塩椎神

ようこそ!!

好きなことを好きなように好きなだけ発信してます。

新地亜紀と同居人みっちゃんです。

いつもご訪問ありがとうございます。

*・・・*★*・・・*★*・・・*★*・・・*

塩椎神ーしおつちのかみー
『日本書紀』では、　塩土老翁ーしおつちのおじー
　　　　　　　　　　　　塩筒老翁ーしおつつのおじー　
別名　事勝国勝長狭神ーことかつくにかつながさのかみー　と表記。

神名の「シオツチ」は、「潮つ路」で、潮流を司る航海の神で、
海水から塩を作る、製塩を伝えた神でもあります。
「オジ（老翁）」という神名は、
賢者・仙人・知恵者といったイメージから付けられたもので、
老翁の姿で表される事が多いようです。

古代、貿易が盛んに行われた時代、
海は、新たな世界や、異界へと繋がる路でした。
海原を安全に渡る為には、風や雨などの天候・地形・星の位置・潮の流れを知る必要がありました。
その情報を持っているかどうかで、命が左右されたのです。
そして、航海をすることで、土地や、植物、動物などを新たに発見し、
富を生む可能性が高かったのです。

塩椎神は、そんな大事な情報そのものを、神格化した神でもあったようです。

また、塩椎神は、海の神であると共に、新たな世界への道標として、
『記紀神話』では、三度も登場しています。

『古事記』では、山幸彦が、海幸彦の釣針を無くし、
途方に暮れているところに現れ、
「虚空津日高ーそらつひたかー ( = 空から来た王子又は皇太子 ) が、何を泣いているのか？」
と尋ね、訳を聞くと、无間勝間ーまなしかつまー ( = 目の隙間なく堅く編んだ竹籠 ) の小舟を作り、
「良き路を知っている。
その潮の路に乗って行くと、綿津見神の宮に着くから、
庭の湯津香木ーゆつかつらーの上に登りなさい。
すると、娘が見つけてくれるだろうから、相談しなさい」
と、送り出してくれます。

『日本書紀』でも、同じ場面で登場しますが、
こちらでは、途方に暮れて悲しんでいる山幸彦が、
罠に掛かって苦しんでいる川雁を見つけ、
解き放ってやると、塩椎神が現れることになっていて、
より、『浦島太郎』の基になった逸話らしくなっています。

他にも、『日本書紀』の天孫降臨の場面で、
日向の高千穂の峰に天降った邇邇芸命が、
笠狭崎に至った時、事勝国勝長狭神が登場し、
邇邇芸命に、自分の国を奉っています。
( 『日本書紀』の一書では、事勝因勝長狭神の別名が塩土老翁で、
伊邪那岐命の子であると記されている )

神武東征では、国覓ーくにまぎーに際して、
塩筒老翁が、東に良い土地があると言ったことから、

神武天皇は東征を決意した。となっていて、
登場人物に情報を提供し、とるべき行動を示すという、
重要な役割を持っていることが窺えます。