アーシャオ・ショック〜お風呂入れず今日で95日 | ひさもとみきしょうじ

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連続ブログ小説「ケータイサラリーマン橋ユキヨ」[あらすじ]東京にある架空の商社「ひさもとみきしょうじ」で新規事業の"ケータイコミック"サイトのコンテンツ営業をする橋ユキヨの明日なき戦いを描く物語?!

人は何故間違いを繰り返すのか…これでは昨年10月のレツェリアと同じ


天城小百合先生が秋田書店さん以外で初めて描いた漫画「アーシャオの鏡」旅の魔法使いミューレンと不思議な鏡との出会いから始まる物語。桜桃書房さんのALL読み切りコミック『GENEROUS(ジェネラス)VOL.23』(1996年11月)にこのアーシャオの鏡が掲載され、その後ALL読み切り隔季刊誌『GENEROUSスペシャル1997年夏号』(GUST増刊9月号)に続編「Lovers Magic」、『GENEROUSスペシャル1997年冬号』(GUST増刊1月号)に三作目「雪色小夜曲(セレナーデ)」が掲載…アンソロジーコミック、季刊誌と掲載の場を移りながらも、ミューレンとアーシャオの物語を紡いでいったわけですが


ミューレンとアーシャオの旅がその行く末にたどり着く事は、無かった。


魔天道ソナタの後に描かれた作品レツェリアと同じく、このアーシャオの物語も最後まで描けなかった、物語の中の彼らの人生はそこで止まったまま…天城先生はその思いを哀しみを記憶の奥底に封印していたのに


GUST本誌ではファンタジーものではない「天使の呼吸」を同じ1997年の2月号、「花の屍」(前後編)を7、8月号に描いていて、それぞれに人間の深淵を描いた佳作でしたが、GUST本誌のカラーとしてファンタジーは了承されず


そして、季刊誌・アンソロのGENEROUSも本来はファンタジーが掲載されるカラーでは無かったから、アーシャオの物語も三作目で打ち止めになったのでは


あと二、三作目は女性を物語の中心に男女の恋愛を描いてしまっていて…心の弱さやコンプレックスによって、間違うすれ違う複雑な人間の機微がサラッと、でも深く描かれているのですが、如何せんBL雑誌なのでそれもいけなかったのかも


私が到着した5/13(月)深夜時点で小百合さんはお風呂に入れないまま90日が経過していて、前回の入浴は2/13(火)…私の2月上旬の訪問の最終日、3月末の訪問時は予定より一泊増やしたけれどそれでも入浴出来なくて…春の不安定な、生暖かい水分を多く含んだ空気、春の匂い、それに比して夜は急激に冷える昼夜の厳しい寒暖差、いや昼夜どころか一日の中でも気温・気候の乱高下があって、その激しい気候の変化に小百合さんの身体は翻弄される、皮膚が炙られ肉体が腐り落ちる疼痛と肉体が絞られる脚が何かに押し潰された疼痛が入れ替わり立ち替わり、或いは同時に起こる、ここ数年厳しくなった春の気候に合わせて小百合さんの病状も激化


上記の痛みを基本にそれだけではなく、更年期型膀胱炎による、叫び続けても出ない排尿困難・おぞの症状も、流涙症…下まぶたに常に涙が溜まっているのに出せず、目全体に涙の膜が掛かっていて、逆まつ毛が角膜を傷つけるにつれてその症状も悪化…まぶたの中に何かがある違和感、そんな目の状態だから触ってしまい結膜炎らしき症状も…酷い目の痒み、ヘバーデン結節による指の痛みと変形も…左手から始まったその症状は右手に、右手だけは!と願って一旦止まったかと思ったその右手も症状は進行して


それらの病状を中心に、時間を掛けた丁寧な歯みがきが裏目に…歯ぐきが下がって歯髄神経が露出した歯の歯みがきは毎回叫びながらの苦行でしかなく…そのせいもあって一日一食に、それでも生命活動の為に食事しなければならないし、これだけ辛い暮らしの中で食後のお菓子だけがささやかな癒やし、でも毎回辛すぎる歯みがきをなかなか出来ないでいる結果虫歯らしき痛みも出てきて、など他にもさまざま病状が…これまでの病状ひとつも治らないまま増えていく一方なので


こんな健康状態なので外出どころか家の中の、トイレや台所までの移動もままならず、足許はおぼつかず何回か転倒も…片付けも出来ず物の多い家なのが幸いして大怪我には至ってないけれど、部屋から出てすぐの廊下で転んた時は青あざに


