少し前に、僕が触れてきた音楽について、2回に分けて投稿しました。
あの時、「レコード」についてもっと色々書きたいネタが有ったのですが、長くなってしまったので割愛しました。
そんな書き足りなかったアレコレについて、思い付くままに書き記します。
レコード盤の種類
レコード盤には、大きさや回転数で、いくつかの種類が有ります。
大きさ
LP盤
「最初に買ったのは、CDではなくLPレコード」と書きました。
この「LP」というのは、"Long Play"の略で、片面20~30分収録できます。
曲数が多いアルバムや、曲が長いクラシックに使われます。
直径12インチ(30cm)の大きいレコードです。
ドーナツ盤・EP盤
主にシングル盤に使われる直径7インチ(17cm)のレコード盤です。
ドーナツ盤は、中央の穴が大きく、見た目がドーナツのような形状です。プレーヤーにセットする際は、ドーナツの穴のサイズのアダプタを使用します。
「EP」は"Extended Play"の略で、片面7~8分収録できます。収録時間がLPよりは短いが、SPより長い、というネーミングです。
SP盤
「SP」は"Standard Play"の略ですが、初期の頃に使われた形式で、今は使われません。
サイズはLPと同じ直径12インチ(30cm)ですが、収録時間は片面4~5分です。
回転数
LP盤は33回転、シングル盤(ドーナツ盤、EP盤)は45回転、SP盤は78回転。
回転数が大きい程、音質は良いのですが、収録時間は短くなります。
レコード盤には、渦巻き状の溝に、音の振動が波として刻まれています。
この溝の長さは、盤面の大きさでほぼ決まります。
回転数が大きい(速く回る)と、レコード針が溝をなぞる速さが早くなるので、再生できる時間は短くなりますが、同じ時間で表現できる音の波が細かくなるので、音質は上がります。
このため、曲数が多いアルバムには33回転で大きいLP盤、一曲を高音質で聴かせたいシングルにはドーナツ盤が使われます。
レコード盤の特徴
A面・B面
レコードを知らない世代は、「両A面シングル」という言い方にピンと来ますか?
レコードには表(A面)と裏(B面)が有ります。A面の再生が終わったら、レコード盤を裏返してB面を再生します。
シングル盤はA面に売りたい曲を収録し、空いているB面にはカップリング曲として本命ではない曲を収録しました。
B面には、売れる曲よりも、アーティストが気に入った曲や、実験的な曲が収録される事も有り、ファンからすると「B面に名曲有り」というケースも多いです。
「両A面シングル」とは、カップリング曲がオマケじゃなくて、両方とも売りたいシングル曲なので、裏も表もA面、という意味でこのように呼ばれます。
アルバム
音楽遍歴①にも書きましたが、アルバムの曲順には、アーティストやプロデューサーが想いを込めたコンセプトが感じられます。
CDの場合は、オープニングからラストまで一気に聴ける事を想定した起承転結で曲順を構成します。
レコードにはA面、B面が有るので、途中でひっくり返すためのインターバルが有ります。A面のオープニング~ラスト、ひっくり返してB面のオープニング~ラスト、と芝居で言えば幕間を挟む起承転結の構成に、ひと工夫もふた工夫も有ると、ファンにはたまらない名アルバムとなります。
レコードの調達
財布の中身が寂しい高校生は、当時2,500円の国内盤はなかなか買えませんでした。
輸入盤
輸入盤は、国内盤とは違い、帯やライナーノーツ(解説や歌詞が印刷された紙や冊子)が付いていません。また、反りで波打つように歪んでいる事が多く、あまり反りが酷い場合は針飛びでまともに聴けない事もあります。
その分、価格は安く、当時だいたい1,800円前後で買えました。
学生時代に良くウロウロしていた渋谷に「CISCO」という有名な輸入レコードショップが有りました。たまに掘り出し物があったり、気になるアーティストやジャンルのレコードを物色しに、月に2~3回は通っていましたね。
貸しレコード屋
邦楽は、地元の貸しレコード屋を良く利用していました。
マスターが幅広いジャンルの音楽通で、顔馴染みになると、それまで借りたレコードから、系統の似たアーティストをおススメしてくれました。
輸入盤が手に入らなかったプログレッシブロックのアルバムを借りると、他のプログレのバンドを教えてくれたり、邦楽の好みから、ナイアガラトライアングルを薦めてくれたり、音楽の幅が拡がったのは、このマスターのおかげでした。
思い付くまま、レコードにまつわる思い出でした。