SGLT2阻害薬やマンジャロなど,肥満タイプの糖尿病に好適な薬ばかりが話題に上るので,イメグリミン(ツイミーグ)はどうも影が薄いようです.
ただこれまでに報告されている作用メカニズムを見る限りは,日本人の 特に痩せ型の2型糖尿病にはもっと使われてもいいと思っています. ただし,そう断言するには あまりにも実際の投与症例報告が少なすぎます.
ご興味のある方はご覧ください.
SGLT2阻害薬やマンジャロなど,肥満タイプの糖尿病に好適な薬ばかりが話題に上るので,イメグリミン(ツイミーグ)はどうも影が薄いようです.
ただこれまでに報告されている作用メカニズムを見る限りは,日本人の 特に痩せ型の2型糖尿病にはもっと使われてもいいと思っています. ただし,そう断言するには あまりにも実際の投与症例報告が少なすぎます.
ご興味のある方はご覧ください.
戻ってまいりました.
兄の初盆の法事の手配など済ませて,一旦引き上げてきました.会社員時代から,何事も「段取り八分」,事前準備さえおこたりなければ まあなんとかなるだろうと.
(C) すうすうすう さん
田舎も暑かったのですが,何というかただ暑いだけ. しかし,都会のこの暑さは皮膚がピリピリするような暑さですね.目もチカチカするので光化学スモッグも出ているのかも.
実家の周辺では田んぼがエラいことになっているというので大騒ぎでした.
これです.
千葉県でも発生しているようですが,ジャンボタニシが青々と育った稲を根こそぎ食べてしまうのです.
(C) NHK
水面が見えている部分は稲を植えなかったのではありません.完全にジャンボタニシに食べ尽くされてしまったのです. 実家回りの田んぼもこうなっていました. 夜の間にゴッソリとなくなることもあるようです.
私が子供の頃に見かけた日本在来種のタニシはもっと小さいもので,こんな大きなもの(最大6cmほど)はいませんでした.形も在来種とはまるで異なる外来種(南米原産;1980年代に食用として輸入されたが普及せずに放置して野生化した)です.
農林水産省でもジャンボタニシの駆除・発生防止対策を解説しています.
なにしろ繁殖力が強いので,一匹一匹 手作業で駆除するのは不可能です.農薬駆除はたしかに有効なのですが,有機農法が流行りの現在ではなかなか困難でしょう.
ただし農薬を使わずに,田んぼの水を精密に浅く(4cm以下;理想的には1cm程度)に保つことによって ジャンボタニシが移動できなくしてしまう(=したがって稲を食べられず餓死する)方法もあるようです.
田植え後の浅水管理 農水省
この記事にも書きましたが,田んぼの水を管理するということはこんなところにまで影響するのです.
ただ今や日本全国のどこもそうなのでしょうが,高齢化しているコメ農家にとっては どの方法であれ限界があります.NHKのニュースでは スマホで田んぼの水深を自動監視するリモートセンサーの活用が紹介されていましたが,これを使っても 実際には頻繁に水面の上げ下げ操作を行わねばなりません.
当たり前のことですが,医師と患者とは信頼関係で成り立っています.
つまり,医師の言う通りにしていれば 悪いことにはならないだろうと.
しかし,患者が医師の指示に疑念を抱いたらどうなるでしょうか.
ご興味のある方はご覧ください.
なお, 明日より再び 実家に行ってきます.ブログはしばらく休載します.
農業用水
前回記事では,豊かに実る水田の稲を実現させるには,10アール(=1,000m2)あたり,2,000~3,000トンという大量の水が必要なことを示しました.
それならば いつも大量の水を田んぼに流し続けていればいいだろう,というわけでもありません.稲の生育に合わせて,水を減らしたり増やしたり,あるいは 数日ごとに完全に水を抜いてはまた水を一杯に満たすということをくり返す必要があるのです.
しかも田んぼの水位は常に変動しています. 下図のように流入・流出する水量の差だけでは水位は決まらないからです.
水田の水位は,何もしなければ 蒸発・浸透により下がっていきます. また降雨などで流入する水が多ければ 水位はどんどん上がってしまいます.
水田が要求する多量の水を常に供給し,しかもその水量を自在に加減できるようにするために,現在では 農業用ダムや水利施設(配水塔,用水路など)が備わっています.
これは富山県の例ですが;
総延長 11,210kmの農業用水路が富山全県に張り巡らされています.
これらの農業水利施設により,非常に広い面積の水田の水位を一斉に上げたり下げたりすることができるようになりました.それは各用水路の取水口,排水口に設置された水門(ゲート)の開閉で制御できるからです.
分水ゲート (C) 富山県農業用水路安全対策ガイドライン
ところで 台風・豪雨などの際,高齢者が『田んぼの様子を見に行って』用水路などに転落して死亡するいたましい事故が報道されます.
コメ作りがどんなものかを知らない都会の人は『危険なことはわかっているのに,わざわざ田んぼを見に行くとは 何と愚かな』などと思うでしょう.
しかし亡くなった人は 単に田んぼを『見に行った』のではないのです. 田んぼの水位が高くなりすぎて稲穂が冠水していないか,流入水量と排水水量は バランスしているのか,今後の雨量からみて それはどうなるのか,これらを慎重に判断して,取水/排水 水門のゲートを開閉するために『田んぼの様子を見に行った』のです.単なる好奇心ではありません.