一方で基本の症状である疼痛を緩和させる薬、リリカとリボトリール、飲んでも効かなかったり効いてる時間が短かったりしますが、恐らくそのリボトリールの副作用…もともとてんかんの薬なので本作用とも言えるのかもしれませんが、服用後突然脚の麻痺が起こる事もあって、それを咄嗟に支えた時その支えどころが悪いとすぐ肋骨にひびが…自然治癒するレベルではありますが、最近では寝返りや、昼夜逆転どころか2、3時間の細切れ睡眠に悪化している小百合さんの睡眠環境ですが、細切れ睡眠を繰り返した末に限界が来るのか一定時間まとまった睡眠、それでも5、6時間とか、のタイミングが訪れるのですが、その時仰向けで微動だにしないで寝ているだけなのに肋骨にひびが


そんな小百合さんがひとりで外出するのはもはや危険なので、一緒に婦人科と眼科、そして買い物に出掛けるのが私の毎回の訪問の大きな目的、通院介助や移動支援を使ってヘルパーさんに連れて行ってもらうのは事前の予約が必要なので、小百合さんの目まぐるしく変化する病状では難しく、それでもヘルパーさんに協力してもらって、勿論小百合さんも頑張って連れて行ってもらった事もありますが、やはりドタキャンのリスクはヘルパー事業所さんとしても避けたいだろうし、小百合さんにしてもプレッシャーなので、私の訪問時に行くしかない


婦人科は結構歩きますが歩いて行ける距離ではあるので、ひとりで行く決断もありますが転倒のリスクは高い、しかし短い距離をタクシー移動するのも避けたい、金銭面もありますが一番は近所の目…自分のこの複雑で多岐にわたる病状と苦しい暮らしが近所の皆さんに理解されているとは思えない、なのにタクシーなんか乗るところを見られたら余計誤解される、足許弱ってるからこそ歩ける距離は歩きたいし


なので私と一緒に婦人科と眼科そして買い物、その為にまず93日入れていないお風呂に入ってもらわなきゃいけなかったのに


おとつい5/16(木)、前から気になっていた昔天城小百合先生が描いた青髪の少年の画像に関するツイートがあって、その事は天城先生にも伝えてあって、ふとしたタイミングで見てみようかとなったのですが


それがアーシャオで


心の奥底に鍵をかけて封印していた、アーシャオの物語、打ち切りで最後まで描けなかった悔しさ、アーシャオやミューレンへの申し訳無い気持ち、哀しみが一瞬でよみがえり溢れかえって慟哭、けれどあまりに哀しすぎるからか涙が出ない、泣きたいのに涙が出ない


昨年10月のレツェリアの時と全く同じ…これも私がレツェリアもアーシャオも名前しか知らないにわかファンなせいでもあって、ならばなおさらもっと慎重に対処すべきだった


天城先生はすぐに普段立ち入らない部屋の本棚から上記GENEROUS3誌を取って来て、アーシャオ3話分を何十年かぶりに読み返して、私にも読ませて下さり、また桜桃書房さん単行本GUST COMICS「天使の呼吸」(天使の呼吸、花の屍(前後編)収録)、そして学研さんのボーイズラブ・テーマコミックアンソロジー『夜想曲(ノクターン)Vol.1』(「カイザードール」収録)も取って来て続けて二人で読んで…アンソロジーのタイトルが夜想曲だった事にも驚いたり


心が痛くなる切ない展開の中に関西人らしい笑えるくだりにクスッとしたり、感情を揺り動かされながらも、やはり天城先生の精神的ショックは大きかった様で、涙が流せない分ついには過呼吸になったり


恐らく学研さんでのお仕事の前、GUST本誌最後の作品「Only Creature」(前中後編)の話や、現時点で商業誌最後の作品、秋田書店さん『プリンセスGOLD』掲載「Heart Eater」とその続編の構想、そして講談社さんWebコミックサイト『MiChao!(ミチャオ!)』連載「あ〜ん お口に幸せサプリ」当時のプロットノート、キャラクター原案イラストを交えながら、連載作品が幸せサプリに決定するまでの紆余曲折…私もTwitterで相互フォローさせていただいているまさとさん( @sakaimasato3816 )が作って下さったファンサイト(1月頭に作って下さったのにここまで触れられずに来て申し訳ありませんでした)内のLINKから、インターネットアーカイブ社さんがウェイバックマシンで再現した、今は存在しない天城先生がご自身で運営していたHPのアーカイブに行って、ギャラリーページのイラストを絡めて話をしたり…あくまでアーカイブで最終データでは無いので掲載イラストに抜けがあるらしく天城先生も残念がっていましたが


