先月行われた 日本糖尿病学会による専門医向けの講演会『第55回 糖尿病学の進歩』 では100本ほどの講演を聴講できました

通常 医師から患者向けには『かみ砕いた』,すなわち ごく簡単な説明しか行われませんが,この講演は その分野の第一人者が専門医を対象に講演するものですから,その内容は 質・量 ともに ありきたりの情報ではありません.

 

特に糖尿病と遺伝との関係については,総論から,歴史的推移,最新の知見に至るまで まとまって聞けたため,おおいに勉強になりました.

ところが,一つ 残念だったのは,そのようなレベルの高い講演会であるにもかかわらず,いまだに『昔は 日本では ほとんど糖尿病はなかったのに,この70年間でおそろしい勢いで増加した』という,このグラフを;

 

まだ講演スライドで出される先生がおられたことです.

この記事にも書きましたように;

 

 

【血糖値は高いが,まったく自覚・他覚症状はない】こういう人は 昔は『糖尿病患者』ではなかったのです.
当時の基準で『糖尿病患者』にカウントされる人は,どうしようもない口喝・疲労など 明らかに本人が異常と感じる自覚症状がある,あるいは 極端な場合は ひどい合併症で失明寸前などという人が あわてて病院に駆け込み,そこではじめて『糖尿病』と診断されていたのです.

 

(C) K-factory さん

 

1950年代といえば,そもそも血糖値を測定することすら大変な時代でした.

検査をするとしても,せいぜい患者の尿を試験管にとり,診察室の片隅で 医師自身が[ニーランデル法]により,尿糖反応の有無で推測していただけです.

 

(C) acworks さん

 

そんな時代ですから,現在のように『空腹時血糖値 XX以上は糖尿病』と言う診断基準すらありませんでした.血糖値を測る手段が普及していなかったのですから,これは当然です.

 

学校の定期健康診断で,尿糖試験紙で簡便に検査できるようになったのは1973年からです.
職場の健康診断で空腹時血糖値測定が法律で義務付けられたのは1998年です(実際には1970年代には,ほとんどの会社で血糖値を測定していましたが)

さらに 1999年には 糖尿病の診断基準が改訂され,それまでは『空腹時血糖値=140以上を糖尿病』であったのを 『同126以上を糖尿病』としました.
つまり,空腹時血糖値が130の人は,1998年に健康診断を受ければ『あなたは正常です』,翌年受診すれば『あなたは糖尿病です』となりました,当然『糖尿病患者』は激増しました.

ですので,『まったく何も症状がない糖尿病患者』が統計に含まれるようになったのは,せいぜい 1970年代からです(なので,上のグラフで その頃から『患者数』が急増しています).

 

それより以前の『糖尿病患者』は 現在の基準で言えば,『重度の糖尿病患者』です.

逆に現在の『糖尿病患者』のほとんどは.当時の基準では『まったく健康な正常人』でした.

 

『糖尿病が35倍になった』

これを素人が言うのならまだしも,れっきとした医師が,検査手段や診断基準などが 現在とはまるで異なる70年前の状況を一切無視(無知?)して,安易に『糖尿病が35倍に増えた』などと言うべきではないと感じました.

『昔の日本では糖尿病は少なかった』というのは,『江戸時代にはスマホ中毒の人はいなかった』というのと 同じくらいナンセンスなのですから.
 

『糖尿病が増えた』のは事実

ただし,仮に当時の日本人と現在の日本人とを 同じ基準で判定したとしても,昔よりも現在の方が2型糖尿病が多い,これは事実でしょう. 原因は『食の欧米化』だという人もいますが,それよりも圧倒的にこれでしょう


トヨタ自動車 生産台数推移
(C) トヨタ


自動車の普及により 日本人は動かなくなったのです.

 


 

 

 


薬の効き目を表すのに,英語の医学文献では EfficacyEffectivenessという言葉が使われます.どちらも日本語では『有効性』と訳されてしまうので,こうなってしまいます.

しかし,EfficacyとEffectivenessとは,かなり意味が違います.
 

Efficacyとは


理想的な条件,つまり純粋に薬の効き目だけを評価できる条件で測定された,薬の効き目です.

たとえば,

 

  • 年齢は20歳~59歳
  • BMIは25以上30未満
  • 糖尿病以外の罹病歴はなし
  • 血圧/コレステロール/肝機能/呼吸器機能/心機能などはすべて正常
  • 空腹時血糖値が180から240までの
  • 成人男女(妊婦を除く)で構成された糖尿病患者


などという集団に,二重盲検でプラセボ(偽薬)または 糖尿病薬を服用してもらい,6ヶ月,12ヶ月,24か月後の 血糖値/HbA1cを測定した結果,プラセボと比較した血糖値/HbA1cの低下度合.

