私はチビに熱心に将棋を教えていますが、チビにプロ棋士になって欲しいとは思っていません。

 

誤解のないように言っておくと、プロ棋士になるな、と積極的に言っている訳では全然なくて、単に自分の人生は自分で決めて欲しい、と思っているだけのことです。

 

チビ自身が自らの意思で棋士を目指すなら、というか、それが棋士でも医者でも起業家でもなんでも、それが彼自身の意思決定ならば彼の意思を尊重して親として全力で応援したいと思っています。

 

一方で、棋士もそうだと思いますが、幼少期の環境や親の意向によって、その道で食べていく、いわゆるプロになれるか、が決まることも多いのが今の世の中です。

 

例えばヴァイオリニスト。

 

レッスンだけでも相当、親の資力が問われます。また、プロを目指すならば学校の勉強などする時間があれば、練習せよ、というのが普通の世界なので、子供の意思とはほぼ無関係に、その子の進路は決まっていくようです。

もちろん親と本人の意向が仮にマッチしても、更に才能と本人の努力が伴わない限り、簡単にプロになれる訳ではないですから、より事を難しくしているようです。

 

翻って将棋はどうでしょうか?

 

私が知る限り、親がスパルタで将棋を教え込みプロにさせた、という例は単にそれほど喧伝されてないだけなのか、あまり聞きません。

 

ただ一般的には始めるのは早い方が良い、という印象は受けます。

 

少々前置きが長くなりましたが、過去のインタビューなどを紐解き、最近のプロ棋士がいつ将棋を始めたか、を調べてみました。

 

(敬称略)

 藤井聡太:5歳

 大橋貴洸:小学4年

 都成竜馬:不明(自然に覚えた、とのこと)

 井出隼平:不明

 佐々木大地:3歳(はやっ!)

 高野智史:5歳

 近藤誠也:5歳

 青嶋未来:6歳

 梶浦宏孝:5歳

 増田康宏:5歳

 黒沢怜生:小学1年

 星野良生:5歳

 宮本広志:小学1年

 石井健太郎:幼稚園

 三枚堂達也:幼稚園

 千田翔太:5歳

 竹内雄悟:幼少期(としか調べられず)

 上村 亘:不明

 石田直裕:不明

 渡辺大夢:5歳

 斎藤慎太郎:不明

 八代 弥:不明

 

直近の三段リーグ59期昇段者から50期までを遡る形で調べてみました。

 

佐々木大地四段(先日の叡王戦お疲れ様~^^)の3歳が最も早く、4歳は何故か一人もおらず、その後5歳が多数ならぶ展開。そこに小1がちらほら、という感じですね。

 

ですから大橋貴洸4段が小4スタートというのは物凄く遅いスタートのようにも感じます(※私個人的には何事も遅すぎることはないと思いますし、プロになられた大橋四段は立派です)。

 

同時に22人中6人(約27%)も「不明」がいるのも不思議です。先日の将棋日本シリーズでも上位者へのインタビューは決まって「将棋を始めたきっかけは何ですか?」なので、過去何度も質問される機会があったような気がするからです。

 

ちなみに羽生さんが将棋を始めたのは小学1年の頃だそうです。