翌17日もこの話題は続き、私には以前聞いたエピソードはより深く、新たなエピソードもたくさんあって至福の時間だったのですが、天城先生にとっては自身の作品の力で少しずつ気持ちを立て直しつつも、やはりその作品達を最後まで導けなかった、その無念の気持ちを再び封印するなど出来るわけもなく


「最後に一つだけ、キャンとハイネの物語だけは描かせて!」という祈念から、昨年10月のレツェリア、そして今回のアーシャオの物語やカイザードール、Heart Eaterだって続きがある、同人誌も含めれば『聖母の左手』(前後編/『地球へ…』同人誌)も、自身の希望では無かったラブコメ作品のあ~ん お口に幸せサプリだって必死に一生懸命描いたから完結させたかった、みんなみんな描き上げてあげたい!心境に…でもそんな事出来るわけが無い、それどころか病院も買い物も、日々の生活さえままならない


この胸の中でぐるぐると渦巻くどうしようも無い感情…この気持ちを立て直して、せめて病院だけでも連れて行きたかった


昨夜そんな気持ちの中でも私を労って、私の好きなお寿司、宅配寿司をとる事に同意してくれたのですが、まぐろのずけ丼を注文した小百合さんは食べたまぐろが筋ばっていたせいで噛み切れず、やむを得ずある程度で飲み込んだら喉から胃にかけて激痛が走り、暫く苦しむ事態になって、回復したから良かったけれど


私はやるせない、というかドッと疲れが出てしまって


今回のアーシャオの件は確かに小百合さんにとって大きなショックなのは分かるけれど、あまりに精神的ショックが体調に反映し過ぎる、思いも寄らない事が大変な事態になる…私も月曜深夜から金曜日まで居て、これらの出来事に、お風呂に入れないから病院に行けないこの事態についに心がついて行けなくなったというか


小百合さんは細切れ睡眠とはいえ昼夜逆転だから夜起きているので、何とか夜から明け方にかけてお風呂に入って、本日5/18(土)朝から婦人科、そこから眼科そして買い物…私が今回はどうしても外せない用事がいくつかあって明日19(日)に帰らなければならないので、このスケジュールがラストチャンス、小百合さんも気持ち的に無理してでも行こうとしていたのに


私が限界で寝てしまって、それでも午前6:30には起きたんだけど…それでは間に合わない、小百合さんのお風呂は時間が掛かって、ましてや今日で95日目だから彼女が「垢擦り」と呼ぶ全身くまなく擦り洗いするのも時間が掛かる、なのに上記の通り体力も無くなっているから回復も含めると最低3時間は掛かる、そして土曜日なので婦人科も眼科も午前診のみ…結局最後は私のせいで今回も何も出来ずに終わるのか


いや私の軽率な行動でアーシャオを呼び起こしてしまったので、そもそも私のせい


買い物と書いているけど、小百合さんの生活環境を少しでも改善する為の買い物や、Wi-Fi環境を改めて整えて、また漫画が描けるように、組立式の簡易机はもう買ってあるけど、彼女がゴミ屋敷と呼ぶこの家を机のスペースだけでも片付けて、購入を決めていた椅子が製造終了?してしまったので、改めて椅子をニトリさんに行って選び直して買って、iPadとApple Pencilを買って…指の病気があるのでペンと墨汁はもう無理との苦渋の決断、道具だけじゃなく実際に来て手取り足取り教えて下さる方も見つけなきゃいけないけれど、取り敢えずその第一歩を踏み出したかった


そして実はアニメイト池袋本店さんで本日5/18(土)〜6/2(日)の期間で私達の大好きなアニメ『Vivy-Flourite Eye's Song 』の原画集発売記念ミニ展示会が開催されていて、原画集は既にネット注文済だけど


実際に行って原画を見たい!買えなかったヴィヴィとグレイス、あとエステラのアクスタやシンギュラリティTシャツ、新たにグッズが出ていたら欲しい‼


そんな小百合さんの願いを叶えたくて、19(日)に私が帰る時に一緒に連れて行こうと決断したのですが…私が大阪に向かう直前に小百合さんからやっぱり無理だとなって


確かに小百合さん宅で5日間程度も頑張りきれない私が出先で小百合さんを支える事など土台無理だったのかも…今日の事態に陥るまでは開催期間中に移動支援なり、何とか小百合さんが自力で上京して、私が東京駅まで迎えに行って展示会に行くというプランを小百合さんが言って、私もそれで頑張ろうとなってはいたのですが