これがこの薬のEfficacyです.

 

臨床試験では,試験結果がまぎらわしくならないよう,できるだけ攪乱要因(=交絡因子)を排除するためにこういう条件で行います.

たしかにこれなら 薬の効果を純粋に評価したことになるでしょう.
ですので,Efficacyは 『(理想的条件での)効能』と訳すのが適切だという人もいます.

 

 

Effectivenessとは

一方Effectivenessは,病院やクリニックで,実際の患者に投与して,どれくらい役に立つのかを指します.

臨床試験と異なり,病院を訪れる糖尿病患者は多種多様です.
多くの場合,高血圧や高脂血症を併発している人もいるでしょう.年齢も1桁の子供から100歳近い超高齢者まで,さらに病院に来るぐらいですから,血糖値がとんでもなく高い人だっています.

そういう人達に『あなたはこの薬の臨床試験に参加した人とは条件が違い過ぎるから,この薬は出せません』とは言えません.
理想的な条件では『効能』が確かめられているのだから,『多分効くだろう』と信じて投与するのです.

したがって,Effectivenessは『(実用的)有効性』という意味です.

以上のことから,EfficacyEffectivenessで かなり数字が異なることは珍しくありません.

臨床試験で HbA1cが 1.5%低下させる『効能』が確認された薬でも,実際に 発売されて全国の病院で広く使われてみると,平均的にはせいぜい HbA1cは 0.5%しか下がらなかった,ということはよくあります.

 

しかし これは 試験方法が違うのでしかたありません. その薬は,どんな条件でも同じ効き目を発揮するのではなく,特定の層でのみ最大の薬効を出せるものだったのでしょう.
 


DPP-4阻害薬も,発売前は かなり強力にHbA1cを下げるだろうと期待されていましたが,実際にはそれほどめざましい効果はありませんでした(ただし,「禁忌」や「慎重投与」などの制約がほとんどないので,予想以上によく売れました).

日本語の医学文献を読んでいると『この薬の有効性が確認された』という文章があり,はて これはEfficacy『効能』のことか,はたまた Effectiveness『有効性』なのかと いつも悩まされます.


 

 

 

 


最近は病院に行くのも 健康診断だけになりました.(ワクチン接種が始まれば,久しぶりの病院かも)

で,ロビーで会計のアナウンスを聞いていると,ほとんどは受付番号だけで呼び出していますが,たまに 患者の名前で呼ぶところもあります.

 

(C) Cranberry さん


『ぞるば 様,会計2番窓口にお越しください』

『様』をつけられると,後ろを振り返って 誰の事かいなと思ってしまいます.

診察中でも『患者様の今回の検査結果は これこれで』などと えらく丁寧な口調の医師もおられます.

しかし,私の感覚では 医師は『患者様』などと持ち上げる必要はないと思います.
医師と患者との関係は,サービス業のそれではないからです.

この記事で,『患者は機長で,主治医は副操縦士』と書きましたが,それは あくまでも自分に関する決断は 自分自身がイニシアティブを取るという意味であって『患者が上,医師が下』という上下関係ではありません.

逆に『患者は黙っていろ』のように,『医師が上,患者が下』という上下関係であるとも思いません.

患者は ひょっとすると命がかかっているかもしれない診療・治療を医師にゆだねるのですから,依頼する側です.
医師・弁護士・税理士・公認会計士 など,高度専門職の人に依頼する場面においては,依頼側が医師を『先生』と呼び,医師が患者を『患者さん』と呼ぶのは,社会人の礼儀として それでよいと思っています.

なまじ『患者 様』などと持ち上げるから,病院のロビーで 自分の勘違いを棚に上げて怒鳴り散らす トンデモ老人が出てくるのです.
 

時々新聞に,こういう見出しが躍ることがあります.

そんな 驚異の新薬が出たのなら 医学専門誌や学会でも大騒ぎになるはずだが,と思って 報告された臨床試験の報文を探してみると
 

有意差がみられた

たしかに

 

新薬Xは,従来薬Aに比べて 有意に血糖値低下効果が大きかった

とありました.
ただ,そのデータを見ると,ものすごい効果というわけではないのです.

 

 

100人で調べて

仮に その新薬Xと従来薬Aとを,それぞれ100人に服用してもらい,血糖値の低下に差があるかどうかを調べたとします.
その結果は こうでした

この場合は『有意差なし』です.

