パンドラの箱〜レツェリア | ひさもとみきしょうじ

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連続ブログ小説「ケータイサラリーマン橋ユキヨ」[あらすじ]東京にある架空の商社「ひさもとみきしょうじ」で新規事業の"ケータイコミック"サイトのコンテンツ営業をする橋ユキヨの明日なき戦いを描く物語?!

天城小百合先生が魔天道ソナタの連載を終えた後に描いた連載作品「レツェリア」


魔天道ソナタと同時期にたまたま複数の作品が連載終了したので、同時に5話完結の短期連載をスタートさせ、人気のあった一作品のみ引き続き連載を継続させる、という企画を新編集長が立案、そこで天城先生が描いた作品がレツェリアだったわけですが、残念ながら継続する一作品にはなれず


5話で終わらせなければならなかった為、物語の始まりからしばらく設定の説明に終始してしまった、またクライマックスから終わりに向かって駆け足になってしまったかも…本来まず連載を始めて、ある日ラストシーンが降りてきて、以降はそこに向かって描き進める、或いはある場面、クライマックスが降りてきて、そこまでどう繫げ、どう終わらせるか、いわば見切り発車でスタートさせて連載を続ける中で物語を紡いでいくタイプなので、率直にこういった短期連載は向いていない、けれど魔天道ソナタと変わらず魂を込めて描いた


5話で完結させる約束なのでそれを守って描いたけれど、その先の物語も考えていたし、その伏線も散りばめた…けれど継続する一作品に選ばれなかったから、それらの伏線も明かされないまま


とても哀しかったし悔しかった、美礼くんやフィンセルにごめんねって


人気投票の結果とはいえ、思えばこの企画が今に続く天城先生の不運の始まり


当時編集局長に昇格していた前編集長から「もし自分が編集長を続けていたなら(短期連載で競わせたりはせず)連載を続けさせていた」と言われ、慰めの言葉だったかもしれないけれど、それが無念の気持ちをさらに強め


結果天城先生はレツェリアを心の奥底にしまい込んだ


そしてそれ以降天城先生の作品が完結までたどり着く事は無かった




それから28年…




前から気になっていた、とある天城先生ファンのツイート、そこに写るお弁当を包む布に描かれたイラスト、その天城先生が描いたと思われるキャラクターは


「美礼くん!奈月ねえちゃん!」


読者プレゼントのレツェリアバンダナ…