「進化」と「真価」の駄洒落を思い付いてしまったので、せっかくだからITと人間に掛けて投稿を考えてみました。
最近「AIが人間の思考力や考察力の低下を招くリスクが有る」という記事を見かけます。
このような議論は、AIよりも前から有りました。
「ITが人間のスキル低下を招く、人の仕事を奪う」という論調は、ITの進化の話題が出る度に、繰り返し語られてきました。
パソコンの功罪は昔から有った
パソコンを使い始めてから、文字を書く機会は明らかに減りました。
最近では、ちょっとしたメモや付箋くらいです。
学生時代に覚えた漢字や熟語は、今でも読めますが、書けない漢字が増えました。
読みを入力すれば漢字に変換されるので、日常で困る事はほぼありません。
僕は字が下手なので、美しい文字が書ける人は羨ましいですが、僕自身は手書きが必要な仕事をしている訳ではないので、必要最低限のメモが書ければ、困る事は無いでしょう。
しかし、その前提として、正しい漢字を知っていて、読める事、意味が分かる事が必須要件です。
漢字変換で同音異義語の候補が並んだ時、正解を選べる事、誤字に気付けるスキルが必要です。
また、「文字」ではなく「文章」となると、その内容を自分の言葉で表現する文章力や構成力が求められます。
文書をデータとして保存し、アウトプットするために、ITは役に立ちます。
しかし、ITは省力化のための道具であって、その中身は使う人のスキルによって創られるんです。
AIを道具として使おう
AIの功罪のうち、課題として挙げられているのは、主に次の2点のようです。
・AIの回答を鵜吞みにしてしまう。
・自分で考えなくなる。
①AIは結構間違える
AIは、膨大な情報の中から、必要な情報をかき集め、整理して分かりやすくまとめてくれます。しかも、推論機能によって、情報を関連付け、補完し、説得力のある回答を示してくれます。
しかし、元となる膨大な情報は玉石混交。真偽が不明だったり、古くて誤っているものも混ざっています。
最近のAIは、「AIは間違える事が有るので、ちゃんと確認してね。企業の重大な意思決定にそのまま利用しないでね」みたいな予防線を張って来る事もあります。
つまりは、そういう事なんです。
なまじ説得力があるので、つい信じてしまう気持ちは分かります。
しかし、エビデンスとして提示されているページを確認しても、そんな事書いてなかったり、曲解と思われる拾い方をしていたり、そもそもエビデンスが無い回答が含まれている事もあります。
AIは、膨大な情報から関連すると思われる情報を集めて、整理して提示してくれる道具。
中身が正しいかどうかを判断するのは人間の重要な役割です。
正しいかどうかを確認するプロセスで、自分自身の知識や経験値を積み上げるのが、AIを道具として使うコツではないでしょうか。
②AIは指示した事以上の事はしてくれない
AIは既にある情報から必要な情報をまとめるのは得意ですが、どこにも無い新しいアイデアは生み出してくれません。推論機能が有っても、集めた情報を関連付ける際に補完する程度です。
新しいアイデアを生み出すには「ひらめき」が必要です。
違う視点から見直して、隠れていた発見や気付きを得て、想像力を働かせる事で、何もなかった処から新しいアイデアを発想する。
それを形にする「創造力」も必要です。
これまで人間が頭の中で行っていたプロセスですが、今はAIを道具として使う事ができます。
例えば、「○○という観点でまとめて」「○○を活かした案を出して」のように、自分の着眼点や発想を具体的な指示としてAIに与える事で、案としてまとめてくれるのはAIが得意とする所です。
考える主役は、あくまで自分。AIを道具として使いこなすためには、指示するスキルが求められます。
進化の先で問われる真価
ITも含めた科学技術は日々進化しています。その恩恵を受けて、僕たちの生活も便利になりました。
昔は1~10まで自分でやらなければいけなかった事が、今では自動化・機械化・IT化によって8くらいまではやってもらえるようになった気がします。しかし、残りの2でゴールして安心してしまうと、そこで進化は止まってしまいます。
ゴールを達成しても、そこで立ち止まらず、その先に新たな道を切り開く。次のゴールを設定し、そこを目指す。
それは、ITには任せられない領域です。
どれだけ科学技術が「進化」しても、人間にしかできない領域があります。
・AIに的確に指示を出す
・AIの回答の真偽を正しく判断する
・新しい発想をひらめく
・新しい価値を生み出す
それが、人間に問われる「真価」なのではないか、というのが、タイトルの真意でした。
人間が価値を生み出す領域、ITに任せられる領域。
住み分けの境界線は曖昧だし、時代によっても変わります。
歩みを止めず、楽するために頑張るのも楽しいですね。
あとがき
AIの仕組みを生み出したのは人間です。
AIに情報の処理のやり方を教えたのも人間。新しい知識を学習する事、推論する事を覚えさせたのも人間。
そんな事ができるのであれば、AIに「ひらめき力」や「発想力」を与える事もできるようになるでしょう。さらに「感情」を教える事も。
その先に、マトリックスやターミネーターの世界が現実となる未来が有るのかもしれませんね。