たしかに 新薬Xの方が 『効果あり』の数が,従来薬Aを上回っていますが,その差はわずかです.
しかし,問題はその差ではなくて,データのバラツキ(=棒グラフの上下に伸びるヒゲ)を考慮すると,両者はかなり重なっているので,本当に差があるとは断定できません. これが『有意差なし』です.

 

 

 

 

1万人で調べたら

しかし,同じ試験を 新薬X,従来薬A,それぞれ1万人で調べたらこうでした.


この場合は『有意差あり』です. なぜなら両者のデータのバラツキ範囲は重なっていないからです.したがって,この大規模試験により『新薬Xは,従来薬Aよりも効能が高いと証明された』と報道するのは 間違いではありません.

ところが,これら二つのグラフを見比べてください. 新薬Xがよく効くとはいっても,それは従来薬Aに比べて わずかな差なのです.それは100人でも1万人でも同じでした.
 

つまり『有意差がみられた』とは文字通り『それとわかるほどの差があった』(より正確には「差がない」とは言えなかった=【帰無仮説の棄却】)というだけであり,それ以上の意味はないのです.
 
『効能に有意差があった』=『効能にものすごい差があった』ではありません.


もちろん,すべての新薬がこうだというわけではありませんので,念のため.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 脂質を減らせ
  • 肉より魚を食べろ
  • ヘルシーな食事とは,低脂質・低カロリー食のことである

 

10年前くらいは,日本糖尿病学会(=主として糖尿病専門医が参加する学会)や日本病態栄養学会(=主として管理栄養士が参加する学会)に参加してみると,食事療法については このスローガン一色で塗りつぶされていました.

実際,私が 自分の糖尿病に気づいた時 ,紹介された病院の管理栄養士さんは 開口一番:

『肉と揚げ物は毒です』

とおごそかに宣言しておりました.

しかし,ここ2,3年 雰囲気は少し変わってきています.
それは高齢者のフレイル(虚弱),サルコペニア(筋低下)が増加してきたからです.これらに認知症まで加わると,医療/福祉介護/家族の負担 すべてにおいて,大きな社会的コストが発生します.

 

(C) いらすとや さん

 

極端な話,高齢者が対象の場合は『健康的でバランスのとれた食事』など もはやどうでもいいのであって,『フレイル・サルコペニアに至らせない食事』が最優先なのです.

 

今年の管理栄養士 国家試験に出題された例は,まさに このことをストレートに表現しています. 医療費・介護保険費用の膨張に音を上げた厚労省は,『本人の食が進むなら,飽和脂肪酸を50%含むバターであっても,好きなだけ食べさせなさい』と言っております.

つい最近日本糖尿病学会が発行した 『高齢者 糖尿病治療ガイド 2021』には,こんな例まで出されています.

(C) 日本糖尿病学会

 

2型糖尿病で服薬中の80歳男性
  • 身長 152cm:体重 42kg: BMI=18.2
  • 握力 19kg :歩行速度 0.6m/秒 :BIA骨格筋量指数(SMI) 5.95kg/m2
  • eGFR 75.6 : 尿アルブミン値 14.1mg/gCr


握力,歩行速度,SMI すべての指標からみて,完全なサルコペニアです.
『高齢者 糖尿病治療ガイド 2021』p.48では,この男性に最適な 食事として

  • 1,700kcal/日
  • タンパク質= 70~85g/日 (1.2~1.5g/kg/日)


を推奨しています.

ところが,従来の食品交換表では,この人の『理想の食事』はこうだったのです.

  • 1,270kcal/日
  • タンパク質= 51g/日 (1.0g/kg/日)


もしも従来の食品交換表通りの食事であれば,この男性は確実に寝たきりになってしまうでしょう.
 

ギア・チェンジ

『メタボによる肥満』から高血圧・高脂血症・糖尿病 に至るのは,中年までの話です.
高齢者に 若者・中年と同じ基準を画一的に適用してきたのが過去の学会でした.

若者が,高速道路をエンジン全開・6速でぶっ飛ばすのは結構でしょう.
しかし,高齢者は 山道・坂道にさしかかったようなものですから,ギア・チェンジして,2速でゆったりと走るべきなのです.

 

 

 

クリニカル・イナーシャ(Clinical Inertia)の『イナーシャ』は『慣性』です.

初期の蒸気機関車は非力だったので,蒸気シリンダーの上下の動きそのままに ガックンガックンとしか動けませんでした. そこで蒸気ピストンは直接 車輪を駆動するのではなく,『はずみ車(フライホイール)』にまず動力を伝え,安定に回転する 『はずみ車』のパワーで滑らかに走らせていました.この巨大なはずみ車の慣性を利用していたのですね.


