸かる。

多分、クラッチを握る時に使う筋肉が疲労してると思われる。

酷い衰え…。

湯上がり熱々だったけど、さすが山、外はひんやり気持ち良かった。

そして、18時から雷雨かも…の天気予報はまったくハズレ、青空が見えていた。

傾いた西日に、雲の羽衣を纏う富士山。

もうお休みなんですね。

キャンプ場近くの湖畔から、夕日を眺め、おビールを買い込み、テントに帰った。

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シュラフに座ると、ふわぁっと力が抜けた。

お疲れさん。

今日は早く寝ようね。
後は私が拠点にしている山中湖だけ。

ふむ。まだ時間あるな。と、少し戻って、いや、結構戻って富岳風穴を見に行く。

西湖の反対側を通って到着。

あれ、ここさっき通ったような…。

まあいいか。

風穴へ入ると、めっちゃ寒い!

なんと氷がある!!
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てことは、少なくても0℃以下である。

かなり冷えてるので、天然の冷蔵庫として、繭や種子を保存していた。
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奥にはひかり苔が生えている。

苔なのに寒さに強いのね。

天井低かったり、溶岩の流れた後があったりと、不思議なダンジョン。

冒険だー!!…寒い、出よう。


風穴は樹海の中にある。

樹海に入らないように、紐が張ってあった。

先程走っている最中にも、『樹海』の看板があったけど、そら恐ろしい噂しか聞かない為、近づくまいとしていた。

けれど、樹海に囲まれちゃっちゃー仕方ない。

森の奥を見ると、まるでもののけの森の様に苔むしている。

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屋久島でも樹海でも、深い自然には人がまったく歯の立たない力がある。

ゆめゆめ忘れてはならない。


そのまま富士吉田市方面へ向かうと、道の駅なるさわがあった。

ちょいと寄ってみよう。

バイクを止め、ふと見ると、富士山が!富士山が見えてる!!

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何と神々しい。

雲に隠れようが雲から出ようが変わらずそこに悠々と居るのだ。

遠くに富士山を眺めている気になっているが、ここも富士山麓。

孫悟空が御釈迦様の手の中に居るのに気づかないでいるような気持ちになった。

おっきいなぁ…。

しばし、富士山を見つめながら一服した。


でわ、早いですが、本日のディナーとしゃれこみますか。

富士吉田市の名物、吉田うどーん!!

街を流してると、『吉田のうどん』とでかでかと看板があったから、迷わずそこへ。

贅沢に天ぷらうどん一丁。

見た目は普通の天ぷらうどん。

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お味は?

麺が、ブリッブリして、歯ごたえある!

煮た野菜が入ってて懐かしい味。

うどんって普通、お腹に溜まらないのに、すんごく満腹感。

おいしかった~☆

満腹すぎて、少し休憩。


それじゃあ山中湖に帰ろう。
富士山スカイラインを抜け、国道に出ると、『白糸の滝』の看板が見えた。

迷わず向かう。

駐車場から歩いて行くと、最初にお目にかかるのは『音止の滝』。
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落差25m。水しぶきを上げて涼やかに滝壺に流れ落ちる。

すごい綺麗。砕ける水しぶきと滝壺の透明感が見事。


音止の滝から、階段を下りて下りて、見えてくる白糸の滝。

音止の滝の方が大きい…?と思ったら、違う。

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滝の幅、200m。

細く流れる白糸がずらり。

滝壺から流れる川は清流。

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これはすごい。

激しさの無い滝。

パノラマで広がる滝に、みんな言葉を失ってた。


階段を登り、すでにお疲れ&空腹モードの根性無し。

何か食べた~い!

やまめの塩焼きが実にうまそうだったが、めちゃ高かったので諦める。

その変わり、B級グルメ2年連続日本一と言う、『富士宮やきそば』をチョイス。

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鰹節がたっぷりかかってて、麺むちむちしっとり。

うまーい!!B級の味大好き!!


次は何を見ようかなーと地図を見たが、何か面倒だったから、走りながら見つける事にした。

走りながら見つけた…と言うより、いざなわれたのは、富士五湖。

まずは本栖湖。

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山の中にひっそりした雰囲気。

でも、たくさんの人がピクニックに来て、楽しんでる。

石投げして遊ぶ。

2回しか跳ねないわ。衰えたわ。

次は精進湖。

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小さーい!と思ったら、奥行きがあって意外と大きい。長細いのね。

釣り人がお行儀良く並んで釣りしてた。


さらに進むと西湖。

ここで初めて富士山と湖の同時上映!!

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みんなして撮影会を開催してる。

例に漏れず私もパシャリ。

富士山の雪、結構溶けてる。

さっき反対側から、一瞬見えた富士山にはもっとあった気がしたけど…。

角度が違うと表情が変わるのも山の魅力だ。

最後に、河口湖。

たまたまハーブフェスティバルをやってる。

満開花畑!鮮やか!

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ラベンダーと河口湖と富士山のコラボレーションが見たかったけど、富士山は雲に隠れてしまってた。


日曜日なだけに、かなりの人が出てる。

わいわいと賑わう中、コーヒーを飲みながら、花畑に彩られた湖を眺めた。

9時に寝て、8時に起きた。

いやー、寝た。

寝たねー。

天気は相変わらずどんよりだけど、富士山を、見に行こう!!

軽いバイクで行きたかったから、連泊。

富士山スカイラインへ!

自衛隊が多い。

ライダーもたくさん!

ピース!!

…返ってこなぁーい(泣)


走り続けると、どんどん寒くなる。

近い…。

でもまだ見えない。

カーブが続くから、方角もよく分からない。

「なぁんも見えませんねー」と独り言を言った直後、右カーブの先に、ちぎれ雲を纏う富士山の姿。

私は叫んだ。

そして、一瞬で魅入られた。

富士山が昔から信仰される訳が、痛いほど分かった。

ポロポロ泣いた。

感動したのか何なのか、分からないけど、一瞬だったその姿を思うだけで涙が出た。

少し広くなってる道の端にバイクを停めて振り返ったけど、もう見えなかった。

木々が隠しているのかも…と、もう少し先のパーキングエリアに行く。

見えたのは裾野。


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山頂は雲の中。

さっきのは、本当に偶然のタイミングだったんた。

山頂付近に、傘を被ってる。

あれ、これどっちだっけ。

天気崩れるのか晴れるのか…。

どっちにしろ、シュッと伸びる傘ですら美しかった。


富士山スカイラインを進む。

とてもドラマチックな道。

走っている道の外は真っ白で自分の居る場所だけが開けているような感覚。


私は立ち止まる事を忘れた。