しかも水門を開閉しただけでは終わりません.地域の田んぼ全体の水位が予想通りになるかどうかは,かなり長時間 観察していないとわかりません.上記の分水ゲートの写真を見れば,夜間・豪雨の真っ最中に この水門を開閉することがどれほど危険な作業かはおわかりいただけるでしょう.もちろん これが命がけの作業であることは 何よりも当事者が一番よく知っています.
報道関係者は 農業のことをよく知らないので,なぜ危険を顧みず『田んぼの様子を見にいった』のかが理解できずに,ああいう報道になるのでしょう.
実家からの帰途 本屋に立ち寄ったのは ある冊子を買い求めるためでした.
『いくら何でも もう発売されているだろう』と思ったからです.
ところが...
ご興味のある方はご覧ください.
この季節に自宅と実家を頻繁に往復すると,新幹線の車窓から一面に広がるみずみずしい水田風景に 心がなごみます.
この水田風景は,ほとんどの日本人にとっては,『日本の自然』そのものであると認識されているでしょう.
私の故郷にはまさに この里山と水田の風景があるので,都会から来た観光客には『わあ,自然ってすばらしい』と言ってもらえるのですが,それを聞くと いつも苦笑します.
なぜなら,米作り農家にとっては『水田が自然そのもの』なんて とんでもない,それどころか おそろしく人手をかけた,いわば『人工物』であることをよく知っているからです.
水田の水管理
田植えの時には,水田の全面に水を張りますね.
で,田植えが終わればあとはそのままで,稲刈りの時になってはじめて水を抜いて田んぼを乾かすのだろうと思っている人は多いようです.泥田のままでは 足をとられて稲刈りができませんから.
[余談] 現在ではコンバインを使って 稲刈りから脱穀まで一気にできますが,私の子供の頃は手作業での稲刈りを手伝わされました. しかも私は左利きなので,自分専用に鎌の刃の向きを左利き用に研ぎ直したものを使っていました.
ですが,それは完全に間違いです. 水田の水位は もっときめ細かく 上げたり下げたりするのです.つまり 水を抜いたり また水を張り直したり,これを頻繁に繰り返します. そうしないと コメが 期待通りの収穫量になりません.
これらの記事に解説されているように,ほとんどの人が想像するよりは ずっと頻繁に,田んぼの水位は上げ下げしているのです.
この水管理の巧拙によって,秋のコメの収穫量と品質は大きく変わります.
水こそ我が命
これだけ頻繁に田んぼの水を抜いたり張ったりすると,当然ですが 多量の水が必要です. 一旦抜いた水は下流に流れ去ってしまうので 新たに水を張る時は 上流から流し込まねばなりません. つまり 水田とは,膨大な水を要求するのです. (なお,このように水田はいつも新鮮な水で『洗って』いるので,水田で 毎年コメを栽培しても連作障害 がないのです)
ここが畑とは決定的に違うところです. 畑は 作物が枯れない程度に時々 散水していればいいだけなのですから,水田よりは圧倒的に農業用水が少なくて済みます.
実際に水田には どれくらいの水が必要なのかを推定してみると,10アール当たり2,000~3,000トンだそうです。 お米の平年収量(玄米)は、10アール当たり530kg なので;
なんと 茶碗1杯分のコメを作るのには,一升瓶 250本もの水が必要なのです[注].これほどの水を使えるのは 温帯モンスーン気候で雨量の多い日本ならではでしょう.
実際 日本ほどの多雨な気候ではない米国カリフォルニア州では,日本向けに輸出しようとコメが栽培されていますが,小麦畑よりは圧倒的に多量の農業用水が必要なので しばしば作付け不良に陥っています.
[注] 水の所要量が少ない,畑のようにコメを栽培する 陸稲(おかぼ)という方法もありますが,その収穫量は 10アールあたり216kg と,水田の半分以下になってしまいます.
水田とは これほどにも多量の水を要求するものなのです.
日本糖尿病学会は,4月に発行した『糖尿病診療ガイドライン 2024』で,食後高血糖抑制のためには 低GI食や食物繊維の摂取が有効である(同ガイドラン 第3章 [PDF] ) としていますが,もち麦や玄米を主食にしても それでも食後高血糖になる場合には どうすればいいのか 何も述べていません.
北里大学病院の 山田悟 糖尿病センター長は,それこそが『糖質疲労』なのだと主張しています.
ご興味のある方はご覧ください.
専門家
当たり前ですが,専門医とは 特定の医学分野に非常に詳しい医師です.ですが,専門以外の領分には あまり詳しくありません. この結果,ある患者の症状を診た時,専門医は【自分の専門の範囲内だけで】診断する傾向があります.
頭痛と発熱を訴えて来院した患者に;
イメグリミン(商品名:ツイミーグ; 住友ファーマ社)は2021年9月に発売されましたので,ほぼ3年近くが経過しました.この薬は下馬評ではユニークな特性を持っているとされてきました. 実際に全国の病院で使われるようになって,どんな結果が出ているのでしょうか? それを今回 学会の症例報告で探ってみました.
ご興味のある方はご覧ください.