Trevithick's の蒸気機関車
(C) Wikipedia


クリニカル・イナーシャとは,ちょうどはずみ車が一旦回転を始めたら 急にはとまらず長時間一定回転速度で回り続けるように,『ある治療法を決めたら,いつまでもそれを変えない』という悪い意味で使われます.

はずみ車に正回転・逆回転があるように(あるのか?),クリニカル・イナーシャにも,2つの方向があります.

  • 病態が悪化して治療を強化すべきなのに強化しない,
  • あるいは 病状が改善して治療を緩和(ex. 投薬量を減らす)すべきなのに,見直さない.


つまりそれまでの治療法をダラダラと継続してしまうことを指します.

前者の例としては,インスリンを早期から使えば 合併症に至らなかったかもしれないのに,『なんとか経口薬だけで』とタイミングを失してしまうケース.


そして後者の例としては,老人に30年間もSU剤の投与を続け,しかもその投与量を見直さなかったため,加齢により腎機能が低下して 実質的にSU剤が高い血中濃度になってしまい,頻繁に低血糖を起こすようになった,などという症例です. これは 毎年学会で問題になります.参加している専門医からも,『まだこんなことをしている医師がいるのか』という声が上がるほど.

しかし,クリニカル・イナーシャの責任の一端は 患者にもあります.
自分のことなのですから,これまでの経過と現状からみて 現在の治療は 最適なのか,見直す必要がないのか,患者自身も常に自問すべきだと思うからです.

 

この記事の続きです.

 

 

ティーチング(teaching)とは

正しいことはただ一つなのだから,教える相手が一人でも百人でも同じこと.病院の糖尿病教室はこのスタイルです.
たしかに『糖尿病とはどんな病気?』という初歩論・基礎知識教育なら,これでいいでしょう.

 

(C)kotoneさん

 

ただし現在ほとんどの病院の患者教育で教えられている『糖尿病の食事療法は必ず食品交換表に従いましょうね』となると疑問がわきます.
日本糖尿病学会が『食事療法は個別化すべき』というガイドラインを出した現在,大勢を集めてどのように『個別化食事療法』を一斉教育するのでしょうか?

いじわるな言い方ですが,『つべこべ言うな.これが正しいから黙って従え.  こら,そこの患者! 自分の頭で考えるんじゃない!』がティーチングです.

医師が患者に言うならまだしも,『この方法で糖尿病を克服した』(と思っている)糖尿病患者が,上から目線で 他の患者に教訓を垂れるのも,最悪のティーチングですね.
 

コーチング(coaching)とは

これに対してコーチングとは,患者に『自分で考えて,自分で答えを出してもらう』方式です. 当然多数を集めて一斉にコーチングなどできません.基本的にマンツーマンしかありません.

 


(C) asakuracさん

ただし,学会などで症例報告を見ておりますと,このコーチングにも二通りあるようです.

一つは,『患者さんにじっくり考えてもらい,【正しい答えに】自分で到達してもらう』,これこそコーチングだ,それでうまくいった,よかったよかったという症例報告です.しかし,これって 上のティーチングと何も変わらないんじゃないでしょうか.

つまり正しい答えはただ一つであって,その点においては 上のティーチングと同じです.ただそれを『自分で見つけてもらう』ことに意味がある,そのプロセスが大事なのだという考えです. そこに意義があることは認めます.

しかし,私の考えるコーチングとは,正しい答えは その人ごとに違っていても当然という考えです
もちろん,『糖尿病はこの水晶の玉をなでれば 必ず治る』 などという非科学的な結論を出してもそれに賛成するという意味ではありません. そうではなくて,患者がゼロから考えて,『【自分なりの答えに】自分で到達してもらう』,つまり その患者自身だけの解答を見出してもらうというものです. それは 教える側から見れば,不本意なものかもしれません.

しかし『個別化』とは 結局そういうことだと思うのですよね.
特に 本人にとってベストの食事療法や運動療法は,人によってまるで違っていても当然と思います.

 

ウサイン・ボルトの走る姿をビデオに撮って,そのフォームを正確にまねすれば 誰でも100m 9秒台で走れるわけではありません. その人の筋力・体力を見定めて,『その人にとって 最高のタイムが出せる 合理的なフォームを提案する』,これが真のコーチングだと思います


Usain Bolt


かなり以前の日本糖尿病学会で,地方の開業医の先生が,『私は すべての糖尿病患者を一人一人教育して,玄米食を実行するように指導している.玄米食だけで糖尿病は治せる. これが最善の食事療法だ』と大演説をぶっていましたが,これは『コーチングのようで,実はその正反対』だと思います.