今回意図せず魔天道ソナタ以降の天城小百合先生の自分の描きたい漫画を描く為の旅を振り返る事になって、その旅は何度心を折られても、何回倒れても立ち上がる、戦いの日々


レツェリアの挫折から、それでも秋田書店さんで続けながらも、桜桃書房さんで新たな活路、アーシャオを描き、秋田さんでHeart Eaterを描くまでに恋愛と失恋、母親の死と妹の措置入院を経験、妹と再度暮らそうと決断したところで病気を発症、今に続く闘病の始まり…妹との同居断念、講談社さんMiChao!でのあ〜ん お口に幸せサプリの時に病気を抱えながらも漫画専門学校講師に、そして同人誌聖母の左手をきっかけに予期せぬ講師解雇…天城先生の人生は常に漫画と共にあった、満身創痍でも前に進む戦いの日々であって


今回改めてその人生の一端に触れられた事は私の財産であって、と同時に私と出会ってからの13年はついに心が折れた、或いは心ならずも漫画と離れ離れになってしまった13年…キャンとハイネの物語は天城先生の中で育ち続けながらも、未だ着手には至らない、至れない13年であったのだと改めて実感


今回もまたこんな事態に陥ってしまった事も含めて、何の力にもなれなかった自身の非力に申し訳ない気持ちでいっぱい


今回起きた事、アーシャオや最後まで描けなかった作品達への悔しく哀しい気持ち…それらを本当は天城先生ご自身で皆さんに伝えたい!と願っていましたがそれも叶わず、代わりに私がブログに書くと申し出ましたが、その引き換えに今回の訪問で病院と買い物に行く最後のチャンスを潰して、今に至ります


どうか皆さん、それぞれ皆さんの出来る範囲で結構ですので、天城小百合先生を助けていただけないでしょうか


また今回の出来事で天城先生は、魔天道ソナタ以外の作品を皆さんに知って欲しい、そして是非読んで欲しいとの思いを改めて強くされました


魔天道ソナタ全20巻、蛍火幻想全1巻、グリーン・ベール全2巻は単行本(魔天道は文庫全10巻共に)絶版ですが、古本と電子書籍でそれぞれ収録されている短編も含めてほぼ読む事が出来ます…もし良かったら電子書籍で購入いただけると天城先生にロイヤリティが入るので有り難いです


レツェリアは単行本1、2巻、古本で入手可能です


天使の呼吸と花の屍は上記の通り単行本『天使の呼吸』として一冊にまとまっていて、古本で入手可能


しかしアーシャオの鏡ほか計3話分、Only Creature前中後編、カイザードール1話分、Heart Eater1話分は単行本未収録作品の為、現状それぞれ当時の掲載誌を入手するしかありません


またあ〜ん お口に幸せサプリ1巻は古本と電子書籍で読む事が可能ですが、四話分(10〜13話)未収録です


その他同人誌を入れると、魔天道ソナタ裏本『夜想曲』(番外編「純白のオブジェ」の後日談)や「地球へ…」キスマツ本『聖母の左手』(前後編)など、何冊かあります。これらも基本古本を探す形になりますが、要望が大きければ再版したい気持ちもありますし、実は聖母の左手については残念ながら15年前から玄関に在庫が積まれていたりします


天城先生の一番の願いは漫画家として復帰して、キャンとハイネの物語を描き上げる事ですが、それ以外に


・原画展をやりたい

・ファンの皆さんと昔みたいにお茶会がしたい

・ファンの皆さんで後援会を結成してもらって、一番の願いを始め、願いを叶えるその後押しをして欲しい


といった願いをもっていらっしゃるのですが、もう一つ


・単行本未収録作品をまとめて単行本化(A5判希望)


この願いが叶うならば、アーシャオの鏡をはじめとする単行本未収録作品が一挙に読みやすくなりますが


昨年2023年9月6日が魔天道ソナタ連載終了から30年で、そこから一年の間に上記の願いのどれか一つでも叶えられたら、と私も願って来ましたが


現実は小百合さんを病院に連れて行く事も、お風呂に入れる事も、身の回りの生活を何か一つでも改善する事もままならない、あまりに非力な私


とはいえどれも簡単に叶えられる願いでは無いとも思います…私も自分の出来る精一杯で引き続き叶えるべく頑張りますが


皆さんも出来る範囲で、もし良かったら入手可能な作品から読んでいただいてその感想をTwitterなどで呟いていただくなど


その出来る範囲で天城小百合先生を応援していただけると本当に有り難いです


どうか何卒宜しくお願い申し上げます。





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