今日はこんな記事です。
女性の社会進出を促進すると出生率が高くなる、という傾向があり、その促進が少子化対策として重要だと考えられています。
ただ、出産・育児というイベントと就業をどうやって両立させるか、という大きな問題があります。
産休や育休を拡大することで両立を可能にするということは不可欠です。
一方、企業(雇用側)には、休暇を取る間、どうやって業務を維持するか、という課題が生じます。ここをどうするのか、という議論があまりない、という印象をもっています。
今回ニュージーランド首相が産休に入りますが、産休中は副首相が首相代理を務めるのだそうです。人員の補充なしに業務を維持しようとしているわけですね。
人員の補充なしに業務を維持しようとするなら、しわ寄せは「残された人々」に集中することになります。今回は産休をとった閣僚が一人だけなので何とかなるのかもしれません。しかし、二人、三人と休むことになったらどうするのでしょうか。
先日、ある保育園で、保育士の出産スケジュールが園から指定されている、ということが話題になりました。ひどい話だと思いますが、保育士不足の現在、休む人が増えれば園の維持が成り立たないことも事実です。
人員の補充をするというやり方もあると思います。しかし、補充される側の生活を考えている人がどれだけいるでしょうか。補充される側は、産休が終わればまた職を失う運命にあります。このような不安定な就業にある人が、子供を産む余裕があるでしょうか。
女性の社会進出の促進は、様々な意味で良いことだと思います。一方で、それを維持するためには社会が相当努力することが必要なはずなのです。その「努力」についてあまり議論を進めずに、社会進出だけを無理矢理促進しても、歪みが大きくなり、「女性が社会進出するとうまくいかなくなる」という不満をためることになりはしないか、ということを危惧します。そうなると、例えば「建前では女性の社会進出をうたうが、実行を伴わない」「進出を許容される女性の数が絞られる」といったような本末転倒な事態になるのではないかと思います。
メディアの報道のしかたを見ていると、負の側面をあまり見ていないなあ、と思います。今回のケースでも「首相不在で政治が成り立つのか」といった観点の報道を見つけられませんでした。「女性の社会進出は絶対的な善であり、ネガティブな面に言及してはいけない」と考えているように見えます。しかし、目をつぶっているだけでは、どこかに歪みを生じさせることにならないでしょうか。物事を成功させるためには、正負両面をきちんと考えてほしいものです。
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