(C) カタテマデザイン室さん

 

関西のカルチャーは『秘密のケンミンShow』でも面白おかしく紹介されています. 関東の人からみると 皆同じに見えるかもしれませんが,ひとくちに関西と言ってもそれぞれ独特の文化があります.

神戸っ子:「ええカッコしぃ」です.たしかに何をやってもスマートです.

 

京都人:「ぶぶ漬け」や「帰りに寄っとくれやす」など,古都千年の歴史に裏打ちされたイケズの文化があります.

 

滋賀県民:すぐに『琵琶湖の水 止めたるぞ』と脅迫します.

 

大阪人:『おまえ アホやなぁ』と言われると,実にうれしそうな顔をします.しかし 東京弁で『君,馬鹿だね』と言われると怒りだします.

また 大阪人は『相手がボケたら すかさずツッコむのが,人間として最低限の礼儀』という考えなので,大阪では医師と患者の対話もすぐにこうなります

専門医:次の方どうぞ. おや初診ですな.どうぞお楽に.

患者:この病院初めてなんで,えらい緊張しますわ.

専門医:はあはあ,キンチョーいうたらあれでっかいな,くるくると渦巻いてて,火ぃ点けると蚊が落ちる...

患者:先生,それは金鳥蚊取りやろっ!

 

(C) 金鳥

 

大阪の医師の先生方,これ読んでたらすんまへん.

 

Ameba IDを取得すると 自動的にブログが作られることを知らず,偶然生まれた この【別館】は,ちょうど1年前の本日 始まりました.

 

 

ブログ【本館】は,10年来収集してきた 糖尿病に関する医学文献の整理のための抄録や,日本糖尿病学会日本病態栄養学会などへの参加感想を記録することが目的で,独自ドメイン/広告 いっさいなし で運営しております.

 

一方 こちらは気楽に思いついたことを 適当に書き散らして参りますので,よほど お暇な方は 今後もよろしくお付き合い願います.

 

亭主敬白

進化論と考古学には共通点があると言う人がいます(→ぞるばのことです).
 

進化論と考古学の共通点

進化論も考古学も,どちらも

『プロとアマチュアの間に絶対的な格差はなく,対等である』

という共通点です.というのも,どちらも簡単に『定説が覆る』からです. しかもそれが往々にしてアマチュアの手によって.

 

素人でも子供でも ひとつ新しい化石(又は 遺跡)を掘り出せば,それまでの定説など いとも簡単にひっくり返ってしまいます
 

進化論では

 

中生代に日本列島は海底だったので,日本に恐竜の化石は存在しない』というのが長らく定説でしたが(私もそう教えられました),1982年に 福井県の中学生少女が恐竜の歯の化石を発見して 簡単に定説が覆されました.

したがって,私が『始祖鳥は 本当はこんなにカラフルだった』という説を 唱えても,誰も否定できません(肯定もできないでしょうが).



(C) みょうち麒麟さん

 

 

考古学でも


また,考古学でも『学会の定説』は 簡単にひっくり返ります.
昔の教科書には,

青銅器時代の日本には, 銅鐸文化圏と 銅剣・銅矛文化圏の2つが存在していた

と書かれていたのですが

 


井上光貞 『日本の歴史Ⅰ 神話から歴史へ』1973
(C)中央公論新社

 
それは1980年代に 島根県の荒神谷,加茂・岩倉遺跡から,銅鐸・銅剣・銅矛が同時にしかも大量に出土したので,誤りだったとあっさり証明されてしまいました.

荒神谷遺跡 銅剣出土状況

 

 

 

そして糖尿病も


上記の2つに比べれば,糖尿病の『定説』なるものは,更に脆弱に見えます.
なにしろ糖尿病の名称すら,コロコロと変わってきました.

『小児糖尿病』→『インスリン依存型糖尿病』→『1型糖尿病』

『2型糖尿病』に至っては,名称の変化もさることながら,本当に『2型糖尿病』という1つの病気が存在するのか? と根本的なところから疑問が出されているほどです.

 

 

プロの知識と経験とは,もちろんアマチュアである患者よりも多いでしょう.

 
しかし 今や SMBGやリブレの登場により,糖尿病患者のデータをもっとも豊富に有しているのは,主治医よりも患者本人のことも珍しくありません.  ここでも プロとアマは対等であると思っています.